猪瀬都知事“失言”後の東京五輪招致に必要なこととは……(玉木 正之)
4月29日から30日にかけて、例の猪瀬都知事の発言(NYタイムズの記事)の発言詳細がわかって来るに連れ、全身から力の抜けて行くような気持ちになった。
IOC(国際オリンピック委員会)は、立候補都市の招致活動関係者が競合都市を批判するような言動を固く禁じている(五輪招致都市活動規則第14条)。猪瀬都知事が、それを知らないわけがない。いや、彼は、そのことを、はっきりと認識していた。
今年の1月、BSフジの『プライム・ニュース』に出演したとき、私は、イスタンブールは同じ年の6月にユーロ(サッカーのヨーロッパ選手権)も開催しようとしており、続けて8月にオリンピックというスポーツ・ビッグ・イベントの連続開催は、かなり不可能なことを指摘した。
すると猪瀬都知事は、「立候補してる他の都市を批判することは、はっきりと禁止されてるからねえ……」と語った。この会話が本番中だったか、楽屋での話だったかは忘れたが、彼がIOCの招致都市活動規則を知っていたのは事実で、それだけにNYタイムスの取材での「失言」は、なるほどインタヴューがほぼ終わったあとの「雑談時」のものだったようで、気の弛みが招いたことのようでもあるとはいえ、余計に悔やまれる。
ニューヨーク・タイムズの2人のインタヴュアーうち、一人が日本人女性だったというのも「気の弛み」を招いた一因だったかもしれないし、日本人女性ならば、「猪瀬発言」がマズイ結果を招くかもしれないということを、その場で指摘してくれても良かったのに……と(東京五輪招致賛成派としては)思わないでもない。
しかし、東京五輪招致の支持率が70パーセントを超えたとはいえ、今年1月の朝日新聞が躍進するトルコ経済とイスタンブール五輪招致の活動を大きく報道したのをはじめ、日本のメディアやメディアに関わる人々の「東京五輪招致」への支持は、けっして「熱い」ものではない。「反猪瀬派」のマスコミ人や都庁関係者も、けっして少なくはない(と聞いている)。
もっとも、そのくらいのことは猪瀬都知事も十分に御存知のはずだから、あらゆる場所でのあらゆる発言には、より慎重になってほしかった。
とりわけ、宗教というsensitiveな話題での次の発言は、「気の弛み」では済まされず、「差別視」を疑われても仕方ない発言とも言える。“Islamic countries, the only thing they share in common is Allah and they are fighting with each other, and they have classes.”(イスラム諸国が共有しているのはアッラーだけで、お互いに喧嘩しているうえ、階級がある)
この発言は、キリスト教諸国や仏教諸国も似たり寄ったりであることを思えば、イスラムに対する差別発言と言われても反論はできないだろう。
さらに、次の発言も、イスタンブールやトルコへのリスペクトが感じられない上から目線の物言い、と取られても仕方ない。“I’m sure people in Turkey want to live long,” he added. “And if they want to live long, they should create a culture like what we have in Japan. There might be a lot of young people, but if they die young, it doesn’t mean much.”(トルコの人々も長生きしたいでしょう。長生きしたいのなら、我々日本のような文化を創るべきです。〈トルコは〉若い人が多いかもしれないけど、早死にしては意味がない)
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