JR山陰線:「空の駅」オープン 旧余部鉄橋の橋脚上に
毎日新聞 2013年05月04日 11時34分(最終更新 05月04日 12時34分)
兵庫県香美町のJR山陰線・旧余部鉄橋の橋脚上に県が建設していた展望施設「空の駅」が3日、オープンした。架け替えられたコンクリート橋脇にあり、約40メートルの高さからは日本海を一望できる。旧鉄橋の一部である橋脚は、27年前の列車転落事故の記憶とともに、1世紀近い歴史を刻んだ遺産として後世に姿を残す。
空の駅はJR余部駅に隣接し、橋脚3基を活用。展望スペースは全長68メートル、幅3メートルで直下が見える窓も設けた。1912年開通の鉄橋は高さ41メートル、長さ310メートル。86年12月に強風にあおられた回送列車が鉄橋下のカニ加工工場に転落して6人が犠牲になった。
付近の山陰海岸は10年10月、自然の公園「世界ジオパーク」に認定されており、3日の完成式典に出席した余部連合自治会の山本美津男会長(68)は「事故は忘れてはいけないが、地域のみんなで空の駅を盛り上げたい」と話した。空の駅開門は午前9時〜午後9時半。【柴崎達矢】