ソウル大が運営する公認英語能力試験「TEPS」の定期試験で不正行為の疑いがある受験者が平均10人余り摘発されていることが分かった。
ソウル大は昨年11月にTEPSの不正受験が明らかになった4人を警察に告発した。ソウル大によると、当時採点を行った結果、不正受験者の答案は誤答を含め共通性が高かったという。
ソウル大関係者は「採点の過程で答案類似度測定システムが自動的に作動し、定期試験では不正行為の疑いがある受験者が通常10人余り見つかる。警察に告発した4人もその過程で発覚した」と説明した。TEPSの定期試験は年15回程度実施されているため、年間で平均150人が不正行為に及んでいる計算になる。ソウル大は「不正行為を未然に防ぐための対策を強化し、事後であっても必ず突き止め、不正行為を根絶したい」との立場だ。
ソウル大によると、不正行為の疑いは20-30代の学生、就職準備中の受験生に集中している。大学側の独自調査に対し、不正受験者は「不正行為をあっせんする組織に金銭を払い、スマートフォン(多機能携帯電話端末)で正答を流してもらった」と話しているという。不正行為で受験生はTEPS試験の「1級」に相当する800点台のスコアを上げていた。1級は「外国人では最高レベルに近いコミュニケーション能力」があると見なされる。
国際コミュニケーション英語能力テスト(TOEIC)を運営するTOEIC委員会は「(先月の摘発事例以外に)不正行為を摘発したことはない」とした上で「不正行為を事後であっても突き止めるシステムを備えている」と説明した。TOEIC委は受験者のスコアが以前の点数よりも50点以上上昇するなど不正行為が疑われる場合、個別に受験者を呼び出し、再試験を実施している。TOEIC委は再試験の結果、近いスコアが出れば実力だと認定するが、スコアが顕著にかけ離れているケースには不正行為と判断している。
TOEICとTEPSの試験不正事件を調べているソウル冠岳署は、逮捕されたK大学ロースクール(法科大学院)の学生(29)が法律知識を悪用し、依頼者が立件される前に、法的な助言を行っていた疑いを強めている。また、容疑者の一部は自分の身分を「学生」「無職」などと大雑把に説明したり、黙秘権を行使したりしており、取り調べは難航しているという。