二回に西岡のファウルが当たりそうになり、避ける三走・福留(撮影・白鳥恵)【拡大】
(セ・リーグ、阪神14-3ヤクルト、7回戦、阪神5勝2敗、3日、甲子園)向かってくる白球を三走・福留は体を回転させながら、かろうじて避けた。西岡に“フェアゾーンに打てよ”というジェスチャーをしながら起き上がった。そのときにはすでに右足が悲鳴を上げていた。我慢の限界。西岡が倒れ、二回を終えると指揮官に出場続行不可能であることを訴えた。
「ライト、福留に代わりまして、伊藤隼太-」
7点リードといえども、試合はまだ序盤。アクシデントを意味するアナウンスに聖地がどよめいた。四回のヤクルト攻撃時。福留は、報道陣が鈴なりで待機する一塁ベンチ裏へ広報とともに現れた。問いかけに対し、「監督(に聞いて)」とポツリ。そして「打球が当たってはいないか?」という質問には首を振るだけだった。
リュックサックを右肩でかつぎ、早足で階段を上る。最後まで立ち止まらなかった。しばらくして福留の後を追った杉本チーフトレーナーも「私からお話できることはありません」と厳しい表情だった。
「打席の中で足をひねったということなんで」
和田監督は試合後、説明した。関係者によれば勝ち越しの中前適時打を放った一回の打席で右足に違和感を覚えたようだ。福留はその後、クラブハウスで治療したが、病院には向かわなかった。指揮官は「トレーナーにみてもらったけど『明日はいけます』という報告だった。大ごとじゃない」と軽症を強調し、4日の第2戦の出場を示唆。だが、予断を許さない状況であることは間違いない。
この日、福留は6番に降格。虎将は「左投手に対して、率が悪かった」と試合前までの対左打率・105(対右同・192)が理由と明かしたが、汚名返上とばかりに左腕の石川から「H」ランプを灯した。しかし、暗転。まさに厄日ともいえる1日だった。
一夜明けての回復具合が心配される。スタメンかベンチスタートか、それとも…。不屈の精神を祈るばかりだ。 (阿部 祐亮)
(紙面から)