佐藤－シーサケット／ラウンド詳細

＜プロボクシング：ＷＢＣ世界スーパーフライ級タイトルマッチ＞◇３日◇タイ・コンムアスリ・ボクシングアリーナ

　王者佐藤洋太（２９＝協栄）が３度目の防衛戦で同級８位シーサケット・ソールンビサイ（２６＝タイ）と対戦、８回ＴＫＯで敗れ防衛に失敗した。佐藤は持ち味のフットワークを完全に封じられ、コーナーに追い詰められ棒立ちになる場面が目立った。７回の残り１分からはラッシュを浴び、８回１分２３秒、ついに試合を止められた。これで日本人のタイでの世界戦成績は、１８戦０勝１７敗１分けとなった。

＜１回＞

　ゴングが鳴ってからすぐ打ち合いに。飛び込んでくるシーサケットを左右のジャブでさばく佐藤。スイッチのシーサケットはこの回はサウスポー。佐藤は打ち合いには応じず、左右のジャブで相手の動きを止める。終盤、シーサケットの大振りに捕まりロープ際に下がる場面も。

＜２回＞

　この回もシーサケットが前に出てくる。佐藤は距離をつかめず、打ち合いに応じてしまう場面も。ロープ際に下がるとパンチをもらってしまう。シーサケットに捕まり、防戦になる佐藤だが、カウンターで反撃する。じりじり距離を詰めながら大振りしてくるシーサケットに、佐藤はロープ際に追い詰められ棒立ちになる場面も。カウンターで返すものの、シーサケットを止められない。

＜３回＞

　佐藤は接近戦を嫌がり手で相手を止め、レフェリーから注意を受ける。佐藤は徐々に足を使い距離をつかみ始める。しかし、中盤からは接近戦になり佐藤はコーナーに追い詰められ、相手の強打に足を止められる。終盤も、佐藤は相手の連打にガードを固めただけで反撃できず、シーサケットのペース。

＜４回＞

　やはり冒頭からロープ際に下げられる佐藤、普段のフットワークが見られない。シーサケットの前進を止められない。１分４０秒、佐藤はスリップ。佐藤は上下に打ち分けけん制するが、シーサケットは変わらず前に出る。終盤、コーナーに追い詰められた佐藤、しつようなボディーブローにガードが下がり、顔面に被弾し始めたところでラウンド終了。公開採点は３７－３９が２人、３５－４０が１人でシーサケットがリード。

＜５回＞

　佐藤は足を使うのやめ、接近戦に応じる構えを見せる。ワンツーを当ててもダメージは少ない。シーサケットは手数が減ったものの、変わらず前に出てくる。佐藤のパンチを見切り、懐に飛び込んでコーナーに追い詰める場面が続く。

＜６回＞

　冒頭からコーナーに追い詰められる佐藤。クリンチで逃れる場面が多くなる。挑戦者はボディーに一点集中し、一発を狙っている。佐藤は反撃する場面も見られるようになってきた。手数が減ったシーサケットに対し、佐藤はジャブで応戦し嫌がらせる場面もあった。

＜７回＞

　冒頭から肩をつけての接近戦が続く。佐藤は序盤に比べて手数が増えているが、シーサケットの左右ボディに苦しめられる。佐藤のパンチが数発当たるとシーサケットはクリンチする。残り１分からはシーサケットが佐藤をコーナーに追い詰めラッシュを見せる。佐藤はダウン寸前まで追い詰められた。

＜８回＞

　シーサケットの勢いを止められない佐藤。ノーガードで得意のトリッキーな動きを見せ始めるが、１発もらうと足が止まり、コーナーに追い詰められる。１分２３秒、ついにレフェリーが割って入り試合終了。佐藤は王座から陥落し、３度目の防衛に失敗した。

　［2013年5月3日22時5分］