もう誰もが放射性物質が広範囲に渡って飛び散ったことを忘れようとしている。
しかし、福島第一原発事故が起きて1年以上経った今、首都圏を含めた東日本全土が非常に危険な状態になっていることが分かって来ている。
なんと、「高濃度放射能汚染物質が普通に落ちている」というのである。あなたが東日本にいるのなら、家の近所の道を注意深く見て欲しい。
黒いシミが点々としている場所はどこかにないだろうか。もしかしたら、それが高濃度放射能汚染物質の塊かもしれない。本当に、そんなものが「普通」にあるのだという。
首都圏は放射能まみれになってしまった
これは2011年の夏から「東京でも場所によってホットスポットのように線量の高い部分がある」と報告されていたものが、さらに悪化したものだと考えられている。
福島第一原発が爆発して原爆168個分のセシウムが爆発的に漏れたと報告されたのが2011年7月のことだ。
それからさらに漏れ続けているのだから、事態はもっと悪化している。
日本でもっとも人口の多い首都圏も例外ではなく、通勤・通学路で普通に数十万ベクレルの「黒い物質」が落ちているのだということが分かった。
2012年8月28日に放映されたインサイドアウトという番組でもこれが特集されており、それが非常にわかりやすく解説されている。
江戸川区篠崎駅周辺 8万2606ベクレル
葛飾区東金町路上 29万ベクレル
葛飾区水元公園中央広場 24万ベクレル
北区印刷局東京病院 8万8885ベクレル
東大 6万0581ベクレル
北の丸公園工芸館 9万1790ベクレル
皇居外苑 11万6334ベクレル
いったいこれは何なのかというほどの高線量の高濃度放射能汚染物質が至る所に落ちているとここで報告されている。要するに、首都圏は放射能まみれになってしまったのである。
すぐに自分の家のまわりを調べたほうがいい
この問題をずっと追っているジャーナリストの志葉玲氏は、この地面に落ちている黒いシミ、黒い物質が「路傍の土」「黒い藍藻」と呼ばれていると言っている。
これはいったい何なのか。
市議会議員の大山弘一氏はこれを東北大学に調査を依頼して調べてもらったところ、「藍藻(らんそう)」という微生物の可能性があるという答えが返ってきたそうだ。
では、藍藻(らんそう)とは何か。ウィキペディアにはこのような解説がある。
藍藻
藍藻(らんそう)はシアノバクテリア(藍色細菌)とも呼ばれる真正細菌の1群であり、光合成によって酸素を生み出すという特徴を持つ。単細胞で浮遊するもの、少数細胞の集団を作るもの、糸状に細胞が並んだ構造を持つものなどがある。また、ネンジュモなどの一部のものは寒天質に包まれて肉眼的な集団を形成する。
藍藻とは、植物の祖先のような非常に原始的な「細菌」であり、イメージとしては苔(こけ)に近いものだと言われている。
これが地面で増殖し、地表や雨水の中にある放射性セシウムを吸い取っており、こういった藍藻が集まっているところが高線量となっているようだ。
これもまだ諸説があって、絶対にそうだと言えないようだ。しかし、諸説云々は別にして、普通の通勤通学路にこんなものが落ちていて、しかも増殖している。
4000万人の住む首都圏で、普通に高濃度放射能汚染物質が落ちているというのは尋常ではない。とてつもなく不気味なことだ。
なぜこれが大騒ぎにならないのかというと、もちろん大手マスコミがまったく記事にしないからだ。
もうマスコミなどアテにならないのだから、どうなっているのか、あなた自身が今すぐ家のまわりの道を見て回ったほうがいい。「黒い藍藻」が見つかるかも知れない。
黒い藍藻の線量を測る女性。 |
子供も大人も、みんなそれを吸い込んで歩く
首都圏の数十万ベクレルも衝撃的だが、福島はもちろんそんなものではなくて、もっと凄まじいことになっている。
福島市杉妻町県庁敷地 314万8238ベクレル
鹿島区橲原山岸 343万0900ベクレル
二本松市亀谷 206万1446ベクレル
小高区金谷下釘野県道34号線 557万0000ベクレル
数十万ではない。数百万ベクレルなのである。福島はもはや人間の住む場所ではないのだが、依然としてそこには人が住んでいて、子供たちも普通に過ごしている。
いったいどうなるのかと青ざめてしまうが、政府は全体的に線量が下がったと非常に楽観的なようだ。
そもそも環境省では地表から50センチから1メートルの空間線量しか測っておらず、それで安心だと言われても何の意味もない。意味があるとすれば、そうやって大多数の国民を「騙せる」ということくらいだ。
ところで、放射性セシウムを存分に吸って高濃度になった藍藻だが、この藍藻は単細胞で非常に小さな顕微鏡大のものだ。
アスファルトやコンクリートや石畳のペーブメントの道路では、この黒い藍藻が乾燥して風が吹くと簡単に舞い上がる。そして、子供も大人も、みんなそれを吸い込んで歩く。
つまり、何でも口に入れる子供が危険で、土遊びをしない大人は安全だということはなく、みんな等しく危険の中に放り込まれているということになる。
食べ物は10ベクレルが口に入っても子供たちに影響があると言われている。しかし、日本ではそれが「100ベクレルまで問題ない」ということになった。
ところが、道ばたの「黒い藍藻」は数十万ベクレルあって、それが風の強い日には舞い上がって人々の呼吸と共に身体の中に入って内部被曝していくのである。
ところが、これがまったく報道されない。
高濃度の放射性物質を含む「黒い藍藻」 |
黙っていれば、問題を封殺される
もうすでに、東日本に住むというのはリスクの高い選択になっているのは間違いない。人口約4000万人を抱える世界有数の首都圏も同様だ。
しかし、「政府は何もしない、マスコミは何も報道しない、東電は賠償しない」という三重苦が日本を覆い尽くしており、さらにこのような絶望の中で原発再稼働が決められた。
今後、高濃度放射能汚染物質が普通に落ちているような危険な状況が改善されていくのだろうか。それとも、放置され、隠蔽されたまま、重大な問題が起きるまで「先送り」されるのだろうか。
国民を守ろうとする意識がまったくない政府の動きを見ていると、とことん放置される可能性のほうが高い。
「黒い藍藻」はその線量から言って、もう完全なる「放射性物質」そのものである。
本来であれば、マスクをかぶった専門の放射線取扱主任者がやってきて早急に除去しなければならない「危険物」なのである。しかし、こんな危険なものが放置されたままだ。
今でもそうなのだから、これからもありとあらゆる隠蔽工作や矮小化で情報は封じ込められる。
だから、東日本に住む人たちは、こういった危険なものをひとつひとつ取り上げて、そのたびに情報を拡散し、「何とかしろ」と政府や東電を突き上げなければならない。
黙っていれば、問題を封殺されて、最後に被曝して肉体損傷をするのは私たちだ。
あなたの家のまわりにもないだろうか? 注意して見た方がいい。 |
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