政治【産経抄】5月4日2013.5.4 03:08

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【産経抄】
5月4日

2013.5.4 03:08 産経抄

 憲法記念日の5月3日前後に新聞やテレビは、多かれ少なかれ憲法問題をとりあげてきたが、今年はいつもの年よりも改憲、護憲の色合いがくっきりと出ていたような気がする。これも日本に言論の自由があるありがたさで、大いに歓迎したい。

 ▼きのう、小紙や読売は真正直に改憲を主張した。一方、護憲派といわれる朝日、毎日の両新聞は「憲法96条の改正反対」で歩調をあわせた。96条は、憲法改正を国会が発議するために衆参それぞれ3分の2以上の賛成が必要とした条文で、改正の大きな壁になってきた。

 ▼小紙は、衆参過半数の賛成で発議可能になるよう改正すべきだとの意見だが、ひとつ残念なことがある。「護憲派」の新聞がそろって、憲法改正に関する世論調査の報道で、読者を惑わす手法をとったのである。

 ▼「改憲手続き緩和 反対54% 賛成38%」(2日付朝日)、「96条改正反対46% 賛成42%を上回る」(3日付毎日、いずれも東京版)。こんな1面の大きな見出しを見た素直な読者は、憲法改正に反対している人が多いんだなあ、という感想を抱くのではないか。

 ▼記事の本文には、「憲法を改正すべきだ」と答えた人が、毎日で60%、朝日でも54%を占めた、と書いているのに、小さな見出しにもとっていない。憲法改正への賛否が幹なら、各条文への賛否は枝であろうに。

 ▼見たくないモノは隠したい心情はわからぬでもないが、それでは情報操作といわれても仕方がない。ちなみに96条改正を唱えているすべての党は、国会が発議しても国民投票で過半数の賛成を得られなければ改正はできない、としている。「護憲派」の人々は、そんなに日本国民の判断が信頼できないのだろうか。小紙はもちろん、信頼している。

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