＜巨人5-4広島（3日）＞鯉の４番は見せ場を作った。１ー１と同点で迎えた５回二死満塁。打席に入った広瀬はホールトンの１ボールから高く入ったスライダーをとらえ、ライトフェンス直撃の走者一掃の二塁打。４ー１と試合を引っくり返し「ちょっと詰まったけど、チャンスに良い仕事ができた」と笑顔を見せた。

　直前に起きたアクシデントで周囲をヒヤリとさせた。３回、長野の打球をダイビングキャッチした際に左手人さし指を痛めた。プレー続行が危ぶまれたが、気丈に続けバットでも結果を示したのだ。エルドレッドが故障のため、チームを離れてから４番の座を守り続ける。

　同点に追いつかれた６回一死満塁の場面では、巨人・長野が放った深めの右飛をキャッチすると、本塁に矢のような送球を見せ、勝ち越しを防いだ。

　この日も強い責任感を示すことで、チームを引っ張った。

　一方、先発・久本は気合は十分の投球を見せ、４回２安打１失点で降板したが、２番手で出た今井が粘れなかった。５回に味方失策で１点を失うと、６回には３試合連続となる阿部の９号ソロを浴びた。さらに一死満塁の場面では打球処理をあせった一塁・松山の本塁悪送球も重なり、４ー４の同点に追いつかれる。結果として継投ミスが響き、延長で力負けした格好だ。

　東京ドームでは苦しい試合が続く。今季の開幕３連戦でも、接戦を続けながら２敗１分け。結果、巨人の開幕ダッシュの踏み台にされた。敵地で星を落とし続けては、悲願のクライマックスシリーズ進出も見えてこない。何とか意地を見せたいところだ。