カブレラはお気に入りの「ラーメン専科 竜」のチャーハンを食べながら「ベリーグッド」=ナゴヤドームで(金田好弘撮影)
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中日選手の食生活や、ここ一番での勝負メニューに迫る新企画「竜戦士のチカラめし」。第2回はここまで5試合で3勝1敗、防御率1.09と来日1年目ながら大車輪の活躍をしているダニエル・カブレラ投手(31)だ。勝ち星がリーグ2位タイで防御率が2位。活躍の源は、ナゴヤ球場とは目と鼻の先にある中日選手御用達「ラーメン専科 竜」のチャーハンだった。
高級ホテルよりも
いまやチームに不可欠なカブレラの食生活はどうなっているんだろう。こんな疑問を浮かべていると、ある情報をキャッチした。日本のチャーハンが好きらしい、しかも「ラーメン専科 竜」のチャーハンが。そこで試合のなかった練習日に取材を依頼。記者が特別にナゴヤドームまで出前サービスすると、予想以上の答えが返ってきた。
「これが好きなんだ。おいしいんだよ。日本でナンバーワンだ。ドミニカ(共和国)にも炒めたライスはあるけど、チャーハンはおいしいんだ」
日本でナンバーワンって…。他のチャーハンは食べた? って聞くと「あるよ。この前だって近所の店で注文したし、東京のホテルでも食べた。でもここが一番なんだ」。中日の東京の選手宿舎は誰もが知っている高級ホテル。そこ以上とは…。相当なお気に入りであることは判明した。
カブレラとチャーハンとの出会いは左ふくらはぎを痛めてナゴヤ球場でリハビリ中だった3月にさかのぼる。球団職員がチャーハンの出前をとると、感激しながら食べた。一瞬でとりこになったようで、翌日もその翌日も注文。定休日の木曜日や練習が長引いて昼の営業時間に間に合わなかったときは、じだんだを踏んで悔しがったという。それ以来、他店でも試すようになったそうだが、いまだこの味以上には巡り合えていないそうだ。
登板前日には注文
「ラーメン専科 竜」。ナゴヤ球場に隣接するラーメン店は中日選手の胃袋を支えてきたといっても過言ではない。今年7月で32年目を迎えるが、1軍戦がナゴヤ球場で行われていた時代は他球団の選手も注文。今でも若手のみならず多くの選手が利用している。ちなみにチャーハン(600円)は夜のみで昼は“裏メニュー”。中日選手限定で作られているが、カブレラがうなるだけの理由はあった。隠し味は自家製の背脂。これが濃厚な味を演出していたのだ。
「日本の料理は何でもうまいよ。ステーキ、ガーリックライスも大好き。でも、チャーハンが一番かな。食生活に不安がないから、これから優勝に向かって頑張るよ」
エネルギーの源である炭水化物を多く含んだチャーハンを試合前日に食べることを定番にしているというカブレラ。今後の活躍も期待できそうだ。 (兼田康次)
◆レシピ「ラーメン専科 竜 チャーハン」
材料(1人前):自家製チャーシュー 3〜4枚分、卵 1個、刻みネギ 一つかみ、ライス 1膳分、塩こしょう 少々、しょうゆ 大さじ1、自家製背脂 少量
作り方:(1)チャーシューを炒める。(2)卵を入れて炒める。(3)ライスを入れてポロポロになるまで炒める。(4)塩こしょうを入れる。(5)刻みネギを入れる。(6)背脂を入れる。(7)しょうゆを入れる。(8)お皿に盛り付ける。
カブレラの「チカラめし」チャーハンを作る吉田和雄さん=名古屋市中川区で
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選手仕様特別メニューあります
店主の吉田和雄さん(71)は元商社マンで脱サラしてラーメン店を始めたという。元高校球児でもあり名門・横浜商から法大に進学すると、学生監督として母校の指揮を執ったこともあるそうだ。だからこそ若手選手たちへの熱も入る。
「ここのラーメンを食べないと出世できないよってね。みんな頑張ってほしいと思っているよ」。30年以上も経営しているとあって、選手仕様の特別メニューも多くあるようす。代表的なものが仁村薫元外野手が注文した冷辛麺(850円)に麺2玉プラス刻みネギ多めという「仁村スペシャル」(1000円)で「ニムスペ」や「NS」と言われているそうだ。また、平田や浅尾、中田亮はラーメン用の麺を使った夜限定メニューの焼きそば(600円)が好物だそうだ。
◆ラーメン専科 竜
名古屋市中川区露橋2−15−53 (電)052(351)3278
営業時間:午前11時から午後1時30分、午後5時30分から午後8時
定休日:木曜日(ただし、ナゴヤ球場での2軍戦開催時は昼間のみ営業することも。「気まぐれです」と吉田さん)
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