活動状況

被災地の消臭消毒には消石灰よりEMが安全で効果的


 Uネット運営委員の高橋比奈子さん、岩手県世話人の鎌田真行さん、Uネット岩手の外山一則さんの案内で主に岩手県の宮古市、山田町、遠野市、大船渡市、陸前高田市、一関市の被災箇所を取材した。被災後2か月以上経過した時期なので、3月11日直後とは違う状況だが、被災の生々しさは大いに伝わってきたので、その現況と災害復興支援の状況を報告する。(被災地写真の詳細はUネットホームページに掲載)


大船渡市と陸前高田市で腐る魚をいち早く処分
岩手コンポスト
EM堆肥を運搬する岩手コンポストのトラック
EM堆肥を運搬する岩手コンポストのトラック
 大船渡市と陸前高田市では冷凍倉庫が津波で被災し、海産物の埋却処分が確定した。埋却地では、魚介類の悪臭が懸念されるため、岩手コンポスト(株)はEMによる悪臭対策を実行した。対処方法は、空き地に穴を掘りコスモグリーンを投入、そこに魚を入れEM活性液を散布する、さらにコスモグリーンを魚に被せ、その上に土をかけ埋却する方法である。3月下旬から5月末までの2か月強でEM活性液100トン、コスモグリーン2,300?を無償で投入した。腐敗と悪臭を防ぎ、市当局や漁協など関係者から感謝されている。さらに、岩手県立小友小学校を訪問し、塩害を受けた花壇の再生やトイレの悪臭対策のためにEM堆肥と活性液の使い方を直接指導してきた。


いち早く清潔に復旧した山田南小学校は臨時の病院に
山田南小学校長佐賀敏子さん(中央)と後藤嘉男会長他活動メンバー
山田南小学校長佐賀敏子さん(中央)と
後藤嘉男会長他活動メンバー
 山田町は行政の協力が行き届き、EMでの被災箇所の衛生改善が進んでいる。避難所である山田南小学校(佐賀敏子校長)と山田高校はトイレ消臭と床に付着したヘドロ等汚物の清掃にEMが使われている。特に山田南小学校は、校長先生が以前の学校でもEM効果を理解していたので使用に積極的。山田町環境衛生組合連合会の後藤嘉男会長や縄文野焼の窯元である井筒禎治氏らが中心となったEMによる環境浄化活動が功を奏している。避難場所の校舎や体育館内はヘドロの痕跡など全く見当たらない位清潔に保たれているので、2階教室全部が4月16日までは臨時の病院になっていた。


岩手県内へのボランティア派遣の中心は
遠野市社会福祉協議会

岩手県内の被災地へボランティア派遣 をする遠野市社会福祉協議会
岩手県内の被災地へボランティア派遣
をする遠野市社会福祉協議会
 岩手県災害ボランティアセンターの一翼どころか主翼を担っているのが遠野市社会福祉協議会のNPO遠野まごころネット(佐藤正一代表)であり、県内被災地のニーズを把握し、それに合ったボランティアの派遣を行っている。そのボランティアが被災地の消臭作業にEM活性液を使用している。多いときは1日600人も派遣している。これに係る遠野から被災地への往復のバス代など運営費は、遠野市の予算からではなく一般からの寄付で賄っている。


米国の国際援助団体「オールハンズ・ボランティア」が
住宅の床下消毒等で大活躍 
大船渡市
大船渡市の被災家屋の床下をEMで消毒清掃するオールハンズ・ボランティアのメンバー
大船渡市の被災家屋の床下をEMで消毒清掃する
オールハンズ・ボランティアのメンバー
 岩手県災害ボランティアセンターの一翼どころか主翼を担っているのが遠野市社会福祉協議会のNPO遠野まごころネット(佐藤正一代表)であり、県内被災地のニーズを把握し、それに合ったボランティアの派遣を行っている。そのボランティアが被災地の消臭作業にEM活性液を使用している。多いときは1日600人も派遣している。これに係る遠野から被災地への往復のバス代など運営費は、遠野市の予算からではなく一般からの寄付で賄っている。


ブナの木園も世嬉の一酒造も見事に復旧
一関市
 一関市を中心に障害者支援施設を多角的に運営しているブナの木園は、EMを清掃から農業にまで、多方面に使用している県内有数の社会福祉法人である。
この施設も地震の被害に遭い、浄化槽・グリストラップなど地下埋設物や駐車場に大きな被害が生じた。しかし、小野寺毅理事長はじめ職員・入所者・利用者の向上心と努力で、復旧しつつある。
EMビールの醸造元であり、江戸時代に創業した由緒ある蔵元の世嬉の一酒造(株)も酒蔵や醸造設備が地震で1か月以上の操業停止を余儀なくされた。国の登録有形文化財で東北一大きい土蔵も被害に遭ったが、現在、これを利用した併設の「酒の民俗文化博物館」・「いちのせき文学の蔵」やレストラン・売店も元どおり操業している。


活動状況

SPC地球環境部が支えるEM災害復興支援の大きな拠点
−栗原市−

 Uネット運営委員の高橋比奈子さん、岩手県世話人の鎌田真行さん、Uネット岩手の外山一則さんの案内で主に岩手県の宮古市、山田町、遠野市、大船渡市、陸前高田市、一関市の被災箇所を取材した。被災後2か月以上経過した時期なので、3月11日直後とは違う状況だが、被災の生々しさは大いに伝わってきたので、その現況と災害復興支援の状況を報告する。(被災地写真の詳細はUネットホームページに掲載)

栗原市に集結したSPC地球環境部
左からU-net石川県世話人でもある 泉崎さんとSPC地球環境部の皆さん
左からU-net石川県世話人でもある
泉崎さんとSPC地球環境部の皆さん
 震度が7だったという栗原市は、内陸のため津波の被害はなく、一見するとのどかな田植え前の田園風景が広がる。しかし、海岸沿いの状況を知り、栗原市在住のSPC東北地区統括の平野勝洋さんは、自社の美容師研修所の庭に、5トンタンクローリー車1台、10トンおよび5トンタンクを各2基、1トンタンク6基、ステンレス製糖蜜5トンタンク、百倍利器1基、農業用ビニールハウス1棟、コンテナ1基を具えて動き出した。宮城県下から要請があれば、ローリー車でEM活性液を搬送したり散布したりと忙しい。訪問した日(5月16−17日)には、SPC地球環境部13地区の代表約20名が平野さんの研修所に集結し、2011年度の活動計画の中でのEM活動を更に強化し、災害復興支援を継続することを決めた。
タンクローリー車からEM散布
タンクローリー車からEM散布
 第1回目の現地復興支援は、研修所卒業生で気仙沼市で理美容室を経営していた沼倉安男さんの要請で、気仙沼市神山川岸200メートル(港から約1Km地点)にEM散布し臭気抑制を目指した。川岸の土手を乗り越えた津波は道路までガレキで埋めた。今でも川原や水の中に、残骸が残っており臭気が出ている。初めてで状況が分からず、用意したバケツやジョウロ、小型噴霧器では太刀打ちできず、結局5トンタンクローリー車から放水。しかし、200メートルの25%くらいしかカバーできなかった。平野さんは、5人で2時間かかるが、タンクローリー車でこれから定期的に来てEM散布する予定と語る。沼倉さんの紹介で気仙沼市の加藤慶太副市長にも会い、EMでの支援を約束した。

EMプール清掃でインフルエンザ抑制期待
 コンテナを開けてボカシを見せる平野さん
コンテナを開けてボカシを見せる平野さん
 平野さんのEM歴は8年に及び、白鳥の飛来で知られる伊豆沼の浄化、源氏蛍の北限地である沢辺で蛍を呼び戻し、プールの清掃、EM米の生産を勧め、美容と健康と環境改善に努める。2009年冬のインフルエンザ流行時のこの地域のデータによると、プール清掃にEMを使った学校では学級閉鎖はたったの2日間であった(EM不使用の学校は4日間)。EM水田が広がれば、そこから立ち上がる水蒸気で空気も良くなり健康促進につながるだろうと笑いながら語る。

SPC地球環境部の2011年度EM活動計画

13地区にある培養器を活用し、美容室での洗濯や清掃にEMを使用し、学校のプール清掃でのEM活用も推進する。

毎月、全国の美容室中心に1万人参加のゴミゼロ活動をする時にもEMを使う。
災害復興支援でEM散布ボランティアを続ける。
紙芝居を使いEM普及に努める。





活動状況

ミニダム作戦、バケツクリーン大作戦など多彩な行動
気仙沼市の三陸EM研究会が学校や住民と協働した復興活動を展開中

行動の人、足利英紀さん
行動の人、足利英紀さん
 三陸EM研究会(気仙沼市、足利英紀代表)は、津波で自宅・事務所・店舗の一切を失い4日間放心状態にあったが、この緊急事態こそEMの力を発揮する時(同氏談)と、仲間たちへの弔意を胸に地域の復興活動に精力的に取組んでいる。
同氏の行動は、EMを中心に据え、遠大かつ着実なものなっている。因みに、行動の流れと対象は次の通り6段階に整理され、EMバケツクリーン大作戦(ステップ2)、学校プールをダムとしたEMミニダム作戦(ステップ4、6)等を企画し、住民、行政、教育委員会・学校・児童、ボランティアの参加を得て果敢に行動している。
こした活動を更に強化するため、U−ネットのEM災害復興支援プロジェクトからEM資材や動力噴霧器を提供している。

<EM活用による対策事例>(足利代表提供)
*ステップ1:避難所、安置所での悪臭・衛生対策。
       3月中にEM活性液、醗酵液、EMボカシなど投入済み。
*ステップ2:民家のトイレ、ヘドロ、布団、カビ対策。
       4〜5月中に実施済み。
*ステップ3:事業所、道路側溝の悪臭対策、果樹塩害対策。
       4〜6月に実施中。
*ステップ4:学校校舎、仮設住宅のシックハウス対策。
       6月以降に実施中。
*ステップ5:海水汚染の農地対策。5〜7月に実施中
*ステップ6:河川、海の浄化対策。5〜7月に実施中

(現地活動の詳細写真はU−ネットホームページ参照)

活性液の培養所。作戦行動日が表示されている
活性液の培養所。作戦行動日が表示されている










写真で見る宮城県内EM震災復興活動 石巻市地区
EM災害復興支援プロジェクトから提供されている動力噴霧器
EM災害復興支援プロジェクトから
提供されている動力噴霧器
 EMエコクラブみやぎ(及川良一事務局長)では、学校プール(10校)へのEM活性液投入、住宅地の洗浄、避難センターへのEM活用を地道に展開中。悪臭対策に効果があると、地域住民から好評を得ている(同氏談)。
いしのまき環境ネット(齋藤良樹環境部会長)では、環境U−ネットやまがた(五十嵐諒理事長)の応援を得て、EM活性液を動力噴霧器で民家や学校の校庭に散布するなど、悪臭・ヘドロ対策を次々と実施。実施した地域の区長から五十嵐理事長あての感謝状が届けられている。(作業状況の詳細はU−ネットホームページ参照)

仙台市宮城野地区の塩害・ヘドロ対策
 
鈴木有機農園(鈴木英俊代表)では、EM栽培中の水田5ヘクタールが津波で冠水。給水・排水設備が復旧していないため自前の井戸を掘り、1.5ヘクタールの水田にEM活性液とボカシを投入して塩害ヘドロ対策を進めている。公的データを採取中であり、EM対策の効果が期待されている。
本対策にも全国のEM仲間から寄せられている活性液とボカシが活用されている。

塩害・ヘドロ対策実施中の水田。 鈴木さん(左)とU-ネット小林世話人
塩害・ヘドロ対策実施中の水田。
鈴木さん(左)とU-ネット小林世話人
乾燥状態のヘドロの堆積状況。 乾燥前は約8〜10センチが堆積していた
乾燥状態のヘドロの堆積状況。
乾燥前は約8〜10センチが堆積していた










七ヶ浜町地区のEM海苔養殖場
 風光明媚な七ヶ浜町松が浜でEM活用による養殖海苔で全国的に知られている星博・陽子夫妻は、津波による被害が甚大で、港、船、養殖場、水田、車両など一切合財が流失。一時呆然としていたが、残材の集積と補修作業を続けながらEMによる海苔養殖と水田の復活を目指している。ここでも全国から寄せられているEM支援物資が役立っている。

流失した浜で呆然と立ち尽くす星夫妻
流失した浜で呆然と立ち尽くす星夫妻
残材を集めて作っている養殖いかだ
残材を集めて作っている養殖いかだ










名取市地区の花卉農園
 広大な農地と花卉農園が広がるこの地域は、海岸から押し寄せた津波で瓦礫とヘドロに覆われ、田園風景が一変している。ここでも、全国から寄せられたEM資材による土壌復活が進められている。。

比較的軽微な被害で収まった花卉園芸ハウス
比較的軽微な被害で収まった花卉園芸ハウス
甚大なヘドロ・塩害(EC測定値12)を蒙った花卉ハウス
甚大なヘドロ・塩害(EC測定値12)を
蒙った花卉ハウス















活動状況

被災地で大活躍 EM技術とボランティア
避難所や被災地の悪臭・衛生対策、農地の塩害・ヘドロ対策など幅広く

 2011年3月11日に東日本各地を襲った巨大地震と津波。千年に一度と言われる非常事態の中、善循環の輪で結ばれた全国のEMボランティア仲間が直ちに被災地支援の行動を起こし、三ヶ月が過ぎた現在も支援の輪を日々拡大している。福島、宮城、岩手の被災各地の現場から、支援活動の一端をお届けする。

福島第一原発地からの避難者1500人の生活拠点
福島第一原発地からの避難者1500人の生活拠点
ビッグパレット福島(昨年の善循環の輪・福島の集い会場)には、
原発中心地の富岡町、川内村からの避難者が長期滞在している。
また、同町村の災害対策本部(役場機能)も設置されている。
埼玉の戸田EMピープルネットから 郡山市に届けられた活性液2トン
埼玉の戸田EMピープルネットから
郡山市に届けられた活性液2トン

「放射能汚染はEMで改善を」と熱く語る 武藤信義U−ネット福島県世話人
「放射能汚染はEMで改善を」と熱く語る
武藤信義U−ネット福島県世話人


復旧活動を阻害する放射能問題
 福島県では、原発事故の収束見通しが立たない事から放射能恐怖が強く、災害復興作業の足取りも重い。因みに、いわき市四倉町では、計画的避難地域への指定は免れたが、避難センターや県外に仮住いする住民が多く、家々は歯抜け状態となっている(四倉支所談)。こうした状況は隣接市町村でも同様であり、放射能問題を抱えていない地域に比べ復旧復興への取り組みが遅れがちである。
 こうした中、四倉町では長谷川直恵区長会長を中心に、四倉支所の坂本次男市民課長(兼次長)の応援を得て復旧復興活動を必死に進めている。U−ネットのEM災害復興支援プロジェクトも、EM1・糖蜜(EMRO提供)、大型Pタンク(高萩市の佐川運送寄贈)、水中ポンプ(同)、小型Pタンク(SPC JAPAN寄贈)などの支援を通して応援している。

避難センターの悪臭・衛生対策に効果
 福島県南相馬市(人口約8万人)は、同市の一部が原発20キロメートル圏内に入っている事や放射能汚染の恐怖のため一時約7万人が地元を離れていたが、その後、約半数の住民が同市内の避難センターや自宅に戻ってきている(同市経済部發田榮一次長談)。
U−ネット福島県世話人の武藤麻央さんは、地元南相馬市の避難センター2箇所にEM廃油石鹸(遠藤かつゑ山形県世話人寄贈)とEM活性液(自家培養)を提供して悪臭の解消や衛生管理の向上に効果を上げ、避難者から喜ばれている。今後は、仮設住宅の本格稼動に併せ、トイレ、排水溝の臭いや衛生対策にEMを活用できるよう行政に積極的にアプローチしたい(同世話人)という。(被災地写真の詳細はU-ネットのホームページに掲載)




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