『ちはやふる』のカラー複製原画=福井市城東1の県立こども歴史文化館で
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競技かるたに打ち込む高校生を描いた人気漫画『ちはやふる』(末次由紀、講談社)の魅力と、「かるた王国ふくい」の歴史や達人を紹介する特集展示が、福井市城東一丁目の県立こども歴史文化館で開かれている。
福井は競技かるたが盛んで、クイーンや準名人など全国トップクラスの選手が輩出している。『ちはやふる』の担当編集者、冨沢絵美さんも、あわら市出身。かるた歴が長く、藤島高校時代にかるた同好会を立ち上げた経験を持つという。
漫画には、冨沢さんの経験が随所に盛り込まれており、主要人物の一人は福井出身という設定。冨沢さんが所属した大正時代から続くかるた同好会「福井渚会」も取材に協力している。
会場には、単行本のカラー表紙や福井が登場するシーンの複製原画五十点のほか、アニメ台本や非売品のTシャツなどの“お宝グッズ”も並ぶ。
かるたの歴史のコーナーには、江戸〜大正時代の百人一首二十五組がずらり。手描きや木版画などさまざまな種類があり、変遷が見て取れる。
江戸時代には上の句だけ書かれた札と下の句だけの札に分かれており、激しい競技でなく貝合わせのような遊び方をしたと考えられるという。現在の福井のかるたの達人の紹介パネルもある。
江戸時代の手描きの百人一首=福井市城東1の県立こども歴史文化館で
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アニメの放送は県内でも四月から始まっている関係もあって、客足は好調。愛知県など遠方からの客も多く、同館主任の長野栄俊さんは「ちはやふるを入り口に、福井のかるたの歴史、文化も知ってもらえれば」と期待を寄せた。
六月九日まで、観覧無料。関連企画として、五月三日には冨沢さんの「おはなし会」、二十五日には一流選手の実演、六月一日には福井出身で『ちはやふる』にも出演した声優安済知佳さんの「おはなし会」もある。いずれも事前の申し込みが必要。問い合わせは同館=電0776(21)1500=へ。
(林朋実)
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