4月の米非農業部門雇用者数は16.5万人増、失業率7.5%
[ワシントン 3日 ロイター] 米労働省が3日発表した4月の雇用統計は、非農業部門雇用者の増加数が前月比16万5000人で、ロイターがまとめたエコノミスト予想の14万5000人を上回る伸びとなった。財政の引き締めが経済に大きな打撃となるとの懸念が和らいだ。
失業率は7.5%と2008年12月以来の低水準だった。市場予想は横ばいの7.6%だった。労働人口は増加しており、失業率の低下は実際に雇用が増えたことを示した。労働力参加率は34年ぶりの低水準となる63.3%で横ばいだった。
3月の増加数は前回発表より5万人上方修正されて13万8000人、2月分も6万4000人引き上げて、2010年5月以来の高水準となる33万2000人となった。
CIBCワールド・マーケッツ(トロント)のエコノミスト、アンドリュー・グランサム氏は「全体として、米経済は当初一部指標に見られたほど弱くなっていないと言えそうだ」と話した。
ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズ(ワシントン)の市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は「今回の統計で、経済は全般的に懸念されているより底堅いことが示された」と話した。
ただ、統計の詳細を見ると、経済活動の減速と整合する部分もある。
建設部門の雇用者数がマイナス、製造業は横ばいだった。
平均週間労働時間は9カ月ぶり高水準から減少したが、時間当たり賃金は0.04ドル増えた。
アメリプライズ・フィナンシャル・サービセズ(ミシガン州)のシニアエコノミスト、ラッセル・プライス氏は「財政引き締めの逆風が吹く中でも雇用が持ちこたえており、経済のファンダメンタルズが改善していることを示す大変前向きな兆候だ」と話した。
4月の雇用者数は増加したが、失業率の大幅な押し下げに必要なペースを依然下回っている。
米連邦準備理事会(FRB)が資産買い入れ策を強化するとの観測が弱まる可能性はあるが、断念するほどの強い内容ではないとの見方も出ている。
プライス氏は「製造業活動や経済成長のペースなど一部の他分野でみられた弱さを完全に打ち消すほど、今日の統計は強くなかった。FRBは完全に政策を維持するだろう」と話した。
4月は民間部門の雇用者数が伸び、17万6000人増加した。3月に落ち込んだ小売部門の雇用が回復、2万9300人増加した。
ただ、建設業は6000人減と、11カ月ぶりに減少した。住宅建設は増加傾向にあり、雇用の落ち込みは例年になく4月の気候が寒冷だったことに関連している可能性がある。
政府部門は1万1000人減少、連邦政府や米郵政公社の落ち込みが大半を占めた。
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