新規客の数十億円を配当に流用か5月3日 18時44分
エムアールアイインターナショナルが集めた1300億円を超える資金が失われた疑いが出ている問題で、エムアールアイは新たに勧誘した客から、年間数十億円を集めて、以前からの客への配当に流用していたことが関係者への取材で分かりました。
証券取引等監視委員会は刑事告発を視野に調査を進めています。
東京・千代田区に事務所を置くアメリカの債権回収会社「エムアールアイインターナショナル」は、アメリカの医療関係の事業への投資として、日本の個人客から1300億円を超える資金を集めたとしていますが、関係者によりますと、客の資金を管理するアメリカの銀行口座には、資金はほとんど残っておらず、大半が失われた疑いが出ています。
この会社は、少なくとも2年前から事業を行っていないとみられていますが、この間も複数の経済雑誌に広告を掲載するなど投資の勧誘を続けていました。
関係者によりますと、こうして新たに勧誘した客から集めた資金は年間数十億円に上り、そのまま以前からの客への配当に流用していたということです。
証券取引等監視委員会は、事業がうまくいっているように見せかけるため、配当を続ける資金を確保しようと、うそをついて客を勧誘した疑いもあるとみて、金融商品取引法違反での告発を視野に調査を進めています。
今後の調査の焦点は
証券取引等監視委員会がエムアールアイインターナショナルの強制調査に入って1週間、1300億円に上る資金の流れを解明するのに、焦点となるのはアメリカでの調査です。
今回の問題では資金がすべてアメリカの銀行口座に送られていて、アメリカ人の66歳の社長が会社を取りしきっていたとみられています。
監視委員会は実態を解明するため社長を刑事訴追できないか、金融商品取引法の中でも罰則が重い、うそをついて投資を勧誘した「偽計」の疑いでの告発も視野に調査を進めています。
しかし、告発に必要な資料の分析には時間がかかるうえ、社長を日本で刑事訴追するためには条約に基づいて身柄を引き渡してもらうなどアメリカの司法当局の協力も必要になります。
監視委員会はアメリカ側の協力を得ながら今後、社長の事情聴取や資料の分析をさらに進め、告発の見通しが立てば、検察庁などと身柄の引き渡しの要請を含めて協議するものとみられます。
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