着物姿で熱唱する43歳の美空ひばりさん。劇場の大スクリーンで、躍動感たっぷりによみがえる(フジパシフィック音楽出版提供)【拡大】
上映楽曲は29曲を選曲。なかでも必見なのが、テレビではこの時の1度しか歌っていない未発表曲「ウォーク・アウェイ~想い出は涙だけ~」。英歌手、マット・モンローが65年にヒットさせたポップスの名曲を作詞家、岩谷時子さん(96)の日本語詞で熱唱。ほかにも、感情が入り過ぎて泣きながらも完璧に歌い上げる「波止場だよ、お父つぁん」などの名曲が、最先端のデジタル技術を駆使した美しい映像と臨場感あふれる音でよみがえる。
当時の番組ディレクターで、今作の監督を務めた上原徹氏(65)は「ひばりさんはリハーサルを含め、16時間で約70曲を歌い上げました。本番は、ほぼ一発OK。驚くほどの集中力で、まさしく“ザ・スター”そのものでした」と振り返る。43歳の脂の乗り切ったひばりさんが、32年の時を経て躍動感たっぷりに“解凍”される。
(紙面から)