着物姿で熱唱する43歳の美空ひばりさん。劇場の大スクリーンで、躍動感たっぷりによみがえる(フジパシフィック音楽出版提供)【拡大】
ひばりファンの間で伝説となっていたお宝映像が、大スクリーンでよみがえる。1981年にフジ系でスタートした「ザ・スター」での熱唱ステージだ。
30分構成の同番組は、1カ月間(4~5週)1人の歌手にスポットを当て、歌はもちろん、MCからトークまで歌手自身が1人でこなす歌謡ショー。普段、見ることのできない歌手の素顔が見られると好評を博した。その第1回ゲストが、当時芸能生活35年を迎えた43歳のひばりさんだった。
艶やかな着物やドレスを身にまとい、少女時代の「悲しき口笛」「東京キッド」からヒット曲「柔」「悲しい酒」まで32曲を歌う姿が、5週にわたり放送された。
収録テープは、社屋移転などもあって同局の倉庫に眠っていたが、このほど偶然発見された。歌のみならず、オンエアの合間の雑談など“人間ひばりさん”が垣間見られる貴重な映像の数々に、当時のスタッフから再び世に出すべきとの声が挙がり、ひばりプロの協力を得て二十五回忌の節目として劇場公開が決定。6月8日から命日の24日まで32館で上映される。当時、関東ローカルのみの放送で、ビデオ機器が高価な時代だっただけに、全国のひばりファンには朗報だ。