特集:どうなるTPP 絡み合う各国思惑

毎日新聞 2013年05月03日 東京朝刊

 米国やオーストラリア、シンガポールなど11カ国が参加する「環太平洋パートナーシップ協定」(TPP)交渉に、日本が加わることが固まった。7月下旬の閣僚会合から合流し、年内の交渉妥結を目指す。世界の国内総生産(GDP)の4割弱を握る巨大経済圏の誕生は、日本のみならず世界経済に大きな影響を及ぼすことになる。交渉本格化を前に、TPPの概要や参加国の思惑を検証した。

 ◇アジア市場取り込み

 TPPの原点ともいえるのが、シンガポール、ブルネイ、ニュージーランド、チリの4カ国が2006年に結んだ「P4協定」。全品目の関税撤廃など、高いレベルの経済連携を目指す枠組みだ。これを環太平洋地域に拡大しようというのがTPPで、米国が09年に参加表明したことで世界から注目された。

 米国の狙いは、高成長を続けるアジア市場を取り込むことにある。輸出倍増を政策の柱に掲げるオバマ大統領は「米国の輸出を促進し、雇用を支え、公平な競争条件を実現するためにもTPP交渉を妥結させる」と期待を寄せており、事実上、交渉の主導権を握っている。

 ◇「聖域」巡り難航必至

 日本がTPPに参加し国際競争力に欠ける国内の農業市場が開放されれば、外国産の安い農産物が大量に流れ込んでくる−−。日本国内でTPP参加への賛否が分かれているのは、こうした懸念が根強いためだ。

 安倍晋三首相も「自民党はしっかり公約を守る党。5項目についてもしっかりと対応していきたい」と強調し、コメや牛・豚肉といった「重要5品目」についてはTPP参加後も「聖域」として一定の関税率を維持したい考えだ。

 ただし、「聖域」を抱えているのは、日本だけではない。米国はニュージーランドからの乳製品、オーストラリアの砂糖、ベトナムからの繊維など、国内産業に打撃を与えかねない品目については市場開放に消極的だ。日本との事前協議でも、日本車にかかる関税は当面、維持することで合意。P4が目指した「全品目の関税撤廃」は骨抜きになりつつある。

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