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佐藤拍子抜け 敵地タイの計量で嫌がらせなし
プロボクシング WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ12回戦 王者 佐藤洋太―同級8位 シーサケット・ソールンビサイ (5月3日 タイ)
ともに計量を1発でクリアした佐藤洋太(右)とシーサケット
Photo By スポニチ |
前日計量が2日、タイ・シーサケット県アンパーのホテルで行われ、王者・佐藤洋太と挑戦者シーサケット・ソールンビサイはともにリミット52・1キロで一発クリアした。ルール会議でも、もめる要素はなし。さらに、フットワークを使う佐藤にとって有利な硬いリングが用意された。日本人の世界戦16敗1分けの鬼門となっていたタイでの史上初勝利、そして自身3度目の防衛へ向けて最高の舞台が整った。
張り詰めていた緊張感が一気に和らいだ。計量を終えてソファに深く腰を掛けた佐藤は「とにかくホッとしています」とオレンジジュースを一気に流し込んだ。
かつては、はかりの表裏で目盛りがずれていて、リミット内なのに「オーバー」と言われるなど嫌がらせを受けることが多かった試合前最難関の計量。淡々と数字が読み上げられ「殺伐とした雰囲気もなかった。心配していたことが何もなかった」と佐藤も拍子抜けするほどあっさり終わった。
金平桂一郎会長が「何かあったら仕掛けますよ」と闘争心むき出しで臨んだルール会議も平穏だった。当初の予定通りレフェリーはイタリア人、ジャッジは2人の米国人、メキシコ人で全て中立国者。無名ブランドの粗悪な製品を提示されることを警戒していたグローブは、タイで一般的に使用されているツインズ社製に落ち着いた。不慣れながら「硬い。ジャブでも効く」(金平会長)グローブで、ジャブを多用する佐藤に味方する可能性もある。
会場も視察し、硬いリングであることを確認した。93年3月に旧ソ連出身で協栄ジムに所属していた勇利アルバチャコフがタイで防衛に成功した時はムエタイ用の軟らかいリングでもめた。新井史朗トレーナーは「軟らかいと沈んで負担になるけれど、ここは後楽園より硬い。足を使う洋太にはいい」と歓迎した。
日本から持ち込んだ、はかりをチェックするための5キロのおもりや体重計、4組の日本製グローブも全て用なしだった。立ち会ったWBCの審判資格を持つ日本ボクシングコミッションの福地勇治氏は「20年前とは違う。露骨な嫌がらせは国際的な信用の問題にもなる。ここ10年のタイはフェアですよ」と説明した。
怖いのは気の緩みだけだ。佐藤は「妨害もされていないし苦労もしていない。勝たないと」と表情をぐっと引き締めた。
[ 2013年5月3日 06:00 ]
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