名古屋グランパスのドラガン・ストイコビッチ監督(48)が2日、3年ぶりに故障者ゼロで迎える川崎戦(3日・等々力)への手応えを口にした。右足を痛めていたMF藤本が復帰し、所属する全28選手が試合に出られる状況。2010年以来となる快事に、ピクシーは「チームは今、いい時期にある」と自信満々。万全の布陣で勝利をつかむ。
ケガと隣り合わせのJリーグにおいては珍しい状況だ。川崎戦を控えた2日の練習には全28人が顔をそろえ、別メニュー調整の選手は一人もなし。12年はケネディ、玉田、11年はダニルソン、金崎(独・ニュルンベルク)らが入れ代わり立ち代わり戦線離脱した。控えも含めフルメンバーがそろうのは3年ぶり。
ストイコビッチ監督は「全員プレーできるというのは間違いなくいいこと。チームは今、いい時期にある」と手応えを実感している。腰痛から復帰して間もないFWケネディにも、「試合ごとによくなっている」と明るい見通しを示した。
故障者が全員戻り、今のグランパスの層の厚さはリーグでも指折り。指揮官は「メンバー選考が難しい? その通り。藤本のコンディションもいいようだ。先発に起用するかどうか、明日までじっくり考えたい」と苦笑。ベテランMF中村がベンチ外へ押し出されるほど、ポジション争いは激化している。
MF小川は「チームに活気が戻ってきた。選手同士の競争で雰囲気はピリッとする。監督は困るでしょうね」と語る。主将のGK楢崎は「故障者がいないから勝てるほど単純ではないけど、精神的にはいい」と健康なチーム状況を歓迎した。
川崎戦は過去の戦績で分が悪く、油断はできない。ストイコビッチ監督は「大久保も矢島もいる。いいチームだ」と両FWの名前を挙げて警戒感を示したが、狙いはアウェーでの勝ち点3奪取しかない。「明日の戦いは重要。(好内容だった)前節の広島戦のように戦う」。最強メンバーで5月攻勢をかける。 (木村尚公)
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