◇欧州CL準決勝第2戦 バイエルン3−0バルセロナ
【バルセロナ(スペイン)工藤拓】欧州チャンピオンズリーグは1日、準決勝第2戦の1試合を行い、アウェーのバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)がバルセロナ(スペイン)を3−0で下し、2戦合計7−0で決勝に進んだ。バイエルンは2季連続の決勝進出。バルセロナは2季続けて準決勝で敗退した。25日に英国・ロンドンで行われる決勝は史上初となるドイツ勢同士の対戦、ドルトムント対バイエルンの顔合わせ。ドルトムントは16季ぶり2回目、バイエルンは12季ぶり5回目の欧州王者を目指す。
傷心のバルササポーターがスタジアムを去ろうとする中、試合終了のホイッスルが場内に鳴り響いた。足早にピッチを去るバルサイレブンを横目にしながら、バイエルンの選手たちは歓喜の抱擁を繰り返した。
第1戦での4点差勝利で、余裕を持って、この日のアウェー戦を迎えることができた。前半を0−0で乗り切った時点で決勝進出に大きく近づき後半に完全にとどめを刺した。4分、左からのサイドチェンジを受けたFWロッベンが得意のステップでマークを外し、左足で豪快に蹴り込んだ。バルサの選手が戦意を喪失する中、バイエルンはさらに2点を追加した。
2戦合計7−0。文句のつけようがない圧勝劇だった。奇跡の逆転を信じて詰めかけたバルササポーターを失意のどん底へと突き落とした。近年の欧州サッカー界を席巻してきたバルサをたたきのめし“最強”の称号を強奪した。
「1点目が勝負の分かれ目だった。クレバーなプレーができ、素晴らしい試合になった」と振り返ったハインケス監督。その1点目をマークしたロッベンは勝利の余韻にはほとんど浸らず、すぐに気持ちを切り替えた。「落ち着くべきだ。優勝しなければ意味がない。今のわれわれはいいサッカーをしているが、もっと向上する必要がある」と前を向いた。
決勝進出はここ4季で3度目。バイエルンにとっては、前身の欧州チャンピオンズカップで3連覇を果たした70年代のチーム以来となる、安定した好成績。来季は、前バルサ監督のグアルディオラ氏を迎えることが決まっており、さらなる進化を見せるに違いない。まずはドルトムントを破って今大会12季ぶりの戴冠を果たし、黄金時代再来の扉を開ける。
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