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【大リーグ】

イチロー、技ありの“決勝併殺打” ミスターメイだ! 今季初連続マルチ

2013年5月3日 紙面から

◇ヤンキース5−4アストロズ

 【ニューヨーク穐村賢】“ミスターメイ”の季節がやってきた! ヤンキースのイチロー外野手(39)は1日(日本時間2日)、地元でのアストロズ戦に1番中堅で先発。初回の右中間三塁打を含む4打数2安打1四球の活躍でチームの連勝に貢献した。同点の6回には守備位置の隙を突く技ありの“決勝併殺打”で、チームの貯金も今季最大の7に膨らんだ。4月は打率1割を切るなど苦しんだが、毎年5月から調子を上げるのが“イチ流”。月が変わり、安打製造機がここから本領を発揮する。

 渋く決勝点を呼び込んだ。同点の6回1死一、三塁での第4打席。フルカウントからの6球目を、イチローは二塁前に転がした。自身は一塁でアウトになったが、一塁走者オーバーベイが一、二塁間で挟まれている間に三塁からヌネスがホームへ。貴重な勝ち越し点をチームにもたらした。

 「(プレーについて)いちいち言うことかな」。試合後、素っ気なく振り返った“決勝併殺打”。だが、「らしさ」が凝縮された一振りだった。マウンドには交代直後のライト。ア軍ベンチの指示は「ゴロならホーム」だった。だが、初顔合わせの左腕に対し、イチローは「三振しないことと、(打球方向は)ピッチャーを外すこと。(内野手が)下がっているのも分かっていた」と野手の位置を把握して右方向へ押し込んだ。最低でも三塁走者を生還させる打撃に、ア軍のペーニャ一塁手も「完璧な打球だった」と脱帽だ。

 先制の口火も切った。初回の2−2からの8球目をフルスイングすると、打球は右中間フェンス最深部へ。打球が跳ね返るのを見届け、グングン加速して悠々と今季初の三塁打をマーク。次打者の適時打で先制のホームを踏み、先頭打者の仕事を果たした。

 苦しんだメジャー13年目の4月。打率は一時、7分1厘まで落ち込んだ。相手先発が左腕の時は「強制休養」でスタメンを外れることも。だが、過去12年間でも月間打率3割4分3厘と得意とする5月が近づくにつれ、調子は急上昇。ここ10試合で無安打に終わったのは2試合だけ。3安打を放った前日に続き、この日も2回の内野安打で今季初の連続マルチ安打を記録した。本来のキレを取り戻してきたベテランに、ジラルディ監督も「ここのところ、イチのバットは振れているからね」とうなずく。

 もともと4月は準備期間ととらえるスロースターター。だが、ここからは違う。日米通算4000本安打がかかるシーズン。4月の大リーグを席巻したダルビッシュに続き、巧打の“ミスター・メイ”が暴れ回る。

 

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