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最終更新:2013年4月29日(月) 18時13分

国後島に北朝鮮労働者も、ロシア実効支配強まる

 日ロ首脳会談の最大のテーマ「北方領土」とは、国後、択捉、歯舞、色丹の4島です。このうち国後島を取材してみると、北朝鮮の労働者まで動員した開発が進み、ロシアによる実効支配がますます強まっている現実がありました。

 北海道の知床半島を間近に望む国後島。沿岸で漁をするトロール船が日本の漁船と遭遇することもよくあり、ロシアの漁民たちの日本に対する反感は根強いものがあります。

 「ここは私たちの海なのに、私たちが漁をしているとき、あるのは日本の網ばかり。本当に困った問題だよ」(トロール船の船長)

 北方領土は、60年以上にわたってロシアが実効支配を続けてきました。ロシア政府はいま、国後島の開発に力を注いでいます。

 国後島の古釜布では去年、教会の建設が行われていました。その現場には、多くの北朝鮮労働者の姿がありました。外国人が教会を建てることについて司祭に尋ねると・・・。

 「創造的な仕事をしたのはロシア人でした。内装設計も測量もロシア人がやったので、ロシア人が造った教会です」(司祭)

 島ではインフラ整備の現場でも、北朝鮮や中国など、第三国の労働者の姿が目立つようになりました。領土問題の渦中にあるこの島ですが、多くの外国人を働かせることで、ロシア側の実効支配はどんどん強まっています。インフラ整備などが進められた影響か、古釜布では生まれた子どもの数が増えています。しかし3年前、当時のメドベージェフ大統領が訪問した家族は、大統領から「島でずっと暮らしたいか」と尋ねられ、こんな本音を語っていました

 「子どもたちを他の場所に移さなければならないと答えました。ここには子どもがやることが何もないからです」(2011年)

 今月、再びこの家族のもとを訪れました。

 「彼の家族は島を離れました。離婚して家族離散しました」(隣人)
 「若者はたばこ吸うか、酒飲むか、その辺ぶらぶらするぐらい。何かやることあったらいいのに」(島の若者)

 プーチン大統領は去年、「引き分け」という日本語を使い、領土問題に妥協点を見つけて最終決着させたいという意欲を示しましたが、国後島の島民は今、何を願っ$F$$$k$N$G$7$g$&$+!)

 「(日本は)最初は経済協力から始めて、そのうち全ての島を返還するよう求めてくるでしょうから、リスクを冒さない方が良いでしょう」(古釜布の幼稚園の園長)
 「首脳会談の日には、特別のお祈りをします。『両国が相互理解できるよう首脳2人に賢明さを授けてください』と祈ります」(司祭)
(29日16:02)

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