ゴールデンウイーク 県内観光施設や名勝に人の波
福島民報 4月28日(日)10時14分配信
ゴールデンウイーク(GW)初日の27日、福島県いわき市小名浜のアクアマリンふくしまで、世界最大級のタッチプール「蛇の目ビーチ」が再オープンした。東日本大震災の津波被害から3年ぶりに完全復活し、子どもたちの歓声が響いた。NHK大河ドラマ「八重の桜」の舞台の会津若松市は雨が降ったり、やんだりのあいにくの天候となったが、鶴ケ城などに多くの観光客が訪れた。関係者は「八重効果」による期間中のさらなる入り込みに期待を寄せた。
■アクアマリン 蛇の目ビーチで笑顔
アクアマリンふくしまの「蛇の目ビーチ」は、潮の満ち引きを再現する装置を復旧させ、震災前の姿で再オープンにこぎ着けた。約20種類、3千匹の海の生き物に触れられるほか、潮干狩りを体験できる。
再オープンのセレモニーでは、浦島太郎に扮(ふん)した安部義孝館長があいさつし、来館者がナマコやヒトデ、アジなどを次々とビーチに放った。大勢の家族連れが生き物の感触を確かめたり、アサリやハマグリの潮干狩りを楽しんだりした。
「再開を心待ちにしていた。子どもたちに海の楽しさを伝えたかった」。震災後初めて、長女(5つ)と長男(2つ)を連れて訪れた市内平の40代の主婦は、無邪気に遊ぶ二人の姿に目を細めた。
一時的に強い風が吹いたが、好天に恵まれ、初日の入館者数は2590人と、昨年より757人多かった。
職員は「大型連休の後半に向け、さらに県内外の多くの観光客に訪れてほしい」と期待した。
■鶴ケ城「八重効果」で好調 入場者震災前の22年並み
会津若松市の鶴ケ城公園は午前中、風が強く、時折り小雨が混じる天候となったが、県内外から多くの観光客が訪れた。
公園を管理する市観光公社によると、午後9時までに約9800人が来場し、GW初日の入場者数としては震災前の平成22年並みとなった。
今月1日から27日までの来場者数は約20万人と、前年同期の約2倍に増えている。大河ドラマ「天地人」が放送され、年間約73万人が来場した平成21年の同期間の約18万1千人を2万人近く上回る好調ぶりだ。
市観光公社の担当者は「八重の桜の効果が大きい。受け入れ態勢も整っており、あとは天気次第」と、今後の天候の回復を願った。
市内の「ハンサムウーマン八重と会津博 大河ドラマ館」にはこの日、「八重の桜」ファンら3376人が来場し、展示物に熱い視線を注いだ。
鶴ケ城を見学し、大河ドラマ館を訪れた岐阜県多治見市の無職芳賀清美さん(66)は「福島をはじめ、東北の復興に貢献したいと思い、訪れた。赤瓦の鶴ケ城と公園内の桜が楽しめ、いい思い出になる」と笑顔を浮かべた。
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北塩原村裏磐梯は朝からみぞれが降った。5月6日までスキー場の営業を続ける村内のグランデコスノーリゾート付近は雪となり、担当者は「この時期の積雪はうれしい」と話した。
福島民報社
最終更新:4月28日(日)10時48分