五輪招致失言:猪瀬知事「真意なかった」
毎日新聞 2013年05月02日 20時50分(最終更新 05月02日 23時08分)
東京都の猪瀬直樹知事は2日の定例記者会見で、2020年夏季五輪招致を巡って国際オリンピック委員会(IOC)の倫理規定に反してライバル都市のイスタンブールを批判した問題について「(発言に)真意はなかった」と述べ、イスラム社会を侮蔑する内容ではなかったとの認識を示した。今後も招致活動を続けるとしたうえで、トルコ側とは謝罪するのではなく「世界史について語り合いたい」と話すなど、強気の姿勢を貫いた。
猪瀬知事はニューヨーク出張中に米紙のインタビューで「イスラム教国は互いにけんかしている」などと発言し、報道後に不適切だったとして撤回・謝罪した。会見では、他都市に言及した点は問題だったと認める一方で、内容については「そんなに真意はないんです」と説明を避け、IOCが処分しない決定をしたことを持ち出し「もう終わったこと」と繰り返した。「他都市に触れるつもりはなかった」と、質問者に一定の誘導があったとの見方も示唆した。
猪瀬知事は発言撤回後の1日、自身のツイッターで「今回の件で誰が味方か敵か、よくわかったのは収穫でした」などと書き込み、ネット上で批判が殺到した。この点については「正当な批判なら敵ではない」と釈明。また、昨年8月にもイスタンブールやマドリードより東京が優位だとのツイートをし、後に削除したことを認め「(当時は)行動規範を詳細に認識していなかった」と述べた。【竹内良和、清水健二】