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インターネットの備忘録 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2013-05-02 「経営者視線」はいらないけど「給料の理由」は意識するといいかも このエントリーのブックマークコメント

経営者と同じ視線で」とか「やりがいを持って」とか言うとき、多くの人はそういう無形のものをネタに無理させようとしたり、コストを抑えてこき使ったりしたい下心がある、と思ったほうがいいと思います。

もちろんそうでない場合もあるんですけど、自衛としてね。


なので真面目で向上心があり責任感が強い人ほどそういうテクニックでうまいこと利用されちゃうケースが多いから気をつけて欲しいなっとも思うのですが、同時に「じゃあこのお金(お給料)は自分の何に支払ってもらってるんだろう?」は意識しておくべきだとも感じているので備忘。



仕事で期待されることって、ざっくり分けてどちらかになると思うんですよね。

自分が今お金をもらえているのは、どちらの仕事でなんだろう?というのを意識していない人、けっこういます。

この前者がいわゆる「マックジョブ」になると思うんですが、それが悪いとかではなく、事実として存在する仕事の種類なわけで、個人的には「割り切ってお金を稼ぐ」ためには良い手段だと思います。


なんか、仕事自己実現とか好きを仕事に☆とか、実際楽しいし面白いんですが、向き不向きによるところが大きいんですよ。

その「好きなこと」の向き不向きじゃなくて、それとお金を結び付けられるかどうかの向き不向きというか。


なので、「約束した時間」と「約束した範囲の作業」をやればお金がもらえる、というのは、好きなことをお金と結びつけるのが苦手な人にはすごく良くて、マクドナルドとかコンビニとかはそういうシステムを異様な執念で洗練させて、どこの国のどんな人でもパッと入ってマニュアル読みながら仕事ができる仕組みを作ったわけじゃないですか。


余談ですが平日昼間のマクドナルドって「子供も成人して手が空いたからアルバイトに出てみるわ」みたいなお母さん年代をよく見かけるようになりました。ああいう人たちって以前なら子育て終えたらキャリアが断絶されて社会復帰できるチャンスが少なかったのが、徹底したマニュアル主義の職場なら割とスッと合流できるおかげなんだと思ってるんですよね。


話を戻すと、そういう「何時から何時までそこにいて、これだけやってくれればいいです」という仕事はそれはそれで存在するわけで、雇用を生み出しているし恩恵を受けている事実もあり、それを否定したいわけじゃないんです。


なのですが、現役で会社勤めをして、それなりにサラリーをもらい、「俺ってばビジネスマンだじぇ」みたいな顔をしている人たちでも「何時から何時までそこにいて、これだけやってくれればいいです」感覚で働いてる人がいるから困っちゃうね、ってことなんだと思うんですよね。


補足しておくと、雇用形態は関係ないです。「非正規なのに正社員と同じ内容の仕事をやらされてる人だっているんです!」とかそういうのは、まったく別の話。今回言いたいのは、「自分仕事を通じてもらっているお金の種類」を意識して、より自分価値を上げていくのは自分にしかできないんだよという話です。会社がそこまで面倒みてくれるわけないし、上がった価値に今の会社が支払う金額が見合わないと思ったら次に行けるよう、自分の商品価値を上げるのは、自分でやるべきことなので。


よっぽど突出したスキルや才能があり、「この人にしかこのシステムは作れない!」みたいな人はアーティストとかに近づいてくると思うので、ここでは特に触れません。だってそういう人って一握りなんですもん。


だいたいの人は「そこそこの頭脳とそこそこの体力とそこそこの能力」を持った普通の人なわけで、そういう人たちは意識していないとすぐに「誰にでも代替えが効く」仕事側に移行します。


そして「誰でもできる仕事」だけしかしてこなかった人は、会社に対して自分価値を提示し交渉することができませんし、どこかに移ろうと思ったとき(思ってなかったとしても)そのポジションに対しての競争相手がぐんと増えます。

それでも「分かっている範囲と時間内だけでやるスタイルの働き方がしたい」というのであれば、それで戦う方法もあるんだろうと思います。(ごめんなさい、わたしはそういうスタイルについて興味が無いので、あまり語れることがありません)

ただ、そっちのスタイルのが正直ハードなんじゃないかなって思うんですよね。派遣になって時間を切り売りするとか、そのために何百件も面接して回るとか、そういうのしか思いつかない。なんかそれ以外でお金を得る手段があればいいのかな。実際どうなんですかね。


だって仕事に貪欲で勉強熱心で3ヶ国語とか余裕でしゃべれる外国の人が「日本キャリア磨きたい」って来日して日本人より断然安い給料仕事してるんですよ。

それだけじゃなく、「エリート様はこんな業界こないっしょー」と言われていた某業界にも超エリート新卒が激安給与提示でも採用面接行列を作る時代なんだから、ぼんやりしてると本当にヤバイよー、ということだけはお伝えしておきたいと思います。


定年とか寿命が来てそういう流れに巻き込まれる前に逃げ切れるだろうと踏んでるならそれはそれでいいと思いますけどね。なんかわたしはウッカリ長生きしたり、棲息している業界的にあっという間にその流れが来て巻き込まれそうな気がしているので、戦々恐々としております!