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奇跡の源は「笑いの力」 末期がんと闘う笑福亭松喬さん
2012/08/21 17:41更新
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上方落語の実力派、笑福亭松喬(しょきょう)さん(61)が、末期の肝臓がんで入退院を繰り返しながらも高座に上がり続けている。主治医も「奇跡」と驚く生命力という。その源は、やはり「笑いの力」。松喬さんは「私は笑わせる側ですけど、お客さんの笑顔を見ているとうれしくなる。それもええんやそうです」と話している。(豊田昌継)
◆「試運転の会」開催
「先生、私の余命は何カ月ですか?」
「よめー(嫁)は隣にいてますがな」
先月28日、大阪市内で行われた「柳家さん喬・笑福亭松喬二人会」。松喬さんは高座で自らの闘病生活も笑いに絡めながら、「大安売り」「へっつい幽霊」の2席を1時間余りかけて披露した。約400人で満席となった会場は爆笑に包まれた。
松喬さんが肝臓がんを告知されたのは昨年12月。がんの大きさは約6・5センチ。一部は肝門脈に達しており、5年生存率が10%を切るとされる「ステージIV」だった。切除は諦め、抗がん剤と放射線による治療に専念した。
66キロあった体重は10キロ程度減ったものの、服用抗がん剤が効き、今年4月末には「松喬試運転の会」と題して復帰落語会を開催。その後も、発熱や貧血などの副作用で入退院を繰り返しながら、がん宣告前に約束していた落語会や講演、弟子への稽古指導などをこなす。
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記事本文の続き 「気分も悪くないし、食欲もあるけど、胃が小さくなってね。それに、入院が長くなると筋力が落ちるんで、今日も一日が終わると腰が痛くて」と苦笑いする。
◆免疫力を高める
「柳家さん喬・笑福亭松喬二人会」で披露した余命をめぐる「会話」。昨年12月に主治医からがんを告知されたとき、松喬さん自身は余命については知らされていなかった。実は、主治医は「6カ月」と考えていたという。
しかし、その6カ月を既に2カ月以上経過。今月からは新しい治療法として注目される「樹状細胞ワクチン療法」にも挑戦している。
「主治医には『今、生きているのが奇跡』と言われます。既に実証されている『笑い』が免疫力を高めているのでしょう」と松喬さん。入院した際も病室では芸人特有の明るさで、看護師らを笑いの渦に引き込んでいる。
「私は笑わせる側ですけど、お客さんの笑顔を見てうれしくなることも体にええんやそうですね。せやから高座でも言うてますねん。『面白くなくても笑ってください』と」
松喬さんは今月、大阪などで一門会や名人会などの公演を4回ほど予定している。今月上旬には落語作家に新作2本を発注したばかり。高座で披露するのを楽しみにしている。10月からは新たな落語会も立ち上げる予定だ。
「もちろん、私は死ぬなんて、こっから先も思っていませんから」と指先をはじきながら、松喬さんは笑顔を浮かべた。
■「闘病生活を送る方の力に」
笑福亭松喬さんはほぼ毎日、ブログを更新し、闘病生活をつづっている。
「急きょ入院となる。熱も無く安定、貧血も徐々に改善し明日予定を早め内視鏡検査」(8月2日)、「内視鏡検査の為に朝から絶食です。今回で5回目となるが何度やっても慣れないし苦痛である」(8月3日)、「CT検査を受けました。6月以来になります、まだ結果は聞いていません。昨日の夕方の夕焼けが一瞬ハート形になっていた。良いことが有ればいいのに」(8月6日)=いずれも原文のまま。
「応援してくださる方や同じように闘病生活を送る方の力にもなれば」(松喬さん)という。
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