タブーに挑んだ研究開発が実を結び、土木建設の「非常識」を常識に変えた技術がある。
海水や未洗浄の海砂を利用したコンクリートは、鉄筋の腐食を引き起こし、膨張により
破断することなどから、土木業界では問題外とされてきた。

ゼネコン大手、大林組の副社長、金井誠（６６）はこの壁を打ち破り、高強度の
「海水練り・海砂コンクリート」の開発に成功。

社内の冷ややかな目にさらされながらも陣頭指揮を執って実用化した技術は、
海水が使えることから東日本大震災を機に護岸用ブロックなどにも用途が一気に拡大。
今や「オール大林」で浸透を目指す目玉技術となった。

全文はソースで
http://www.sankeibiz.jp/business/news/130426/bsd1304260805006-n1.htm

※ソースが長文なため要点をまとめてみました。

大林組の副社長、金井誠は放射性廃棄物の国内の処分場がいずれ不足するとみて、
処分場の建設に役立つ技術の開発を研究開発テーマの一つに掲げていた。
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岩塩層は強度がコンクリート並みに強く、気密性が高く、低レベル放射線を
封じ込められる利点があることを知る。
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「岩塩の元は海水なのだから、海水でコンクリートを練り上げればいい」と思いつく。
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海砂を利用したコンクリートは、鉄筋の腐食を引き起こし、土木業界では問題外なので
社内の誰も話に乗ってこなかった。
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当時の主任技師、青木茂（６４）を１カ月かけて説得。
金井と青木の二人三脚で業界のタブーを覆すための「再挑戦」がスタート。
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いろんな種類のセメントに人工塩水や真水などを組み合わせる実験を繰り返すが失敗。
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約３年後、青木からの報告に金井が驚く。
「天然の海水を混ぜてみたら、強度が出ました」
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「金井がやっている『家内（かない）』工業」と自らが揶揄（やゆ）するような
貧弱な態勢だったが、竹田もチームに加わり研究成果が形となる。
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冷ややかだった社内の雰囲気は一変し、プロジェクトは大林組挙げての取り組みに昇格。
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開発成果を公表する前、コンクリート研究の重鎮１４人に客観的な分析を求める。
１２人が「実は私も可能性があると思っていた」と回答。
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沿岸部に作ることが多い飛行場施設に最適な技術だとして海外の軍事産業の
関係者から引き合いも来ている。
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土木関連の実務者にとって大林組が手にした技術は、まさに「信じられない」ような画期的なもの。
国内だけでなく世界に活用の道が広がり、今まさに飛躍のときを迎えている。