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TRPGの小手先テクニック集 |
作品の概要 |
TRPGでのちょっとしたテクニックを書いてみました。大層なことではなく、すぐにでも使える簡単なテクニックだと思います。TRPGを楽しんでいる皆さんの参考になれば幸いです。 |
<GM用> |
「プレイヤーの言葉に聞き耳を立てる」 セッション中、プレイヤーは様々な言葉を発しています。GMに向けての言葉もありますし、プレイヤー同士の会話もあります。中には独り言を言う人も少なくありません。 そんな話を注意深く聞けば、プレイヤーが何を楽しんでいるのか? 何に関心をもっているのか? 今後の展開をどう予想しているのか? 等を知ることができるでしょう。 これを活かさない手はないと思います。プレイヤーの嗜好に合わせた展開にすれば受けが良くなりますし、あえて予想に反した展開にして驚きを狙っても良いでしょうし、的外れな予想を内心でほくそえむのも一興です。そしてシナリオが予定外の方向に進んでしまった時のアドリブの材料にもなります(プレイヤーの予想通りに進んでいる時、シナリオの矛盾などは感じられないものです)。 「情報の渡し方」 会話でのやり取りを中心とするTRPGでは、情報をどう渡すかも大きなポイントとなります。情景描写をきちんと伝えれば感慨深いセッションになるでしょうし、選択肢をプレイヤーが理解していなければ意思決定の機会も失われてしまいます。 工夫としては、重要な情報は口頭で伝えるだけでなく紙に書いて渡す、情報は特定の人だけでなく多くの参加者(できれば全員)に聞かせるようにする、特定の人だけに渡す情報はセッションにとって重要でない情報にする、といったことが挙げられます。情報がきちんと伝わればセッションが迷走する可能性が減ることでしょう。 他方、敢えて重要な情報を一部の人だけに伝え、セッションが迷走することを楽しむのも一興です。 「セッションの時間管理」 TRPGに費やせる時間は限られていますが、その為にシナリオを途中で終了させられるのは避けたいものです。しかし、TRPGは偶然やちょっとしたことでGMの意図に反した展開をするため、時間の予測が困難でもあります。 シナリオを時間内に最後まで終わらせる簡単な対策としては、予定より短めのシナリオを作るというのが一番確実でしょう。またGMの意図に反した展開をしないように、ある程度(つまらなくならない程度)の展開やパターンをプレイヤーに伝えておくのも有効です(例えば「今日はPC同士が対立しないで協力するようにしてね」と言うだけでも違います)。 どんなシナリオでも使える対策としては、シナリオに起承転結なり序破急なりを意識して時間配分を決めておき、セッションの後半に慌てて時間調整をするのではなく、セッションの途中途中で進行具合をチェックし時間調整をすると上手く行くでしょう。 時間調整の方法としては、戦闘を入れるか省くか、情報収集の場面を演じるか単に判定で片付けるか、といったことが挙げられます。 「同じシナリオを複数回する」 上手なGMになるコツの一つは、同じシナリオを複数回やることだと思っています。同じシナリオを何度か異なるメンバーで用いると色々なことが見えてきます。 準備の足らなかった所や使わなかった所から、シナリオに何が必要で何が不要なのかが判りますし、ある状況でプレイヤーがどういう反応を示すものなのかを見比べることも出来ますし、前回と状況を少し変えたらプレイヤーの反応がどう変わるかなども知ることができます。 そしてこの経験を別のシナリオに活かせる様になれば、もう上手なGMになっていると思います。 また、やり込んだシナリオはセッションの成功率が高いので、一つは“持ちネタ”として持つことをお勧めします。セッションを必ず成功させたい時、例えばTRPG初心者相手の時、システムを他者に浸透させたい(布教したい)時、サークルで初めてGMをする時、異性とのセッションの時、などに重宝します。いわゆるプロと呼ばれるTRPGのライターも同じシナリオをやり込んでいる様です。 「シティーアドベンチャーにこそ地図を使う」 ダンジョンや野外での冒険を扱ったシナリオには地図をよく使いますが、シティーアドベンチャーではどうでしょうか? シティーアドベンチャーではダンジョン以上に地図が必要であると思います。まずシティーアドベンチャーではPCが個別で行動することも多いため、PCが何処にいるのかを把握する必要があります。またPCが何処に行けるのかを地図を用いて視覚化することができます。特にTRPG初心者やシステム初心者が、冒険の舞台となる街にどんな施設や場所があるのか等の“常識”を理解する助けにもなります。 地図を位置把握の手段と選択肢提示の手段として用いれば、シティーアドベンチャーで何をしているのか判らない、何をすれば良いか判らないといった事態が避けられると思います。 |
<GM、プレイヤー共用> |
「困ったら休憩を入れる」 ぶっつけ本番なTRPGのセッションでは困った事態がよく起こるものです。展開で煮詰まってしまったり、PCの不運による死などの予想外アドリブを求められてGMが混乱してしまったり、プレイヤー同士の仲が険悪なムードになったり、ルールの裁定で異議がでたりと枚挙に暇がないくらいです。 そんな時はとりあえず休憩を入れましょう。休憩でトイレに行くなり深呼吸でもするなりでクールダウンすれば問題解決の糸口が見えてくるものです。休憩時間中には、プレイヤー間の困った事態に対して個別に意見を聞くなり根回しするなどで解決を図れますし、GMがアドリブを考える時間も稼げます。そして休憩後の開始時には、これまでのセッションの流れを整理して問題点を確認すればスムーズな展開が期待できます。 「席順に気をつける」 TRPGはコミュニケーションが重要な遊びです。コミュニケーションでは相手との位置関係が重要です。セッションの時にも位置関係、すなわち席順に気をつけましょう(コンパとかでは、皆一番気にかけていますよね(笑))。 基本的には初心者をGMの側に、経験者を遠くに配し、声の大きさも考慮すれば十分だと思います。コンベンションなどでは友人同士を離れさせたり、初心者の隣に経験者を配したりすることも必要でしょう。 他方変わった使い方として、セッションの雰囲気をコントロールする手段としても利用できます。PC同士の対立状態を強調して出したいならばPCのグループごとに向かい合わせて配置し、協力・協調関係を出したいならば対立しかねないPCのプレイヤー達を混ざるように配置します。 「セッションの整理を時々する」 セッション中に別の話に脱線してしまったり、PCが何をすべきか判らなくなってしまったりすることはTRPGではよくあることです。そんな事態を避けるために、時々セッションの状況を整理して参加者全員が現状を理解できるようにしましょう。 これまでにどんなNPCが出てきたのか? どんな依頼なり事件が起きているのか? どういう状況にPC達は置かれているのか? といった今までの情報の整理を行い、これから何をすべきなのか? を考えられるようにするのです。 この整理を時々(1時間から2時間くらい置きが目安)することで、脱線の防止や中だるみの防止になり、セッションについて来られない参加者を減らすことができると思います。またこの整理は休憩とセットで行うとタイミング的にも良いと思います。 文責:ヤピロ |
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