2011年04月30日

己の欲せざる事人に施す事なかれ(あまりな無責任な発言に)

出典:「論語−衛霊公」
子貢問曰、有一言而可以終身行之者乎、
子曰、其恕乎、己所不欲、勿施於人

子貢問いて曰く、「一言にしてもって終身これを行なうべきものありや」、
子曰く、「それ恕か、己の欲せざるところは、人に施すなかれ」

口語訳
子貢が質問しました。「一生守るべき信条となるような、そんな一言はありませんか」
孔子は答えました。「まずは『思いやり』だね。人にされたくない事は、自分から人にしないということだよ」

 一番難しいのですが、私が常々心がけて、心の中で反復している言葉です。(ついつい、かっとしてしまい、守れないことも多いのですが・・・)

 卑近な例にして誠に申し訳ないのですが、今の政府の方々、原子力安全委員会の方々、文部大臣、そこに所属されている役人の方々は、この教えを胸を張って守っているといえますか?
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posted by いんちょう at 20:57 | TrackBack(0) | 原子力

何が一番大事な情報か(小佐古参与が抗議の辞意)

長文を要約する問題は、国語の試験でおなじみでしょう。私はこれが大変苦手で、なかなか点数が伸びませんでした。さて、今回は国語の問題です。重要点が要約されているのはどれか。

http://www.asahi.com/politics/update/0429/TKY201104290314.html
小佐古参与が抗議の辞意 子供の被曝基準「容認できぬ」2011年4月29日22時48分
 内閣官房参与の小佐古敏荘(こさこ・としそう)・東大大学院教授(61)が29日、東京・永田町で記者会見を開き、参与を辞任する意向を表明した。小佐古氏は菅政権の福島第一原発事故対応について「法律や指針を軽視し、その場限りだ」と批判した。

 小佐古氏は会見に先立って首相官邸を訪ね、今月30日付の辞表を提出した。

 会見では特に、小学校などの校庭利用で文部科学省が採用した放射線の年間被曝(ひばく)量20ミリシーベルトという屋外活動制限基準を強く批判。「とんでもなく高い数値であり、容認したら私の学者生命は終わり。自分の子どもをそんな目に遭わせるのは絶対に嫌だ」と訴えた。「通常の放射線防護基準に近い年間1ミリシーベルトで運用すべきだ」とも述べた。

 また、緊急時迅速放射能影響予測システム(SPEEDI)による放射性物質の拡散予測が4月下旬までに2回しか公表されなかったことも批判。「今のやり方は、東京で数字をぼっと決めてやっている」と指摘し、政権の対応について「私がやってきたことからは外れているので、これ以上とどまっている理由はあまりない」と語った。

 小佐古氏は放射線安全学などが専門で、東日本大震災発生後の3月16日、原発事故の助言を政権に求められて参与に就任した。菅直人首相は小佐古氏ら計6人の原子力専門家らを次々に内閣官房参与に任命した。
.
.産経新聞
http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0429/san_110429_9669151350.html
小佐古内閣官房参与が辞意 政権を批判
産経新聞4月29日(金)19時23分
 小佐古敏荘(こさこ・としそう)内閣官房参与(東京大大学院教授)が29日、官邸を訪ね菅直人首相宛に辞表を提出した。小佐古氏は29日夕記者会見し、菅政権の福島第1原発事故への取り組みについて「その場限りの対応で、事態の収束を遅らせた」と批判した。


 小佐古氏は「(自らの)提言の一部は実現したが対策が講じられていないのもある。正しい対策の実施がなされるよう望む。国際常識のある原子力安全行政の復活を強く求める」との見解を報道陣に配布した。

 小佐古氏は放射線安全学の専門家で、3月16日、参与に起用された。


時事通信
http://news.livedoor.com/article/detail/5526990/
小佐古官房参与が辞任=政府の原発対応批判.
2011年04月29日22時05分
提供:時事通信社. 小佐古敏荘内閣官房参与(東大大学院教授)は29日夕、衆院議員会館で記者会見し、30日付で参与を辞任すると表明した。小佐古氏は「今回の原子力災害に対して(首相)官邸および行政機関はその場限りの対応を行い、事故収束を遅らせているように見える」と述べ、菅政権の福島第1原発事故への対応を辞任理由に挙げた。

 小佐古氏は放射線安全学の専門家で、3月16日に起用された。菅直人首相は東日本大震災発生後、東京電力や内閣府の原子力安全委員会などへの不信感から、専門家6人を内閣官房参与として迎えた。その一人の小佐古氏が今回、政権の対応を公然と批判して辞任することは、首相にとって痛手だ。

 小佐古氏は会見で、年間累積放射線量が20ミリシーベルトを上限に、学校の校庭利用を認めた政府の安全基準について「(同程度の被ばくは)原発の放射線業務従事者でも極めて少ない。この数値を乳児、幼児、小学生に求めるのは受け入れ難い」と見直しを求めた。 


本日朝刊(熊日)
2011042901.jpg

 それぞれの記事に点数をつけてみてください。

以下は、全文。
http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/200/80519.html
平成23年4月29日
              内閣官房参与の辞任にあたって(辞意表明)                                      内閣官房参与      小佐古敏荘

 平成23年3月16日、私、小佐古敏荘は内閣官房参与に任ぜられ、原子力災害の収束に向けての活動を当日から開始いたしました。そして災害後、一ヶ月半以上が経過し、事態収束に向けての各種対策が講じられておりますので、4月30日付けで参与としての活動も一段落させて頂きたいと考え、本日、総理へ退任の報告を行ってきたところです。
 なお、この間の内閣官房参与としての活動は、報告書「福島第一発電所事故に対する対策について」にまとめました。これらは総理他、関係の皆様方にお届け致しました。

 私の任務は「総理に情報提供や助言」を行うことでありました。政府の行っている活動と重複することを避けるため、原子力災害対策本部、原子力安全委員会、原子力安全・保安院、文部科学省他の活動を逐次レビューし、それらの活動の足りざる部分、不適当と考えられる部分があれば、それに対して情報を提供し、さらに提言という形で助言を行って参りました。
 特に、原子力災害対策は「原子力プラントに係わる部分」、「環境、放射線、住民に係わる部分」に分かれますので、私、小佐古は、主として「環境、放射線、住民に係わる部分」といった『放射線防護』を中心とした部分を中心にカバーして参りました。
 ただ、プラントの状況と環境・住民への影響は相互に関連しあっておりますので、原子炉システム工学および原子力安全工学の専門家とも連携しながら活動を続けて参りました。
 さらに、全体は官邸の判断、政治家の判断とも関連するので、福山哲郎内閣官房副長官、細野豪志総理補佐官、総理から勅命を受けている空本誠喜衆議院議員とも連携して参りました。

 この間、特に対応が急を要する問題が多くあり、またプラント収束および環境影響・住民広報についての必要な対策が十分には講じられていなかったことから、3月16日、原子力災害対策本部および対策統合本部の支援のための「助言チーム(座長:空本誠喜衆議院議員)」を立ち上げていただきました。まとめた「提言」は、逐次迅速に、官邸および対策本部に提出しました。それらの一部は現実の対策として実現されました。
 ただ、まだ対策が講じられていない提言もあります。とりわけ、次に述べる、「法と正義に則り行われるべきこと」、「国際常識とヒューマニズムに則りやっていただくべきこと」の点では考えていることがいくつもあります。今後、政府の対策の内のいくつかのものについては、迅速な見直しおよび正しい対策の実施がなされるよう望むところです。



1.原子力災害の対策は「法と正義」に則ってやっていただきたい

 この1ヶ月半、様々な「提言」をしてまいりましたが、その中でも、とりわけ思いますのは、「原子力災害対策も他の災害対策と同様に、原子力災害対策に関連する法律や原子力防災指針、原子力防災マニュアルにその手順、対策が定められており、それに則って進めるのが基本だ」ということです。

 しかしながら、今回の原子力災害に対して、官邸および行政機関は、そのことを軽視して、その場かぎりで「臨機応変な対応」を行い、事態収束を遅らせているように見えます。
 
 とりわけ原子力安全委員会は、原子力災害対策において、技術的な指導・助言の中核をなすべき組織ですが、法に基づく手順遂行、放射線防護の基本に基づく判断に随分欠けた所があるように見受けました。例えば、住民の放射線被ばく線量(既に被ばくしたもの、これから被曝すると予測されるもの)は、緊急時迅速放射能予測ネットワークシステム(SPEEDI)によりなされるべきものでありますが、それが法令等に定められている手順どおりに運用されていない。法令、指針等には放射能放出の線源項の決定が困難であることを前提にした定めがあるが、この手順はとられず、その計算結果は使用できる環境下にありながらきちんと活用されなかった。また、公衆の被ばくの状況もSPEEDIにより迅速に評価できるようになっているが、その結果も迅速に公表されていない。

 初期のプリュームのサブマージョンに基づく甲状腺の被ばくによる等価線量、とりわけ小児の甲状腺の等価線量については、その数値を20、30km圏の近傍のみならず、福島県全域、茨城県、栃木県、群馬県、他の関東、東北の全域にわたって、隠さず迅速に公開すべきである。さらに、文部科学省所管の日本原子力研究開発機構によるWSPEEDIシステム(数10kmから数1000kmの広域をカバーできるシステム)のデータを隠さず開示し、福井県、茨城県、栃木県、群馬県のみならず、関東、東北全域の、公衆の甲状腺等価線量、並びに実効線量を隠さず国民に開示すべきである。

 また、文部科学省においても、放射線規制室および放射線審議会における判断と指示には法手順を軽視しているのではと思わせるものがあります。例えば、放射線業務従事者の緊急時被ばくの「限度」ですが、この件は既に放射線審議会で国際放射線防護委員会(ICRP)2007年勧告の国内法令取り入れの議論が、数年間にわたり行われ、審議終了事項として本年1月末に「放射線審議会基本部会中間報告書」として取りまとめられ、500mSvあるいは1Svとすることが勧告されています。法の手順としては、この件につき見解を求められれば、そう答えるべきであるが、立地指針等にしか現れない40−50年前の考え方に基づく、250mSvの数値使用が妥当かとの経済産業大臣、文部科学大臣等の諮問に対する放射線審議会の答申として、「それで妥当」としている。ところが、福島現地での厳しい状況を反映して、今になり500mSvを限度へとの、再引き上げの議論も始まっている状況である。まさに「モグラたたき」的、場当たり的な政策決定のプロセスで官邸と行政機関がとっているように見える。放射線審議会での決定事項をふまえないこの行政上の手続き無視は、根本からただす必要があります。500mSvより低いからいい等の理由から極めて短時間にメールで審議、強引にものを決めるやり方には大きな疑問を感じます。重ねて、この種の何年も議論になった重要事項をその決定事項とは違う趣旨で、「妥当」と判断するのもおかしいと思います。放射線審議会での決定事項をまったく無視したこの決定方法は、誰がそのような方法をとりそのように決定したのかを含めて、明らかにされるべきでありましょう。この点、強く進言いたします。



2.「国際常識とヒューマニズム」に則ってやっていただきたい

 緊急時には様々な特例を設けざるを得ないし、そうすることができるわけですが、それにも国際的な常識があります。それを行政側の都合だけで国際的にも非常識な数値で強引に決めていくのはよろしくないし、そのような決定は国際的にも非難されることになります。

 今回、福島県の小学校等の校庭利用の線量基準が年間20mSvの被曝を基礎として導出、誘導され、毎時3.8μSvと決定され、文部科学省から通達が出されている。これらの学校では、通常の授業を行おうとしているわけで、その状態は、通常の放射線防護基準に近いもの(年間1mSv,特殊な例でも年間5mSv)で運用すべきで、警戒期ではあるにしても、緊急時(2,3日あるいはせいぜい1,2週間くらい)に運用すべき数値をこの時期に使用するのは、全くの間違いであります。警戒期であることを周知の上、特別な措置をとれば、数カ月間は最大、年間10mSvの使用も不可能ではないが、通常は避けるべきと考えます。年間20mSv近い被ばくをする人は、約8万4千人の原子力発電所の放射線業務従事者でも、極めて少ないのです。この数値を乳児、幼児、小学生に求めることは、学問上の見地からのみならず、私のヒューマニズムからしても受け入れがたいものです。年間10mSvの数値も、ウラン鉱山の残土処分場の中の覆土上でも中々見ることのできない数値で(せいぜい年間数mSvです)、この数値の使用は慎重であるべきであります。

 小学校等の校庭の利用基準に対して、この年間20mSvの数値の使用には強く抗議するとともに、再度の見直しを求めます。

 また、今回の福島の原子力災害に関して国際原子力機関(IAEA)の調査団が訪日し、4回の調査報告会等が行われているが、そのまとめの報告会開催の情報は、外務省から官邸に連絡が入っていなかった。まさにこれは、国際関係軽視、IAEA軽視ではなかったかと思います。また核物質計量管理、核査察や核物質防護の観点からもIAEAと今回の事故に際して早期から、連携強化を図る必要があるが、これについて、その時点では官邸および行政機関は気付いておらず、原子力外交の機能不全ともいえる。国際常識ある原子力安全行政の復活を強く求めるものである。


                                                以上
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2011年04月27日

東京電力のCM(こんなことしている場合か)

東京電力からのお願い 以前ご紹介した以外にもたくさんバリエーションがあるようです。さらに3つを紹介します。

上から目線で、評判悪いCM






こんなに多大な広告費を払う余裕があるのならば、被害者の方々へ直接支払うべきだと思うのは私だけなのでしょうか。
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福島原子力発電所の建設資料映像−重要

まだ、福島原子力発電所といわれていたときの記録映画です。
いかに安全に作られているか、また原子炉の物量など参考になることが多いです。

#1.


#2.


 私の記憶の中にある記録映画は、白黒で建設前の土地の様子が記録された映画です。

見つけられましたら、再度アップしたいと思います。
検索して見つけました。

2011042701.jpg
http://nicoviewer.info/sm14139011

何もないということがよくおわかりのことと思います。

2分50秒頃

この地方一帯は、農業を主とする静かな田園地帯で
過去数百年にわたって
・地震
・台風
・津波

による大きな被害を受けたことがない。・・・

何もない茫洋たる大地。

なぜ、人がほとんどいなかったのでしょう?
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2011年04月26日

東日本大地震から約1年前(今回の予言?)−重要

2010年2月27日15時34分頃にチリ中部沿岸で発生した地震について
報道発表日平成22年2月27日

本文
地震の概要と津波警報等の発表状況 発生日時 2月27日15時34分頃
マグニチュード 8.6
場所および深さ チリ中部沿岸(南緯36.1度、西経72.6度)、深さ約60km
(震源は太平洋津波警報センター(PTWC)による)
発震機構等 東西方向に圧力軸を持つ逆断層型
津波警報等 日本への津波の影響については現在調査中
○ 津波の観測状況
国・地域名 検潮所名 津波の高さ
チリ タルカワノ 1.2m
チリ バルパライソ 1.3m
○ 防災上の留意事項
日本への津波の影響は現在調査中です。今後発表される情報に注意してください。
○今回の地震の震央付近で過去に発生した地震による津波
1960年5月23日 Mw9.5 太平洋沿岸で1m〜4m程度
1985年3月4日 Mw7.9 18cm(八丈島)
1995年7月30日 Mw8.0 29cm(八戸)
2001年6月24日 Mw8.4 28cm(根室市花咲)
2007年8月16日 Mw8.0 15cm(根室市花咲、八戸、宮古、石垣島石垣港)


これに対して、某SNSで、私は以下のように書いておりました。
2011092809.jpg

2010年03月01日09:08津波
 以前、某電力の原子力発電所安全関係を担当していたことがあるのですが、この際に想定される津波の大きさが数十センチでした・・だったと思う。(今回のとおなじ 1960年のチリ沖津波の実測値らしい)
 正直、この程度でよいのかと思ったのですが、これでもどうにか安全性を保たれる程度でした。
1・津波の引き波の際に大量の冷却水が取水できなくなる
2・津波により、海水冷却棟が水につかってしまう
2になると、冷却設備がすべて起動不能になりますので、メルトダウンの可能性が出てくると思われます。
今、探してみても具体的な数値はネット上にはのってませんでした。
太平洋沿岸にも、3メートルの津波が押し寄せると聞いて、果たして大丈夫だろうかと、昨日は心配してました。
柏崎の地震の際も気になりましたし、地震、台風、津波の時は、これからもずっと心配してしまうと思います。
原子力発電所は、発電を停止してからが勝負。崩壊熱が数パーセント残りますので、この除去に苦労することになります。原子力発電所は、自動で停止しました。(スクラムといいますが)の報道に安心されませんよう。

. コメント
1番〜4番を表示
2010年03月01日17:38
1: [xxxxxxst]
首都圏には絶対に建設しないってのが、その危険性の証明のようなものですね。

2010年03月01日17:49
2: 私
危険性の前に、
・土地代
・スペース
の問題が一番です。広大な敷地を取得することは首都圏では不可能ですし、ある程度貧乏なところでないと土地を売ってくれません。
某関西電力が和歌山に建設しようとしたことがあるらしいのですが、みんな−みかんやま−を持っていて裕福なので、土地買収がうまくできなかったみたいなこと言ってました。
だいたい、県境、町境に立てられているのも、そういった理由です。
安全性のことまでは、とても考えておりません。。 (実際のところ)まあ、反対運動もひどくて、人口が多いところには、とても作れませんが。。

2010年03月01日17:53
3: [xxxxxxxst]
スペースは、あるところにはあるような気もしますが...

2010年03月01日22:13
4: 私
コメントありがとうございます。
原子力発電所は、金食い虫で確かに危険です。
そもそも、どこの国も人口密度が近い地域には、造らないようにしてますから。。
首都圏の近くの広いスペースには、当然別の物を造りますでしょうか。
高速増殖炉 もんじゅ の再運転もやめてもらいたいですね。このあたりの費用は、太陽光発電などに振り分ければ、いいのに。と以前から思ってます。


 電力会社原子力安全部門に勤務している人間とって、常識にすぎません。(15年以上前に能力が足りずに会社を辞めた私でさえも)電力会社が「想定外」といっているのは、許せません。
 事故が起こる前に私に何かできなかったかと、いつも自問自答しています
タグ:s O
posted by いんちょう at 21:49 | TrackBack(0) | 原子力

東京電力のお詫びCM

私の住んでいるところは、東京電力の管轄区域ではありません。このため、管轄区域の民放CMのことはわかりません。



30秒の何の内容もないCMです。このようなCMをみて、福島で被災されている方々の気持ちが収まるのでしょうか。

このニュース

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110401/dst11040101100005-n1.htm
【放射能漏れ】
東電お詫びCM、民放各社見合わせで福島では流れず
2011.4.1 01:09
 東京電力福島第1原子力発電所の事故後、東電が3月19日から首都圏など9都県で放映している“おわびCM”が、肝心の福島県内では一切流されず、ネット上などで話題になっている。ほとんどの同県民にCMの存在自体が知られていないのが実情だ。

 東電広報によると、CMは事故について、同県民ら地元や利用者などへ広く謝罪を伝えるもの。同県内の民放テレビ4社、ラジオ2社に要請したが「時期尚早」と放映を断られ、4月以降もめどが立っていないという。

 原発の立地する同県では東電は有力な広告スポンサーだった。関係者は「県民感情に配慮して各局の判断で断っている」という。

 福島テレビ(フジテレビ系)の糠沢修一社長は「東電はおわびよりも一刻も早く事態を収束すべきだ。現場の状況はしっかり報道しており説明はいらない」とし、「地元局として、東電から広告料金をいただける時期ではない」とも話した。


 最後の一行が非常に大事です。

東電から広告料金をいただける時期ではない

逆に、この広告を流しているTV会社(在京TVキー局はすべてだと思いますが)のスポンサーは、東京電力なのです。

その東京電力は、
http://www.asahi.com/business/update/0417/TKY201104170198.html
2011年4月18日0時16分
一方、賠償費用の確保に向け、勝俣会長は会見で人員削減や株式・不動産といった資産の売却など「あらゆることを実施したい」としつつ、「資産をどれだけ売っても(負担が)全額東電なら全く足りない」と国の支援の必要性に言及。「国にスキーム(枠組み)を早く決めて下さいと申し上げている」と述べた。

損害費用の全額賠償は、事実上できないと言っています。資金的に余裕が無いため税金を投入してくださいと言っている会社が、莫大な費用のかかるTV CMを流す余裕があるとは・・・
タグ:T
posted by いんちょう at 17:02 | TrackBack(0) | 原子力

1号機と3号機の爆発(動画比較)・(重要)

 1号機と3号機の動画をyoutubeから紹介します。

1号機


3号機

比較検討はコメントしません。前回の記事などを参考にしてみてください。

いつの間にか3号機の爆発動画が消去されていました。別リンクを乗せておきます。(2011.6.16)


2011.12.16(全て消去されていることを確認)
1号機


3号機



【原発】世界初「原発爆発の瞬間映像はどう伝えられたか」報道パニック
タグ:s 1F
posted by いんちょう at 16:11 | TrackBack(0) | 原子力

海外の報道(エジプトの友人、海外向けプレス発表会場 無人)

FUKUSHIMAは、まだまだおさまりません。

海外では、日本以上に関心が高く、連日報道されているようです。

 地震が起きてから、翌日くらいの夜にエジプト人の友人(医者で現在は、サウジアラビアで研究職をしています)から電話がかかってきました。
(電話といってもSkypeを使っているので無料。TV電話でした)
・・・余談ですが、この友人の導きでエジプト旅行をしました。未完ですが、ホームページもあります。・・

 私が、東京電力に勤めていたことを知っており、当時私が彼に
Japan shoudn't Have nuclear power plants.

と言っていたのを覚えていて、実際どうなのかと聞いてきたのです。

 まだ、原子力発電所が爆発する前だったので、非常に優秀な人たちが対応している。最悪の事態は防げるのではないかと言った趣旨の会話でした。
 
 その後はみなさまご存じの通り。
とても話せる内容がありませんので、以降コールも無視しています。(本日さすがにE-mailは書きました)

 日本に住んでいる友人よりも、ずっとずっと危機感が強いことだけは記述しておきます。

 さて、

恐ろしい記事を発見しました。

http://fpaj.jp/news/archives/2618
東電原発事故外国人記者向け会見が無視された日〜共同会見開始とは偶然?
<日隅一雄>
2011042601.jpg
東電原発事故に関する会見が、統合対策本部の主導で、本部、保安院、東電、文科省、原子力安全委員会の合同で行われ始めた25日昼、官邸で行われた外国人記者向けの会見に出席者が1人もいなかった。これは偶然の一致だろうか…。

 4月に入ってからは、私もさっぱり原子力関係のニュースは見ていません。
・重要なことが話されない
・枝葉末節の話ばかり

なので、時間が無駄なのです。

 また、天木 直人氏のこんなブログも見ました。
http://www.amakiblog.com/archives/2011/04/26/

一部引用します。

放射線流出を止めることがすべてに優先する 
(中略)
日本政府が何にもまして最優先で取り組むべき
は福島原発から放出され続けている放射線流出を一日でも早く止めること
だ。すべてはそこから始まる。

 この国の指導者たちはなぜすべてをそこに集中しないのか。
 
 わかっていながらそれが出来ないとすれば、それこそ大問題である。
事態は我々が考えているよりはるかに深刻ではないのか。

このブログを読んで、愕然としました。危機感が強いと思われる人でさえ、この程度の認識。

チェルノブイリでさえも10日間足らずで放射能飛散は、食い止めています。それさえが、できない状態が、最初から続いています。
・止める
・冷やす
・閉じ込める

1ヶ月もたつというのに、このステップの最初の段階しか(しかもそれは、地震が起きてすぐに終わっています)終了していないのです。冷やすというステップも、水を垂れ流ししているだけ。きちんとした工程表では動いていない。。。

 私のブログも技術的な話ばかりで、根本的な問題を話していなかったようです。

今回の天木氏のブログを読んで、痛感いたしました。
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posted by いんちょう at 13:40 | TrackBack(0) | 原子力

2011年04月25日

1号機から4号機の建屋写真集(重要)

 一応公式発表では、
1号機 水素爆発
2号機 圧力抑制室の破損
3号機 水素爆発
4号機 水素爆発

となっています。

まず、事故が起きる前の状態を見ておきましょう。
20110425000.jpg

1号機
2011042501.jpg
これは、きれいに2つに区切られています。これこそ水素爆発です。事故前の写真と比較すると、線から上の部分がすっぽりなくなっていることがおわかりと思います。1号機原子炉建屋は、どの方角からみても、同じ形です。(爆風による力が均等にかかっているためと思われます)
また、上空から
20110425011.jpg
黒いがれきで覆われているのは、元々の天井がそのまま下に落ちたため。

以上、2つをしっかりとご記憶ください。


2号機
2011042201.jpg
別の角度
2011042502.jpg
蒸気が出ているところは、ブローアウトパネルといわれ、これも想定内の破損です。

どちらも私自身は驚きません。

3号機(海側から)
2011042503.jpg
3号機(上空から)
20110425031.jpg

3号機やや山側から
20110425032.jpg

1号機と3号機の壊れ方は同じでしょうか。
比較しますと
・1号機で直立して保存されている鉄骨の柱は、3号機では内側に倒れてしまっている。
・1号機では健全な状態を保っているコンクリートの建屋部分も柱を残して吹き飛んでしまっている
・建屋自体が原形をとどめていない状況。

1号機の横に抜ける(鉄骨部分の壁を横に吹き飛ばす)ような爆発とは違い、上部とコンクリートの壁を破壊するような強烈な爆発が起きている。
と思われる。

3号機のタービン建屋内に原子炉から飛んだと思われるがれきがあるはずです。(左下の穴)
20110425033.jpg

このがれきを早急に調べる必要があります。(なぜか、3号機のタービン建屋の話は、ほとんど出てきていません。記者会見で、是非質問してもらいたい内容です。)


次に4号機
(海側から)
2011042504.jpg
(上空から)
20110425040.jpg

これは、天井の構造は比較的保存されています。が、やはり信じられないです。

同じ爆発に分類できるのでしょうか?
タグ:s 1F
posted by いんちょう at 20:09 | TrackBack(0) | 原子力

3月14日を振り返る。(首都圏放射能汚染)

 3月14日には、福島第一3号機が水蒸気爆発(公式発表)しました。

東電プレスリリース
http://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/press_f1/2010/htmldata/bi1341-j.pdf
題名は、
福島第一原子力発電所3号機付近での白煙発生について
です。

このプレスリリースの中では、
午後1時55分現在、モニタリングポスト(MP6)付近の測定値は15μSv/h(マイクロシーベルトパーアワー)であり、放射線量の上昇傾向は確認されておりません。
午後3時現在、当所の南側(約10km)風下に位置する福島第二原子力発電所のモニタリングポストの指示値に、これまでと比較して大きな変動はありません。


一ヶ月遅れで、発表された内容・・切り抜きは、4月17日(日)の熊日朝刊です
2011042401.jpg

http://www.47news.jp/47topics/e/205305.php
東京電力の福島第1原発3号機で水素爆発が起きて1カ月が経過した。この間、各地の放射線量が最大値を示したのは爆発翌日の3月15日。関東地方では北風に乗って茨城県に到達した放射性物質が、その後変化した風向きに沿って栃木県、埼玉県を通過し、群馬県に抜けた様子がうかがえる。各地の風向きと放射線量の変化を、文部科学省の集計を基に時間を追って検証した。
 水素爆発が発生したのは3月14日午前11時1分。その後14時間、各地の放射線量に変化は見られなかった。15時間後、茨城に変化が出た。
 15日午前2時。それまで毎時0・047マイクロシーベルト前後で推移していた茨城の放射線量が0・104マイクロシーベルトに上昇し、震災前の最大平常値を突破した。この時、東北東の風が吹いていた。
 午前4時には茨城の風下となっていた埼玉、東京が平常値を超えた。同6時には茨城が0・761マイクロシーベルトに急上昇。栃木、群馬はまだ平常値の範囲に収まっていた。
 福島第1原発では午前6時15分ごろ、2号機の圧力抑制プール付近で爆発が起き、再び外部に放射性物質が拡散。
 午前8時。茨城が1・504マイクロシーベルトを記録。これ以降、栃木の風向きは北から南南東、埼玉は北北東から東、群馬は西北西から東南東へと大きく変わった。
 午前9時。茨城に次いで栃木が過去最大の1・318マイクロシーベルトに跳ね上がった。福島第1原発の4号機で同40分ごろ、水素爆発による火災が発生。同10時には、埼玉、東京がそれぞれ過去最大となる1・222マイクロシーベルト、0・809マイクロシーベルトを記録した。
 午後1時。関東東部の値が低下する一方、群馬が0・562マイクロシーベルトを記録して過去最大となった。神奈川でも最大値を計測。千葉は午後4時に最大の0・313マイクロシーベルトを記録した。埼玉では午後5時に再び1マイクロシーベルトを超えた。(共同通信)


3号機の爆発をきっかけに、首都圏に放射能が拡散し始めたと書いてあります。

そして、この頃発売された雑誌(3月19日発売)
2011042402.jpg
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/110320/ent11032021480015-n1.htm
アエラが謝罪 表紙の防毒マスクに「放射能がくる」 風評被害助長批判に
2011.3.20 21:47
クリックして拡大する
「放射能がくる」と過激な見出しが躍る19日発売の「朝日新聞WEEKLY AERA(アエラ)」(朝日新聞出版発行)の表紙
 福島第1原発の事故をイメージした19日発売の「朝日新聞WEEKLY AERA」(朝日新聞出版発行)の表紙に対し、「風評被害を助長する」などと批判が高まり、同誌は20日、短文投稿サイト「ツイッター」で「ご不快な思いをされた方には心よりお詫び申し上げます」と謝罪した。
 表紙は防毒マスクをつけた人物の顔のアップに、赤い文字の見出し「放射能がくる」を重ねたもの。このデザインに対し発売後、ネット上で「恐怖心をあおってどうするのか」「インパクトばかり求めている」などと非難が相次いだ。
 同誌は20日、ツイッターで「恐怖心をあおる意図はなく、福島第1原発の事故の深刻さを伝える意図で写真や見出しを掲載しました」とした上で謝罪。同誌編集部は産経新聞の取材に「ツイッターに掲出したコメントにある通りです」と回答している
タグ:s P
posted by いんちょう at 00:36 | TrackBack(0) | 原子力

2011年04月22日

梅雨、台風の時期まで・・・

あまり時間がありません。

今は、1F-1,3,4号機が  雨ざらし、野ざらしの状態です。

梅雨の時期に雨が原子炉建屋に入り込んだら・・・台風で仮設電源が壊れたら・・・

せめて、仮設の屋根など作れないのでしょうか?
タグ:1F
posted by いんちょう at 16:56 | TrackBack(0) | 原子力

1F-4号機の謎(建屋崩壊)

燃料プール火災が起きたと思われる4号機。

http://cryptome.org/eyeball/daiichi-npp/daiichi-photos.htm
から、写真を拝借しております。

まず、全体的な状況
2011042104.jpg

格納容器がやられている2号機が外観が一番まともなのは、皮肉。奥から2番目の原子炉建屋に注目。建屋の中程に線がみられます。これが、先日も説明しました爆弾に耐えられる鉄筋コンクリートと張りぼての境目。この塗料の塗り方を注目します。

2011042201.jpg

これと4号機の側面を比較してみます。

まず、海側から
2011042202.jpg

ほとんど、地上と同じ高さまで、コンクリートの壁が崩落しています。

次に山側から
2011042203.jpg

こちらは、海側よりはひどくはありませんが、少なくとも1ブロック分は分厚いコンクリートが崩壊しています。

また、本日の記事。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110422-00000057-jij-soci

核燃料を水中カメラで撮影へ=4号機プール―福島第1原発
時事通信 4月22日(金)12時22分配信

 福島第1原発事故で、東京電力は22日、4号機の使用済み核燃料プールの水位や温度、放射線量などを長いアームがあるコンクリートポンプ車で詳細に調べるほか、水中カメラで燃料集合体の直接撮影を試みると発表した。燃料集合体は水面から3メートル程度下にあるのではないかという。
 12日に同ポンプ車でプールの水を採取し、含まれる放射性物質を分析した結果では、東電は燃料の一部が破損しているものの、大部分は健全との見方を示していた。直接撮影できれば、状態をより正確に把握できると期待される。
 調査は早ければ22日から始め、23日以降は注水も同時に行う予定。 


また、東京電力が先日公開した4号機燃料プールの写真
2011042702.jpg

どうしても、建物とつながらないのです。もし、燃料プールの中に燃料があったとしたら、この大規模な爆破はどうして起きたのか?使用済燃料以外にこんな爆発を来す物質があるのでしょうか。燃料の健全性が保たれているとすれば、また新たに大きな疑問が生じます。

 今回の災害は、実は使用済燃料に脚光をあびせました。どの原子力発電所も、定格運転中の原子炉建屋に使用済み燃料を炉心以上に抱え、しかも不安定な建屋の最上階に保管しているのです。

 この問題を解決しない限り、また、第二、第三の事故が起きます。もし、原発の存在する地方自治体の方がおられましたら、安全対策の一つに使用済燃料保管対策も考慮していただくようお願いいたします。

 今後の原子力発電所安全対策私案も公開しています。あわせてみていただけますと幸いです。
タグ:1F
posted by いんちょう at 16:14 | TrackBack(0) | 原子力

2011年04月21日

福島の思い出(4)・・3交代(日勤)

 配属した日は、日勤勤務でした。これは、中操(中央操作室)にいくのではなく、その横にある窓がある部屋(原子力発電所の建物で窓があるところは珍しいのです)での勤務。

 そもそもが、この日勤勤務は有給休暇を取るための勤務ですから、全員そろうこともなく、非常にのんびりしていました。ただ、全員が休むとそれはそれで問題なので、班の中(10名)で調整してとります。

 われわれは、東京電力が得意なOJTです。On Job Trainigの略で、ようはみながら覚えろということ。

パトロールにもいきますが、原子力とは直接関係ない、海水熱交換機建屋。スクリーン(取水口)をみたり、海水の熱交換器(今回の津波ではここがすべてやられました)のチェック。ときどき、取水口のゴミとして、木戸川を遡上する鮭があがったり、ウニがあがったりします。当時は、まだ怖いもの知らずでしたので、取水口にあがったウニを食べていました(1回だけですが)。その話を実家にすると両親から、さんざん怒られました。
 〜まったく、大げさなんだから〜〜

 今考えてみますと、濃度が低いとはいえ原子力発電所から放射性廃棄物も廃棄されています。やはり、食べない方が無難だったとおもいます。

・・・
隣の広野火力発電所にある放水口近くでは、有料釣り堀が解放されていましたが、原子力発電所にはそういった施設はありませんでした。両方とも漁業権は放棄してある地区なのですが、東電の中でも区別していたようです。

 パトロールは、機器がきちんと動作しているかどうかをチェック。(チェックシートがあったような気がします。)モーターの音を金属棒を通して聞いたり、ポンプのシール部からの水漏れなどを発見すると、保修課にたいして修理依頼をします。この書類の名前・・なんでしたっけ、思い出せません・・英語表現でしたが・・忘れるものですね・・

 こうやって、当直員、日勤で発電所全体のチェックをしながら、運転管理をしていきます。もっとも、通常は大きなトラブルに見舞われることもなく、(まあ、仮にあったとしても3交代勤務なので、引き継ぎすれば帰宅)のんびりとしたものでした。

 早々と、運転勤務に入った同期に話を聞きますと、
・原子炉の中は、5階建てのフロアー
・アラームメータを持って、管理区域に入るらしい。
・パンツ一枚だけで、あとは全部着替えて管理区域に行く。
・管理区域内には、トイレはない
・タービン建屋は3階建て

なんて、話を聞かされましたが、実際中に入らない限りぴんとこないものです。実際の建物に入ることを夢見ながら、日勤業務を続けました。

2011042101.jpg
福島第二原子力発電所
当時の写真はほとんどなく、この写真も東京電力のホームページから拝借したものです。
タグ:M
posted by いんちょう at 22:22 | TrackBack(0) | 原子力

2011年04月20日

母乳からも

http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2011042000827
母乳から微量の放射性物質=市民団体が検査−福島
 福島第1原発事故で水道水や農作物から放射性物質が検出された問題を受け、市民団体「母乳調査・母子支援ネットワーク」(村上喜久子代表)は20日、福島市内で記者会見し、福島など4県の女性9人の母乳検査で、茨城、千葉両県の4人から1キロ当たり最大36.3ベクレルの放射性ヨウ素131が検出されたと発表した。
 厚生労働省は水道水の放射性ヨウ素が同100ベクレルを超える場合、粉ミルクなどに入れて乳児に摂取させないよう求めているが、母乳については明確な基準はなく、村上代表は「今回の数字が高いとも低いとも判断できない」としている。(2011/04/20-20:14)


牛乳から検出されたという話を聞いて、母乳もと思いましたが、この測定値が発表され、愕然としました。

このような記事がありました。

http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/90da673c7303f4584e2abd397391e9f1/
WHOが、日本の水道水に関する放射性物質の規制基準は国際基準の10倍厳しいと記載 - 11/03/24 | 13:13


 WHO(世界保健機関)が3月22日に発表した東日本大震災に関する報告書「Japan earthquake and tsunami Situation Report No. 13(SITREP NO 13)」によれば、日本での水道水における放射性物質の規制基準は、国際基準に比べ、およそ10倍厳しい。

 日本では、飲料水の規制基準は、ヨウ素131が1キログラム当たり300ベクレル、セシウム134・セシウム137が1キログラム当たり200ベクレルとなっている。

 乳幼児に関しては、厚生労働省により、各1キログラム当たり100ベクレルとしており、23日に発表された東京都金町浄水場で検出されたヨウ素131の濃度(22日)は、1キロあたり210ベクレルで、これにより乳幼児では飲用を控えるように呼び掛けられた。

 WHOの報告書の13ページでは、日本の規制基準の値は、国際的に合意された規制基準より厳しく、国際基準では、ヨウ素131が1キログラム当たり3000ベクレル、セシウム134が1000ベクレル、セシウム137が2000ベクレルと記載している。

 また、IAEA(国際原子力機関)のガイドラインをもとに、ヨウ素131は低比放射性のために重大な放射線発生源ではないとしている。
(東洋経済オンライン)


これだけ読むと、日本の基準は、十分厳しいように思えます。

原文を当たります。
http://www.wpro.who.int/NR/rdonlyres/55CDFAF4-220A-4709-A886-DF2B1826D343/0/JapanEarthquakeSituationReportNo1322March2011.pdf
の13ページ
It should also be noted that the Japanese guideline value is an order lower than the
internationally agreed Operational Intervention Levels (OIL's) for I-131 (3,000 Bq/kg), Cs-134
(1,000 Bq/kg) and Cs-137 (2,000 Bq/kg). Iodine-131 is not a significant source of radiation
because of its low specific activity (ref. IAEA General Safety Guide No. 2:
http://www-pub.iaea.org/MTCD/publications/PDF/Pub1467_web.pdf)


確かに、10倍厳しいとは書いてありますが、もんだいはこの文章の中の
Operational Intervention Levels (OIL's)

です。これは、
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1458433534
でわかるように、

防護対策を実施するための測定可能な指標で表された判断基準のことです。

すなわち、非常時の基準。

もう、複雑すぎてよくわかりません。

通常の基準(正常の状態)は、ネットよりの参考値です。

世界の水道水放射線基準値
●世界の基準値
WHO基準      1ベクレル(Bq/L)
ドイツガス水道協会 0.5ベクレル(Bq/L)
アメリカの法令基準 0.111ベクレル(Bq/L)
●3/17までの日本の基準値
ヨウ素 I-131 10ベクレル(Bq/L) 
セシウムCs-137 10ベクレル(Bq/L )
●3/17以降・現在の日本の暫定基準値
・ヨウ素(I-131)131  300ベクレル(Bq/L)
 飲料水 300 Bq/kg
 牛乳・乳製品 300 Bq/kg
 野菜類 (根菜、芋類を除く。 ) 2,000 Bq/kg
・セシウム(Cs-137)137 200ベクレル(Bq/L)
 飲料水 200 Bq/kg
 牛乳・乳製品 200 Bq/kg
 野菜類  500 Bq/kg
 穀類  500 Bq/kg
 肉・卵・魚・その他 500 Bq/kg

少なくとも現在の基準値は、以前の基準と比べてかなり甘くなっています。

母乳が安全かどうかは、上記基準から各人で判断するしかなさそうです。
タグ:P
posted by いんちょう at 21:39 | TrackBack(0) | 原子力

放射能はうつりません。(二次被爆問題・除洗)

気になる記事を見かけました。

http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/disaster/2796285/6964402
【4月19日 AFP】日本政府は19日、東京電力(TEPCO)福島第1原子力発電所の周辺から避難してきた住民を差別しないよう自治体や企業、国民に呼びかけた。

 政府の呼びかけは、原発周辺からの避難住民が、複数の避難所で放射能汚染の有無を検査した証明書を提示するよう求められたり、ホテルの予約を断られたり、子どもがいじめにあったりしたという報道を受けたもの。

 玄葉光一郎(Koichiro Genba)国家戦略担当相は会見で、一部の人が心ない対応をしていることが残念でならないと述べ、関係機関や業界にこういったことが起きないよう指導することを求めた。

 また、枝野幸男(Yukio Edano)官房長官も「放射線は感染症のような形でうつったりしないという客観的な事実がある」と述べ、そのような差別行動は「あきらかに過剰な反応」だと語った。

 19日には茨城県つくば市で、福島県からの避難住民が避難所に入る前に放射能汚染検査を受けた証明書の提出を求めてられていたことが報道された。つくば市の当局者は、避難住民は自分が被ばくしているかどうかを知る必要があり、避難住民のために行った措置だったと説明したものの、証明書の提出がなぜ必要だったかについては説明しなかった。(c)AFP


 こういった報道をされると、今後放射能サーベランスができなくなります。

残念ながら、福島県は原子力発電所のある浜通を含め、郡山、福島まで放射能管理区域といってよい放射能があります。(以前、フィルムバッチを持つよう勧めるとの記事を紹介しています。)

 放射線管理区域に立ち入った場合には、その放射能を外部に持ち出さないために、表面のサーベランスおよび服の着替え(下着をのぞく)が必要とされます。
 つまり,人自身が放射能を持っているわけではなく(中性子を浴びると放射化しますが、その場合は生きていられません)、表面に放射能を帯びたチリを持っているかどうかを確認せねばならないのです。
 したがいまして、筑波のような避難所では、こういった表面汚染を測定する器械が必要なのであって、証明書が必要なわけではないのです。そして、表面汚染が見つかった場合には、服を廃棄し、体をシャワーで洗う(冷水である必要はありません。)ことが大事なのです。証明書が仮にあったとしても、その後再立ち入りをしていれば、何の意味もありません。
 放射能管理区域といってよい場所からの人・物品をチェックもせずに流通させるようになってしまいますと、被ばくの二次被害を引き起こします。

 なぜ、こういった設備がないのでしょうか?(こういった事故は、起こらないという想定ですから、今更仕方がないのですが・・・)

 原発のある周囲の県は、想定される避難所にこういった設備を早急に用意する必要があります。

 ロシアなどのようにガイガーカウンターがホームセンターで容易に手に入るようにしなければなりません。莫大な市場が見込まれるわけですから、日本のメーカーが本気を出せば、簡単なはずです。
タグ:P
posted by いんちょう at 16:14 | TrackBack(0) | 原子力

東大・専門家を信用するな

私は、熊大医学部出身です。

一度、フィールドワークとして、浴野(えきの)先生(当時、熊大医学部講師)、二宮先生と御所の浦(天草にある離島)にいったことがあります。浴野先生は、その業績がみとめられ、現在は教授となっておられます。

こういう縁もあり、ちょっとだけ水俣病を勉強しました。当時は、原因不明の病気とされ、いろいろな原因が取りざたされました。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E4%BF%A3%E7%97%85

現在では、水俣病の原因をチッソの有機水銀であることを疑う人はいません。

Wikiから重要と思われる部分を抜き書きします。

1956年に熊本県水俣市で発生が確認されたことがこの病名の由来であり、英語では「Minamata disease」と呼ばれる。

原因物質は容易に確定されなかった。1958年7月時点では、熊本大学医学部研究班は原因物質としてマンガン、セレン、タリウム等を疑っていた。当時、水銀は疑われておらず、また前処理段階の加熱で蒸発しており検出は不可能であった。更に、有機水銀を正確に分析し物質中の含有量を測定する技術は存在していなかった。しかし、翌年熊本大学水俣病研究班は、原因物質は有機水銀だという発表を行った。これは、排水口周辺の海底に堆積するヘドロや魚介類から水銀が検出されたことによる。公式見解として、メチル水銀化合物 と断定したのは、1968年9月26日であった。

1959年7月に有機水銀説が熊本大学や厚生省食品衛生調査会から出されると、チッソは「工場で使用しているのは無機水銀であり有機水銀と工場は無関係」と主張し、さらに化学工業界を巻き込んで有機水銀説に異を唱えた。

1946年:日本窒素がアセトアルデヒド,酢酸工場の排水を無処理で水俣湾へ排出。
1949年頃:水俣湾でタイ,エビ,イワシ,タコなどが獲れなくなる。
1952年:熊本県水俣で最も早期の認定胎児性患者が出生。ただし認定は20年後。
1953年:熊本県水俣湾で魚が浮上し,ネコの狂死が相次ぐ。以後,急増。
1954年:8月1日付熊本日日新聞で、ネコの狂死を初報道。
水俣病患者で最古の症例とされるのは、1953年当時5歳11ヶ月だった女児が発症した例である[5]が、患者発生が顕在化したのは1956年に入ってからである。新日本窒素肥料水俣工場附属病院長の細川一は、新奇な疾患が多発していることに気付き、1956年5月1日、「原因不明の中枢神経疾患」として5例の患者を水俣保健所に報告した。この日が水俣病公式発見の日とされる。
水俣病の有機水銀原因説に対して新日本窒素肥料や日本化学工業協会などは強硬に反論した。厚生省食品衛生調査会が水俣病の原因を有機水銀化合物と結論。


このころ、清浦雷作・東京工業大学教授はわずか5日の調査で「有毒アミン説」を提唱し、戸木田菊次・東邦大学教授は現地調査も実施せず「腐敗アミン説」を発表するなど、非水銀説を唱える学者評論家も出現し(御用学者)、マスコミや世論も混乱させられた。


病気の発見から、12年。熊大が原因を特定してから、それが認められるまでに10年の歳月がかかっています。その裏には、腐敗しきった化学業界、御用達学者の存在があるといってよいでしょう。

 このことを昔のことだよ。と片付けられるでしょうか?

現在も相変わらず御用達学者が目に余ります。学会と反対のことをいうとつるし上げを食らったり、あるいは、不安をあおるだけと逆に攻撃されたりしています。

 現在は、インターネットがあります。海外の情報、あるいは、信頼に足る情報を自分の目で確かめる必要があります。

 とある先生に言われました。

「悪い情報から目をそらし良い情報に飛びつく、まるで癌患者の様な関係者達」

至言だと思います。そうならないよう、全員が心する必要があるでしょう。

補足
私が東大時代に教えてもらった先生に

吉川弘之 先生がいます。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%89%E5%B7%9D%E5%BC%98%E4%B9%8B

なかなかダンディーな先生でした。休講は多いものの、く荒唐無稽なおもしろい話(機器の設計を自動でやるといった)が多く、講義はおもしろかった記憶があります。

が、このWikiをみてわかるように 女系天皇を容認する報告書を座長としてまとめています。

この先生は、工学部出身でありますし、機械系の話をしていただけです。とても皇室に関する専門家とはいえません。おそらく、東大の総長を務めた経験から、指名されたのでしょう。こういった政治色の強い名誉職に非常に惹かれるのが東大の先生なんだなぁとその当時思いました
タグ:R
posted by いんちょう at 15:56 | TrackBack(0) | 原子力

2011年04月19日

驚きの1F-3号機(建屋崩壊、内部写真)

 徐々に写真が出てきました。

3号機の見るに堪えない写真
2011041904.jpg

そもそも原子炉の建屋自体も5重の壁の一翼を担っています。(本来、最後の砦です)
http://ja.wikipedia.org/wiki/5%E9%87%8D%E3%81%AE%E5%A3%81

5重の壁(ごじゅうのかべ)とは、原子炉からの放射能漏洩を防ぐ為に設けられた5つの障壁のことで、原子炉の安全設計の「多重防護」のうちの一つである。

燃料ペレット
発生する放射性物質をペレット内部に保持する。
燃料被覆管
燃料ペレットから発生する放射能が外部に漏洩することを防ぐ。
原子炉圧力容器
冷却材に溶け込んだ放射能が外部に漏洩することを防ぐ。
原子炉格納容器
原子炉圧力容器が破損した際に、放射能および放射線の漏洩を防ぐ。
原子炉建屋
原子炉格納容器外部まで放射能が漏洩した場合に、外部への漏洩を防止する。

電事連にも書いてあります。
http://www.fepc.or.jp/present/safety/shikumi/jikoseigyosei/index.html

これは、本当に最後の砦である原子力建屋までが崩壊しています。起きてはならない事故なのです。

むかしのQ&A

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1425000064
原子力発電所の原子炉の壁の強度はどれくらいのものなんでしょうか?ミサイルとか...orionzasbvunjxsさん

原子力発電所の原子炉の壁の強度はどれくらいのものなんでしょうか?
ミサイルとかが当たってしまえば簡単に壊れてしまうものなんですかね。

質問日時: 2009/4/8 15:38:04
解決日時: 2009/4/15 23:09:51

ベストアンサーに選ばれた回答greatphimosisさん

炉心は三重の壁で護られています。
一般的に目にするものは、原子炉建屋という鉄筋コンクリート製の一番外側の殻です。
厚さ2mの鉄筋コンクリート製です。
これがどのくらい頑丈かというと、ジャンボジェットが離発着する、中部国際空港「セントレア」の滑走路の舗装路面が69cm。
それの、3倍近い厚さがあり、更に中には、人間の腕ほどの鉄筋が無数に入っています。
ミサイルどころか、爆撃機から250kg爆弾を数発命中させても壊れることはありません。
さらにあの中には、厚さ4cmの鋼鉄でできた原子炉格納容器があり、そして、その中に、厚さ20cmの原子炉圧力容器が収納されています。
原子炉圧力容器の中に、炉心があります。
 


私の専門は機械関係でしたので、原子炉建屋の知識はそれほどありません。しかし、横からジェットが突っ込んでも大丈夫な強度であるのは、知っています。一言で、原子炉建屋といいましても
上部構造と下部構造に分かれています。
2011041905.jpg
建屋に少し線が見えると思いますが、この線から上は、水素爆発で飛ぶことも想定したすかすかの建屋。(1号機では、ここが吹き飛びました。これは、想定内の爆発といえます)その下は、決して壊れてはいけない壁が2メートルもの厚さがある建屋なのです。こんな構造がこんなにぼろぼろになるなんて、建築関係をやった人からすると、とても考えられないと思います。
(専門家の意見を是非聞かせていただきたいです)

 わたしは、てっきり、原子炉が爆発したと思っていましたが、先日公開されました写真
2011041901.jpg

 これは、原子炉格納容器(ドライウエル)一般の管理区域から原子炉建屋につながる2重扉の中だと思われます。ちょっとがれきのようなものも見えますが、比較的きれいです。これを見ます(扉の向こうが格納容器)と、格納容器が損傷していないというのは事実でしょう。この写真だけですと、評価は困難です。

 注目すべきは、下記の写真です。
2011041902.jpg

 何の変哲もなさそうですが、この明かり取りの窓のように見えるのが、原子炉建屋の壁が崩壊していることを示します。これは信じられない光景です。 ちょっと違っていたようです。広く開いている窓のようなものは、機器搬入用ハッチとのこと。しかし、その上にある小さい明かりをみてください。ここは、壁の崩落を意味します。今更、この機器ハッチが開いていようが、外面をみておわかりの通り、何ら影響はありません。
 私の結論としては、使用済み燃料プールがなんらかの爆発をした原因を作ったのではないかと考えています。
 最近は、信じられない、あり得ない写真ばかりが公開されています。・・・本来、TVに出てくるいわゆる専門家たちが説明しないといけないと思いますが、安全としか話しませんので、全く意味がありません。その、専門知識は、いったい誰のためのものですか?と聞いてみたいものです。

詳しく知りたい方は、下記リンクをご覧ください。(必ずしも正しいとは限りません)
http://www.prisonplanet.com/top-scientist-fukushima-meltdown-could-trigger-atomic-explosion.html

 しかし、日本で起きていることなのに、なぜ英語サイトの方が情報が豊富なのでしょうか?不思議でなりません。

2011.4.19 21:25改訂
タグ:1F
posted by いんちょう at 17:00 | TrackBack(0) | 原子力

2011年04月18日

福島の思い出(3)・3交代勤務

 最初の配属は、原子力発電所の運転(3交代)業務でした。私たちの前の年までは、3週間程度と非常に短かったのですが、私たちの年だけ来年の1月1日までという長丁場。5月から1月までですから、8ヶ月程度。(さすがに評判が悪く、翌年からは夏くらいになったようです)

 配属されたのは、1−2号機のD班でした。

発電所の三交代は、次のように分かれています。

1直 8:00-15:10
2直 15:00-22:10
3直 22:00- 8:10

(勤務時間が事務部門と異なっていたため、評判が悪く、少し変わりました。)

1日目 1直        8:00-15:10
2日目 1/2直(とおし) 8:00-22:10
3日目 2直        15:00-22:10
4日目 3直        22:00-翌8:10 
5日目 3直        22:00-翌8:10 
6日目 あけ 3直終了後の時間(休み)
7日目 休み
8日目 休み

のサイクル。

これを3サイクルか4サイクルしたあとに日勤業務となります。

日勤  8:00- 16:00 (このあたりあやふや)

を一週間。このときに、いろいろな研修や、有給休暇を取ります。

 平日も休みになりますし、ひるまもぶらぶらしている感じですので、近所の人には、
「あそこのご主人、働いているのかしら?」
と思われてしまうようです。

夜間には、交代で1−2時間の仮眠をとっていましたが、体は非常に疲れました。もう2度とはしたくありません。

福島第二原子力発電所は、2プラント一当直体制でした。

当直長 1名(課長クラス)
副長  1名
主任  2名(1プラント1名)
副主任 1−2名?(1プラント1名)
運転員 3名?(この人数は、ちょっと怪しいです)

我々大卒組(がくそつ といわれてました)は、2名ごとの配属。

定員にははいらない、研修の扱いでした。
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2011年04月16日

福島の思い出(2)・福島第一での初期研修

 福島第二原子力発電所に配属となりましたが、さらに数週間は、福島第一原子力発電所で福島第一原子力発電所配属組(15名程度)と一緒に原子力初期研修となりました。

 この福島第一原子力発電所は、とてつもなく広大です。まず、所内には2つ以上の信号機があり、請負企業棟に設置されている自販機の売上は、東北一と紹介されました。昼休みに運動のために事務棟(発電所の近くにあります)から正門まで歩いてみましたが、1時間の休み時間内には往復できず、途中で断念しました。おそらく片道で40分はゆうにかかる距離です。現在お住まいの場所から、歩いて40分程度の場所を思い浮かべてください。発電所の大きさがある程度おわかりになるかと思います。

 研修途中で見せてもらった福島第一原子力発電所の記録映画。発電所ができるまでは、なんにもないというのは、こういった状況を指すのかというくらい本当になんにもないところ。葦だかなんかのくさが一面に生えているような映像でした。もともとは、塩田があったらしいのですが。。。
 その当時に赴任した人に話を聞きますと、肉を買いに行くにも車で1時間以上走る必要があったらしい。まあ、私が赴任した80年代後半にもコンビニがないくらいでしたので、まあそのくらいは当然でしょう。
 平野もそこそこあって、雪も殆ど降らない、寒さもある程度厳しいものの仙台などに比べるとそれほどでもない。それなのに人口がかなり少なかったという事実は、何らかの理由があったのだろうと思われます。海岸沿いに都市が発展していない地域というのは、この福島だけではないでしょうか?

 本店にいる際にも、資源エネルギー庁のひとから、「日本で、一番立会いに行きたくない発電所なんだよねぇ。」と言われたこともあります。まあ、これは余談ですが・・・

 一番端にある4号機(今回燃料プールが爆発しました)と事務所の間も結構な距離がありますので、巡回バスが走っています。また、協力企業の事務所がある場所はさらに離れていますので、各会社とも専用のバスを持っています。たぶん、事務所から4号機まで歩くと15分以上はかかります。
なにしろ、通常の人間の想像をはるかに超える大きさであるのは間違いありません。

 研修中には、BWR運転訓練センターなるものも見せてもらいました。通常の原子力操作室(中操とよばれます)がつくってあり、コンピューターでいろいろな警報、その操作によるプラント挙動を模擬します。警報装置は、たぶん140くらいあるのでしょうか。重要な警報赤字で表示されています。
警報はもちろん日本語で、たとえば

燃料プール水位 低
燃料プール水位 低低 (たぶんこれは赤字)

といった感じです。(この名称は適当)ちなみに、福島第一1号機は、GE製ですので、警報も英語表示

Fuel Pool Water Level LOW
Fuel Pool Water Level LOW LOW

といった感じと聞きました。むかし、1号機で勉強した人たちは、英語のほうが分かりやすいと言ってました。

 もし、1号機の中操の写真が出てくるようでしたら、このあたり確認してみてください(福島第一の1号機に実際に入ったことはないのです)
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2011年04月15日

国立がんセンター、フィルバッヂを配布を(福島県)

 本日は、驚くべき記事を見ました。

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011041400725
2011042001.jpg
放射線測定バッジ「個人配布を」=福島県と国に提言−国立がんセンター
 国立がん研究センター(東京都中央区)の嘉山孝正理事長らは14日、同センターで記者会見し、医療従事者が放射線を取り扱う業務の際に使う放射線測定器具「フィルムバッジ」を、福島県の住民に配布することを県と国に提言すると発表した。
 嘉山理事長によると、測定器具は外部被ばく線量を測定するため、国内で約44万人の医療従事者が胸などに着けて使用。1カ月間といった一定期間ごとに線量を測定する機関に送る。費用は1人1回3000円程度で、送付後約2週間で結果が返ってくるという。
 同センターは約2万人分のフィルムバッジが入手可能といい、嘉山理事長は「福島県の方々が安心して生活できるように最大限の協力をしたい」と話した。(2011/04/14-18:50)
 当院にも胸部レントゲン用の放射線設備がありますので、フィルムバッチは使っています。

 原子力発電所に勤めていた時、放射線管理従事者になると

・フィルムバッヂ(タッチ式の入域カード)
・IDカード

そして、放射線管理区域に入るときには、アラームメーター、ATLD(自動熱蛍光線量計)を持ち込んでいました。
 つとめて、3年くらいたって合理化のためにアラームメーターのみになりました。(フィルムバッヂは廃止)ATLDが廃止となり、アラームメーター、フィルムバッジのみの持ち込みに変更となりました(2011.6.27変更)

 当直員(運転員)とわれわれ保修部門とでは、中性子?などの浴び方が違うということで、ちょっと差がありました。(詳しくは知りません)・・高速中性子の被ばくがあるとかないとか??

アラームメーターは、1mrem単位。 通常の作業では ほとんど 0表示。
たまに1−2程度を被爆することがありました。
今の単位に直しますと、 0.01-0.02 mSvです。

 このフィルムバッヂを持っているのは、発電所の建物の中だけで、もちろん事務所には持って行きませんし、寮にも当然持って行きません。(なくすと大変ですし)

 つまり、原子力発電所の立地点であっても、通常生活の場では、全く必要のないものなのです。(当然ですが)

 それを、国立がんセンターが福島県では(場所を選択する必要はあるにせよ)個人に持ちなさいと勧めているのです。
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2011年04月14日

福島の思い出(1)・独身寮

私が福島第二原子力発電所に勤めていたのは、もう20年以上前です。5年近くは福島県の富岡町に住んでいました。

住所を書きますと、
福島県双葉郡富岡町大字小良ケ浜字市ノ沢186−2 夜ノ森独身寮(よのもりどくしんりょう)203号室

でした。現在は、もう取り壊されてないとのことなのですが、
・4.5畳2間。
・鉄筋コンクリート建て
の立派な建物でした。当初は、電話はなし。(受付取次のみ)寮長さん、寮母さん、賄いさん3名、掃除のおばちゃん3名ほど。

入寮していた人は20名足らずだったでしょうか。寮費は10,000円以下/月 程度。あとは、朝食、夕食が実費(学食並み)が徴収されていました。
風呂は共同、トイレも共同、コインランドリー、ジム、ちょっとした書斎、タバコの自販機なども整備され、非常に住み心地は良かったです。

暖房は灯油ファンヒーターでした。(燃料費実費)やはり、電気は高いから、灯油を使っているんだろうね。とみんなで話していました。

同期の配属は全部で10名(東電の原子力発電所の中では最も少ない人数で、みんな仲良くやっていました)

最初の一ヶ月は、大学卒新入社員全員(文系、理系、全部門)が、多摩地区にある東電学園で研修をしました。最後に、給料明細をもらったのですが、福島は第3地区(だったと思います)。何の手当(住居手当など)もないため、手取り10万円に届かなかったことが記憶に強く残っています。

東京から引っ越しするに当たり、寮長に電話をかけ住所を聞きましたが、あまりにも長い住所なので、なんども聞き返しました。さらに よるのもり 独身寮 という名前が・・・・

赴任したのは、ゴールデンウィークの前 4月下旬。桜が満開で、赴任の日に寮生全員で夜ノ森公園で花見をしていました。夜ノ森駅から歩いて寮に向かい、プレハブのような建物を見ては、あそこなら嫌だな・・・なんて考えていました。
途中、立派な鉄筋コンクリート3階建ての建物があり、あそこならまあいいけど・・・・と思った建物こそが目指す独身寮でした。

東京で5年間過ごしていましたので荷物が山のようにあり、寮長に呆れられました。その時送った炊飯器、冷蔵庫は全く使わず、直ちに処分。

食堂ではまかないのご飯の他に、ビールやつまみがおいてあり、自分の好きなものをとって、金額を帳面に書く。月末給与時に精算の形をとっていました。独身寮の中に入れば、生活には不自由はありません。

周りにはコンビニもなく、自動車の所有も1年間は禁じられていましたので、自転車、原付のみ。近くには本屋もなく、図書館もなく、NHKラジオの教育放送も入らない。そんな環境でした。

発電所への通勤は、常磐交通の借上げバス。非常に豪華なバスでした。ただし、朝は1本のみ。乗り遅れたら、遅刻。最後の方は歩いて通っていましたが、歩くと発電所まで1時間以上かかるくらいの距離でした(このあたり、記憶があやふやです)
帰りは、30分〜1時間に1本程度。

つまり、会社の独身寮で生活して、送迎は会社のバス(当然乗車しているのは社員のみ)、そして会社の独身寮に帰るという生活でした。東京に転勤して何が一番嬉しかったといいますと、鉄道などの公共交通機関で東電社員以外の人の顔を見ることができることでした。 (気分で続きます)
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2011年04月13日

東京電力の賠償金支払い

これも、ややおかしいです。

http://www.asahi.com/business/jiji/JJT201104050063.html
2011年4月5日17時21分
 東京電力の藤本孝副社長は5日、東日本大震災で被災した福島第1原発の放射能漏れ事故による周辺住民らへの被害補償について「できるだけ早く進めたい」と述べ、可能な限り早急に対応する考えを表明した。補償内容は未定としているが、原子力損害賠償法(原賠法)に基づき国と分担する補償割合などを「現在、協議している」と語り、政府と具体的な調整に入ったことを明らかにした。

下が元記事のようです。

東電、4月中に漏えい事故賠償金仮払い

福島原発
 海江田経済産業相は5日の閣議後記者会見で、東京電力が、福島第一原子力発電所の放射性物質漏えい事故で避難した住民や農産物の被害を受けた農家に対し、4月中に賠償金の仮払いを行う方向であることを明らかにした。


 経産相は、「具体的な支払い準備を東電に指示した」ことを表明した。仮払いの額については、「今後の賠償の内金としてある程度、まとまったお金を支給すべきだ」と強調した。4月中の支給については、「すべての人に行き渡るわけではないが、そういう日程感だ」と述べた。

 また、玄葉国家戦略相も「東電からの仮払いを含め、着の身着のまま避難された方に一刻も早い一時金の支給が必要だ」と作業を急ぐべきだとの認識を示した。枝野官房長官も「東電には補償を指示しており、当座の資金として緊急性を持って検討を進めていただいている」と述べた。原発事故による被害補償は、政府が設置する紛争審査会がまとめる補償の指針に基づき、電力会社が対応する仕組みだ。政府は週内にも審査会を設置する方向だ。

(2011年4月5日13時40分 読売新聞)


まあ、頷ける内容だと思います。被災者に直接支払うべきです。

ところが、、、、
http://ir.nikkei.co.jp/irftp/data/tdnr2/tdnetg3/20110405/6sv6ft/140120110405080985.pdf

2011041301.JPG

副社長がいったことも、会社としては否定します。

本日は、

http://www.jiji.com/jc/movie?p=top254-movie02&s=273&rel=y&g=pol
2011年4月13日
 東京電力の清水正孝社長は13日、都内の本社で記者会見し、東日本大震災で被災した福島第1原発で重大な放射能漏れ事故を起こしたことを改めて謝罪した。その上で、事故に伴う損害の補償に関連し「避難を余儀なくされている方に当面必要な資金を仮払いとして支払うことを検討している」と表明。仮払時期については「一日も早く」と述べ、対応を急ぐ考えを示した。
 清水社長は、原発事故について「周囲の皆さまに大変なご迷惑、ご心配をお掛けしていることを、改めて深くおわびする」と陳謝。一方で、事故の収束と被災者支援、電力の安定供給に全力を挙げるのが最大の責務だと強調し、「出処進退を含め、私の経営責任について現時点でコメントする状況にない」と述べた。日本経団連副会長と電気事業連合会会長については「辞任したい」と明言した。【時事ドットコム編集部撮影】

 社長は支払うと言っています。このドタバタはどういうことでしょうか。
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posted by いんちょう at 20:20 | TrackBack(0) | 原子力

チェルノブイリとの違い。(放射能汚染について)

 LEVEL 7という話が出てきました。

それに対して、各国から「それは評価が高すぎる。LEVEL 7まではない」とロシア、米国、フランス各国が発表しています。

 代表的と思われる、下記記事に対しての私の意見を書きたいと思います。(なぜかしら、署名がありません)

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110413/dst11041303140003-n1.htm

 保安院の発表には矛盾がある。福島事故で放出された放射性物質の量は、チェルノブイリの10分の1に過ぎないと認めているではないか。レベル7の根拠は、2号機が爆発した3月15日ごろの数時間、最大で毎時1万テラベクレル(テラは1兆)の能力を持つ放射性物質が外部に放出されていたと報告されたことである。しかし、今はその1万分の1に減っている。


INES 事故評価
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E4%BA%8B%E8%B1%A1%E8%A9%95%E4%BE%A1%E5%B0%BA%E5%BA%A6

放射性物質の重大な外部放出:ヨウ素131等価で数万テラベクレル以上の放射性物質の外部放出

 毎時1万テラベクレルを認めるのであれば、この文章は誤り。チェルノブイリだって、石棺をつくりあげ、外部放出はとめています。(どなたか、石棺を作り上げ、放射能の飛散がほぼ止まった日を教えていただけますと幸いです)

福島事故とチェルノブイリ事故は重大度が全く違う。チェルノブイリ4号炉は、運転中に暴走して大爆発を起こし、炉心ごと吹き飛んだ。だから外部にばらまかれた放射能の量も汚染面積も比べものにならない。

 重大度はどちらが大きいのでしょうか。かたや、無理な実験による臨界事故+水蒸気爆発。今回は、外部事象−自然災害(地震+津波)による事故です。複数炉心が同時にやられ、なおかつ現在も余震が終わっていません。ヒューマンエラーは防止できないこともありませんが、このような自然災害は想定外。原子力に与えるインパクトは、今回のほうが格段に高いと思います。
 放射能の量と汚染面積は、まだ評価が終わっておらず、簡単には言えません。福島の小中学校ほとんど全てで、放射能物質が測定されたという報道もあります。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110413-00000503-yom-sci
福島県の20小学校で土壌検査、19校から検出
読売新聞 4月13日(水)12時2分配信

 福島県災害対策本部は13日、福島第一原発の放射能漏れ事故を受け、県内の小学校20校で実施した土壌検査の結果を発表した。

 4月5、6日、各校で校庭の表層5センチの土壌を採取し、放射性ヨウ素とセシウムの濃度を測定。19校で土壌1キロ・グラムあたり874ベクレル〜5万9059ベクレルを検出し、最高は川俣町立山木屋小で土壌1キロ・グラムあたり5万9059ベクレル。南会津町立田島小では検出されなかった。 最終更新:4月13日(水)12時2分


川俣町立小学校は、作物を育てることができない放射能レベルです。ところで、土壌1キログラムなのでしょうか。面積なので、平方メートルで評価すべきだと私は感じます。

 福島事故では放射線被曝(ひばく)による死者が皆無であるのに対し、チェルノブイリでは約30人の発電所員らが死亡している。
 これは、わかりません。ベータ熱傷で入院した3人の作業員の方たちは、その後どうされているのでしょうか?

 福島では、4基の原発から放射性物質が漏れたのに加え、収束に日数を要しているものの最悪の方向には進んでいない。

 これこそ、問題です。最悪の方向には今のところ至っていないだけで、冷温停止までどのように持っていくか、まだスケジュールすら出ていません。
 今回の災害は
・複数炉心(チェルノブイリは1基だけ)
・燃料プールの問題(放射能物質は、格段に多い)
・すでにチェルノブイリの3倍以上の期間、収束出来ていない(チェルノブイリは、事故の発生から避難まで、10日間。石棺の完成は調べましたがよくわかりません。)福島は、どのくらいかかるのでしょう。

 チェルノブイリ事故については、Wikiが比較的まとまっています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%96%E3%82%A4%E3%83%AA%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80%E4%BA%8B%E6%95%85

ちょっと記述してみます。


4月26日1時05分 実験開始
1時23分47秒までに、原子炉出力は標準的な運転出力の10倍であるおよそ30GWまで跳ね上がった。燃料棒は融け始め、蒸気圧力は急速に増大して蒸気爆発を起こし、原子炉の蓋を破壊し、冷却材配管を破裂させ、屋根に穴を空けた。

推測では爆発は2度あり、2度目の爆発によりおよそ1,000tあった蓋が破壊された。

事故による高濃度の放射性物質で汚染されたチェルノブイリ周辺は、居住が不可能になり、約16万人が移住を余儀なくされた。避難は4月27日から5月6日にかけて行われ、事故発生から1ヶ月後までに原発から30km以内に居住する約11万6千人全てが移住したとソ連によって発表されている。しかし、生まれた地を離れるのを望まなかった老人などの一部の住民は、移住せずに生活を続けた。
 放出のスピード、事故の範囲と明らかに違いますが、それでも事故の翌日には30km以内の人を非難させています。

ソビエトの科学者の報告によると、28,000km2が185kBq/m2を超えるセシウム-137に汚染した。約83万人がこの区域に住んでいた。約10,500km2が555kBq/m2を越えるセシウム-137に汚染した。このうち、ベラルーシに7,000km2、ロシア連邦に2,000km2、ウクライナに1,500km2が属する。約25万人がこの区域に住んでいた。これらの報告データは国際チェルノブイリプロジェクトにより裏付けられた。(このデータと、今回の福島のデータが、単位が違うため比較できません。)

複数炉心、使用済燃料プールの問題が残っており、収束が見えないことから、IAEAで新しい概念が作られるのかもしれません。
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原子力安全委員会の事故に対する評価

安全委がレベル7の可能性認識 危険性認識も見直し求めず
2011年4月12日 20時50分

原子力安全委員会の代谷誠治委員は12日、経済産業省原子力安全・保安院が福島第1原発事故の深刻度を国際評価尺度(INES)の暫定評価で「レベル7」としたことについて、3月23日の時点でレベル7に相当する危険性があると認識していたが、これまでに暫定評価の見直しを保安院に求めなかったことを明らかにした。

代谷委員は記者会見で「尺度評価は保安院の役割だ。(安全委が評価見直しを)勧告しなければならないとは考えない」とし、原子力安全委は関与しないとの姿勢を強調した。

http://www.excite.co.jp/News/science/20110412/Kyodo_OT_MN2011041201001125.html

ひとごとのコメントです。

この代谷誠治氏、ネットで見ても経歴がよくわかりません。
・・・定年退職をした京都大学出身の方のようです。


http://www.asyura2.com/11/genpatu8/msg/879.html
ここに原子力安全委員会の議事録が紹介してあります。ちょっと、抜き出してみましょう。
議事録はこちら。

http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/index.htm

こんばんは。

原子力安全委員会がどんな議論をしていたんだろうと思って、ホームページで議事録を読んでみたのですが、これってヒドすぎますね。

ちょっとご紹介しましょう。
http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan016/index.html
3月11日 第16回臨時会議

  5分で終了 !! 地震当日なのに、恐ろしいことが起こる予想はしなかった?!

3月14日 第17回臨時会議

  またしても5分で終了 !! おいおい、12日と14日に「水素爆発」というのが起こったと推定したんでしょ !!
http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan017/index.html

3月17日 第18回臨時会議

え゛〜!! またまた5分で終了 !! 15日は2号機と4号機も爆発したんですよ〜!!

しかも、前回と同じ議題〜?? 線量限度の告示? またまた配布資料なしで議論か?
http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan018/index.html

3月25日 第19回臨時会議

  やっと安全問題を考える気になったか !!

でも26分だけか?!

何々読んでみると、こんな議論〜!!

「定期中」は「大気中」のワープロミス。

  「空間線量率葉」は「空間線量率は」のワープロミス。

  「よって行う」は「によって行う」のミス。

  「EXEL」は「EXCEL」のミス。     ← 議論の継続中です !!

  資料3で、「今後、当面の間、原則毎日原子力安全委員会から公表することとする。」という文書を決定したのに、議論の半分以上は、ワープロミスの指摘か〜!!
http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan019/index.html

3月28日 第20回臨時会議

  議題「福島第一発電所2号機タービン建屋地下1階の滞留水について(助言)」

  うん。やっとそれらしき議題だ !!

でも、え゛〜。9分で終わり〜 !!
http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan020/index.html

4月4日 第21回定例会議

  定例会議だから、今度はいろいろ議題がありますね。

  3号機で「ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料」を許可するという話も資料にあります(資料3の15ページ)。

  でも、この大変な時期に、定例会議?

  米国の原子力規制委員会のアドバイスを受けたりとかしているのに、恥ずかしくないの??
http://www.nsc.go.jp/anzen/shidai/genan2011/genan021/index.html

まあ、ひどい委員会だろうとは予想していましたが、議事録を読んでみると、もっともっとヒドかったです。

国民をなめきってますね。


以上、引用終わり。

 3月11日からなんの緊張感も感じられない議事録。3月25日にLEVEL 7と評価しているのを伺わせるような何らかの発言をしていますでしょうか?この議事録と、上記の発言のどこがつながるのでしょうか。私は、最初この記述を見たとき、ガセと思いましたが、pdfをみると・・・・

 書きたいことはたくさんありますが、風説の流布と判定されるといけませんので、あとは皆様の評価にお任せいたします。
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累積被爆問題(計画的避難区域)

 計画的避難区域という訳の分からない言葉が出てきました。

当初、IAEA 3月31日(木)1時18分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110331-00000008-jij-int
時事通信 3月31日(木)1時18分配信
 【ベルリン時事】国際原子力機関(IAEA)のフローリー事務次長は30日、ウィーンの本部で記者会見し、事故を起こした福島第1原発の北西約40キロにあり、避難地域に指定されていない福島県飯舘村について、高い濃度の放射性物質が検出されたとして、住民に避難を勧告するよう日本政府に促した。
 同事務次長は「飯舘村の放射性物質はIAEAの避難基準を上回っている」と指摘。日本側からは調査を開始したとの連絡があったことを明らかにした

 これに対して、日本政府
2011.3.31 12:34 (1/4ページ)
 枝野幸男官房長官が31日午前11時から首相官邸で開いた記者会見の詳報は以下の通り。
【IAEA調査】
 −−IAEA(国際原子力機関)が福島県飯舘村に放射性物質の濃度調査に入って、IAEAの基準だと、避難の値を超えていて、避難勧告を出すよう日本政府に伝えたということだが、どう対応するか
 「IAEAの土壌調査の中に、IAEAの基準の一つを超過するものがあったという報告と、その状況を踏まえて状況を慎重に把握するよう助言があったということだ。当該周辺含めて、この間、大気中の放射線量についての継続的なモニタリングも行ってきているので、今回の土壌についてのIAEAのモニタリングの結果も踏まえながら、さらに精緻(せいち)なモニタリングを行っていかなければならないと考えている」
 「なお、この土壌の放射線量が基準値を超えているということについては、長期間、そうした土壌の地域にいると蓄積で健康被害の可能性が生じるという性質のものなので、大気中の放射線量、周辺地域、継続してモニタリングを行っている。今の時点で健康被害の可能性というよりも、こうした状況が継続する、長期にわたるという場合の可能性について、しっかりと把握をして対処していかなければならない。そういう性質のものと認識している」

その後、

http://www.asahi.com/special/10005/TKY201104060456.html
2011年4月7日1時10分
放射線の積算量の測定を始めた先月23日以降、福島第一原発から約30キロ離れた浪江町の積算量は約11.63ミリシーベルト、飯舘村は約6.83ミリシーベルト。24時間屋外にいるとの仮定に基づくため、屋内にいる時間を勘案すれば実際の積算量はより低くなるという。

なぜ、3月23日からなのですか?
3月11日から15日に大量被爆があったはずです 

そして、昨日、レベル7の発表と共に、3月11日からの累積も発表されました。

福島・浪江で34ミリシーベルト=大震災後の積算放射線量推計―安全委時事通信 4月12日(火)0時8分配信
 原子力安全委員会は11日、福島県内の53地点について、先月12日〜今月5日の大気中の放射線量の推計積算値を発表した。毎日8時間屋外にいた場合、福島第1原発から24キロ北西に位置する浪江町赤宇木椚平で、最大の34.0ミリシーベルトに達していた。
 安全委によると、現時点の線量が続くと仮定した場合、椚平では東日本大震災発生から1年が経過する来年3月11日には313.9ミリシーベルトに達すると推計。健康に影響を与える可能性が高まるとされる100ミリシーベルトを上回る。
 ただ、安全委は放射性物質は今後、時間の経過とともに減少するほか、雨などで地表から洗い流されることでも減るとしている。
 今月5日までの推計積算値は、浪江町の他の6地点で1.7〜20.3ミリシーベルト(来年3月11日時点では13.0〜154.8ミリシーベルト)、飯舘村の4カ所は1.5〜11.1ミリシーベルト(同15.3〜91.1ミリシーベルト)。福島市の3カ所は0.4〜2.1ミリシーベルト(同2.4〜16.8ミリシーベルト)。

 政府にはもっともっと素早い勧告を望みます。被曝は累積します。
タグ:P
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違和感(菅首相。隠し事はないとの発言)

 昨日、菅首相の談話が発表されました。その中に強い違和感を感じる一言。

菅首相は会見で「私が知った事実関係で情報を表に出さないようにするとか、隠すように言ったことは何一つない」と強調した。日本政府の情報公開が遅すぎるという批判を意識したものだ。

・私が知った事実関係
・(私が)隠すように言ったことは何一つない。

 なぜ、
日本国政府として、原発災害に対して隠している事実は何一つない

といわないのでしょうか。

自分が知らなければ、どうでもいいということなのでしょうか?

大いに疑問を感じる表現です。
タグ:O
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2011年04月12日

夏の停電に備えましょう。(島根原発停止)

http://www.asyura2.com/11/genpatu8/msg/879.html

島根原発運転開始 知事認めず
4月12日 5時50分
島根県の溝口知事は、島根原子力発電所の定期検査中の1号機と、現在建設中で来年3月に運転開始予定の3号機について、「福島第一原発の事故の原因を究明し、国が新たな安全基準を示す必要がある」と述べ、現時点では運転は認められないという考えを示しました。

松江市にある中国電力の島根原発では、1号機が定期検査を行っているほか、現在建設中の国内最大規模の出力の3号機が来年3月に営業運転を始める計画です。島根県の溝口知事は11日の記者会見で、「福島第一原発の事故の原因を究明して、国が新たな安全基準を示す必要があり、今までの基準でよいということにはならない」と述べました。また、福島原発の事故を教訓に、原発の安全性について国が新しい知見を示し、原発がある自治体によく説明する必要があるという考えを強調しました。そのうえで、溝口知事は「原発の運転再開や開始は、そこをよくチェックしながら考えていくべきことで、その条件は確定していない」と述べ、現時点では島根原発1号機の運転再開と3号機の運転開始は認められないという考えを示しました。


 住民の命を預かる知事としては、当然の判断だと思います。

感情的に言えば、
・命、生活、日々の暮らし
・危険と隣り合わせの文明生活

のどちらを取るのかといった話です。電力不足にどう対応するか、各家庭で複数台のクーラーを平気で使うような生活は、残念ながらもうできないのです。

・工場
・交通
・大病院
・信号

といったどうしても省略できないところは、今までの電力を当面確保させながら、

・自販機
・パチンコ
・家庭

といったところは節電していくしかありません。

3・11 で大きく時代が変わってしまったのです。

電力がないと生産できない工場は、できるだけ早く発電設備を準備する必要があります。発電所の自由競争が始まります。(これは、悪いことばかりではありません。)
タグ:O
posted by いんちょう at 09:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 原子力

ついにレベル7

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011041101001184.html
最大で1時間1万テラベクレル 国際尺度、最悪の7も
2011年4月12日 01時28分

 福島第1原発の事故で、原子力安全委員会は11日、原発からは最大で1時間当たり1万テラベクレル(テラベクレルは1兆ベクレル)の放射性物質が放出されていたとの試算を明らかにした。

 政府はこれを受け、原発事故の深刻度を示す「国際評価尺度(INES)」で最も深刻な、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故に並ぶ「レベル7」とする方向で検討に入った。

 INESの評価によると、放射性のヨウ素131換算で外部への放射性物質の放出量が数万テラベクレル以上である場合は、レベル7であるとしている。

 原子力安全委の班目春樹委員長は、1時間当たり1万テラベクレルの放出が「数時間」続いたとの推計を明らかにした。

 1時間当たり1万テラベクレルの放出が数時間続けば、レベル7に当たることになる。現在は同1テラベクレル以下になったとみられるとしており、安全委は、放射性物質の総放出量については「検討している」とするにとどめた。

 政府は暫定的に「レベル5」としている現在の評価を見直し、レベル7に格上げすることの検討を始めた。

(共同)


 ついに出てきました(しかしながら、他のソースが見当たりません。朝6時のNHKニュースでもこの話が引用されています。)

 今までの報道は、3/11からではなく、3/21からの線量を発表したりしていました。また、3/11からのSPEEDIの結果もあわせて発表されています。

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どうして、この発表が1ヶ月もかかるのでしょうか。

 じつは、3月19日にこのような会見を東京電力がしています。

http://www.dailymail.co.uk/news/article-1367684/Japan-earthquake-tsunami-Fukushima-nulear-plant-radiation-leak-kill-people.html#ixzz1HC56OxIs
The moment nuclear plant chief WEPT as Japanese finally admit that radiation leak is serious enough to kill people

 そもそも1万テラベクレルの放出など、最初から試算が出きていたはずです。なぜ、この発表がこんなに遅いのですか?計算に一ヶ月もかかるという言い訳は聞きたくありません。
タグ:1F
posted by いんちょう at 06:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 原子力

2011年04月11日

東京電力の情けない社長

 東京電力の社長は、もともと資材畑出身。コストカッターとして社長まで上り詰めた人です。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%85%E6%B0%B4%E6%AD%A3%E5%AD%9D
資材部長就任後は各支店の資材調達を本社に一本化、費用切り詰めに成功した実績から「コストカッター」と呼ばれる。海外出張で遣う航空会社の絞込など日常業務まで徹底してコストカット[6]。大量発注によるコスト削減には限界があると見て、納入業者を競わせてコストを下げる方式を導入。発電所の六十数万点の部品・部材の調達方法を見直し、全体で2兆円かかっていた調達費を4割削減に成功した

 どうして危険だと分かっていた1号機の廃炉をしなかったか。上の記述で明らか。10円を惜しんで、1億円を失ったのです。武藤副社長が会見で1−4号機の廃炉のことを聞かれても、「経営判断なので、コメントできない。」と話していました。原子力の最高幹部であっても決定権がないのです。勝俣会長と清水社長しか決定できないのでしょう。

 ところで、社長は、高血圧とめまいで 入院していたと発表されています。私も医者。いまどき、こういった病名で、入院することはできません。めまいで入院したとしても、MRIを撮って、異常がなければ即退院。例外はありえません。
 ということは、この入院の理由は、公式発表どおりでないのは明らかです。東電社長の主治医会見なども見たことがありません。いったい、どこにいつからいつまで入院していたのですか?情報隠蔽も甚だしい。
 本日、福島での記者会見を見ましたが、脳梗塞があったような兆候は全くみられません。ただ、目に力がなくなり、どこか上の空といった感じ。
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http://www.sankeibiz.jp/compliance/news/110411/cpb1104111537005-n1.htm
より引用させていただきました。

 もし、貴方に良心の欠片があるのなら、本当のことをお話しください。
タグ:T
posted by いんちょう at 20:08 | Comment(5) | TrackBack(0) | 原子力

2011年04月10日

医師会当番医

 4月9日18時から23時まで、当番医をしました。(最近、少し間隔が短い気がします・・気のせいでしょうか)

 最近は、うららかな春の日となっておりますので、患者さんは少ないと思っておりましたが・・・

18時から、21時近くまで、ほとんど休憩らしい休憩も取れず、ひたすら診察。

来院者数 28名

38度以上の熱発の患者さんが多く、

インフルエンザB型 3名

あとは、嘔吐下痢などでしょうか。全員初診ですので、疲れました。

帰るとき
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小児科の先生は、さらに大変(いつものことではあるのですが)
タグ:Z
posted by いんちょう at 00:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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