今冬の電力需要、原発フル稼働でも不安

 12月末から運転予定だった新古里原子力発電所3号機(蔚山市蔚州郡、出力140万キロワット)が送電鉄塔の建設問題で計画通り運転を開始できなければ、今年の冬は深刻な電力不足に陥ると予想される。

 特に懸念されるのは、冬の電力需要がピークに達する来年1月だ。韓国政府の電力需給計画によると、来年1月は8686万キロワットの電力供給量に対し、最大電力需要は8376万キロワットに上るとみられ、供給量から需要量を引いた予備電力は310万キロワットまで落ち込むことになる。

 問題は、政府の計画が新古里原発3号機はもちろん、故障で運転を中止している蔚珍原発4号機 (慶尚北道蔚珍郡、出力100万キロワット)や霊光原発3号機(全羅南道霊光郡、出力100万キロワット)などの原発4基の正常稼働を前提にしていることだ。新古里原発3号機だけが運転できない場合でも、来年1月の予備電力は170万キロワットまで落ち込む。

 電力当局は予備電力が400万キロワットを割り込むと、関心・注意・警戒・深刻という4段階の電力警報を発令し、緊急措置を取る。警戒段階の200万キロワット未満になると公共機関を対象に強制的な停電を実施し、100万キロワットを切ると輪番停電に突入する。

 新古里原発3号機の運転開始の遅れに加え、ほかの原発が1基でも故障すれば、さらに危機的な状況になる。来年1月に出力100万キロワット級の原発が1基止まるだけで、予備電力は70万キロワットまで落ち込む。2011年9月15日、電力当局が予告なしの輪番停電を実施した際には、予備電力はわずか24万キロワットだった。今でさえ老朽化した原発の頻繁な運転停止で需要ピーク期の電力供給が危ぶまれているが、来年初めには状況がさらに悪化すると懸念される。

 電力当局が企業に特定時間帯の節電を要請し、補助金を出すという方法で危機を乗り切ることはできる。だが、寒波で電力需要が増え続ければ、こうした対策にも限界がある。電力当局の関係者は「新古里原発3号機を稼働できなければ、今冬の深刻な電力不足は避けられない」と話している。

崔源奎(チェ・ウォンギュ)記者
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