2011年05月05日

原子力発電をどう考えるのか。(黒沢氏映画)・おすすめ

 本日の熊日朝刊巻頭に下記随筆が載りました。(著作権違反ごめんなさい)

2011050501.jpg

このうち、「赤富士」については、下記でみることが出来ます。

2011.10.16削除確認。



あまりに現在と重なって怖い。浜岡原子力発電所は、富士山が噴火したらどうするのでしょう。想定外で済ませるしかないでしょうね。

水車のある村

2011.10.16削除確認

 この笠智衆は、私の祖父に似ていました。(祖父本人は、非常にいやがっていたそうですが)この言葉を聞いてください。

http://prayforjp.exblog.jp/13516039/
(直接の記事が見つかりません)
自民 原発推進派はや指導 「原子力守る」政策会議発足
2011年5月5日 朝日新聞 朝刊4面

 東京電力福島第一原発の事故に収束のメドが立たない中、国策として原発を推進してきた自民党内で早くも「原発維持」に向けた動きが始まった。原発推進派の議員が集まり、新しい政策会議を発足。「反原発」の世論に対抗する狙いだ。

 この会議は「エネルギー政策合同会議」。自民党内の経済産業部会、電源立地及び原子力等調査会、石油等資源・エネルギー調査会の三つを合体させた。電力需要対策とエネルギー戦略の再構築の検討を目的に掲げるが、党幹部は「原発を守るためにつくった」と明かす。

 幹部には原発推進派が名を連ねる。委員長は元経済産業相の甘利明氏。旧通産省(現経産省)出身の細田博之元官房長官が委員長代理、西村康稔衆院議員が副委員長に就いた。先月12日の会合では、幹部陣の隣に東電の元副社長で現在は東電顧問の加納時男・元参院議員が「参与」として座った。

 甘利氏は「安易に東電国有化に言及する閣僚がいる」と指摘する資料を配布。会議後に河野太郎衆院議員が「原発推進派が並ぶ人事はおかしい」と抗議したが、認められなかった。

 自民党は中曽根康弘元首相らを中心に「国策・原子力」の旗を振ってきた。1955年、研究と開発を進める原子力基本法を制定。74年に「電源三法」を制定し、立地自治体に手厚く補助金を出してきた。電力業界は資金と選挙で自民党を支援。電力各社でつくる電気事業連合会(電事連)は80年代前半から11年間で約65億円を党機関紙の広告費として自民党に支払った。

 谷垣禎一総裁は震災後の3月17日の記者会見で「現状では、原発を推進していくことは難しい状況」と述べたが、1週間後には「安定的な電力供給ができないと製造業など維持できるのかという問題もある」と軌道修正した。党内では「推進派から反発されたため」と受け止められた。

 会議は大型連休後、中長期のエネルギー戦略の議論を始める。甘利氏は「我々は市民活動かではない。膨大なコストや不安定を覆い隠し『自然エネルギーで何とかなる』と言うのは無責任だ。現実問題として原子力を無くすわけにはいかない」と言っている。(渡辺哲哉、土佐茂生)


 どちらが、世論を代表しているのでしょうか。
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posted by いんちょう at 21:30 | 原子力

2011年05月04日

福島の思い出(6)・3交代勤務表、東電学園

 当直の勤務表を記憶から作成してみました。私がつとめていたときに比べるとさらに1班増えて、研修日が増えているそうです。

2011050401.jpg

ここで、注釈。


勤務表の押し方は、

1日目 1直分
2日目 2日目の1直分
3日目 2日目の2直分
4日目 3日目の2直分
5日目 4日目の3直分
6日目 5日目の3直分 (あけの日)
7日目 休み

となります。

1/2直の通しの時は、2日分勤務表を押します。

というわけです。日勤の日は、それほどやることがないので、先輩から、シーケンスの見方、図面の見方などを教わっていました。

 運転員は高卒の方々が多く、特に「学園卒」と呼ばれる東電学園卒の方が多かったように記憶しています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E9%9B%BB%E5%AD%A6%E5%9C%92%E9%AB%98%E7%AD%89%E9%83%A8

地元の中学卒業生のそれなりの人数が、入学・入社していたようです。(2007年閉校)

 それなりの役割があったと思うのですが、なぜ閉校にしてしまったのでしょう?
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posted by いんちょう at 09:49 | 原子力

2011年05月03日

3月11日のSNS(当時の私的予測内容)

 記録のために残しておきます。さすがに当時は、そのままこちらのブログには書けませんでした。

 現在読んでみても、それほどは外れていない気がします。

 もう15年以上前の、元専門家?(といえるのでしょうか)でも、この程度の分析は出来ています。東京電力がわからないはずはありません。わかっていて今の状況です。

2011年03月11日15:35 宮城で震度7
 大地震が起きました。

私は、福島の原子力発電所に勤めていたのですが、その時の評価で、70センチ以上の津波にはどうにも仕方がないという結論でした。

 地震で原子力発電所は、自動的に停止はしますが、崩壊熱が数パーセント残ります。しかも、長期間。
1100MW x 3 x 数パーセント
でも、たいがいの熱量で、海の水で熱交換をしないと炉心の冷却が維持できません。

今回の津波では、5メートル近くになりそうなので、こういった海側のポンプのある建物が、水没してしまったような感じを受けます。

 運転停止だけではなく、その後数週間の監視が必要です。

大丈夫でしょうか。心配です

2011年03月11日
20:20
2: 小野 俊一 削除する
非常事態宣言が出されましたね。
私がいるときにはなかった法律です。

あとは、RCICという緊急炉心冷却装置で冷やすしかないと思うのですが、これは数日(あんまり記憶なし)くらいしかもちません。(炉心の蒸気で回すので、電力が必要ありません)
それまでに、どうやって非常用発電機を復旧させるかでしょう。

 まだ、働いていたら、死んでいたでしょうね。。。

2011年03月11日20:23
3: 小野 俊一 削除する
政府、原子力緊急事態宣言を発令
2011.3.11 20:09
 枝野幸男官房長官は11日午後7時40すぎから記者会見し、菅直人首相と全閣僚出席の原子力に関する会議で、東京電力福島第1原子力発電所で原子力対策特別措置法に基づき、「原子力緊急事態宣言」を発令したと発表した。

 ただ枝野氏は「放射能が施設外に漏れている状態ではない。あわてて避難することはなく、落ち着いて情報を得るようにしてほしい」と、付近住民らに冷静な対応を呼びかけた。

 私が今現地にいたら、家族は避難させるでしょう。

現地で働いている知り合いも多いので、心配です。

2011年03月11日21:18
4: xx xx 削除する
原子炉って怖いですね。エリツィン政権の時に港に停泊していた原子力潜水艦が炉心の冷却のための電気料金を滞納したために発電所からの送電を停止されて、海軍の特殊部隊が発電所を占拠して送電を再開させた事件を思い出しました。

2011年03月11日21:39
5: 小野 俊一 削除する
避難勧告が出されました。この大熊町は、医師の方々は、全員記憶があるであおう胎盤早期剥離の産婦人科の事件が起きたところです。

 原子力発電で、私の生きている間に避難勧告が出されるなんて、想像だにしていませんでした。

 自体はかなり緊迫しています。炉心から、水がなくなりますと、いわゆるチャイナ・シンドロームと成り得ます。

 今後の原発新規増設は中止は当然としても、今減算輝度している発電所をどうして行くか、大きな問題がつきつけられました。

2011年03月12日11:05
6: 小野 俊一 削除する
私の勤めていた福島第二原子力発電所でも非常事態宣言。
噂では、重油タンクも流されたとありますので、海水系のポンプが全てお釈迦になり、冷却できない状況と思われます。

福島第一原子力発電所の放射線量を見ますと、
午前3時00分  正門     69 nGy/h  0.001μSv/h未満
    10分  正門     66 nGy/h  0.001μSv/h未満
    20分  正門     69 nGy/h  0.001μSv/h未満
    30分  正門     68 nGy/h  0.001μSv/h未満
    40分  正門     66 nGy/h  0.001μSv/h未満
    50分  正門     64 nGy/h  0.001μSv/h未満
午前4時00分  正門     69 nGy/h  0.001μSv/h未満
    40分  正門    866 nGy/h    −
    50分  正門   1002 nGy/h    −
午前5時00分  正門   1307 nGy/h    −
    10分  正門   1590 nGy/h  0.001μSv/h未満
4時30分くらいに何か起きたようです。

2011年03月12日12:41
7: 小野 俊一 削除する
最悪の事態です。

この格納容器放出弁は、当初設計にはついておらず、シビアアクシデント対策として、私がやめる寸前に増設が決まった弁。いくら何でも、手動と言うことはないでしょうから、電源がいかれたままなのでしょう。

1000年に一度の地震なので、想定外もやむを得ないのでしょう。

2011年03月12日12:59
8: xx xx 削除する
スリーマイル島みたいになっちゃうと怖いですね。。。

2011年03月12日13:21
9: 小野 俊一 削除する
スリーマイルよりひどいと思います。

電源喪失、設備喪失でまともな機器がほとんどなさそうです。

スリーマイルの教訓で作ったシビアアクシデント対策ですが・・・この設備を使うのも想定外。

海からの写真を見せてもらうと、被害の状況がある程度類推できるのですが、どの動画も山側から。

原子力発電所に何かあるときは、地震か津波だろうと思っていましたが、20年たって現実の物になってしまいました。。。

2011年03月12日20:40
10: 小野 俊一 削除する
私が生きている間には、起きないであろうと思っていた事故です。

2011年03月12日21:21
11: xx xx 削除する
いやぁ。学術講演会から帰ってきて始めて知りました。。。。うわわ

2011年03月12日22:25
12: 小野 俊一 削除する
格納容器は、保持されているようです。

陣頭指揮の東電副社長・・・本店時代の課長
第一原発所長・・発電所時代の課長
東電原子力運営管理部長・・本店時代の副長

と私がお世話になり、知識と人格とも素晴らしい方たちが陣頭指揮に当たっています。天の配剤としか考えられません。

最悪の事態は避けてくれるような気がしてきました。

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タグ:s 1F
posted by いんちょう at 22:41 | 原子力

ローマに学べ(米国、オサマビンラディン殺害)



 米国はテロの首謀者を殺害し、最大の成果と話しています。

これはもっとも悪い解決法だと私は思います。

以前、ご紹介しました塩野七生氏の「ローマ人の物語」

 カエサル、ポンペイウス、クラッススが第一回三頭政治を始めます。その後、いろいろあって、最後はエジプトにポンペイウスが逃れ、それをカエサルが討伐しにいきます。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%82%A8%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%82%A4%E3%82%A6%E3%82%B9
ガレー船から離れたと同時に小舟の中に潜んでいたエジプト軍の刺客によってポンペイウスは殺害され、レントゥルスも捕らえられて、のちに殺害された[18][19]。ガレー船に乗り込んでいたメテッルス・スキピオや妻・コルネリアらはエジプトを離れた。

同年10月、カエサルはエジプトへ到着したが、その地でポンペイウスの死を知ることとなった。その後、コルネリアはポンペイウスの遺灰と指輪をカエサルより受け取ってイタリアへ埋葬し、余生を送ったとされる。


 この状況においても、カエサルはポンペイウスと講話を結び(もちろん、自分に有利なようにですが)そのかわりに、ポンペイウスが支配していた地域を安定して統治(分割して統治せよ)する予定でした。そのボスであるポンペイウスが暗殺されてしまったため、その後ポンペイウスの部下の反乱(局地的ですが、それだけに手を焼きます)に振り回されることとなってしまいます。

 なぜ、イスラム教徒が米国に逆らうのか。第二次世界大戦後にアラブ地域に出来た新興国がその原因でしょう。根本的に解決するには、そこをどうにかしない限り、これからもこの戦いは永遠に続くと思います。
タグ:Z
posted by いんちょう at 20:50 | 日記

JCO臨界事故を振り返る

記憶が薄らいでいる方もおられるでしょうが・・・
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E6%B5%B7%E6%9D%91JCO%E8%87%A8%E7%95%8C%E4%BA%8B%E6%95%85

http://www.nuketext.org/jco.html
1999 年9月30 日、午前10時35分頃、茨城県那珂郡東海村の株式会社ジェーシーオー(以下JCO)(注1)の東海事業所・転換試験棟(注2)で、3人の作業員が硝酸ウラニルを製造中、突然の青い閃光と共にガンマ線エリアモニターが発報し、臨界事故(注3)が発生。3人の作業員が多量の中性子線などで被ばくしました。この事故で核分裂を起こしたウラン燃料は全部で1 ミリグラムでした。

 非常に大きな事故でしたが、反応したウランの重量は1ミリグラム。これでも収束するまで大変でした。

 使用済燃料プールは、桁が違うウランが保管されています。バケツ程度で反応が起こるわけですから、何があってもおかしくはないと思います。

 現在の状況を説明できるのは、どのストーリーか。
タグ:O
posted by いんちょう at 20:17 | 原子力

福島県に専門家はいないの?(子供被爆問題)

子供の被曝問題で、福島県が揺れています。

日弁連
http://business3.plala.or.jp/fba/info/seimei/20110425.htm
2011年(平成23年)4月22日
子どもについてはより低い基準値を定め、基準値を超える放射線量が検知された学校について、汚染された土壌の除去、除染、客土などを早期に行うこと、あるいは速やかに基準値以下の地域の学校における教育を受けられるようにすること。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110429-00000069-mai-pol


<福島第1原発>内閣官房参与、抗議の辞任
毎日新聞 4月29日(金)21時9分配信
学校の放射線基準を、年間1ミリシーベルトとするよう主張したのに採用されなかったことを明かし、「年間20ミリシーベルト近い被ばくをする人は放射線業務従事者でも極めて少ない。この数値を小学生らに求めることは、私のヒューマニズムからしても受け入れがたい」と述べた。(この発言をする際に涙を見せられています)

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対する日本政府。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110430-00000006-jij-pol
校庭利用基準、変更せず=年間20ミリシーベルト―細野補佐官
時事通信 4月30日(土)0時46分配信
 細野豪志首相補佐官は29日夜、TBSの番組に出演し、辞任表明した小佐古敏荘内閣官房参与が甘すぎると批判した学校の校庭利用制限に関する放射線量の基準について「われわれが最もアドバイスを聞かなければならない原子力安全委員会は年間20ミリシーベルトが適切と判断している。政府の最終判断だ」と述べ、変更しない方針を示した。
 同時に「通っているお子さんや親御さんの気持ちがあるから、(被ばく量を)できるだけ下げる努力を当然すべきだ」と強調した。 



http://fpaj.jp/news/archives/2722
20mSvの被ばくによる癌死の確率は1000人に1人とみなすべきであることを原子力安全委員会が認めた
<日隅一雄>
先日、文科省が福島県に指示した、校庭での線量が年間被ばく想定値20mSvとされるまでは校庭の利用に制限を加えないという考え方に基づくと、仮に1年間20mSvぎりぎりの状態が続いた場合、1000人に1人が癌死する確率であるとみなすべきであることを、原子力安全委員会が昨日の会見で認めた。



http://www.47news.jp/CN/201105/CN2011050201000194.html
学校放射線基準は「安全でない」 ノーベル賞受賞の米医師団
 福島第1原発事故で政府が、福島県内の小中学校などの屋外活動制限の可否に関する放射線量の基準を、年間20ミリシーベルトを目安として設定したことに対し、米国の民間組織「社会的責任のための医師の会(PSR、本部ワシントン)」が2日までに「子供の発がんリスクを高めるもので、このレベルの被ばくを安全とみなすことはできない」との声明を発表した。
 PSRは1985年にノーベル平和賞を受賞した「核戦争防止国際医師の会」の米国内組織。
 声明は、米科学アカデミーの研究報告書を基に「放射線に安全なレベルはなく、子供や胎児はさらに影響を受けやすい」と指摘。「年間20ミリシーベルトは、子供の発がんリスクを200人に1人増加させ、このレベルでの被ばくが2年間続く場合、子供へのリスクは100人に1人となる」として「子供への放射線許容量を年間20ミリシーベルトに引き上げたのは不当なことだ」と批判した。
2011/05/02 09:45 【共同通信】

 日本の小児科学会、放射線学会は、今までのところ何の表明もしておりません。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110501-00000077-mai-soci
 
<福島第1原発>内閣官房参与辞任で不快感表明…福島県知事
 佐藤知事は出席した国の担当者に、「政府側の正しい専門的な知見の中で、われわれに指示があると思ってやっている。そこを改めて政府側に申し上げていただきたい」と注文をつけた。佐藤憲保県議会議長は「県民が大きな不安の中で生活している状況を政府が認識しているのか疑問だ」と強い口調で抗議した。


 福島県は、独自の専門家チームを持っていないのでしょうか?MOX燃料についても、その他様々な原子力発電所トラブル時の運転再開についても件としての再検討をしてきたはずです。

http://www.atom-fukushima.or.jp/qa/qa-160/qa-2.shtml
福島県原子力発電所安全確保技術連絡会という立派な組織があるようです。
qa2-P.jpg
 地方自治の本領を発揮すべき時だと思います。
タグ:R
posted by いんちょう at 08:18 | 原子力

2011年05月02日

このブログの情報源

 このブログは、基本的に私の

・紙には残していない記憶
・勤務時代に培った理解力



・Webその他によるニュース

を元に記述しています。特殊なニュースソースなど(たとえば、現在も東京電力につとめている同僚だった方々、あるいは協力企業の方々からの内部リーク)は一切ありません。

 以前ならば、新聞のスクラップブックを丹念につけていくしかなかったのですが、(JCOの臨界事故の際には、作っています)いまはインターネットが発達していますので、比較的簡単です。

 使用しているソフトは、Evernote
http://www.evernote.com/about/intl/jp/

の有料版。$45/年 の使用量です。 月あたり1GBの容量を追加することができ、よほどのことをしない限り大丈夫。

 たとえば、今日現在の使用量は、
2011050201.jpg
という感じです。

 現在は、原子力に関係する !! ?? と思った記事をスクラップ。ワンクリックで出来ますので、おすすめです。

 そうして集めた記事から、現在出てきたニュースと比較検討し、毎日のブログを書いています。

 点と点を結んで、全体をまとめるといった地味な作業です。

 憶測は出来るだけさけ、デマにならないよう、過度に不安をあおることないようにしています。

残念なのは、日記など一切残していないこと。東電のマル秘扱いとなる社内資料もまったくなく、もう10年以上前に会社関係でつながりがあった名刺もすべて捨ててしまいました。日記があれば、福島の思い出などももう少し詳細に書けるのですが、所詮記憶の中のみ。間違いなどがあるかもしれませんが、そこはご了承ください。

 日記をつけるのは、非常に大事です。会社内で今起きていることなどを1日1行でもよいので書いておけばあらゆることを思い出すことができたのに・・・と残念でいけません。
タグ:O
posted by いんちょう at 12:11 | 原子力

2011年05月01日

福島の思い出(5)・福島第二の機器配置ほか

 日勤勤務の時のパトロールは、

・海水熱交換器建屋
・水処理建屋
・パルセータなどの木戸川取水設備からの原水を処理する設備
・50万V開閉所(小高い丘にあります)

などだったと思います。放射線管理区域外のパトロールが仕事です。

50万Vの開閉所で、開閉器が操作されているところをみますと、ばちばちっとスパークが飛んで、迫力がありました。この外部電源を受電する(もちろん送電もしていますが)施設が、津波の被害を受けない高台にあったことが、福島第二にとって幸運だったのだと思います。

2011050102.jpg

原子炉は、上から
4号機、3号機(富岡町)、2号機、1号機(楢葉町)

ほぼ中央にある排気筒の左横が開閉所

1号機の左が、ラドウエスト(廃棄物処理建屋)

その下にある3つのタンクが、純水タンクと水処理建屋

その下が、?(貝殻の焼却施設でしょうか?)

そのやや左にある2つのタンクが濾過水タンクと原水処理施設

ラドウエスト建屋の左横が、事務本館

開閉所の左上が、協力企業棟(ここ一体がそうです)

あまりに鮮明な衛星写真で驚きました。 (この範囲外の海岸線の損傷具合からして、津波後でしょうか)

おまけ。おそらく、この真ん中にある舗装された敷地の上にある建物が、夜ノ森独身寮。舗装されたところには、
・テニスコート
・東電社宅
があったはずですが、取り壊されてしまったのでしょう。また、独身寮に車がほとんど止まっていないところをみますと、もう使われていないのだと思われます。(情報がありましたら教えてもらいたいです)
2011050103.jpg
タグ:M
posted by いんちょう at 22:20 | 原子力

4号機燃料プールの解説

 東京電力が4号機燃料プールの写真を公開しました。
2011050101.jpg

asahi.comニュース社会災害・交通情報記事.4号機プール内の燃料集合体を撮影 東電が公開
http://www.asahi.com/national/update/0429/TKY201104290403.html
 東京電力は29日、福島第一原発4号機の使用済み核燃料のプールの中を28日正午ごろに撮った映像を公開した。事故発生後、燃料集合体の姿を直接撮影した映像が公開されたのは初めて。

 プールに放水するコンクリートポンプ車の先につけたカメラが水中に入って撮影。水面から約6メートル下で、中央の格子状の金属製ラックのマス目一つ一つに入っているのが燃料集合体。このうち、右下側で光っているのが新しい燃料集合体で、残る黒っぽく見えるのが使用済みの燃料集合体などだ。ラックの右横に7本ほど見えるのが制御棒。東電は「ラックの一部にがれきが載っているが、大きな破損はみられないようだ」と説明している。

.制御棒
http://www.nisa.meti.go.jp/word/14/0609.html

燃料集合体(右側がBWR用)
http://www.nfi.co.jp/product/prod02.html

と比較されるとわかるかと思います。
上部からみると制御棒は、+にみえ、燃料集合体は/のように見えます。

ちょっと追加
燃料ラックは3 x 10本構成で、全部で6ラック見えます。

左上にも制御棒があります。色調からして、使用済みでしょう。

左下の丸いものは??原子炉内の中性子などの測定装置でしょうか?
(このあたりは、担当したことがないので、はっきりとは知りません)

もともと使用済み燃料は、原子力発電所のアキレス腱です。どこの発電所も、その始末に困っており、
http://www.fepc.or.jp/library/publication/teiki/shikihou/shikihou02/p10.html

に示すように
・リラッキング(燃料プール内の燃料密度を増やす)
・乾式キャスク
110413_1f_cask_1.jpg
・敷地内の共用燃料プール(福島第一4号機の後ろに、6375本貯蔵されています)
−−すでに削除されています−−
使用済み燃料、共用プールにあと6400本読売新聞 3月18日(金)7時22分配信
 東京電力福島第一原発には、6基ある原子炉建屋の使用済み燃料プールとは別に、約6400本もの使用済み燃料を貯蔵した共用プールがあり、津波で冷却装置が故障したまま、水温や水位の変化を把握できなくなっていることが、17日わかった。


http://sankei.jp.msn.com/world/news/110316/erp11031612390007-n1.htm
日本の設計は「安全より経済優先」ロシア人原発専門家が批判
2011.3.16 12:38
 東日本大震災に伴う福島第1原発の4号機で起きた火災について、旧ソ連のチェルノブイリ原発事故で汚染除去作業に当たったロシア人原発事故専門家は15日、「経済的利益を安全より優先させたことを示す具体例」だと批判した。ロイター通信とのインタビューで語った。

 この専門家は、旧ソ連時代に政府機関の責任者を務め、原発事故の汚染除去を担ったアンドレエフ氏。

 4号機では、使用済み核燃料に関係する水素爆発の可能性がある火災が発生。ロイターによると、同氏はこの火災に関し、使用済み核燃料プールで日本のように高い密度で使用済み燃料を貯蔵した場合、プールから水がなくなれば、火災発生の可能性が高くなると主張した。(共同)


 この言葉に反論できるでしょうか。現在運転中の原子炉建屋、停止中の原子炉建屋に保管されている使用済燃料を直ちに発電所から離し、50メートル以上ある高台に移送するよう強く希望します。
タグ:s 1F
posted by いんちょう at 16:57 | TrackBack(0) | 原子力

矛盾(一般公衆と発電所の被曝量が逆転)−重要

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110430-00000006-jij-pol
校庭利用基準、変更せず=年間20ミリシーベルト―細野補佐官
時事通信 4月30日(土)0時46分配信

 細野豪志首相補佐官は29日夜、TBSの番組に出演し、辞任表明した小佐古敏荘内閣官房参与が甘すぎると批判した学校の校庭利用制限に関する放射線量の基準について「われわれが最もアドバイスを聞かなければならない原子力安全委員会は年間20ミリシーベルトが適切と判断している。政府の最終判断だ」と述べ、変更しない方針を示した。
 同時に「通っているお子さんや親御さんの気持ちがあるから、(被ばく量を)できるだけ下げる努力を当然すべきだ」と強調した。 


http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2011050100061
女性の被ばく限度超過2人に=東電「今後はすぐ避難」−福島第1
 東京電力は1日、福島第1原発で3月まで働いていた女性社員19人のうち、40代の女性が国の限度の3カ月で5ミリシーベルトを超える被ばくをしていたことが新たに判明し、超過したのは計2人になったと発表した。医師の診断は2日に受けるが、これまで健康上の問題はないという。
 この女性の被ばく線量は7.49ミリシーベルト。3月15日まで免震重要棟の1階医務室で気分が悪くなった作業員の介護に当たっていた。作業員に付着した放射性物質を吸い込むなどしたとみられ、6.71ミリシーベルト分は内部被ばくだった。看護師ではないという。
 同原発では消防機材の管理をしていた50代の女性が17.55ミリシーベルトの被ばくをしていたことが明らかになっている。女性社員は3月23日までに全員退避したが、1、3号機で水素爆発が起きた後も被ばく防止対策が不十分だった免震重要棟で働いていたのが被ばくの主因だった。
 東電の松本純一原子力・立地本部長代理は記者会見で「反省している。今後は事故時に女性をすぐ避難させる対応を取りたい」と述べ、他の原発にも教訓を生かしてもらう考えを示した。(2011/05/01-13:23)


 3ヶ月で5ミリシーベルトということは、年間では、

5mSv/3months x 12months = 20 mSv/year

となります。

 福島の児童は問題ないという判断であるにもかかわらず、原子力発電所内で働いている人は問題になるのはなぜ?
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posted by いんちょう at 14:51 | TrackBack(0) | 原子力
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