2011年05月19日

原発の工程表-見直しされず・・

 5月17日に武藤副社長が工程表の見直しを発表しました。
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今回の工程表(今後参照するために、東電ホームページより)
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報道より
東電、福島原発工程表を改訂―汚染水浄化を優先
2011年 5月 17日 20:28 JST
東京電力は17日、福島第1原発の事故収束に向けた「工程表」について、原子炉格納容器の冠水作業に先立って、汚染水の浄化・再利用を優先する改訂計画を発表した。
 東電は、計画変更の理由として、2号機に加え、1号機でも格納容器から冷却水が漏れていることが判明し、3号機でも同様のリスクがあることを挙げた。東電によると、仏原子力大手アレバによる浄化施設の設置作業は計画通りに進んでいる。
 また、使用済み燃料プールの熱交換機設置も当初計画より前倒しされる。
 東電は、4月に公表した当初の工程表で、6〜9カ月で原子炉の「冷温停止」を目指すとしていたが、この点についての変更はない。
 東電は15日、1号機の炉心が溶融していたほか、2号機、3号機も炉心に大きな損傷を受けていたことが明らかになったと発表した。1号機の炉心溶融は3月11日の地震発生から16時間後だったとしている。


うっかりすると、読み飛ばしそうですが・・・・

4月に公表した当初の工程表で、6〜9カ月で原子炉の「冷温停止」を目指すとしていたが、この点についての変更はない。

ここは、一ヶ月たったので本来なら5〜8ヶ月に変更されなければ、おかしい。実は、原子力村お得意の表現。

一例としては、高速増殖炉。
最初は、20年後といっていたのが、だんだんと伸びて、今では50年後になっています。

つまり、いつまでたっても半年先としかいえないのです。(見通しが全くたっていない)・・・お気づきになられたでしょうか。

もし、本当の工程表ならば、どこの配管に、どれをつかって、どういう人数で、どういう手順で行うかが書かれています。ところが、まだ建屋にも人が入っていないのですから(ごく一部除く)、工程表など作れるわけがないのです。本来なら、この会見の場で、これより詳しい工程表を一部でよいから見せてくれという質問が出るべきで、現場の監督をしたことがある人間ならば、誰に聞いてもあれでは,何も出来ないよ。というでしょう。

 たとえば、一軒家を建てるときの工程表。施工主に見せるのは、この程度の工程表になる(基礎がいつ、棟上げがいつとか・・)でしょう。しかし、そのうらの発注業者には、何本の柱が必要で、どういった内装を使うか、また電気の引き込み、内装の種類など、事細かく必要なことはよくご存じのことでしょう。東電発表の工程表のにあるべき、こういった詳細工程表の姿が全く見えないのですから、なにをかいわんや です。(いったい、どんな設備が、どれだけ必要なのか?)

 こういったあまり現実的でない工程表を、現場が突きつけられると極端に疲弊します。

 私が入社した年に、福島第二3号機で再循環ポンプのトラブルがあり、2年ちかく発電所が止まっていたことがあります。この時も常に起動が半年後で、非常にストレスでした。(詳しくは、東電の思い出で触れることもあるかも)
 政治的には必要なのかもしれませんが、もう少し実現可能なプランにしないと、発電所の現場、また福島の避難民の方もやりきれないと思います。ここは、是非ともお願いしたいです。

 また、作業員委の環境整備に関して。この地区には、ゴルフ場が複数あり、そこには立派なホテルが建っています。再開は非常に困難でしょうから、このホテルを東京電力が買い上げてしまい、そこを拠点とした方が環境は遙かによくなります。仮設の住居を造るのは、無駄以外のなにものでもなく、貴重な人的資源を消耗することになってしまいます。どうして、こんな意見を出す人がいないのでしょうか?非常に不思議です。

 今回の工程表で落第点をつける理由は、下記の通りです。
・使用済燃料プールにほとんど触れていない
・いまだに大量の地下たまり水(約100ton/day)が発生している5,6号機のことが全く乗っていないことです。

おそらく、経営陣が5−6号機の廃炉を決心していないために、その状況を明らかに出来ないのではないでしょうか?早急に、どこから水が漏れているかを公表し、燃料を取り出しドライキャスクに移動してしまう必要があります。(そうすれば、なにがあっても環境への影響はほとんどなくなります)

 少し明るい話もありました。ようやく,2号機燃料プールを熱交換機で冷却をすることが決まったことです。
 以前、報道をきいていたときに、
「2号機は、建屋が損傷していないため、中の状況がよくわからない。」
などというとんでもない発言がありました。
 これは大きな間違いです。なにかあっても放射能飛散はかなりおさえられ,また雨水が直接入ってくることもありません。この冷却がうまく動けば、一番最初に燃料プールから燃料を取り出せる要素があるのがこの2号機です。

 とんでもない状態は続いていますが、ひとつひとつ確実につぶしていくしかありません。
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posted by いんちょう at 17:21 | 原子力

目次を作成しました

当ブログを参照していただき、ありがとうございます。

私自身でさえ、書いたことは記憶していても、どこにあるのか探し当てられない状況でした。

ということで、ダグを利用した手抜き目次を作成しました。(ブログのトップにあります)

タイトルだけである程度内容がわかるように見直しをかけています。また、おすすめには重要の文字や、☆をつけています。(今後、星の数である程度重要性がわかるようにします)

 今後ともよろしくお願いします。

 さくらのブログをお使いの方、こうすると簡単に目次ができますよ。。
(更新の手間もいりません)
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posted by いんちょう at 12:57 | 原子力

2011年05月18日

運転員をスケープゴートにしないでください。非常用復水器問題

東京電力の原子力推進CMです。


何人か知った顔があります。サービスホールの女性たちなど、いい会社に就職できたと喜んでいたことでしょう。加害者側になったとはいえ、胸が痛みます。また、発電所立地点である大熊町、双葉町、富岡町、楢葉町の豊かな自然・・・いったいどうして。。
やはり、このようなCMが必要なことこそが、問題だったのでしょう。

http://mainichi.jp/select/today/news/20110517k0000m040122000c.html
福島第1原発:1号機、冷却装置を手動停止 炉圧急低下し
2011年5月16日 21時47分 更新:5月17日 1時40分 
 ◇炉心溶融早めた可能性も
 非常用復水器は、全電源喪失の際に唯一、原子炉を冷却できる装置だ。東電は「地震の16時間後に炉心の大部分が溶融した」とする解析結果を15日に公表したが、これほど速く炉心溶融が進むという結果は「非常用復水器が停止した」という想定に基づいていたからだ。非常用復水器が働いていれば、それだけ炉心溶融を遅らせられ、ベントや外部からの注水などの対策がより効果を発揮できたはずだ。
 地震発生後には大津波警報が発令され、原発内の作業員も認識していた。だが運転員は非常用復水器を動かす弁を開閉し続ける作業に追われた。東電は「非常用電源やポンプがすべてだめになることまでは想定しておらず、通常の手順に基づいた操作」と説明する。
 非常用復水器は古いタイプの沸騰水型原発特有の装置で、同原発では1号機にしかない。2〜6号機の冷却装置と違い、駆動用のポンプを必要とせずに冷却できるが、弁の開閉でしか制御できない難点もある。非常用復水器を作動すると原子炉の温度や圧力が急激に下がり、炉を傷める危険性がある。炉を健全に冷やすには難しい操作が避けられず、こうした特有の作業が深刻な事態を招いた可能性も否めない。【酒造唯】
 

 枝野官房長官も
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110518/dst11051801330005-n1.htm
枝野長官「冷却装置説明を要求 1号機 津波前に手動停止か
2011.5.18 01:32
 東京電力福島第1原発事故で、1号機の非常用冷却装置が地震後約10分で停止したことに関し、これが手動で停止された可能性があり、枝野幸男官房長官が17日の会見で「事実関係と経緯について詳細に東電に報告を求め、それを踏まえて評価、判断する必要がある」と述べた。


 東電、原子炉安全グループにいたのですが、この非常用復水器の存在は知りませんでした。(ちょっと聞いたような記憶もありますが・・)このような受動的な原子炉冷却装置をGEがあらかじめ設置していたことに、GE設計の非凡さを感じさせます。さすが、このようなシステムを作り上げた技術者連中です。畏敬の念を感じます。

参考
http://www.japc.co.jp/tsuruga/teiken/tsuruga1/28/press/150904_4.pdf
非常用復水器の系統図
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 設置コストが非常に高かったためでしょうか、それとも熱出力が大きくなりすぎて、このような受動的冷却器では、冷却できなくなったのか、この復水器の設置は1号機のみです。これがあれば、電源消失時にも曲がりなりにも冷却が継続できる。すばらしいと思います。現在起動中の発電所には、このような受動的な(電源を必要としない)冷却器を設置しているところは、おそらくない(少なくとも東京電力には)のです。

 ただ、記事に書かれているように,

非常用復水器を作動すると原子炉の温度や圧力が急激に下がり、炉を傷める危険性がある。

ようです。いままで、1号機は地震などで何度もスクラムしており、そのたびにこの非常用復水器が働いて、結構痛い目にあっていたのでしょう、温度、圧力をみながら、調整していたと思われます。今回は、津波があったのですが、地震後は、所内電源消失。テレビのサービスコンセントは、停電となったとおもわれます。(事務本館,免震重要棟はどうだったのでしょう?)少なくとも、中操ではテレビは見られなかったのではないでしょうか。
 いままで、津波警報は何度も発令されましたが、せいぜい80センチ程度。こんな大規模な津波が襲ってきたことは今まで一度もありません。それよりも、地震の被害による設備損傷の方に気がとられていたというのは間違いないでしょう。

 だとすれば、今までの手順通りに、非常用復水器を止めてしまったのも頷けます。

 以前、バケツで核燃料を取り扱い、JCOで臨界反応事故を起こしてしまいました。この際も、最初は作業員が手順を勝手に省略して事故を起こしたことになっておりましたが、いろいろ調べると、作業効率を上げるために会社としてこのような工程になっていたことがあとで発表されました。 

 話は変わりますが、原子力発電所で一番立場の弱い部署は、どこだかご存じでしょうか?基本的に発電所は、電気を発電する代わりにあらゆるものを消費します。請負工事などを発注するのは、東京電力ですから、協力企業からは、「お客さん」と呼ばれます。ペイペイの担当者でも、数千万から数十億の定期検査の元締めになるわけですから、それはそれは大事にしてくれます。理不尽なことをいっても、怒られることはありません。基本的にはそういった立場なのです。
 が、運転員の場合は、下に協力企業はつきません。すべて、自分たちで操作を行い、パトロールをします。当然、予算もほとんどありません。3交代で比較的時間は自由になるとはいえ、夜勤はやはり身体には応えます。
 発電所の中では、予算がなく、結果として権力が弱いのです。

 今回も運転員たちは、情報が限られている中で、手順通りに運転をしていたに過ぎません。せめられるべきなのは、原子炉を保護するためにこういった手順を作った操作手順担当者、一番の責任者は40年以上も経過する老朽原発を継続運転することにした経営陣、そしてそれを追認した原子力保安院、原子力安全委員会ではないのでしょうか。

 そうでなければ、会社のために一生懸命操作を習熟した運転員の立場がありません。

 皆様にもそういった目で、この報道を読み砕いていただけますと幸いです。
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posted by いんちょう at 20:49 | 原子力

静岡が放射性物質の検査を拒否

http://mainichi.jp/select/science/news/20110518k0000m040096000c.html
放射性物質:「荒茶」検査に静岡県が反発 要望書を提出
 茨城、神奈川両県産の一部の茶葉から放射性セシウムが検出されたことを受けて厚生労働省が自治体に依頼した「荒茶」の検査に、茶どころの静岡県が反発している。茶葉は暫定規制値を超えていないのに、加工段階だと超える可能性があるためだ。岩瀬洋一郎副知事らは17日同省を訪ね、細川律夫厚労相に荒茶を検査対象にしないよう求める要望書を提出した。
 厚労省は16日、生の茶葉に加え乾燥させた「荒茶」も検査し規制値(1キロ当たり500ベクレル)を超えるものが流通しないよう東北、関東などの14都県に通知した。加工工程でセシウムが5倍程度濃縮するので、安全管理のため検査が必要と判断したという。
 要望書は「荒茶は消費者が直接口にするものではない」「生葉と飲用茶で規制値を下回った茶葉が、荒茶で規制値を上回る矛盾が生じる」と指摘。生葉と飲用茶だけで検査するよう求めた。細川厚労相は「よく検討したい」と話したという。
 神奈川県も17日、黒岩祐治知事名で厚労相、農相あてに、生葉だけを検査するよう求める要望書を提出した。【佐々木洋、仲田力行、北川仁士】
毎日新聞 2011年5月17日 21時08分(最終更新 5月17日 23時15分)


 コメントする気力はありません。各自ご判断ください。
お茶でセシウムが濃縮する理由は、ブログに書いております。

要望の通りに、基準が緩和されますと 2,500Bq/kgのお茶まで出荷されることになることを追記しておきます。お茶にすると、 300Bq/kgは、下回るのでしょうが、このお茶の葉、ふつうにすててもいいのでしょうか。。

そうか、水分を吸うと、 1,000Bq/kg程度には、水増しされますね。
焼却灰は大丈夫でしょうか??

 検査拒否ですか・・・

静岡お茶農家のかたへ:
もし、仮に放射能にある程度汚染されているお茶の葉でお茶を作ってしまいますと、生産設備全体が放射能汚染されます。事実上、除洗は不可能です。また、お茶の葉を作る際の排気を通じてセシウムがそこら中にばらまかれることになります。
 そういった影響も十分考慮された上で、生産をご判断ください。
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posted by いんちょう at 15:48 | 原子力

汚染列島化計画を阻止しましょう☆☆☆☆☆

 がれきの処理を行っているのは、環境省、適正処理不法対策室です。

電話をしましたところ、やはり
・福島県の浜通地方 以外は、通常の震災廃棄物扱いで、特別処置はしない。
・環境省としては、測定する予定もない。
・いくつかご批判の電話は来ている

とのことでした。私からは、
・このまま、ばらまかれるともう元に戻すことは出来ない。
・工程が進んでいるのならば、せめて放射能の測定は義務づけてくれ。
・環境省は、国民を守るのが仕事ではないのか。もし、なにかあっても、責任は免れない。担当者 も名前を控えましたよ。

と話しました。

環境省ホームページは、こちらです。
http://www.env.go.jp/

みんなが働きかける必要があります。このスキームが放射能を確認しないまま進んだら、もう取り返しがつきません。

 また、引き受け表明をされている、自治体、企業のかた、放射能を測定する装置を配備してから、実行していただけますよう強くお願いいたします。

放射能汚染マップを再掲しておきます。
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タグ:P
posted by いんちょう at 14:41 | 原子力

原子力規制の実態・上から目線の斑目委員長

 先日は、少し筆が滑りすぎてしまいました。もう少し、マイルドに書いていきます。
文章を読んで、気分を害されたかたがおられましたら、誠に申し訳ございません。

 現在の原子力行政は、どのような形になっているのでしょうか。今回の報道を見る限り、

政府

原子力安全委員会

原子力保安院

東京電力

プラントメーカー(日立、東芝、GE、・・沸騰水、三菱・・加圧水)

となっているようです。

米国は、NRC (Nuclear Regulatory Commission) で、
http://www.nrc.gov/
という立派なホームページがあります。従業員 4,000人ということらしいです(日本語のソースしか見つけられません)

かたや、日本の人数はどのくらいでしょうか。

原子力安全委員会 よくわからないので問い合わせ
(03-3581-9919)
委員長を含めて、5名。 事務員 60名

原子力安全・保安院もよくわからないので問い合わせ。
10分以上待たされ、返答がないので、切りました。
なぜ、こんな簡単な質問も答えられないのでしょう?不思議です。

しかたないので、ネットで検索 2005年版ですが、次のような資料を見つけました。
http://www.nisa.meti.go.jp/koho/nisatu/files/02_02-03.pdf
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この資料から読み取ります。
まず、一番はじめに、

原子力の安全確保については、まず事業者が責任をもって行うことが大前提です。事業者の安全対策を規制しチェックする機関として、NISA、原子力安全委員会やJNESがあります。

と、びしっと書いてあります。

原子力安全委員会の概要
【組織体制】
・内閣総理大臣が任命する委員: 5人
・専門分野の有識者:約140名
・事務局スタッフ(約100名)

JNESの概要【 独立行政法人原子力安全基盤機構】
【組織体制(平成17年4月現在)】
職員数:約450名

NISA【原子力安全・保安院】
【組織体制・平成17年4月1日現在】
職員数:約440名(うち、原子力の安全規制業務は約350名。産業保安監督部を除く。)


ということみたいです。まあ、米国の1/8程度でしょうか。これは、技術職員ではなく、事務職員も含めた人数ですから、実働部隊としては100名足らずでしょう。

 では、東京電力はどうか。

福島第一には、おそらく1,000名たらず(最高でも)でしょうが、これは現場部門で、全体計画・安全の方針を決めてはおりません。
 では、本店はどうか。全部で100名もいないでしょう。ちなみに、私がつとめていた原子炉の安全関係を司る部門は、

課長−副長−副主任−担当

の4名でした。これでは、資料をつくることはできません。実際の実働部隊(ワープロを打ったり、計算をしたり、書類、図面を作ったり)は、東芝、日立となります。

 こんな感じです。

先日、はちょっとひどい病名をつけてしまった斑目氏ですが、その場その場で率直な発言をされているだけだと思います。今回は、その発言からいくつかをとりあげ、規制の実態をえぐってみようと思います。

http://mainichi.jp/select/today/news/20110517k0000m010078000c.html
福島第1原発:班目氏、保安院を批判 炉心溶融見解示さず
2011年5月16日 20時15分 更新:5月16日 20時54分
衆院予算委で阿部知子社民党政審会長の質問に答える班目春樹原子力安全委員会委員長。後方は海江田万里経産相=国会内で2011年5月16日午後4時19分、藤井太郎撮影 内閣府原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長は16日の委員会定例会議後の会見で、東京電力福島第1原発1号機で起きた炉心溶融について、経済産業省原子力安全・保安院が見解を示さないことに対して批判した。
 班目委員長は「(安全委が指摘してきたにもかかわらず、これまで)制御棒だけ溶けずに残るなど物理学的常識からあり得ない図を持って来ている」と指摘。「もっと適切なイメージを持ってきなさいと言っているが、持って来ないのは遺憾。また(東電が炉心溶融を認めたにもかかわらず)保安院の考えが出されないのが残念だ」と話した。
 一方、1号機で起きた原子炉圧力容器内の蒸気を冷やす「非常用復水器」の機能喪失については、「東電、保安院から事実関係を聞いていない」とし、津波だけでなく、地震や作業員の操作などが原因で起きた可能性も否定できないとの見方を示した。【野田武】
 これは、いったいどういうことなのでしょうか?
原子力安全委員会は、原子力トップのはずです。保安院が見解を示さないのならば、ご自分で示すべきではないのですか?イメージがおかしいのならば、得意のイラストの才能を生かして、国民に見せてください。あとから、自分もそういうことを考えていた、わかっていたとは決していわないでください。
 結局、何もわかっていないから、ご自分から意見を発することが出来ない。そういうことではないのですか。でてきた、書類を追認することしかできないといったら、言い過ぎでしょうか。格納容器爆発を誰よりも早く予見できた、才能を是非とも生かしていただきたいです。
 すくなくとも、解答を出すのが遅いとただ一方的に文句をいえばよい傍観者ではないはず。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20110418-OYT1T00857.htm
東電工程表、実施に相当の困難と班目委員長
. 内閣府原子力安全委員会の班目春樹委員長は18日、東京電力が発表した事故収束への工程表について「相当のバリアがある」と述べ、実施には困難が伴うとの認識を示した。
 また「工程表の精査はできていないが、スケジュールありきで安全がおろそかになることは避けてほしい」と語った。
 班目委員長は「一番難しいのは2号機対策」とし、理由としてタービン建屋地下に高濃度の放射性物質を含む汚染水があることを挙げた。フランスから導入予定の浄化処理技術についても「本当に(高濃度の汚染水に)使えるのか、安全委員会側として承知していない」と効果に未知数の部分が多いことを挙げた。
(2011年4月18日20時19分 読売新聞)


 いつになったら、精査が終わるのでしょう?安全委員の仕事とは何?

http://www.asahi.com/special/10005/TKY201104050218.html
姿見えぬ原子力安全委 事故時の助言役、果たせず
2011年4月5日12時16分
班目(まだらめ)春樹委員長が初めて会見したのは、地震発生から12日後の3月23日。「助言機関として黒衣に徹してきた」と釈明した。2号機の建屋外で高濃度の放射能汚染水が見つかった28日の会見では、「どんな形で処理できるか知識を持ち合わせていない。保安院で指導してほしい」と自らの役割を否定するような発言も飛び出した。


 ここまで書くともうあきらかです。その職をまっとうできない人間が、日本の原子力行政のトップに祭り上げられているだけ。「みこしは、かるくて、●●がいい」 という声が聞こえてきそうです。

 保安院は?東電のデータを吟味もせず、発表。質問しても適切な答えが返ってくることがないのは、よくご存じのことでしょう。そもそも、公式に発表している人数で、事故解析などが出来るはずもありません。

 では、東京電力は?ここも、無理です。実際にコンピューターを回したり、図面を書いたりするソフトすらもないはずです。

 結局、事故の収束は、東芝、日立、GE、あるいは建設業、そのほかが一生懸命考え、プランを練り、東電と相談している(それが現実的かどうかは、東電の現場経験者の助言が必要)のが実態でしょう。原子力行政側には、それは不可能。
 もし、本当に全部自分のところで評価を行い、報告書を作成するのであれば、米国のように4,000人程度の人数がいないと不可能なのです。

 官僚主義で滅んでしまった清朝末期のように実態を知らない人間がトップとなり、現場に負担を強いているのが、原子力村の実態。

 格納容器ベントの評価すら行っていなかった原子力村で、溶融燃料の取り扱い研究などしていた人などいるのでしょうか?
タグ:R
posted by いんちょう at 13:25 | 原子力

2011年05月17日

日本列島全体が汚染列島へ☆☆☆☆☆

 今回の東日本大震災は、津波の被害がひどく、東北一帯の沿岸で膨大ながれきが発生しています。
ようやく、その処理方法が決まったようです。

http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2011051500231
放射線量、会津レベルなら通常処理へ=福島の震災がれき−環境省
 福島第1原発事故で放射性物質に汚染された恐れのある福島県のがれき処理を検討する環境省の有識者会議が15日開かれ、県中央部の中通り地方と沿岸部の浜通り地方(避難区域と計画的避難区域を除く)について、大気中の放射線量が県西部の会津地方と同レベルであれば、焼却や埋め立てといった通常の災害廃棄物処理を認める方向でおおむね一致した。同省は近く、通常処理が可能となる市町村を公表する。
 東日本大震災で生じた福島県内のがれきについて、同省はこれまで、放射線量が比較的低い会津地方では通常処理を認める方針を示していたが、中通り、浜通り両地方では仮置き場からの移動や処分を認めていなかった。原発周辺の避難区域と計画的避難区域では、がれきの移動も認めていない。(2011/05/15-20:27)


http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011043001000131.html
大震災、がれき処理に3年 岩手、宮城、福島3県
 東日本大震災に伴い岩手38 件、宮城、福島の3県で生じた倒壊家屋などの大量のがれきについて、環境省が処理完了まで3年かかると想定していることが30日分かった。がれき処理のための仮置き場も不足。岩手県では必要な用地の4割程度しか確保できておらず、環境省は「処理の遅れを避けるため用地提供を近県に求めることもあり得る」としている。
2011/04/30 08:41 【共同通信】


震災のがれき処理、3年間で完了 環境省が工程表
 環境省は16日、東日本大震災で生じた倒壊家屋などのがれきの処分を3年間で完了するとの工程表を盛り込んだ処理指針をまとめ、被災7県に通知した。2012年3月末までにすべて撤去して仮置き場に移し、14年3月末までに埋め立てなどの最終処分を終えるとしている。
 指針を基に各県で具体的な実行計画を策定してもらい、処理の加速を図る。被災地のごみ処理施設だけでは不十分なため、被災地以外の自治体での受け入れも調整する。政府は11年度第1次補正予算でがれき処理費として3519億円を計上、今後も必要額を確保するとしている。
 工程表は、悪臭や飛散防止のため避難所や住宅地周辺のがれき処理を優先し、8月末までにがれきを仮置き場に搬入、12年3月末までに最終処分する。その他の場所のがれきは今年5月末までに仮置き場を確保し、12年3月末までに搬入、14年3月末までに処分を終える。
 環境省はがれき処理に当たり、地元住民の雇用に配慮するとともに、可能な限りリサイクルするよう自治体側に要請。特にコンクリートくずは復興用の建設資材、木くずは再生建材やボイラー燃料などとして有効活用を検討すべきだとして、工程表が定めた3年以内の処分にこだわらないとしている。
 福島第1原発周辺の放射性物質で汚染された可能性があるがれきについては、取り扱い方法を検討中として、現時点では工程表の対象としない。
震災がれき処理 2011/05/16 21:14 【共同通信】


震災がれき処理、272市町村が協力表明
2011/4/20 3:21
 環境省は19日、東日本大震災で被災した家屋のがれきなどの災害廃棄物処理に、30都道府県の272市町村が協力すると表明したと発表した。
受け入れ可能な最大量は被災した岩手、宮城、福島の東北3県の災害廃棄物の総量の約3割に相当する。セメント業界など民間企業にも協力を要請、3年間で処理を終える目標を設定している。
 30都道府県が表明した災害廃棄物の受け入れ可能な最大量は年約281万トン。内訳は焼却処理が年約180万トン、埋め立て処理が年約36万トンなど。目標としている3年間で約843万トンを処理できる計算だ。


 すみません、ずらずらと関係する記事を並べてみました。

まとめますと、
・福島県会津地方レベルの汚染は、通常廃棄物
・その他の県は、放射能汚染を調べずに、焼却。そしてリサイクル。

正気の沙汰でしょうか。下図をご覧ください(WSPEEDIの解析結果)
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/05/06/1305799_0325_1.pdf
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いまだに、これが最終で、しかもヨウ素−131しか記載されておりません。早くセシウム137の計算結果を出してもらいたいのですが・・・

一応このサイトで、
http://onihutari.blog60.fc2.com/blog-entry-49.html
■ セシウム137の地表堆積量を推定してみる
当ブログでは文科省が公表してきたヨウ素131・セシウム137の地表降下量(3月19日以降、福島・宮城はデータ欠損)を集計してきたが、3月25日までの降下量累積でヨウ素131のセシウム137に対する倍率を求めると、静岡3.3倍、茨城8.1倍、東京13.2倍、千葉40倍など地域によってかなりばらつきがある(福島県についてはデータの得られる3月28日以降の1週間の合計値で比較すると約20倍)。この比率をWSPEEDIデータに適用して、3月25日時点でのセシウム137堆積量を推定すると、以下のようになる。
<セシウム137>
千葉県千葉市:250-2,500Bq/m2(実測値では53,000Bq/m2)
東京(奥多摩以外の大部分):7,700-77,000Bq/m2
静岡県の一部(熱海・伊東など):30,000-300,000Bq/m2
茨城県(北茨城・日立除く):12,500-125,000Bq/m2
福島県福島市中心地:50,000-500,000Bq/m2


と換算しておられます。すくなくとも、とても無視できるレベルではありません。

宮城県沿岸はかなり高濃度に汚染され、岩手沿岸も汚染されているのは事実です。

これらのがれきを焼却するとどうなるのでしょうか。焼却しますと、体積が減容しますので、結果として、焼却灰には、高濃度のセシウムが存在することとなり、さらに廃熱の際に環境中にも放射能がまき散らされます。日本全国各市町村でやられますと、すべての焼却施設が放射能汚染され、リサイクルで作られたセメントでさらに放射能汚染が広まり、日本各地で高レベルの放射能のまわりで暮らすこととなってしまいます。

単なる汚泥ですが・・(雨水に地表の放射能が流され、それが濃縮したためと思われます)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110513-00000145-jij-pol
前橋の汚泥焼却灰からもセシウム=4万1000ベクレル―市調査
時事通信 5月13日(金)19時50分配信
 前橋市は13日、市内の下水処理施設「前橋水質浄化センター」で9日に採取した焼却灰から、1キロ当たり4万1000ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。市下水道施設課によると、「震災後に施設外に搬出された焼却灰はなく、飛散防止を図っている」としている。 


 震災のがれきを受け入れた市町村すべてで、このような問題が起きてしまのは確実です。

 提言します。

東日本大震災で発生したすべてのがれきを含みます(福島だけではなく、茨城、宮城、岩手、青森)

・がれき処理を行う施設では、放射能測定を義務づけること。(ガイガーカウンターの配置)
・がれき搬出時にはかならず、表面汚染、がれき1キロあたりの放射濃度を測定すること
・がれきの焼却灰は、リサイクルに回す前に必ず放射濃度を測定すること。あらかじめ決められた基準以上の放射濃度が検出された場合には、その後の処理を中止すること。(かならず、サンプルで試してください)そして、その放射能値を公表してください。

「死なばもろとも」

なのでしょうか
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posted by いんちょう at 21:17 | 原子力

首相と斑目委員長を診断する☆

昨日、あっと驚く発表がありました。
長いのですが、おつきあいください。(青字は、報道です)

http://www.sponichi.co.jp/society/news/2011/05/16/kiji/K20110516000832340.html
菅首相 格納容器破損の可能性を認識…震災翌日の視察前に
共同 
 菅直人首相は16日の衆院予算委員会で、東日本大震災発生翌日の3月12日に福島第1原発を視察したことをめぐり、格納容器破損の可能性があることを知った上で、あえて実施したことを明らかにした。「放置すれば格納容器にひび割れが起こりえた。だからこそ(視察前に蒸気を排出する)ベントが必要だと言った」と述べた。
 視察に同行した原子力安全委員会の班目春樹委員長も「格納容器が破裂する可能性があることは認識していたし、(首相に)助言した」と答弁した。
 首相は視察に踏み切った理由について、東京電力へのベント指示がなかなか実施されなかったとした上で「陣頭指揮を執るには現地の関係者ときちんと会うことが重要と考えた」と強調。質問した自民党の西村康稔氏は「首相官邸で指揮を執るのが最高指揮者のあなたの仕事だ」と指摘し、防護服を着ずに現場に行ったことを批判した。
[ 2011年5月16日 13:40 ]


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110516-00000049-jij-pol
格納容器破裂の可能性認識=視察前、菅首相に助言―班目委員長
時事通信 5月16日(月)12時28分配信
 原子力安全委員会の班目春樹委員長は16日の衆院予算委員会で、3月12日に菅直人首相とともに福島第1原発を視察する前、格納容器が破裂する可能性があると認識し、首相に助言していたことを明らかにした。視察直後の同日午後に1号機で水素爆発が起きたことについては「その時(視察前)は助言していない」と語った。
 班目氏はまた、「もう少し早く(格納容器の圧力を逃す)ベントが実施されていれば、ここまでの事態は防げた」と指摘した。

いいたいことはたくさんありますが、まず当時の報道を振り返ります。

出かける前。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110312-OYT1T00148.htm
首相、ヘリで視察出発「現地で判断も」
巨大地震
 菅首相は12日早朝、東日本巨大地震の被災地や福島第1原発を視察するため、首相官邸からヘリで出発した。
 首相は出発前、首相官邸で記者団に「昨日以来、政府として全力を挙げて、救済、復興に取り組んでいる。福島原子力発電所から10キロ以内の避難を命令した。状況を把握し、必要な判断は場合によっては、現地で行う」と述べた。
(2011年3月12日06時42分 読売新聞)


ほー、この必要な判断とは、なんでしょうか?まさか、「ベント」の判断を現地でしたのではないですよね。説明責任があります。明らかにしてください。

 次は首相動静から。きっと現地は大変だったでしょう。格納容器の爆発を予見していて、こんなことをさせるなんて・・・首相失格以外の何者でもありません。。

首相動静(3月12日)時事通信 3月12日(土)5時57分配信
 午前5時31分、執務室を出て、内閣危機管理センターへ。
 午前6時8分、同センターを出て官邸エントランスで大地震を受けたコメント発表。同14分、陸上自衛隊ヘリコプターで官邸屋上へリポート発。班目春樹原子力安全委員会委員長、寺田学首相補佐官同行。
 午前7時11分、福島県大熊町の東京電力福島第1原子力発電所着。同19分、重要免震棟へ。同23分、東京電力副社長の武藤栄原子力・立地本部長による説明。池田元久経済産業副大臣同席。
 午前7時47分、武藤本部長による説明終了。同49分、重要免震棟を出て、同8時4分、陸自ヘリで福島第1原発発。
 午前8時29分、仙台市の陸上自衛隊霞目駐屯地着。同35分、陸自ヘリで同駐屯地発。宮城県沿岸部の被災地を上空から視察。同9時14分、同駐屯地着。同17分、陸自ヘリで同駐屯地発。
 午前10時47分、官邸屋上ヘリポート着。同50分、執務室へ


この時の、飛行ルートを教えてください。まさか、福島上空を通るルートではないですよね?

福島第一原発1号機 放出開始3月12日 10時22分
福島県にある福島第一原子力発電所の1号機では、原子炉が入った格納容器の圧力が高まっているため、東京電力は、午前9時から容器内の空気を外部に放出する作業を始めました。経済産業省の原子力安全・保安院は、この作業で大気中に放出された場合でも、避難している住民の安全性は保たれるとしています。


なぜ、9時スタートなのでしょう?


http://www.nsc.go.jp/anzen/soki/soki2011/genan_so16.pdf より
3月11日 原子力安全委員会 議事録
2011051701.jpg

http://www.nsc.go.jp/anzen/soki/soki2011/genan_so17.pdf より
3月14日 原子力安全委員会 議事録
2011051705.jpg

どちらも5分で終わっています。緊迫感も何も感じられません。斑目委員長(以下、斑目氏)は、格納容器の破裂を予測していながら、5分で閉会した。これは、国民に対する犯罪行為です。
 その他の原子力安全委員会の議事録は、
http://onodekita.sblo.jp/article/44269907.html
に書いています。なぜ、斑目氏はご自分の知識を皆に伝達されなかったのでしょうか?5分でこの格納容器爆発の推移を手短に説明されたのでしょうね。議論にもならないくらい、皆さんおわかりだったと。

爆発が起きた3月12日の記事
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110312/dst11031220410283-n1.htm
原発「爆発」誰も説明できず 危機意識ない政府、東電
2011.3.12 20:40
 誰も説明できないのか−。東京電力福島第1原発1号機で12日午後3時36分ごろ、大きな爆発が起きた。東日本大震災と大津波に続き、原発の建屋の外壁が吹き飛ぶという前代未聞の事態。放射性物質漏えいは、人体への影響は。募る疑問に国、東電とも、何も答えぬまま時間だけが過ぎ、危機意識の欠如をうかがわせた。
 経済産業省原子力安全・保安院の中村幸一郎審議官らは爆発後、断続的に記者会見を開いたが、こわばった表情で「情報を収集しながら対策を検討したい」「詳細について確認中」と述べるだけ。
 周辺住民の生命を脅かしかねない事態にもかかわらず、何を聞かれても「情報がない。確認中だ」と繰り返した。業を煮やした記者が「最悪の事態を想定していないのではないか」と声を荒らげても、「最大限努力する」としか答えず、かみ合わないやりとりが続いた。
 これに先立ち記者会見した枝野幸男官房長官も同様に「しっかりと把握して対応したい」「住民の安全については万全を期す」と繰り返すのみ。「節電」「取材の安全性」などについて一方的に話しだし、肝心の爆発についてはほとんど答えずに会見を終えた。
 当事者の東電もまったく同じ対応。東京都千代田区の東電本店では、吉田薫広報部長らが記者会見を開き「ご心配をおかけして申し訳ありません」と謝罪したが、爆発の影響などを尋ねられても「しっかり評価しなければ分からない」と、踏み込んだ回答を避けた。


 この時に首相か、斑目氏に出てもらっていれば、的確に説明してくれたのに・・残念でなりません。どうして、追加会見を開かなかったのですか?(この時点で、一番状況を理解していたのは、疑いようもなく首相と、斑目氏です)

 しかし、当の斑目氏の発言
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201104050218.html
姿見えぬ原子力安全委 事故時の助言役、果たせず
2011年4月5日12時16分
班目(まだらめ)春樹委員長が初めて会見したのは、地震発生から12日後の3月23日。「助言機関として黒衣に徹してきた」と釈明した。2号機の建屋外で高濃度の放射能汚染水が見つかった28日の会見では、「どんな形で処理できるか知識を持ち合わせていない。保安院で指導してほしい」と自らの役割を否定するような発言も飛び出した。


なぜ、この時点で一番現状を把握したであろう斑目氏が、プレスに発表しなかったのでしょう。もう、それだけで犯罪です。

http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/verification/news/20110404org00m040017000c.html
検証・大震災:原発事故2日間(1)東電動かず、首相「おれが話す」
 東日本大震災から一夜明けた3月12日午前6時すぎ。菅直人首相は陸自ヘリで官邸屋上を飛び立ち、被災地と東京電力福島第1原発の視察に向かった。秘書官らは「指揮官が官邸を不在にすると、後で批判される」と引き留めたが、決断は揺るがなかった。
 「総理、原発は大丈夫なんです。構造上爆発しません」。機内の隣で班目(まだらめ)春樹・内閣府原子力安全委員会委員長が伝えた。原発の安全性をチェックする機関の最高責任者だ。
 第1原発は地震で自動停止したものの、原子炉内の圧力が異常に上昇した。東電は格納容器の弁を開放して水蒸気を逃がし、圧力を下げる作業(ベント)を前夜から迫られていた。班目委員長は「視察の前に、作業は当然行われていたと思っていた」と振り返る。だが、着手は遅れた。
 首相は官邸に戻った後、周囲に「原発は爆発しないよ」と語った。
 1号機でようやくベントが始まったのは午前10時17分。しかし間に合わず、午後3時半すぎに原子炉建屋が水素爆発で吹き飛ぶ。「原発崩壊」の始まりだった。致命傷ともいえる対応の遅れは、なぜ起きたのか。


 あれ、いっていることが明らかに違います。

いままで、失礼なことをいってしまい、大変申し訳ございませんでした。
2ヶ月前にご自分がご経験したことを全く覚えておられなかったのですね。

 長谷川式という認知症診断スケールがあります。最初に簡単な単語(さくら、ネコ、電車)を3つ覚えてもらい、いくつかの質問の後に、再度聞きます。これは、案外難しい。なぜなら、自分に興味がないことだからです。
 しかし、自分の体で体験したこと。これは、記憶に強く残ります。机上でいくら勉強してもよくわからなかったことを、実際に手と頭を使い、さらに身体を使うと遙かに記憶として定着することは、皆様ご存じでしょう。私が医学部学生時代にお世話になった脳解剖の先生は、
「きみ、自分の経験したことを忘れるようになったら、本当の痴呆だよ。」
と。

 菅首相、斑目委員長。あなた方は、認知症にかかっておられるようです。早急に今の職を辞めて、専門病院におかかりください。医師の立場からの助言です。

 記者のかた、国会議員のかた(みられていないとは思いますが)、もし機会がありましたら、ご忠告いただけますようお願いいたします。(認知症のかたは受診を渋ることが多いようですので、苦労されるとは思いますが・・・)
タグ:R
posted by いんちょう at 13:04 | 原子力

2011年05月16日

1ヶ月ごとに重要発表

 全体を振り返ってみます。

3月11日 東日本大震災
4月11日 原子力保安院 レベル7 公式に認める
5月10日 浜岡原発停止命令
5月12日 1号機メルトダウン 公式に認める

6月11日 発表予定の報道は、なんですか?

私の予想
・工程表の大幅な見直し(6−9ヶ月で冷温停止というスケジュールのままか)
・3号機の燃料プールの爆発原因発表(これも無理ですか)


今度こそ、あっと驚く発表を期待しています。
タグ:1F
posted by いんちょう at 22:48 | 原子力

浜岡5号機の海水リーク(細管破断?)

 中部電力が、浜岡原子力発電所を全基冷温停止しました。

が、非常に気になる記事が配信されています。

http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20110516/CK2011051602000134.html
浜岡5号機、海水混入か 中電「原子炉に問題なし」
2011年5月16日
「冷温停止」は完了
 中部電力は15日、浜岡原発5号機(御前崎市)が同日正午すぎ、原子炉の水温が100度未満に下がって安定する「冷温停止」になったと発表した。作業中に、原子炉と発電用タービンを循環する水に、海水が混じった可能性があることも明らかにした。同原発の停止作業は13日に運転を停止した4号機と合わせ完了した。
 中電によると、5号機で14日午後4時半ごろ、タービンを回すのに使った蒸気を、冷やして水に戻す復水器内の水の不純物濃度が上昇した。復水器は内部を通る多数の配管に海水を流し、間接的に蒸気を冷却する仕組みで、配管から海水が400トン程度漏れたとみている。約3時間後に別の冷却系統に切り替え、作業を続けた。
 原子炉の安全性に問題はなく、放射性物質漏れなど外部への影響はないという。海水の配管の破損などの異常がないかどうかを含め、不純物濃度が上昇した原因を調べている。
 中電は4、5号機とも当面は燃料を原子炉内に入れたままの状態で冷却を継続するが、運転停止期間が2〜3年にわたるため、保全計画を策定して燃料の保管方法を検討する。
「漏れ400トン、桁違いの量」
 浜岡原発5号機で「冷温停止」に向けた作業中、原子炉の冷却水に海水が混じったとみられるトラブルでは、専門家から中部電力の安全管理能力を問う声も上がっている。
 山本章夫・名古屋大教授(原子力工学)は「すでに冷温停止になっているのならただちに問題はないが、長期的には、燃料被覆管に悪影響を及ぼす可能性がある」と指摘する。このため舘野淳・元中央大教授(核燃料化学)は中電が目指す2、3年後の再開に向け「弁や配管などの状態をしっかり確認する必要がある」と強調する。
 原発に詳しい評論家の桜井淳氏は「海水混入自体は想定内だが、400トンもの海水が漏れた例は聞いたことがなく、桁違いの量。配管が破断したのではないか」と推測。定期検査を終えたばかりだった5号機でのトラブルに「あまりにお粗末な技術管理。あぜんとしてしまった。原発を見る世論が厳しい中、このタイミングで起きたというのも、中電にとっては最悪だ」と話した。


長いのですが、全文引用させていただきました。

では、どうかと思って、中部電力のプレスリリースをみてみますと・・・(2011.5.16 19:30)
http://www.chuden.co.jp/corporate/publicity/pub_release/press/2011.html
2011051607.jpg

なんと、ホームページには一切記述がありません。この会社は、東京電力以上の隠蔽体質であることは、疑いようもない事実でしょう。(そうでないとおっしゃるならば、早急にプレス発表をホームページに載せてください)

 私は、発電所時代にはタービン関係の保修(こう書きます)をしていました。復水器も、直接は担当したことはないのですが、実際に検査をみたこともありますし、内部に入って大変怖い思い(15m以上の高さがあるのです)をしたこともあります。ここは、原子炉でつくられた蒸気を冷やすために海水がチューブの中を通っています。当初は、黄銅などを利用していたようですが、海水による腐食が激しいため、いまはチタン鋼に変更されています。(最新鋭号機なので、おそらく浜岡5号機もそうでしょう)腐食は格段に少なくなったのですが、それでもピンホールが起こりますので、定期検査時にリークを確かめ、リークがある配管は、プラグを打ってめくらにします。ある程度余裕のある設計ですので、(復水器は全部で6台あり、チューブは5千x6台くらい)まあ、100本ほどめくらにしても、発電には全く影響はありません。
 貝殻が詰まったり、海生物が付着したりしますので、定期検査の時はものすごい腐敗臭をあたり一面にまき散らします。それは、もう、鼻が曲がるくらいの。。
復水器の原子炉水側はほぼ真空ですので、海水が原子炉側に入ることはあっても、逆はほぼない(絶対にないとはいえないとは思いますが)のです。

 海水が原子炉内に入りますと、運転に支障がありますので、当然そのリークを検知する機械もあります。海水は真水に比べて電気伝導度が高いので、電気伝導度をいつもモニターしています。(たぶん、経時的にデータを保管しています)このため、少しのリークで検出して、通常は原子炉出力を落として補修する用にしているはずですし、そうしなければならないのです。また、さらにリーク量が増えますと真空度が低下しますので、それによっても警報装置がなり、タービンが回っている場合にはトリップさせます。(タービンへの蒸気供給を停止する)

 今回のリークは、400トンという桁違いの量です。どのようにして測定したかは知りませんが(明らかにする必要あり)、これはリークという生やさしいものではありません。考えられるのは、


・最初のリークを運転員が見過ごした。
・警報装置も(結構重要なアラームが鳴るはず)誤りだと考えて、何の対策もとらなかった
・真空度の悪化でようやくわかった。

か,

・一瞬にして複数の復水器チューブ(一つのチューブの口径は、およそ5センチ程度でしょうか)が破断して、系統切り離しがうまくできなかった。

のいずれかでしょう。

 停止捜査中で定格運転時に比べて、蒸気流量が少なかったからからいいようなものですが、もし運転中であるならば、即廃炉につながるような大規模な事故(原子炉内への今回の量を遙かに上回る大量海水流入)となっていたのは間違いありません。

 私の知る限り、復水器でこんなに大きな問題が起きた記憶はありません(中日新聞報道の通り)し、このようなトラブルが起こるような設備ではないはず。

 なにか、発表できないようなことがあるのではないのですか?

補足:記事で憶測しているように運転員のせいにしてきたら、必ず裏に何かあります。日本の運転員は、とびぬけて優秀というわけではありませんが、間違いはしません。重要な規則違反もしません。3交代ですから、疲労困憊になることもありません。定期的にシミュレータでトレーニングを受けています。考えられない単純ミスとみんなが思うことは、本当ではないのです。(たとえば、前回紹介した接続ケーブルがなかったなんていう話など)決してだまされませんように。
http://blogs.yahoo.co.jp/satooyak5/2585893.html より
2011051609.gif
人間と比較するとその大きさがおわかりでしょう。

2011051610.jpg

中に入ると、本当に怖いですよ・・・・


 中部電力、浜岡原子力発電所の敷地配置図を見つけました。
http://image.blog.livedoor.jp/senza_fine/imgs/9/e/9ebf1d59.gif より
2011051608.gif

かたや、今大変な状態である福島第一原子力発電所の配置図
2011051608.jpg
T/B = タービン建屋
R/B = 原子炉建屋

浜岡の配置がばらばら(きちんと整列していない)ということ以外に、この発電所には普通では考えられない配置がされています。(断層の問題を抜いて)
福島、浜岡の図面を見比べて、各自考えてみてください・・・
タグ:H
posted by いんちょう at 20:04 | 原子力

福島原発で地盤沈下 ☆☆☆☆☆☆

 昨日、見つけましたブログ(米国在住のかたがYoutubeを翻訳されています)

http://ex-skf-jp.blogspot.com/2011/05/blog-post_15.html
米国原子力専門家 Gunderson氏の意見

 ここで、気になる一文を見つけました。
専門家によれば、発電所自体が1フィート[約30センチ]ほど沈下しています

 本当だとすると、かなり大きな話。岩手、宮城で大規模な地盤沈下が生じているのは、既報。

国土地理院、地盤沈下で調べますと、下記の資料が見あたりました。
http://www.gsi.go.jp/common/000060316.pdf
2011051601.jpg

全体的に20センチから80センチの地盤沈下がみられます。

一番最南端は、福島県相馬市。発電所の北側約20キロ地点 -30cm です。

その南側は、どうか。

国土地理院に聞いてみますと、

・これ以南の測定結果は、今年末までに測量が完了する
・電子基準点もあり、この結果は、公表されている。

http://www.gsi.go.jp/chibankansi/chikakukansi40005.html

から

水平方向の変位
2011051603.jpg

垂直方向の変位
2011051602.jpg

当変動量線図(初めてこの言葉を聞きました)(福島県水平)
2011051604.jpg

当変動量線図(福島県垂直)
2011051605.jpg

原子力発電所のある場所をみますと、

水平方向に 2メートル20センチ(東に変動)
垂直方向に 40センチ(沈下)

しております。(注:福島第一原子力発電所は、福島県海岸線のほぼ中央に位置しています)

すこし、市町村図を調べてみました。(追記)
2011051606.jpg
福島第一原子力発電所は、双葉町、大熊町
福島第二原子力発電所は、富岡町、楢葉町

に位置しております。当変動量線図をみますと

沈降量は、いずれの発電所でも -50cm以上
水平移動量は、 220cmから250cm (地盤にゆがみあり)

です。

 これは、国土地理院が作成した地図で、10cm程度の誤差があるとはいうことですが、正確なものです。


地盤にこのような変化があるため、原子力発電所の基礎になんらかの重大な損傷が起きているのではないでしょうか。


 現在の耐震安全審査は、Gal(ガル)とよばれる加速度のみの評価を行っています。

質量×加速度 = 力

となりますので、この変形力に耐えうるかの審査のみになります。

今回の大地震は、あきらかに地盤の変形を伴っています。 耐震評価に地盤の沈下、水平移動(もちろん、発電所敷地内で一律に起きるはずがありません)を含めた見直しが必要です。

こういった変形を伴う地震が起きた場合でも、影響を受けない建物を人間は造れるのでしょうか?

岩盤は、移動しないという前提条件になっているのではありませんか?

 これは、大変重要な問題です。

(2011.5.17 13:50追記)
http://www.tepco.co.jp/nu/material/files/fk10071601.pdf
福島第一原子力発電所 3号機 耐震安全性評価 より
水平方向のモデル
2011051702.jpg

垂直方向のモデル
2011051703.jpg

建屋全体のモデル。(基準点が複数あります)
2011051704.jpg

最後のモデルは、新潟地震の後から追加されたようです。今回の地震に対応するには、このモデルの一番下の接地点(なんというのでしょうか?)が地震である程度ずれることを考慮しなければなりません。バネという判断では解析モデルとして失格です。
・加速度
・速度
・変位
を組み合わせる必要があります。

新潟地震の際、柏崎刈羽に何もなかったとは思えません。このような複雑なモデルを構築するくらいですから、非常に大きな損害があったような気がします。地震直後に、第3者委員会の立ち入りなどなかったのでしょうか?(現在の状況を見ますと、たとえ何かあったとしても、隠蔽してしまいそうですが)これからでも遅くないので、地震直後の現場の話を聞き取り調査していただきたく思います。英訳していただきました。
タグ:s 1F 2F
posted by いんちょう at 12:56 | 原子力

2011年05月15日

原発事故時にどうするか・日本にお住まいの方々へ

 アクセスありがとうございます。

私は、以前東電に勤めており、その際には給料をもらっておりました。
今から15年以上前の話であり、現在は全く別の道で生計を立てております。

 原子力業界とのつきあいは今は全くありません。

 現在熊本に在住していますが、原子力の安全神話が壊れた今、想定外事象が起きたときに、どう対応するのか考えておかねばなりません。

・川内原子力発電所(南西約120km)
・玄海原子力発電所(北西約110km)
・島根原子力発電所(北東約230km)
・伊方原子力発電所(北東約110km)
・高浜原子力発電所(北東約370km)

伊方原子力発電所が思っていたより近くて驚きました。

これら、原子力発電所に何か起きたときにどう動くか・・・

川内・伊方原子力発電所は、日本列島の最西端にあります。ここで何か起きたら、今の日本列島内には避難する場所はないでしょう。

 原子力安全神話が壊れた今、こういった事態をおのおの考えておかねばならず、政府発表を当てにしてはならないのは、皆様ご承知の通り。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201105150073.html
で福井知事が述べたように、
西川知事は今後も「(産業と安全を)比較すべきではない。まず安全対策を急ぐ努力をするべきだ」と厳格に安全確認する方針だ。

なのです。

参考地図
http://www.jaif.or.jp/ja/nuclear_world/data/f0301.html より
2011051503.jpg 
タグ:O
posted by いんちょう at 20:47 | 原子力

その日何が起きたのか。(地震当日を報道から振り返る)・重要

 そろそろ、いろいろなデータ、状況が表に出てきました。

発表当時は、?と思ったことが、振り返られるようになっています。地震と津波でいったい何が起きたのか。当時の発表記事を元に再現してみます。

東日本大震災 2011年3月11日14時46分18秒

 この時刻に起きた証言としては、下記の記事が参考になります。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110318-OYT1T00188.htm?from=main4
2011年03月18日にブログでも紹介しています。

 1号機内で電気設備関連の作業中だった男性作業員は「揺れるというよりは、横にも激しい勢いで振り回されている感じ。縦揺れはほとんど感じなかった」と振り返る。原子炉頂部にある天井からつり下げられたクレーンや照明が、激しくぶつかり合う音を聞いて、「これは普通じゃない揺れ方だ」と気付いたという。
 建物の廊下では、ずれた金属製配管の継ぎ目から、水が勢いよく流れ出ていた。余震が続く中、非常灯で薄暗い階段を懸命に駆け降りたが、「出口の扉は本当に開くだろうか」と心配になったという。
 放射能に汚染されているかもしれない水の怖さより、このまま原子炉といっしょに閉じこめられてしまう恐怖の方が強かった


 水が勢いよく流れ出ていたということから、かなりの大口径配管が原子炉建屋内で破断していた。と考えられます。・・・・

point 1 沸騰水型原子炉一次配管の破断・・・地震の前

http://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/press_f1/2010/htmldata/bi1309-j.pdf
(東電、プレス発表)
・原子炉自動停止(スクラム)
・外部電源の一系統が損傷(外部電源喪失)
・非常用ディーゼル発電機が自動起動

 ここまでの推移では、大口径配管の破断?が一番気になります。

時刻がはっきりしませんが、約30分後 すなわち15時15分頃に津波が押し寄せたと思われます。

この時の描写
 あわてて階段を上って屋上から海を見ていると、約30分後、水平線の向こうから白い壁のような巨大津波が押し寄せてくるのが目に飛び込んできた。高さ約6メートルに達する大波は、同原発沖合に設置された、幾重にもある防波堤をのみ込んでいった。

 1号機から6号機までの原発の周囲は、あっという間に水浸しになった。それぞれの原子炉建屋に隣接する発電施設に冷却水を供給しているポンプ設備が、次々と流されていく。この設備を失えば、発電施設内を通る高温の蒸気を冷却することができない。技術者は初めて見る光景に恐ろしさを感じ、「これは危険なことになる」と直感した。


 そして、東電プレス発表から
15時41分に非常用ディーゼル発電機が故障し、すべての交流電源喪失を宣言。
・・津波の後ですから、おそらく津波が原因でしょう。
 水没、燃料タンク喪失、燃料配管の喪失、あるいは負荷の電気回路ショートによる発電機本体の故障?
非常用ディーゼル発電機の故障原因は、まだ、プレス発表されておりません。

point 2 全交流電源喪失
point 3 冷却用海水ポンプの喪失(こちらの方が重要度が大きい)

 あとでプレス記事を添付しますが、このpoint 3を原子力保安院、東京電力は軽視していたと思います。が、これは、東電の技術者ならばわかる話。
私のSNS記事を記載を添付します。(以前も添付していますが)
2011051501.jpg

point 2をカバーするために、このような記事が配信されています。 (すでに削除・・NHK)
福島第一原発へ電源車が出発 
3月11日 19時5分
 福島県対策本部の午後6時の発表によりますと、福島第一原子力発電所の1号機と2号機で、原子炉を安全に冷やすための非常用の発電機がすべて使えなくなり、東京電力の電源車8台が福島第一原発に向かっているということです。また、陸上自衛隊の福島駐屯地からも電源車1台が福島第一原発に向かっているということです。


 出来ることはこのくらいです。おそらく、大勢の人が固唾をのんで見守っていたことでしょう。

 そして、出てきたのがこの報道です。(報道が見あたらないので、ブログから)
http://www.the-journal.jp/contents/takano/mb/post_204.html
《電源車調達》
 11日、電源喪失で炉心溶融の危険が予想される中、東電は「冷却作戦」のための電源車を東電及び東北電力管内からようやく6台、掻き集めて現地に向かわせるが、陸路の輸送は困難を極め、ようやく東北電力が提供した2台が国の現地拠点「福島オフサイトセンター」に到着したのが午後9時。バッテリーも切れて無電源に陥るタイムリミットまで2〜3時間しかない。ところがそこで分かったことは、電源の繋ぎ口が津波に使っていて接続できず、しかも、仮に接続できる状態であったとしても、毎日によると「高電圧の電源車を繋ぐための低電圧用のケーブルが用意されていなかった」ので、またAERAによると「ケーブルが短くて使えず、プラグも合わなくて、本社に「500メートルのケーブルが必要だ」と連絡が届いた。「そんな長いものは社内を探してもみつからない」。12日の午前0時を過ぎても幸いなことにバッテリーはまだ動いていて、危なかった2号機の水位も何とか安定を回復していた。その頃ようやく低圧ケーブルは調達できたものの「関東から空輸を準備中」という段階。そうこうするうちに、午前2時半、今度は1号機の格納容器内の圧力が上昇しはじめ、その3時間後には外部に大量の放射線物質が漏出した......。


 本当にこんな理由でしょうか?発電所ですし、失敗すれば今の状況になるのは、専門家ならばわかっています。かりにプラグがあわなくても、導線同士をつないだり、何でもするはず。高圧のかかる発電所なんですよ。そんなばかな。。東京電力はこんなにお粗末なのかとみんな憤慨されたことでしょう福島第一の構内は非常に大きく、東芝、日立の協力企業棟もあり、電力関係は本当に専門中の専門です。こんなことは、やはり考えられません。

 証拠もないのに書くとと怒られそうですが、現在運転中の発電所を止めないために、こういったストーリーを無理矢理作ったのではないかとさえ思われます。それを裏付けるかもしれない記事が、5月11日に熊日に載りました。(ネットでは見つけられません)
2011051502.JPG
使われなかった電源車として記事が書かれており、
・保安院は現状把握が全く出来ていないこと(少なくとも、海水ポンプ流出は考慮してください。お願いですから)
・電源車は次々に到着したが、海水をかぶった機器に電気を通すのは危険だとして結局1台も使えなかった。

 そうだとすれば、やはりケーブル云々の話は嘘(とってつけた話)というしかありません。

point 4 電源車は何の役にも立たなかった(通電不可能)

 それで、爆発まで至りました。

 ここまでは、冷却できないのですから、想定し得ます。不思議なのは、冷温停止に全く持って行けないこと。以前も書きましたが、復水器の水を原子炉に戻すルートがありますし、様々なルートを使えば、さすがにこんなには時間がかからないはずです。

 そうしていると、次の記事が出てきました。
http://www.47news.jp/CN/201105/CN2011051401000953.html
1号機、津波前に重要設備損傷か 原子炉建屋で高線量蒸気
 東京電力福島第1原発1号機=3月20日(エア・フォート・サービス提供)
 東京電力福島第1原発1号機の原子炉建屋内で東日本大震災発生当日の3月11日夜、毎時300ミリシーベルト相当の高い放射線量が検出されていたことが14日、東電関係者への取材で分かった。高い線量は原子炉の燃料の放射性物質が大量に漏れていたためとみられる。

 1号機では、津波による電源喪失によって冷却ができなくなり、原子炉圧力容器から高濃度の放射性物質を含む蒸気が漏れたとされていたが、原子炉内の圧力が高まって配管などが破損したと仮定するには、あまりに短時間で建屋内に充満したことになる。東電関係者は「地震の揺れで圧力容器や配管に損傷があったかもしれない」と、津波より前に重要設備が被害を受けていた可能性を認めた2011/05/15 02:02 【共同通信】


point 1も裏付けられました。

つまり、配管自体が地震でやられてしまい、それだけでもうどうにもならないところに、津波がきた。ということでしょう。

 従いまして、Wikiより
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E7%AC%AC%E4%B8%80%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80%E4%BA%8B%E6%95%85

地震と津波による全電源喪失
この地震により、1 - 4号機は発電所敷地内の受電設備が損傷し受電不能に陥り、5・6号機は受電している原発西側の送電線の鉄塔1基(夜ノ森線 第27号鉄塔)が倒壊し受電不能に陥った。本来は、どちらかの外部電源から受電できれば発電所内部で融通できるシステムがあるため全機外部電源喪失を防げるはずだったが、結果的に全機受電不能になり、外部電源喪失状態に至った。 東京電力は公式見解で事故原因は未曽有の大津波だとしているが、4月27日の衆議院経済産業委員会で吉井英勝議員(共産党)の質問に答えて、原子力安全・保安院長が、倒壊した受電鉄塔は津波が及ばなかった場所にあったことを認めた。吉井議員は、「この鉄塔が倒壊しなければ、電源を融通しあい全電源喪失に至らなかったはずだ」と指摘し、電源喪失の要因は地震による損壊であることを明らかにした


と共産党の国会議員が指摘していることは間違いではありませんが、結果としては関係なかった(電源車が使えなかったことを考えますと)になります。これは、原子炉保安院が最初に想定したストーリーを強化するだけであって、問題の本質とは異なると私には思えます。

では、ポイントをまとめます。

1.原子炉内大口径一次配管破断・・地震のみ
2.全交流電源喪失(非常用ディーゼル発電機喪失)・・津波
3.海水系冷却設備の喪失(逸失でしょうか)・・津波
4.電源設備の海水没により、通電不可能・・津波

1号機から3号機まで、耐震の再評価はしてあります。今回の地震が想定内に収まっており、地震の安全性が評価できていたとするならば、地震の解析モデルの誤りまで考慮する必要があります。

 こういったことまで考えて、原子力保安院また経産省は原発の安全性を確認しているのでしょうか?私にははなはだ疑問です。
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posted by いんちょう at 17:57 | 原子力

メルトダウンのイメージ・ぷちおすすめ

 今朝、オートミールを作りながら・・・

 オートミールは沸騰水の中に入れて、5分間ほど煮ます。

細かくいうと、全然違う(原子炉の場合は、オートミールに熱があるわけですが・・・)のですが、あくまでもイメージ。

 シチューでも、味噌汁でも何でもいいですが・・

 鍋に具を入れて、コトコト煮はじめました。料理中に鍋、コンロには影響しない地震が起きてしまい、台所に近寄れなくなったと想像してみてください。

・しばらくは、水が沸騰しているだけで、何の変化もない(この間に避難すれば、とりあえず自分は無事でしょう)
・そうこうしているうちに水がなくなってきて、だんだん変なにおいが・・
しかし、気づかず(気づいても、手が打てない状況..火力調整は、あらかじめ強火5分−中火5分−弱火30分と設定されており、途中で変更は出来ない)強火のまま・・
・水分が蒸発すると、今度は中の具が焼けてきます。

−−まだ、強火が続いています。−−

・鍋に火が移り、天井に火が回ります。

・ようやく気がついて水をかけ始めますが、アイロン用の霧吹きでシュシュとしているだけ。
(火がついているのに、この程度ではもちろん何の効果もありません)
 本来は、非常用消火器をつかったり、台所の蛇口から水をとって使えばいいのだが、非常用消火器は、棚から落ちて破損(使用不可)、水道水は断水の状況でつかえない。

−−徐々に火が弱くなっていますが、まだ弱火程度では熱されています。

 この鍋から、中身をうまく取り出して、コンロ、鍋を元通りに出来るのか。
それを、どういう手順でやるかを求められている・・
(今のあなたの知識で)

 そう考えていただけますと、現在どうなっているかおおざっぱなイメージがわきませんか?

(あくまでも全然違う話を喩えていますので、参考の参考程度に)
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posted by いんちょう at 08:36 | 原子力

2011年05月14日

1号機メルトダウン−私的収拾案・おすすめ

 東京電力・政府がようやく、1号機のメルトダウンを認めました。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110513-00000127-san-soci
福島原発1号機、格納容器に漏出「打つ手なし」 核燃料100%損傷か
産経新聞 5月13日(金)7時56分配信
 ■工程表大幅見直し

 12日、東京電力福島第1原発1号機で、原子炉圧力容器内の核燃料棒が完全に露出したことが判明し、圧力容器損傷の可能性も浮上した。原子炉を安定冷却するための作業が進められているが、見直しは避けられない。専門家からは「圧力容器に穴が開いているなら、もう打つ手がない」と危惧する声も上がり、事故の収束に向けた工程表の達成に「黄信号」がともった。(原子力取材班)

▼形状とどめず
 「メルトダウン(炉心溶融)が、炉心の形状を維持せず、圧力容器の下に崩れ落ちているというのであればそれ(メルトダウン)で結構」。東電の松本純一原子力・立地本部長代理は12日の会見で、初めて「メルトダウン」状態にあることを認めた。



 ようやく、公に現状を認識できたという点では、非常に大きな進歩です。実際的な解決方法を決めていくことが出来るようになりました。


 しかしながら、これは今更の話です。5月5日も書きましたとおり、最初からわかっていたことです。(私がわかるということは、少なくとも現場もわかっていたはず)が、このことを3月12日の時点でこのブログに書きますと、風説の流布、過度に刺激を与えたということで、捕まっていたでしょう。

 なぜ、わかるのか。

それは、簡単です。以下説明しましょう。

原子力発電所といいますが、やっていることは蒸気を使ってタービンを回し、発電機を回しているだけです。

蒸気を核分裂で作るのが、原子力発電所
同じく、石油などの燃料を燃やして作るのが、火力発電所
地下の水蒸気を利用するのが、地熱発電所
水の力で発電機を回すのが、水力発電所
風の力で発電機を回すのが、風力発電所

その他、全く違う発電方式に
・太陽光発電
・燃料電池
があります。

 核分裂は、ウランなどで出来た核燃料で起こします。

 それだけ。

 原子力発電所で、一番重要なことは、核燃料は何があっても、水の中に入れておかなければならない。さもないと、溶けてしまい人間の手に負えない。

・核燃料は、いつ、いかなる時でも、水の中に入れておかなければならない

 そういった状態を保つためだけに、たくさんの付属設備があります。(火力発電所にはみられない設備がすべてそうです)そう考えると、いろいろなことがすっきりと見えてきます。

 また、

・核燃料は、制御棒で核反応をすべて止めることは出来ず、非常に長期に渡り(10年から1000年くらい)崩壊熱を発生する(非常に大きな焼け石 をイメージすればいいでしょう)

 の2つです。

当初から、1号機、2号機、3号機とも、水位計がすべて、ダウンスケール(水位が下がりきってしまうこと)と発表しているわけですから、すべての号機でメルトダウンしているのは、確実でしょう。
 そして、沸騰水原子炉の弱点である制御棒貫通孔溶接部位が、健全性を保たれているかは、非常に疑わしいのは間違いありません。
2011051406.jpg
なにもなくても、通常運転中ですら、リークが生じる場所なのです。
(私が思うに、これは沸騰水型原子炉の決定的な弱点。これを克服するすべはありません)

東電がアップしました模型の写真がわかりやすいので、追加します。(私の本店時代にもこれで、構造を確認してました。懐かしい模型です)
2011051408.jpg

 溶けた燃料はどうなるか。そもそも、こういったことを専門にやっている人は東京電力内にはもちろん、東芝、日立にもいません。したがって、解決方法を知っている人もいません。ロシアのチェルノブイリ事故を収束させた人たちはもちろん知っているでしょうし、おそらくGEもある程度は、知っているはずです。
 チェルノブイリでは「象の足」とよばれる、状態になりました。
http://blog.goo.ne.jp/m_3hara/e/af4e88fe76cdfd8fb7cb78c438028a53 より
2011051407.jpg

ロシアでさえ、この「象の足」を未だに処理することが出来ていません。(誤解のないように付け加えますが、ロシア−旧ソビエト−は核兵器を持っていますし、核兵器の実験もしています。日本よりも、非常時における核物質の取り扱い方法に関して、技術力は遙かに上です。日本が得意なのは、正常運転中の機器の信頼性向上などに過ぎないのです)
 だとすれば、福島もチェルノブイリを参考にした収束方法をとるしかないと思われます。現在の工程表は、冷温停止に持って行くことが、まず第一の目標となっています。その後、燃料の取り出し、整地といったスケジュールですが、それは事実上不可能となりました。

 しかしながら、大変不幸なことに使用済燃料プールの問題が残っています。これは、何が何でも取り出すしかありません。(3号機は不可能ですが)

 全く門外漢ですが、私は下記のように持って行くしかないのではないかと想像(あくまでも想像)しています。

1−2、4、5−6号機からの使用済燃料の搬出(特に健全な5−6号機が急がれます)。
・・・中間貯蔵設備を作る必要あり。原子力発電所から少し離れて、いたほうが望ましいのですが、現実的には、福島第一の正門近くか?ここに、使用済燃料をドライキャスクに入れて保管(いったいどのくらい冷やせば入れるようになるのかは知りません)。


すでに、日本でも使用実績もあります(国内製造だったと思います)
110413_1f_cask_1.jpg

なによりもまず、この使用済燃料を取り出して、圧力容器と分離しなければ話が始まりません。

核燃料取り出し後、徐々に冷却水を減らしていく(もちろん、何らかの手段−−鉛、スズなどを使うのでしょうか?)とともに、建屋に石棺をつくっていく。

 3号機は、燃料プールの中には燃料がほとんど残っていません。ここは、もう土嚢かなにかで埋めてしまうくらいしかないのでは?

 早急にまとめて、地元自治体に本当のスケジュールを話す必要がある時期になっていると思います。
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posted by いんちょう at 22:36 | 原子力

2011年05月13日

お茶だけなぜ?・・南足柄茶

またも、ショッキングなニュースが・・・
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201105110358.html
南足柄の茶葉から基準超えるセシウム 出荷自粛要請
2011年5月12日0時4分
神奈川県は11日、同県南足柄市内で採取した茶葉から、食品衛生法に基づく放射性セシウムの基準(1キロあたり500ベクレル)を超える570ベクレルが検出されたと発表した。県は、周辺の市町村を含む今年の県内産の「足柄茶」の茶葉の回収や、当面の間、出荷を自粛するなどの措置を南足柄市や農協に要請した。

 県は「数回摂取しても健康に影響を与えることはない」(食品衛生課)とみているが、基準を超えたことが明らかになったため、要請に踏みきったという。

 県環境農政局によると、茶葉のサンプルを採取したのは9日。1回目の検査で550ベクレルを検出し、別のサンプルで調べても570ベクレルだったという。

 「足柄茶」の今年の新茶は6日に出荷が始まったばかり。同局などによると、すでに約2600キロを製品化し、半分ほどが販売されたという。農協を中心に回収を急ぐ方針。


かとおもうと・・・
http://news24.jp/articles/2011/05/12/07182553.html
福島市産のキャベツなど、出荷制限を解除
< 2011年5月12日 2:27 >ブックマーク
 政府は11日、福島県の一部地域のキャベツやブロッコリーなどに指示していた出荷制限を解除した。検査の結果、いずれの地域でも3回連続で放射性物質が国の暫定規制値を下回ったため。

 出荷制限が解除されたのは、キャベツは、福島市、二本松市、伊達市、本宮市、白河市、桑折町、国見町、川俣町(山木屋区域を除く)、矢吹町、棚倉町、矢祭町、塙町、大玉村、西郷村、泉崎村、中島村、鮫川村。

 ブロッコリーは、郡山市、須賀川市、田村市(福島第一原発から半径20キロ圏内を除く)、鏡石町、石川町、浅川町、古殿町、三春町、小野町、天栄村、玉川村、平田村。

 ほうれん草は、会津若松市、磐梯町、猪苗代町、喜多方市、西会津町、会津美里町、会津坂下町、柳津町、三島町、金山町、南会津町、下郷町、只見町、北塩原村、湯川村、昭和村、檜枝岐村。

 なお、カブに対する出荷制限がいったんは解除された福島市で、9日に採れたカブから国の暫定規制値(500ベクレル)を超える570ベクレルの放射性セシウムが検出されたが、厚労省は、福島市や近隣の市や町での検査データを集めた上で、再び出荷制限を指示するか判断するという。


 かたや、原発近くの野菜の出荷制限解除なのに、遠く離れた神奈川のお茶が出荷制限がかかります。

 なぜでしょうか?

まず、お茶の作り方。
http://www.alit.city.iruma.saitama.jp/07tea-museum/01kind.html
から。。すみません、失敬します。
2011051302.jpg

逆に、野菜の場合
http://www.j-cast.com/2011/03/24091256.html?p=all

まあ、いろいろ書かれていますが、洗ってから測定するということ。

お茶は、製造工程をみておわかりの通り、水洗いをしませんので、当然放射能を洗い落とすことが出来ず、環境中に降り積もった放射能の値がそのまま出ます。しかも、乾燥させますので、1kgあたりの放射能が増えます。そういった理由です。

 では、このお茶を飲んでも大丈夫なのか。診療中にも聞かれましたので、次のように答えました。
「放射能は、いわば小さなホコリみたいなものです。ほこりだらけの部屋にそのまま、お茶の葉などを置いておいて、その茶を飲みますか?放射能は、ホコリが降ったものとして考えれば、わかるはずですよ。」
と。

 噂では、飲んでも全く問題ないという説明がなされているとのこと。この説明をした人は、お茶の葉の中にほとんどのセシウムが取り込まれたと思っているのでしょうか?信じられません。

追伸:たとえば、上記出荷制限を解除になった野菜を乾燥させたらどうなるでしょうか?水分が蒸発し、重さが軽くなりますが、放射能量は変わりません。結果して、kgあたりのベクレルは上昇して、出荷制限がかかってきます。

 しかも、セシウムの出荷制限の基準は、諸外国と違います。こういった状況を放置して、
風評被害だ、外国の方々わかってください
と、日本政府がいっても、誰からも相手にされないのは明らかでしょう。
タグ:P
posted by いんちょう at 16:25 | 原子力

1F-3号機(極秘写真の解説)・ぷちおすすめ

徐々にベールがはがされ始めました。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110513-00000007-pseven-pol
政府が非公開にした福島第一原発3号機の惨状写真極秘入手
NEWS ポストセブン 5月13日(金)7時6分配信
2011051301.jpg
日本システム安全研究所の吉岡律夫氏が分析をしています。
「3号機の鉄骨が曲がったのは、水素の量が多く、大きな爆発になったからですが、4階の壁まで崩壊しているのは、燃料プールの燃料が高温になったからと考えられます」

まず、この建屋の写真はどの部分か。
http://onodekita.sblo.jp/article/44541420.html
に一度紹介はしておりますが、再度
3号機−山側から
20110425032.jpg

3号機−上空から
20110425031.jpg

3号機−やや海側から
2011042503.jpg

以下の写真は、こちらから
http://cryptome.org/nppw-series.htm

3号機−山側から(地上より) やや4号機よりから
5705371419_9988569b3e_o.jpg

3号機−山側(上記写真の拡大)
5705394843_2b6384118b_o.jpg

3号機−山側(やや2号機よりから)
5705398145_48b7f1a344_o.jpg

3号機−山側から(上記の拡大)
5705398163_d1a71d5252_o.jpg

非公開にした写真といっても、それほどのものでもありません。
おわかりでしょうか・・

3号機を北側(2号機側)から撮った写真です。

初めて入ったTVの撮影映像です。


動画消されています。
http://vimeo.com/23009644
からどうぞ(2011.6.23追記)

ここで、青山氏が2号機と3号機の間で止まろうとしている場面が出てきています。5:40頃に車を止めようとしますと、線量が高いのでという制止が入ります。
実際に線量が高いのでしょうが、3号機を出来るだけ撮影してほしくないようです。
実際に止まったのは4号機側ですから、今回隠していた建屋面はどうやっても映像に入りません。

 では、なぜ隠す必要があったのか。そちらの方が問題。吉岡氏の話しているように、通常の水蒸気爆発(Hydrogen Explosion)であれば、隠す必要はないはずです。
 この爆発の原因として、現在政府・東京電力が考慮している実態が明らかになると困るからでしょう。

 では、なにか。

・3号機北側面を非公開
・燃料プールの惨状(動画参照ください)
・燃料プールは南側(非公開の写真の反対側)に配置されている
・爆発時の噴煙の形(Mashroom ?)
・アメのように折れ曲がってしまった建屋の配管
・3号機周囲に散らばる高線量のがれき(1シーベルト/hr)

から、Youtubeなどを参考に各自考えてみてください。
タグ:1F
posted by いんちょう at 15:43 | 原子力

2011年05月12日

福島の思い出(9)3直−チェルノブイリ動画・おすすめ

 さて、いよいよ夜勤となりました。
夜勤前の2直(16:00-22:00)勤務前に、運転員の先輩と買い出しに行きました。

・・・

1直、2直の勤務の時は、事務本館の食堂が開いていますので、そこから出前を取れるのですが、夜勤の時は、22:00-8:00と深夜勤務。当然食堂などはあいていない。それで、ペイペイが夜食を作るわけ。私と組んだ同期は、飲食店の勤務経験があったようで、大変頼りになりました。

最初の時のメニューは、カレーと野菜サラダだったでしょうか。私は、ウォークマンを聴きながら、食事の準備。私も一人暮らしをしていましたし、同期はさらに輪をかけて、上手でしたので、とんとん拍子に準備終了。

 盛りつけに、野菜サラダをきちんとさらに入れて、ナイフとフォークを添えて用意していたら、班員から
「おーー、本格的だなぁ。こんなの始めてみるよ。」
とずいぶんとほめてもらいました。

 そのほかにも
・スパゲッティーナポリタン
・冷や麦
・シーフードカレー(小麦粉を用意しておらず、さんざんな目に遭いました。仕方なく、米の煮汁を追加してごまかし)
・ハヤシライス

など、たくさん作りました。なにせ、10人分ですから結構大変なのです。同期のおかげで、どれも失敗せずに作れましたが、こまったのは電熱器だったこと。ガスではないので、調理にずいぶんと苦労しました。(まあ、発電所なのでこれは当然ですが)

 3直はパトロールする箇所も少なく、ある程度時間に余裕があります。以前お話ししたように、福島第一原発時代のとても書けないような話(ほとんど忘れてしまっていますが)をきいたりしていました。そういえば、主任のうちのひとりが、
「おまえはなんだか、ぺらぺら話しそうだな。こんなこと、外でみんなに話したらだめだぞ。」
と。
そのときは、強く否定しましたが(・・・ほんとにやばいことは書いてませんから、お許しあれ。。もう、20年以上前の話です)

 あとは、1986年に起きたチェルノブイリ事故のビデオを研修として見せてもらいました。日本語の解説で。もしかしてと思って、Youtubeをみてみましたが、該当ビデオは見たらず。(1988年4月に入社しています)記憶に残っているのは、
・カメラさえも放射能でやられる。
・リモートコントロールのがれき撤去用のダンプでさえも、強い放射能のために操作ができなくなってしまう
ということでした。ある程度にていると思われましたYoutubeをここにあげておきます。



すこしだけ、無人のシャベルカーが操作できないという話が出てきます。
放射能汚染の広さをみますと、なんだか絶望的です。
タグ:M
posted by いんちょう at 17:51 | 原子力

2011年05月11日

1F-3燃料プール(2)・・燃料ラックの変形

 昨日紹介しました動画より、この部分
2011051105.jpg

汚いポンチ絵ですが・・
2011051104.jpg
ではないかと思われます。燃料の金属色を見る限り、新品燃料ではないでしょうか?

 分析がうまくできなくて申し訳ないのですが、これを指摘しているところはどこもありませんでしたので、一応アップしておきます。がれきの下の燃料ラックが変形してしまっているのは、間違いないように思えます・・
タグ:1F
posted by いんちょう at 16:15 | 原子力

民主党重鎮の福島訪問(内部被曝を恐れる人たち)

最初は、枝野氏から
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110418/dst11041801400002-n1.htm
【放射能漏れ】
「遅く来て、すぐ帰るのね」枝野長官来県で南相馬市民
2011.4.18 01:36 (1/2ページ)
福島県庁を訪れ、佐藤雄平知事に頭を下げる枝野官房長官(左)=17日午前
 枝野幸男官房長官が17日、東京電力福島第1原発の事故後初めて、福島県内を訪れた。
2011051103.jpg

http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110508/mca1105082258008-n1.htm
【放射能漏れ】岡田氏、警戒区域を視察2011.5.8 22:57
2011051101.jpg
福島第1原発から半径20キロにある化学工場を訪れた民主党の岡田克也幹事長(左)。防護服に身を包み、手袋をしたまま工場関係者と握手を交わした=8日午前、福島県南相馬市
 民主党の岡田克也幹事長は8日、福島第1原発事故で計画的避難区域に指定された飯舘村を訪れた。菅野典雄村長は高齢者が避難する場合の健康リスクなどを説明し、「一人一人のことを考えた対応をとってほしい」と要望。岡田氏は「基本は村外に出てもらうが、どういう例外が認められるのか議論したい」と述べた。
2011051102.jpg

 ノーコメントとします
タグ:s P
posted by いんちょう at 15:54 | 原子力

2011年05月10日

3号機燃料プールの分析(動画)

 
4号機の動画に引き続いて、3号機の燃料プールも本日公開されました。
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110510-OYT1T00956.htm?from=main1
3号機プールの映像初公開、重なる大量のがれき
3号機の一時貯蔵プール内部を水中カメラで撮影した映像を初公開 東京電力は10日、福島第一原子力発電所1号機で、格納容器を水で満たす冠水(水棺)に必要な機器の調整作業を始めた。
 原子炉建屋内に作業員が入り、圧力容器の水位計が正しい測定値を示すよう調整を行った。格納容器の圧力計については11日に実施する予定。
 一方、東電は10日、3号機の使用済み核燃料一時貯蔵プール内部を水中カメラで撮影した映像を初めて公開した。
 3号機の原子炉建屋は3月14日に水素爆発した。映像には、原子炉建屋の屋根や壁の一部とみられる大量のがれきが、燃料を収めた金属製ラックの上に積み重なり、爆発のすさまじさを物語っている。
 水質分析も同時に行い、炉心の燃料がすべてプールに移されていた4号機の2000倍以上にあたる放射性セシウム137のほか、半減期がそれぞれ8日、13日と短いヨウ素131、セシウム136も検出された。東電は「(水素爆発の時期からして)検出されたのは、原子炉での核分裂反応で発生した放射性物質が溶け込んだものとみられ、プール内の燃料が破損して出てきた物質とは考えにくい」と説明している。
(2011年5月10日20時40分 読売新聞)


 少し私なりの分析(私は福島第二の健全な燃料プールを直接みたことはあります。チェレンコフ光を同期ときれいだねなんて20分くらいながめることもよくしてました。が、燃料・燃料ラックに関する知識はほとんどありませんので、参考にのみしてください)

・燃料プールは、プールとして存在している。(中に水がある)
・燃料プール内には、燃料が全く見あたらない。がれきのみ。4号機で確認できた制御棒もどこにあるかすらわからない。
・1分過ぎのアップ映像は、1列のラックの中に新品の燃料があり、その上にがれきが乗っているような感じを受ける。(アップする理由は、ここをみたかったのか?2分過ぎも同じ理由か)
・2分過ぎのアップ映像は、何?燃料ラックのようにも見えるが、肝心の燃料の頭の部分などさっぱり?? 4号機の燃料ラックが3x10本構成だったたので、おそらくここも同じはずだが、一列しか確認できない。空の燃料ラックに、がれきが埋まってしまった?
・燃料プールにどうして、原子炉で生成されたと思われる半減期の短い物質がはいってくる?そんなルートがあるのか?
・燃料プールで核分裂反応が起きていない、あるいは燃料が破損していないといえるのか?
・燃料プール温度は、50度くらい?運転中の号機とはいえ、注水だけの割には低い感じ

 謎は深まるばかり。

参考−4号機燃料プール
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posted by いんちょう at 21:34 | 原子力

2011年05月09日

臭い物に蓋(ふた)・福島表土汚染問題

ちょっと信じられない記事を見ました。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20110508-OYT1T00590.htm
表土と下層土入れ替えたら…放射線量大幅に低下

 原発事故の後、福島県内の一部学校の庭の表土で比較的高い放射線量が計測された問題で、文部科学省と日本原子力研究開発機構は8日、福島市内で校庭の表土と下層土を入れ替える土壌改良実験を行った。

 放射線量は大幅に下がったが、下層からは校庭に使えない砂利や粘土が出てくるなど新たな課題も見つかった。

 同機構職員らが福島大付属中を訪れ、校庭で50センチ四方、深さ20センチ、併設する幼稚園の庭でも80センチ四方、深さ50センチをスコップで掘り、表土と下層土を入れ替えた。中学校では入れ替え前に毎時2・0マイクロ・シーベルトだった土壌表面の放射線量が0・8マイクロ・シーベルト、幼稚園では同2・1マイクロ・シーベルトから0・2マイクロ・シーベルトといずれも大幅に低下した。

(2011年5月9日00時01分 読売新聞)


 放射能は表面に降り注ぐのですから、水で浸透しない限り、汚染は当面表面にとどまります。従いまして、この表面土を剥がして、下部の土地を入れ替えれば、下部にある放射能にほとんど汚染されていない土で放射能がいわばブロックされるわけで、当然線量が下がります。そんなの当たり前。が、汚染された土地の放射能は、数十年にわたり放射能を保持します。低レベル廃棄物を容器にも入れずに、土地に埋めて良いのだったら、いままで原子力発電所でやってきた廃棄物管理はいったい何だったのでしょうか。

 こういう小手先の対応を

臭い物に蓋 といいます。

《読み方》
くさいものにふた

《意味》
悪いことが世間に知られないようにごまかすこと

《使い方》
臭い物に蓋の処置では、根本的は解決にはならない

 こんな処理をしてしまうと、放射能の除去が困難になるだけです。毒物(放射能)の埋まっている土地で、子供を遊ばせるというとは、いったい誰の発案なのでしょうか。
とりあえず表面線量が下がれば、いいのですか?
原子力安全委員会、あるいは、放射能の専門家に意見を聞いたのですか?
そういった経緯を明らかにして、しかも責任者をはっきりとさせてから、実行してください。
教育委員会も、役所が決めたからという理由で、この工事を全学校でさせたら、当然共犯ですよ。

 表土は当然削って、ビニール袋に入れる。そして、放射能をまき散らしたところにお返しする。

当然のことだと思いますし、こういった処理方法を決定するのが、日本国政府のすることだと私は思います。
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posted by いんちょう at 17:17 | 原子力

2011年05月08日

気になる地下水(6号機の地下たまり水問題)

 福島第一の5号機、6号機は、一応冷温停止しています。

が、気がかりなことがあります。

http://www.meti.go.jp/press/2011/05/20110508002/20110508002-1.pdf
・5号機及び6号機サブドレンピットにある低レベルの施設内で集水・管理された地下水を放水口経由で海へ放出(5号機 4月4日21:00〜4月8日12:14(約950t),6号機 4月4日21:00〜4月9日18:52(約373t))
・6号機のタービン建屋地下の溜まり水(約100m3)を復水器へ移送(4月19日11:00〜15:00)
・6号機のタービン建屋地下の溜まり水(約120m3)を仮設タンクへ移送(5月1日14:00〜17:00)
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・6号機のタービン建屋地下の溜まり水(約220m3)を仮設タンクへ移送(5月2日10:00〜16:00)
・6号機のタービン建屋地下の溜まり水(約114m3)を仮設タンクへ移送(5月3日14:00〜17:00)
・5号機タービン建屋地下溜まり水(約600m3)について、復水器への移送作業を実施(3月27日〜5月2日)
・6号機のタービン建屋地下の溜まり水(約120m3)を仮設タンクへ移送(5月6日14:00〜17:00)
・6号機のタービン建屋地下の溜まり水を仮設タンクへ移送開始(5月7日10:00〜)
・6号機のタービン建屋地下の溜まり水(約200m3)を仮設タンクへ移送(5 月
7 日10:00〜15:00)

途中放出もあり、はっきりとはしませんが、
5号機では、合計1550 m3( 1550ton)
6号機では、合計1247 m3( 1247ton)
合計約 3,000m3もの水がこの1ヶ月足らずで出ています。
とくに、6号機は一日 100-200m3程度の水が発生しており、これはもはや地下水というレベルではありません。考えたくはないのですが、配管からリークがあって、それがタービンの地下に流れ込んで、地下水になっている(地下水と発表している)というストーリーがもっとも考えられるのではないでしょうか。

 この地下水の放射能レベルはどうなのか、全く情報がありません。すくなくともこのたまり水を仮設タンクに押し込んでいては、いくら容量があっても早晩満タンになってしまいます。

 5・6号機では、いったいなにがおきているのでしょう。
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posted by いんちょう at 22:10 | 原子力

福島の思い出(8)・放射線管理区域へ

 サーベランス終了後は、中操(ちゅうそう)にもどってチェックシートにチェックをします。

 運転員のパトロール時には、
・五感(変なにおいがしていないか、異常音はないか、煙、蒸気などが漏れていないか)
・振動音を聞くための、ステンレス棒(回転部分に当てて、異音が出ていないかを直接聞く)
・懐中電灯
位しか使用しません。

 管理区域に入るときにはパンツ一枚になって、SS, S, M, L の上下の下着と管理区域に入るためのブルーの薄手のつなぎをきます。いずれも、放射能を防御するような機能はなく、ほこりなどを外に出さないという役割しかありません。最後に軍手と安全靴、ヘルメットをかぶって入域しました。入域の時には、
・ATLD
・フィルムバッヂ
・アラームメーター(通常、10mREM ・・・ 0.1mSV)
を持ち込みます。アラームメーターをならしたことは一度もなく、ほとんどは0mREM、おおくても1-2mREM程度の被曝でした。
 放射線管理区域は、当然飲食などはすべて禁止。トイレもありません。おなかを壊した場合などは、あせりながら退域するしかありませんでした(現場にいた最終年には、管理区域内にもトイレが出来ましたが、これらすべてが放射性廃棄物扱いになるので、コストはかなり高いと思います。)
 退域エリアには温水のシャワー室があり(通常は、放射性物質を落とすためなのでしょうが)汗をかいたときなどには、このシャワーを浴びてさっぱりとしていました(さすがに、浴室はなし)。放射性物質を落とすには、冷水シャワーを浴びる必要があるという噂がありますが、それは嘘。

 その後、放射能が体に付着していないかを体表面モニター(もう少し違う名前だったと思うのですが)でチェックして、ATLD, アラームメーターを読み取り装置に入れると、レシートのような伝票が出てきました。これでようやく退域。

管理区域は、放射能(放射線量ではない)によって、B区域、C区域と分かれていました。
B区域に一回入ると100円?
C区域に1回入ると200-300円
C区域の全面マスク+アノラックで 500-1000円
程度の給与割り増しがあったような記憶がありますが、正確な金額はもう忘れました。

 この当時の当直長は火力発電所上がりの方が多く、発電所の主要設備のことは的確に把握されていました。原子力は、覚えることが多すぎて、いったいどれが重要でそうでないのか、もうわからなくなってしまうようです。主任クラスは、福島第一出身で、当時の話をいろいろとしてくれました。今でもかけないこともたくさん聞きましたが、記憶に残っているのは、
「アラームメーターをつけていると、すぐにピーピー鳴るので、仕事にならない。高線量の時は、外して作業をしていた。」
「体表面のモニターでピーピー鳴っていたこともあった。そういうときは仕方ないので、しばらく外にいる。しばらくすると、半減期が短いので線量が落ちる。」
などという話です。よく考えると、2番目の話は、半減期の短い核種が出ているというわけですから、
・核分裂反応があり
・それが、建屋内にでている
ということですから、とんでもないことです。(さすがに第二発電所では、こんなことはありませんでした)
 とても文章に出来ない危ないことも平気で話してくれました。こういった話は興味がありましたので、たくさん聞きました。100%出力で運転中は、ほとんど操作は必要ありませんので、中操はのんびりしているのです。

1直時にはサーベランスもあって結構大変なのですが、2直、3直は、現場のパトロールくらいで、ほとんどやることはありません。ときどき、警報装置はなりますが、確認して終わる程度の警報です。(本当に危ない警報には、赤枠がはってありました)
 まあ、知らない人が原子力発電所の中操で警報が一つでもなれば、爆発するのでは・・・と考えてしまうでしょうが、そんなことはないのです。

 運転員の勤務中は、外部に出ることが出来ません。従って、1直のお昼ご飯、2直の夕ご飯はすべて、事務本館にある食堂から、出前を頼むことになります。

家計簿が出てきました。いくつか、具体例を書きます

5/16
シーフードマリネ 150
五目きんぴら   60
ライス      60
味噌汁      20
フルーツ     100

5/18
Aランチ     250

学食より安いです。

当直の時は、今調べてみると、食費代ということで一括してとられています。

おそらく、一週間のメニューを決めて、依頼したのでしょうか。
2,000-2,600円
程度でした。
タグ:M
posted by いんちょう at 21:11 | 原子力

2011年05月07日

福島の土壌汚染状況(部分汚染地図あり)・注目・

 昨日、浜岡原子力発電所の停止命令と同時に出た福島の土壌汚染報告
http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/__icsFiles/afieldfile/2011/05/06/1304694_0506.pdf
2011050701.jpg

新聞報道
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2011/05/07/kiji/K20110507000772930.html
福島・浪江町 土壌のセシウムが最高値
 文部科学省は7日、福島第1原発周辺の土壌に含まれる放射性物質の調査で、原発の北西24キロの福島県浪江町で6日に採取した土1キログラム当たり、セシウム134とセシウム137を合計で78万ベクレル検出したと発表した。原発の半径20キロ圏外の土壌調査では最高値となった。

 半減期約2年のセシウム134を35万ベクレル、半減期約30年のセシウム137を43万ベクレル検出。同地点で3月30日に採取した土壌と比較すると、半減期約8日のヨウ素131の検出値は10分の1以下で、文科省は「減少していくヨウ素より、セシウムが放射線の主な放出源となる」としている。
[ 2011年5月7日 12:56 ]


 違いがおわかりでしょうか?

上の単位は、 Bq/m2 で国際標準単位。 下のプレスは、今までの日本政府が起こってきたもので、Bq/kg というよくわからない単位。比較が出来ません。そもそも、放射能による土壌汚染は、表面に降りそそぎますので、面積で比較しないと意味がありません。

チェルノブイリのWikiより、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%96%E3%82%A4%E3%83%AA%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80%E4%BA%8B%E6%95%85
ソ連の科学者の報告によると、28,000km2が185kBq/m2を超えるセシウム137に汚染した。当時、約83万人がこの区域に住んでいた。約10,500km2が555kBq/m2を越えるセシウム137に汚染した。このうち、ベラルーシに7,000km2、ロシア連邦に2,000km2、ウクライナに1,500km2が属する。当時、約25万人がこの区域に住んでいた。これらの報告データは国際チェルノブイリプロジェクトにより裏付けられた。

 この記事にある 185K(185,000)Bq/m2は、上の地図では、 <300,000 に当たります。

また 555k(555,000)Bq/m2は 上記地図の うす青色の以上に該当します。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1060194435 より
チェルノブイリで採用された汚染地域の定義は:
・1平方メートルあたり148万Bq以上:強制避難ゾーン
・1平方メートルあたり55万〜148万Bqまで:強制(義務的)移住ゾーン
・1平方メートルあたり18万5千〜55万Bqまで:希望すれば移住が認められるゾーン
・1平方メートルあたり3万7千〜18万5千Bqまで:放射能管理が必要なゾーン

これを信用しますと、148万Bq/m2 = 1,480,000 ですので、だいたい黄色のところが強制避難ゾーン(飯舘村、葛尾村、浪江町、田村市の一部、川内村の一部)になるようです。

 それで、次のような勧告が出たのではないでしょうか?

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110331-00000008-jij-int(現在消去されています)
飯舘村に避難勧告を=IAEA時事通信 3月31日(木)1時18分配信
 【ベルリン時事】国際原子力機関(IAEA)のフローリー事務次長は30日、ウィーンの本部で記者会見し、事故を起こした福島第1原発の北西約40キロにあり、避難地域に指定されていない福島県飯舘村について、高い濃度の放射性物質が検出されたとして、住民に避難を勧告するよう日本政府に促した。
 同事務次長は「飯舘村の放射性物質はIAEAの避難基準を上回っている」と指摘。日本側からは調査を開始したとの連絡があったことを明らかにした。
タグ:s P
posted by いんちょう at 21:00 | 原子力

福島の思い出(7)・1直時パトロール

 日勤が終わり、1直勤務が始まりました。1直は、当時8:00から。事務本館は、8:30からですので、独身寮に来るバスも当直専用バス(30分ほど速い)。福島第二原子力発電所は、自家用車での通勤も許可されていましたので(ただし、通勤手当などは一切なし)、乗るのは、車を持っていないペイペイのみ。常磐観光のきれいな小型バスでした。

 ようやく、班員全員と顔を合わせることになりました。

当直長(課長クラス・・船長)
副長(班全体のまとめ)
主任(各号機の操作・・2人)
副主任・・現場のまとめ
運転員3名

たしか、全部で10人だったと思うのですが、数が合いません・・・

主任の下に2人捜査員がいたような気が・・・

 この当直勤務に出られないときは、休みの人か日勤業務の人が代わりに入り、10人の定員は守られます。(この調整が結構面倒)

 わたしは、学園卒の副主任と同期の学卒1名と一緒に現場パトロールをすることになりました。

各直にタービン、リアクター(原子炉建屋)と1名ずつ現場に行くことになります。今福島第一原子力発電所をみても、あんまりよくわかりませんが、何しろ広いのです。原子炉建屋は、地下2階の地上5階建て。しかも各階の高さは、通常のビルよりも遙かに高く、階段で上り下りするのは大変です(エレベーターがありますが)。しかも、ところどころは線量が高いところもあり(といっても、今では驚く数値ではありません。0.1mSv/h から 0.2mSv/hr程度。当時は,10-20mRem/hr)、それなりに素早くみる必要あり。

 リアクターには、様々な機械が配置してあります。
・M/Gセット(モーターと発電機の組み合わせ。電源喪失時にも瞬断しないように)
・蓄電池(いわゆるバッテリー)
・非常用発電機(一つのシリンダのおおきさが人よりも大きいくらい。)6600MWe クラスだったような。。。
・建屋の送風、排風機(とてつもなく巨大です。)
・ポンプは無数
・遮断機も無数
・計測機器も無数
・現場操作盤が各階に2カ所程度
・中央操作室がゲリラなどに占拠された場合でも、操作できるための緊急操作室(一般公開用図面では、省いているそうです)

タービン建屋は、2階が通称オペフロ。タービンと発電機が配置してあります。地上3階地下1階だったでしょうか。復水器周りは運転中は線量が高く、立ち入り禁止区域。(100-1000mREM/hr)タービン駆動のポンプ周りが比較的高線量。あとは、最終の給水加熱器、湿分分離器あたりも高線量でした。
 低圧復水ポンプ、低圧給水加熱器周りは、ほとんど線量なし。

 こういったところを、各直パトロールしていきます。1直時に大変なのは、サーベランスといわれる起動試験でした。重要度に応じて、週一回、月一回のサーベランス日が決まっており、サーベランスの時は、現場のパトロールが大変でした。特に、非常用ディーゼル発電機はしょっちゅうありますので、もう大変。最初のうちは物珍しかったのですが、だんだんと面倒だなぁと思うようになりました。もちろん、重油がどれだけ残っているかも、日勤時の外回りパトロールで必ずみます。
 今回の福島第一原子力発電所で、非常用ディーゼル発電機が起動しなかったことで、東電の点検漏れを指摘する声がありますが、それは大きな間違いです。何が一番怖いかをわかっているのは、現場。この非常用ディーゼル発電機が起動しないということは、
・地震で壊れた
・津波で破損した
のいずれかしかあり得ません。それだけは、自信を持っていえます。毎週起動テストをしている機器が3つとも動作しないことはあり得ないのです。

 また、蓄電池もかならず電解液の比重を測定していました。取り替え間隔も決まっています。メンテナンスをしていなかったから動かなかったということは、あり得ません。一般の管理基準で、原子力もそうだろうというのは大きな間違いです。

 ECCSと呼ばれる非常用ポンプ、その他の非常用バルブもすべてサーベランスをしています。通常の状態では、事故を起こすことはあり得えません。

 最初、1mRem( 0.01mSv)の被曝をした同期が、ぼそっと
「もう、この被曝は消せないんだよな。」
といっていたのが今でも思い出されます。
タグ:M
posted by いんちょう at 20:16 | 原子力

2011年05月06日

菅首相の大英断(浜岡原発停止命令)



 先ほどニュースを見ておりましたら、菅首相の大英断が放映されていました。

世界で一番危険な原子力発電所は、浜岡といってよいほど危ない原子力発電所です。
それは、中部電力も十分意識しており、格納容器の形状がそれを物語っています。

 福島第一原発1〜6号機のうち、1〜5号機は格納容器がフラスコ状の「マークI」、6号機は、釣り鐘状の「マークII」と呼ばれる。
 福島第二原発1〜4号機(富岡町)と、柏崎刈羽原発1〜7号機(新潟県柏崎市、刈羽村)はマークIIなどだ。

 浜岡原子力発電所では、マークII型では耐震強度が足りず、すべてマークI型になっています。(資料を得ようとしましたが、ホームページが重すぎて無理。間違えていたらごめんなさい。)

 一度、東京電力の時代に、静岡県の掛川駅から降りて、浜岡原子力発電所を訪問させてもらったことがあります。中央操作室には、地震の時にも運転員が操作をできるように手すりをとりつけてある−−実際に手すりをみて、愕然としました。
・揺れている最中に必要な操作などはほとんどない
・あまりに安直な地震対策

 地震は揺れだけではありません。津波もいったいどれだけの高さがくるのか・・今回の東日本大震災のように海面が隆起し、地盤が沈下すれば非常に広範囲にものすごい津波が襲ってきます。そんな津波に対抗できる構築物を人間がつくれるなんて、本当におこがましい。思い上がりも甚だしい。
 また、山の中から貝殻が見つかるという話は、皆さんよくご存じだと思います。今、海の中だったものが陸になったり、またその逆も長い地球の歴史の中では、ごく普通に起こったことです。

 断層があるといわれる中部電力−浜岡原子力発電所におこるのは、単純な大きな揺れだけを生じる地震のみなのでしょうか?地割れ、地盤沈下(とくに原子炉建屋とタービン建屋の間で、落差の異なる地盤沈下が起きたりすればもう終わり)など起きないのですか?

 今回は首相の要請であるため、強制力はないそうです。このまま、しらんぷりして中部電力が原子力発電所を運転継続することはもちろん可能。この会社の社長は

 原発1基分の電力を代替するには1日に約2億円のコスト増となる。

と発表しています。
http://chubu.yomiuri.co.jp/news_k/danmen/danmen110129_1.htm

私は、では原発で事故が起きたときは、自分で全部まかなえるのですか?
と問いかけたい。

ちまちましたお金を惜しんで、日本全体の存立に関わる汚染を引き起こす権利など誰にもありません。

 菅首相は非常に嫌いでしたが、今回のこの大英断(おそらく、原子力村のロビー活動がすごかったと思われますが)をマスコミに発表したことで、歴史上ある一定の評価を得ることは出来たと思います。この判断が、今後大きな流れになることを強く希望します。

 運転を停止したとしても、使用済燃料プール問題が残存します。運転停止後、ただちに建屋の最上階にある使用済燃料プールから、安全な方法で使用済燃料を抜き取らない限り、本当に安心は出来ないのです。
タグ:H
posted by いんちょう at 20:18 | 原子力

プルトニウムはどこにあるのか?(MOX燃料)

MOX燃料

 3号機には、MOX燃料(プルトニウム混合燃料)が使用されておりました。
 
http://ja.wikipedia.org/wiki/MOX%E7%87%83%E6%96%99
特徴
プルサーマル用に加工することにより、既存の原子力発電所にそのまま搭載できる
普通の燃料と比べ、高出力である
クリープ速度が速いため、PCMI(核燃料と被覆管の間の相互作用)の影響が緩和される。
問題点
ウラン新燃料に比べ放射能が高い(特に中性子が著しく高い)ため、燃料の製造については遠隔操作化を行い、作業員の不要な被曝に十分配慮して行う必要がある。
ウラン中にプルトニウムを混ぜることにより、燃料の融点が下がる。これにより燃料が溶けやすくなる。また熱伝導度等が、通常のウラン燃料よりも低下する。これにより燃料温度が高くなりやすくなる。
核分裂生成物が貴金属側により、またプルトニウム自体もウランよりも硝酸に溶解しにくいため、再処理が難しい。
FPガスとアルファ線(ヘリウム、ガス状)の放出が多いため、燃料棒内の圧力が高くなる。
性質の違うウランとプルトニウムをできる限り均一に混ぜるべきであるが、どうしてもプルトニウムスポット(プルトニウムの塊)が生じてしまう。国は基準を設けて制限しているが、使用するペレット自体を検査して確認することはできない

勤務しているときから、放射能のことが嫌いでしたので、ほとんど勉強していません。
MOX燃料の安全評価を少しだけ聞いたことがありましたが、
・制御棒の効きが悪くなる(制御棒を改造していたような・・・)
・もしもの時の被爆が、通常燃料の時に比べて高くなる。

といった記憶程度です。

BWRは、高レベル放射性核廃棄物を減らすために高燃焼度化も測っています。−−U-235の増量
http://www.rist.or.jp/atomica/data/dat_detail.php?Title_Key=04-06-03-06


また、通常の燃料も核分裂中に、高速中性子が発生し、U-238もPu-239に変化します。MOX燃料ではない通常燃料を使用している運転時でも、このPu-239も燃焼に寄与しているという新入社員教育がありました。

 つまり、使用済み燃料プールにある燃料には、すべからくPu-239も含まれているわけです。(使用済燃料からプルトニウムを取り出す、核燃料サイクルがあることからも裏付けられます。)
ですから、MOX燃料と通常燃料の違いは、最初からプルトニウムが含まれているのか、それとも途中から高速中性子で生成されてプルトニウムが含まれるのかの違いしかないはずなのですが、やはり特性はかなり違っています。

 3号機の爆発がどういう理由であれ、使用済プールから生じたのは明らかですから、当然プルトニウムも飛散してもおかしくありません。

 Pu-239と言うくらいですから,質量数239で、空気よりもかなり重い。しかし、
・黄砂
・花粉
などよりも軽いのは間違い有りません。(原子(プルトニウム)とかたや分子の集合体ですから・・)

 もっと勉強していれば的確にかけたと思いますが、毛嫌いしていましたので、この程度の知識です。(誤りがあった場合は、申し訳ありません)

 燃料は、沸騰水型原子炉の心臓部であるため花形であるとともに、使用済み燃料処分を考えても明らかなように、アキレス腱でもあります。(いわゆる原子力の専門家として、テレビに出てくる方々は、この分野の専門家が大変多いと思います)
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posted by いんちょう at 17:38 | 原子力

全国原発のSPEEDIを毎日公開せよ

遅ればせながら、福島のSPEEDIが公開され始めました。


http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110504/plc11050414220009-n1.htm
放射性物質拡散予測データ「早い段階で公表すべきだった」 細野補佐官
2011.5.4 14:19

そもそも、このような大規模放射能の拡散が起きないことを前提に今までは、原子力発電所を運営してきました。このSPEEDIは使用することはないが、たとえ放射能の拡散があった場合でも予測できるので大丈夫という言い訳?のためのシステムという位置づけでしょう。
実際私もこのようなシステムがあるとは、恥ずかしながら知りませんでした。


事故が起きたときはいうまでもなく直ちに公表すべきですが、今後の防災計画などの参考にする必要があります。

政府は、ただちに

・川内原子力発電所(九州電力)
・玄海原子力発電所(九州電力)
・島根原子力発電所(中国電力)
・伊方原子力発電所(四国電力)
・高浜原子力他福井県若狭湾沿岸原発(関西電力他)
・浜岡原子力発電所(中部電力)
・東海第二原子力発電所(日本原電)
・志賀原子力発電所(北陸電力)
・柏崎刈羽原子力発電所(東京電力)
・女川原子力発電所(東北電力)
・泊原子力発電所(北海道電力)

各々の発電所について、放射能漏れが起きた場合に、どのような放射能拡散があるのか、SPEEDIの試算結果を毎日公表していく義務があります。不安をあおるわけでもなく、原子力発電所と共生して行くにはこういった情報の公開は当然なのです。

自分の住んでいる町が、近くにある原子力発電所の放射能拡散によってどのような影響を受けるのか。どう対応すべきなのか。各人が知っておかねばなりません。

政府に日本全国にある原子力発電所−SPEEDI試算結果の公開(日々)を強く求めます。
タグ:P
posted by いんちょう at 14:52 | 原子力

2011年05月05日

3月12日の分析(とあるSNSでの私的分析)

 別のSNSから(燃料・放射能被曝関係は、専門外ですので、割り引いてご覧ください)
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2011年03月12日17:04 メルトダウン

 以前務めていた発電所ですので、、、

情報を総合しますと、メルトダウンはすでに起きていると思われます。

まず、非常用発電機の同時故障は、普通はありえません。炉心冷却に重要な機器ですので、確か毎週試運転をしていたはず。

おそらく想定を越える津波で、すべて水没し、使えなくなったものと思われます。
また、最終的に熱交換を行うのは、海水建屋ですので、それも損傷。最終的な熱の除去ができない状況に陥っていると考えるのが妥当でしょう。
非常用電源車をいくら持って行っても、設備がないのですからどうしようもありません。

福島第一1号機は、東京電力が初めて導入した沸騰水型原子炉で、460MWeの今では小型の旧式原子炉です。GEからターンキー(すべてセットされた状態)式で購入。購入当初から、トラブル続きだったと聞きます(まあ、それでその後の改良があるわけですが)

想定津波は1メートル以下ですので、今回のように10メートルを越える津波にはそもそも対応できません。

原子炉の燃料が外部に出ており、(これだけでスリーマイル島の冷却材消失事故と同じ)外部にセシウムも出ているとのことですから、メルトダウンしています。

モニタリングポストも
福島第一原子力発電所の放射線量を見ますと、
午前3時00分  正門     69 nGy/h  0.001μSv/h未満
    10分  正門     66 nGy/h  0.001μSv/h未満
    20分  正門     69 nGy/h  0.001μSv/h未満
    30分  正門     68 nGy/h  0.001μSv/h未満
    40分  正門     66 nGy/h  0.001μSv/h未満
    50分  正門     64 nGy/h  0.001μSv/h未満
午前4時00分  正門     69 nGy/h  0.001μSv/h未満
    40分  正門    866 nGy/h    −
    50分  正門   1002 nGy/h    −
午前5時00分  正門   1307 nGy/h    −
    10分  正門   1590 nGy/h  0.001μSv/h未満
4時30分くらいが、冷却材消失となったと推定。(不自然に報告がずれています)

燃料棒1本でもわずかでも水の外から出ると、そのへんにいる人は即死するレベルの放射能が出ていると言われました。

今は、電源車を消防用ポンプを使って、おそらく海水を格納容器に注入していると思われますが、これが一体いつまで続くか。

 周りで作業している人は、死を覚悟して作業されていると思います。

2011年03月12日17:09
1: onodekita

福島第二発電所(ここに勤務していました)は、海水建屋が海のすぐ近くにあり、海抜はおそらく数メートル
最終的な熱交換器がすべて破損しており、復旧の見込みはありません。

残留熱除去装置、燃料プールの熱除去もできなくなっており、おそらく水を沸騰させて気化熱で熱を取るしかないと思います。幸い、比較的新しいプラントですので、炉心冷却材は喪失はしていないが、蒸気のため格納容器の圧力が上昇し、このため格納容器ベントを初めているとみます。

おそらく数ヶ月といった時間がかかりますので、これも見通しは良くありません。

 私がまだ勤務中でしたら、生命保険を確認して、妻と子供を実家に(九州や西日本)直ちに帰すでしょう。

2011年03月12日17:13
2: **

一号機建家の外壁が見えなくなっているという報道中。

2011年03月12日17:16
3: onodekita

あれは、原子炉格納容器のある建物そのものです。

メルトダウンして、水蒸気爆発してしまったのでしょう。最悪の原子力事故です。

シムシティが本当に起きてしまった・・・

2011年03月12日17:26
4: onodekita

地震があったというので、地盤沈下もしれません。(これも想定外)

燃料プールの上の部分が全部吹き飛んだと思われます。

チェルノブイリのような石棺を作る必要があるでしょう。。。。。。

2011年03月12日18:09
5: onodekita

骨組みは、6階以上です。横からの写真があるとよくわかるのですが、残念ながら報道がありません。

 保安院の説明も要領を得ません。専門家と称する大学教授たちが、現場の判断を引き伸ばして、後出し後出しとなっている印象です。

 そこだけで直下地震が起きることは考えにくいので、やはり爆発が一番考えられるでしょうか。

2011年03月12日18:53
6:****o

すでにメルトダウンしている・・・か!これを国民が知ったらさらに大混乱は必至。だとしても、被爆ということに一番敏感な国であれば政府の強い指導は必要ですね。今回に事故で多くの教訓を得るでしょうが、犠牲は最小限であってほしい。

2011年03月12日19:05
7: *****ン

あわてて地図を確認しました。

本当に恐ろしいことです。

日本にはリーダーシップを取れる人はいないのでしょうか。

2011年03月12日19:38
8: *****っち

現場の作業の方々は本当に大変ですね。
頑張ってほしいが
消防ポンプだけで冷やしきれるのでしょうか。

2011年03月12日20:04
9: **

1.5km離れた地点で1050mSv/hrと言ってました。

2011年03月12日20:14
10: onodekita

原子力内部に入るときの最低単位が、0.01mSvでした。(最初は、remを使ってました)
運転中のタービン建家の最高値で、10-100mSv/hrですから、1050mSv/hrなんて、とんでもない数字です。私は1mSvなんて、あびたことなんてありません。

噂では、菅総理が1.5km圏内に入り、放射線量はr2に反比例しますから、もはや命は覚悟しての行動だと思います。(もちろん、従業員もですが)

消防ポンプ(これは想像です)だけでは無理なので、炉心溶融、爆発となったのだと思います。

2011年03月12日20:18
11: onodekita

首相動静より
午前7時11分、福島県大熊町の東京電力福島第1原子力発電所着。同19分、重要免震棟へ。同23分、東京電力副社長の武藤栄原子力・立地本部長による説明。池田元久経済産業副大臣同席。
この東電副社長は、私の所属していた課の課長でした。
背が高く、穏やかで、非常に切れものです。

この方が陣頭指揮をとっているのにこの状況ならば、最善を尽くした上での結果と思われます。

2011年03月12日21:05
12: **

BBC 建屋爆発時の映像
http://www.bbc.co.uk/news/world-asia-pacific-12720219
2011年
03月12日
21:17
13: naokio

水素が発生して自然爆発した その水素はどこから来たの?

炉心溶融は核反応は続いており、冷却はまだ十分でないのでしょう。

圧力容器の外、格納容器内を海水を注入してうまく循環しないと今度は格納容器が亀裂とか、水蒸気爆発しちゃわないの? なんて全く素人考えですが。

2011年03月12日22:16
14: onodekita

 とりあえず最悪の事態は、避けられているようです。

水素は、建物内にある水が放射線で分解され、水素と酸素になり、それが反応したと思います。

 核反応は稼動時の数%足らずですが、もちろん続いています。格納容器ももちろん、水素爆発の危険性があり、十分な注意が必要です。

 海水を注入するしかないと思ってはおりましたが、まだ実施していなかったということは、政府の判断を仰がざるをえないので、半歩遅くなっていると思います。

陣頭指揮の東電副社長・・・本店時代の課長
第一原発所長・・発電所時代の課長
東電原子力運営管理部長・・本店時代の副長

といずれも良く知っています。どなたも人格、知識とも素晴らしく私なんかは到底足元にも及ばない方たちで、東電の原子力部門のトップエリートです(順調に出世されており、納得です)

 この方たちで対処されるのであれば、きっと危機を乗り越えていただけると思っています。(こんな布陣、しようと思ってもなかなかできません。)
不幸中の幸いです。

 とあるテレビにもと原子力安全委員が出ておりますが、あまりにレベルが低い。(まあ、当時より言われていたことですが)

海水をどうして使用するかがわからない。純水のほうがいいとコメントしています。

なぜか
・東電は、当該原子炉を廃炉にする決定をした
・大量に水が必要だが、取水できる川までは距離があり、淡水を大量に確保することはできない
・ちかくにあり、いくらでも調達可能な海水を利用してでも、炉心を冷やす

こういった経営判断を含めて、行っているとしか考えられません。

ある程度落ち着いた場合、同責任を取るのか、おそらく社長が辞表を出しておさめることまで筋書きを描いているはずです。

2011年03月13日06:58
15: **

onodekita先生

貴重な情報ありがとうございます。
何よりも信頼できホントにありがたいです。
それにしても先生がこちらにお勤めになっていたとは・・・


結果としては、この推測は甘かったようです。
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posted by いんちょう at 22:46 | 原子力
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