2011年05月31日

Yahoo!の参照記事に・・

 自分のブログのアクセスをときどきチェックしていますが、12時から13時の間に約2,000ものアクセスが集中しました。

 原因は・・・・
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/fukushima_1np_seawater/?1306812059
(しばらくすると消えるでしょうから・・・)
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一番下に私のブログが引用されています。これだけたくさんの人が一度に訪れたのは、はじめてだと思います。

 夜間には・・・
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とアクセスが集中してみることが出来ない との表示まで出てきました。

 ご覧いただきありがとうございます。

 私のスタンスを

・15年以上前に、7年間ほど東京電力原子力部門の技術者としてつとめていました。

・現在は、前の職場とは関係のない仕事をしており、原子力関係とは一切つながりがありません(仕事をやめてからは、原子力関係のことは全く勉強していませんので、知識が古いかもしれません・・・そうは、変わらないとは思いますが・・)

・公開されている情報を元に、想像して組み立てています。出来るだけ、出展を明記していますが、ところどころ妄想が含まれているかもしれません。

・あくまでも私個人の分析です。嘘を書こうと思っているわけではありませんが、知識がやや古く、また参考文献も全くありませんので、誤っている部分があるかもしれません。私の話は、話半分くらいに。

・システム全体の流れはわかっているつもりです(海水系、炉内ともある程度)が、設計をしていたわけではありませんので、荷重, 圧力など、個別の定量的な把握はできません。系統の細かい話(通常使われていない配管など)がどのようになっているかを聞かれても答えられませんし、間違う可能性がおおあり。また、放射能被曝についても、素人に毛が生えた程度の知識(ただし現場経験あり)です。社員時代の資料を手元には全く残していませんので、すべて頭の中の引き出し、とインターネットを頼りにしています。

・実は、書きたいことの半分も書いておりません。政府、東電のことを ぼろくそ に書いていると評されていることもあるようですが、本人はきわめて穏やかに書いているつもり(もちろん、ごくまれに、筆が滑ることもありますが)

・なぜ、東電を辞めたのか。よく聞かれる質問ですが、一言では答えられません。私自身もよくわからなくなっていますので、これについては『東電の思い出』で書いていきたいと思います。・・・何を言っても、15年前には全く相手にされませんでした。・・・


補足
・ブログ・医院のホームページのアクセスは急増していますが、本職の外来患者数の変化は全くみられません。。(Webによる宣伝効果は、ほとんどない と思われます)

 これからもどうぞよろしくお願いいたします。
タグ:s O
posted by いんちょう at 23:13 | 原子力

浜岡5号機(4)−何が何でも運転情報

 浜岡原発のトラブルは、報道でほとんど触れていないためか、ブログのアクセスが多くなっています。現在までの、状況を喩えをまじえて、解説してみます。

 まとめましたが、どうしても釈然としませんでした。もう一度、プレス発表の基準を眺めてみました。
http://www.chuden.co.jp/resource/energy/hinf_about_03.pdf
・「原子炉施設保安規定に基づく放出管理目標値」とは,3,4,5号機は3〜5号機合計で希ガスが3.6×1015Bq/年,よう素131が1.1×1011Bq/年である。(原子炉施設保安規定第1 編第88 条)なお,1,2号機は原子炉施設保安規定に放出管理目標値を定めず,『排気筒における放射性物質(希ガス,よう素131)の濃度が,「発電用軽水型原子炉施設における放出放射性物質の測定に関する指針(昭和53年原子力委員会決定)」に定める測定下限濃度未満であるように努めること。』を規定していることから,当該測定下限濃度とする。(原子炉施設保安規定第2 編第43 条)
・「原子炉施設保安規定に基づく放出管理目標値」とは,1,2号機はそれぞれ9.2×109Bq/年(トリチウムを除く),3,4,5号機はそれぞれ3.7×1010Bq/年(トリチウムを除く)である。(原子炉施設保安規定第1編第87条,第2編第42条)


 ここにヒントがありました。

今回発表された外部への漏出量は、(中電発表より)
微量な放射性物質コバルト58を検出したことからお知らせします。 評価の結果、今回検出したコバルト58の全放出量は3.6×10E5ベクレルと推定しました。 これによる人体への影響は、3.8×10E-8マイクロシーベルト/年であり、これは通常1年間に受ける放射線量(1260マイクロシーベルト)の330億分の1程度と、極めて小さい値で人体への影響はありません。

 つまり、このまま運転を続けると、早晩、トラブルとしてプレス発表をしなければならない。それで、姑息にも原子炉浄化系をとめるという、判断を経営陣がしたのだと思われます。本当に愚かなことです。これを止めれば、どうなるか。ブログで書いたとおり(最悪は、廃炉)です。この決定がなされてしまうと言うことは、

・経営陣は事なかれ主義
・中部電力の原子力部門は、技術的に全く原子炉のことをわかっていないか、経営陣が決めたら、技術的に必要であったとしても、それ以上反論しないという迫力のなさ(海水注入を止めていたでしょうね。この電力なら)

です。

 現在の5号機は、誰もが経験したことのない状況(海水成分を炉内に長期間放置する)が続いています。原子炉浄化系は、すでに運転再開したのでしょうか?



 原発は、数本の細い綱の上を綱渡りしているようなもの。1本がぷつんと切れたとしても、下に落ちることはありませんが、ざっくり全部切られてしまうと、奈落の底に沈んでしまいます。

・福島の災害は、綱渡りの支柱が倒壊してしまった状況

であり、今回の中部電力のトラブルは、

・綱渡りのおおもとの綱に、たばこの火がついている。今、水で消せば問題にならないにもかかわらず、みんなから何で水を使ったのかと聞かれたくないために、とりあえず、燃えている綱全体にカバーをつけて、煙をとりあえず外に見えなくしている。綱渡りは終わっているが、綱渡りが再開できるのか、誰もわからない。炎が綱全体に行き渡らなければよいが・・・(綱のオーナーは、体面ばかり気にしている)

そんな状況。

おおっぴらに事故隠しを行う電力会社に、原子力発電所を運転する資格はあるのでしょうか?
タグ:H
posted by いんちょう at 07:48 | 原子力

2011年05月30日

福島小中学校20mSv問題の本質−科技庁を解体せよ


 福島の小中学校で、一年間の許容線量を20mSvと決定し、なかなか事態が変化しません。(ようやく最近になって、1mSv/yearを目指すと発表したようですが・・・)

 なぜ、本来児童を一番に保護しなければならない立場にある役所が、その反対のことをしているのか。私には不思議でなりませんでした。その一方、原子力発電所を管轄している原子力安全保安院は、原発災害前後で放射能管理の変化はありません。

 いったいなぜなのでしょうか。。ずっと考えていましたが、本日答えが見つかりました。

文科省 = 文部省 + 科学技術庁

なのです。

http://www.mext.go.jp/a_menu/anzenkakuho/anzenkakuho/1260357.htm
我が国の原子力安全規制等の法体系について
 我が国の原子力施設の安全規制は、これらの法律に基づき、文部科学省が試験研究用原子炉等及び放射性同位元素等について、経済産業省の原子力安全・保安院が商業用原子力発電所等について実施し、さらに原子力安全委員会がその妥当性のチェックを行っています。
我が国の原子力安全に関する組織について
 文部科学省では上記の任務を達成するべく、試験研究用原子炉等、核原料物質・核燃料物質等の使用、放射性同位元素等の使用等、国際約束に基づく保障措置の実施、原子力災害への対応、原子力安全規制に係る国際協力【※下記参照】を通じて、科学技術に関する原子力の安全確保等に取り組んでいます


 つまり、商業用原子炉以外は、科技庁=文科省の管轄範囲なのです。

 科学技術庁は、手塚治虫の鉄腕アトム−お茶の水博士で有名ですが、実際は寂しいもの
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(http://allabout.co.jp/gm/gc/224873/2/ )
Wikiより
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%91%E5%AD%A6%E6%8A%80%E8%A1%93%E5%BA%81
1956年(昭和31年)5月19日、総理府の外局として科学技術庁(長官は国務大臣)を設置。
母体となったのは、総理府原子力局、総理府の附属機関だった科学技術行政協議会事務局、資源調査会事務局である。その他工業技術院からは調査部門が、特許庁からは発明奨励部門が移管された。
他省庁では次官職や局長職への就任機会の少ない技官を処遇するために設立された色彩も濃く、実際に事務次官を始め主要幹部の多くに技官が就任した。
実際の科学技術行政の大半は通産省やその他の所管省庁に握られ、科技庁所掌は主に原子力及び宇宙関係行政であった。


 同じ原子力を扱いながら、通産省資源エネルギー庁と全く力が違いますし、その構成員の能力にものすごい差があります。科学技術庁が身内であるために、旧文部省が児童の被曝問題に消極的(というよりも犯罪行為と思えます)になっています。ほんらいは、文部省が児童の被曝に対して、放射能を管轄する中央省庁と戦う役目があるはずなのに、戦うべき相手が身内なのですから、長いものに巻かれてしまいます。

 本来、2001年中央省庁再編時に、この原子力部門は、原子力保安院に統合されねばならなかったのです。しかし、科技庁と通産省は、(力は全く違うものの)犬猿の仲。通産省に吸収され、埋没してしまうことを恐れて、文部省との合併を推進したのでしょう(これは、私の妄想です)そのあげくが、現在の信じられない状況につながるわけです。

 また、だれもがもうどうしようと思っている「もんじゅ」。この廃炉を決定できないのも、この科学技術庁管轄だから(実験炉は、科技庁管轄)。数少ない天下り先がつぶれるくらいなら、日本が滅亡することをかれらは、躊躇せずに選択するでしょう。(自分がいる間には、何も起きないという理由で)

 今回のこの事態は、2001年に科技庁を温存してしまったことにつきると思います。この部門は、文部省から分離し、原子力保安院に統合するべきです。狭い原子力行政で、縦割りになっている必要は全くありませんし、現在その弊害が目に見える形で出ています。

文科省での科技庁部門は、電力会社内の原子力部門と同じ関係でしょう(どちらも、組織内からは疎まれている)

 早急に旧科学技術庁組織を文部省から切り離すことを要望します。
タグ:R
posted by いんちょう at 20:20 | 原子力

年内の収束不可能−高度な情報操作例(熊日朝刊から)


本日の熊日朝刊1面から

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ネット上では、
http://www.47news.jp/CN/201105/CN2011052901000605.html

 なかなか高度な情報操作をしてきています。(政治並み)

・発言者が東電幹部として匿名(時々、政府筋などと発表されるのと同じ)
・きわどい内容だが、責任をとらなくてよい(名前のみオフレコ。記事にした人はもちろんわかっています)
・ある程度内容を漏らして、世間の反応を見る

でしょう。医療業界の2年ごとの保険改訂の際、決まっていないことでも、
「厚労省、医療費自己負担値上げ。」
などというアドバルーンがしょっちゅう上がります。その他、様々な内容でこの手法は使われます。

この中に

福島県楢葉町からいわき市に避難している男性会社員(57)は「正月は家に戻れると思っていたのに。期待が裏切られるなら、無理な工程表などなくてもよかった」と話した。

と書き、世論の反応を見ています。
 そもそも、6−9ヶ月というのは、正月までには大丈夫というために4月17日に発表した予定です。この9ヶ月後というのは来年の1月ですから、もしかしたら年内には終わらないかもしれませんよ。ということも実は発表当初より含まれてたわけ。

 別の幹部は「1〜3号機の収束作業は同時進行できていない。1基ごとに同様の遅れが生じると、9カ月という期限もギリギリだ。作業員には申し訳ないが、正月返上で収束にあたってもらうことになる」と話している。

 これは、大きな間違いです。まだまだ先が見えませんので、もっと長期間にわたるスパンに変更しないと、現場が持ちません。おそらく、この発言をしたとは、現場のことを全くわかっていない幹部でしょう。指示だけすれば、現場の人たちが動いてくれると思ったら大きな間違いです。

 東電 公式コメント 松本純一氏
6−9ヶ月が遅れることはないと思っている。


 発表から2ヶ月近くたっているのですから、この言葉だけで無理と思っていることはわかります。現在の工程表を訂正しないのであれば、現在から何ヶ月後ではなく、おそくとも○月までにはと発表してください。

また、燃料プールが早めに進んでいると公式発表内で指摘していますが、そもそも燃料プールを先に始末しないといけないのは、わかりきっていること。これをステップ2にしていることだけでも、この工程表が落第点なことはわかります。・・・私の私案(正しいとは全く思ってませんが)でも燃料プールを先行すべきなのは最初から明らか・・・

 再度指摘しますが、メルトダウンした燃料を処理する技術は、世界中どこにもありません。(もしあるのならば、チェルノブイリで実施されています。)
 非常に残念な言い方ではありますが、福島原発から融合燃料を取り出す日はいったいいつになるのか、それは誰にもわかりません。(God knows)

現在は、止める−冷やす−閉じ込める

のステップですが、最後の「閉じ込める」がわかるようになったときに、工程表と本当にいえる収束案です。私としては、どんな手段をとっても「閉じ込める」ことを最優先するしかないないと考えています。チェルノブイリと同じ方式を採用するしか、選択肢は残っていないのではないのでしょうか。。
タグ:1F
posted by いんちょう at 09:27 | 原子力

2011年05月29日

福島の思い出(10)・・入社前夜


 私は、バブル真っ盛りの昭和63年卒業組でした。

この年は、証券、金融業などのサービス業に人気が集まり、私の所属していた東大工学部精密機械工学科は、卒業組の半数以上がこのサービス業にいくことになり、教授がずいぶんと嘆いていました。「ものずくり、日本はどうなるのか・・・」と
 学科の定員は、50名足らず。東大工学部大学生の大半はふつう大学院に進学しますが、精密機械工学科は、大学院の定員がすくなくやむを得ず、半数が就職することになっていました。(大学院浪人生までいるくらい)。・・私は、ハナから進学する気はなかったのですが・・

・第一勧業銀行
・富士銀行
・日本興業銀行
・山一証券
(そのまま残っている会社は、ひとつもありません)

といったところから

・リクルート

などなど。こういったサービス会社には、学校推薦も関係なく、学生たちが自分たちで面接に行き、就職を決めていきました。

 今の学生さんからすると考えられないでしょうが、4年生の4月になってものんびりしたもので、就職活動をしていたやつなどほとんどいませんでした。私もご多分に漏れず、7月過ぎまでなにもせず、さすがにまずいと思って、動き始めました。
 国家公務員の一種試験を受けるとともに
・旭化成
・沖電気
・JR東日本
・東京ガス
・リクルート
などに電話をかけ、先輩にあい、話を聞き、食事をごちそうしてもらう。それが、就職活動でした。特に、沖電気は、栃木県(だったか?)の工場まで、当時大宮まで開通していた東北新幹線にのせてもらって、案内してもらいました。
 その時、「携帯電話は、アメリカでは必要なんだよね。でも、日本はあちこちに公衆電話があるから、それほど普及しないと思うよ。必要ないからね」という話をしてくれました(予想は、完全に外れています)。

 いずれの会社も、少し遅いんだけどなぁ・・といいながら、是非入社してほしいと引っ張りだこ。

 ちょっと、国家公務員のことを書いておきます。国家公務員I種試験は、一次試験と二次試験があり、合格発表は9月初旬くらいだったでしょうか。合格してから、官庁巡りをしてもどこも相手にしてくれません。一次試験前から面接は始まっているのです。
 東大法学部の連中のトップは、全員大蔵省(当時)を目指していました。彼らが言うには、成績表に良があったら、それだけで出世が遅れるくらい厳しい。毎日、予習復習はかかさないと。

 警察官僚のトップになるには、
・東大法学部でトップ
・国家公務員試験でトップ
・司法試験合格必須
ときかされました。

 東大に行けば、だれでも楽に中央官庁に行けて、出世できると思ったら、大きな間違いなのです。

 わたしが、面接を受けたのは、通産省、そして、科学技術庁だったでしょうか。通産省に行ったところ、「外人を東京見物させるなら、あなたはどこにつれていきますか?」といった問題用紙も渡され、解答を書いた後で、
「きみは、何大学出身?」
「東大です。」
その後、担当の秘書と思える女性といくつか会話をした後、ずらっと名前の書かれたリストに○を二つほどつけられ、
「このひとにあってきなさい。」
と言われました。

 その人のところに行くと、「何か質問ある?」 とだけ聞かれます。これには参りました。ただ、いろいろ話をすると、中央省庁は
「暗いうちに帰れればよい。」(日が昇ってから帰ることが多い)
という大変な激務であることだけ、理解できました。

 時々、待合室で待たされていましたが、そこでびっくりしたのが、一橋大学の評価が非常に高いこと。彼らは、就職をなめきっており、(ま、人のことはいえませんが)
「今は、富士銀行に内定をもらっているが、本当は大蔵省に行きたい。富士銀行には、大蔵省の面接を待ってくれと行っている。まあ、やつらも(おれが)大蔵省に行くかもしれないから、そんなに強く言わないよ。」
「経済企画庁は、出てきた書類をまとめるだけ。ホッチキス官庁と揶揄されているくらいだから、本当は行きたくない。」
あるいは
「就職しようと思ったら、どこにでも行けるから、とりあえず今は官庁巡りをやっている。」
と、そんな感じでした。

 科学技術庁にも行きましたが、開口一番
「きみはどこに行きたいんだね?」
「通産省です。科技庁は第二希望です。」
「だいたい、通産省はだねぇ・・」とさんざん、通産省の悪口を聞かされ、それで終わり。

 まだまだ、未熟な田舎ものの学生でした。本来ならば、面接に行ったすべての省庁で、行った省庁が第一志望ですとしれっと嘘がつける人間でなければ、中央省庁のエリートにはなれないのです。

 文系の人間は、どこにでも行けます。(理系の技官は限られています)が、序列はしっかりしており、(まあ、予算の順でしょう)
・大蔵省
・通産省
・郵政省
・通産省
・建設省
・・・
・・・
・文部省(ほぼ、最後)
となっています。文部省にいるお役人で、本当に心から文部省に行きたかった人など、ほとんどいないと言っても大げさではない。極論すれば、全員ほかに行きたかった省庁があったのに面接で通してもらえず、しかたなく選んだ。それが文部省役人なのです。(あくまでもたとえです)
 私は、どこの省庁も一次面接で落とされましたが、同期の通産省に行ったやつにきいたところ、五次から六次面接があり、最後はお座敷だった という話でした。二次試験の試験結果が決まる前に各省庁の採用者は決まっており、ときどき採用予定者が試験で落ちたりして、番狂わせが起きると行ったとも耳に挟みました。(これは、あくまでも私の卒業年のことです。今はどうなっているかは、全く知りません)・・面接に関係なく、私は二次試験で落ちました。

 当時は、円高不況が叫ばれていましたので、
・為替レートに左右されない
・内需産業
・ある程度安定

を考慮に入れて、

・東京ガス
・東京電力
・当時民営化したばかりのJR東日本

に候補を絞りました。一番、不親切だったのが東京電力。所属していた講座の講師の同級生に当たるN氏を紹介され、会いに行きました。ざっくばらんな方で、
「ごめん、昼くらいかごちそうできない。」
といって、非常に素っ気ない対応。ほかの会社の歓待とは全く異なりました。

 最終的にどこに就職するかは、学生間で話し合って決めます。私の学科では、求人が出ている場合、学校推薦がつけば、かならず入社できました。が、一つの会社に二名まで。それ以上は、だめ。(社内で競争させないようにという配慮のため)

 一番の優先は、学部卒業生、その次が大学院試験で落ちた人間 と行った順番でした。

まず、進学しないと決めた学生が、黒板に会社名と、自分の名前を書いています。この時民営化された会社にNTTがあり、やはりそこが一番人気でした。

 人数が重なった場合は、話し合い、あるいは(信じられないかもしれませんが)じゃんけんで決定します。話し合いになった場合は、不人気な講座に入らざるを得なかった人が、
「俺に譲れ。」
などと今考えるとかなり理不尽なことをいったりしていました。

 私の当初の希望は、東京ガス。そのうち、いろいろ考えて、結局、東京電力にしました。
(どちらも志望者なし。精密機械工学科からは、上記にあげたN氏のほかに、私の一年上に一名だけ入社しただけでした===この先輩には、入社5年後に本店で会うことになります。)・・・私が3人目。

会社の配属先の志望も最初は、
・水力
・火力
・原子力
(機械系の就職は、上記3部門だけに限定されていました)
と書いていたのですが、やるなら困難な方がよいと最終的には
・原子力
・火力
・水力

と提出し、福島第二原子力発電所勤務が3月頃に決まりました。

配属先が決まったとき、くだんのN氏のところに挨拶に行き、
「3年後くらいに東京に戻ってこれるのですよね?」
とはなしたところ、
「うーん、どうかな。」
と意味深な笑い顔をされたことが、今でも思い出されます。。
タグ:M
posted by いんちょう at 19:32 | 原子力

2011年05月28日

浜岡5号機−環境への放射能漏れ発表(その隠蔽体質を暴く)

 浜岡原発でのトラブルについて、コメントをいただきました。ありがとうございました。
元記事第一報 浜岡5号機の海水リーク(細管破断?)
元記事第二報 浜岡5号機細管破断(プレス発表より)

 まず、訂正から。中部電力のプレス発表は、非常にわかりにくくしてあります。なんと、このトラブルは、運転情報に分類されるらしいです。(トップのプレスリリースには当たらないという判断)原子力村の隠蔽体質が如実に示されていますので、ここで例示させていただきます。

・起きたこと自体を隠すことはしないが、説明せず、軽く発表する
・どんどんとぼろが出る
・最後にあっと驚く新事実が出てくる
(どこかで、聞いた話ですね・・・)


まず、このトラブルは、プレスリリースに当たらないという判断です。
http://www.chuden.co.jp/energy/hamaoka/hama_info/hinf_about/index.html
(1)軽度な機器の故障があったとき
(2)燃料破損の疑いなど主要なパラメータの有意な変化があったとき
(3)管理区域内で水・油などの漏えいがあったとき
(4)救急車の出動要請や火災報知器の作動など

すでに、この範疇に収まるものではありません。(そんなことは、中部電力の(少なくとも原子力村)は最初からわかっています)

この運転情報の一覧はここから(なぜ、あえてわかりにくくするのか。私には全く理解できません)
http://www.chuden.co.jp/energy/hamaoka/hama_info/hinf_unten/2011.html

ここから、今回のトラブルの公開情報を得ることが出来ました。まず、第一報
http://www.chuden.co.jp/energy/hamaoka/hama_info/hinf_unten/__icsFiles/afieldfile/2011/05/15/230515douddenritu.pdf
2011052801.jpg

 なんと、導電率上昇しか、発表していません。中操が大変な事態だったことは、その後漏れてきた情報から明らかです。しかも、もれた海水の量には全くふれていません。(記事に400トンと書かれているのは、記者が質問したからでしょう。)中部電力は、前にも書いたように定量的なデータを公表しようとしていません。以下抜粋

 当社は、2011年5月14日13時に5号機の原子炉を停止しました。 原子炉の冷温停止に向け操作を実施中、16時30分頃に主復水器チ1の水室(A)内の水の純度を監視している導電率計の指示値が上昇し、その後、(B)から(F)全ての導電率計の指示値も上昇するとともに、原子炉水の導電率(原子炉冷却材浄化系)も上昇しました。 このため、復水器内で熱交換に用いている海水が復水系へ流入した可能性があると判断し、原子炉への海水の流入防止のため、給水ポンプ等による原子炉への注水を中止、および循環水ポンプ全台(3台)を停止しました。 現在、原子炉は安定しており、操作手順書に従い、冷温停止に向けて操作を継続しており、本日午後に冷温停止となる見込みです。

 大事なのは、赤字の部分。原子炉水の導電率が上昇したと言うことは、原子炉内に海水が入ったことに他なりません。発表はしていますが、中日新聞などの記事に書かれていないと言うことは、おそらく、説明をしていない(説明しないと普通はピンとこない)のだろうと思われます。

本事象は、放射性物質の漏えいに係わる事象ではありません。

しらじらしい。これだけの細管破断が起きて、外部に漏れていないはずがありません。・・何度も繰り返しますが、原子力村は、きちんとわかっています。もし、わかっていなかったとすれば、原子力安全委員会に就職してください。きっと、厚遇してくれることと思います。

 次の第3報(第2報は,記事にしています

http://www.chuden.co.jp/energy/hamaoka/hama_info/hinf_unten/__icsFiles/afieldfile/2011/05/26/230526haikitouhaigasu.pdf
2011052802.jpg
浜岡原子力発電所の排気筒排ガスからの 微量な放射性物質の検出について(続報)
当社は、2011年5月18日〜5月25日まで通気したフィルタを5月25日に分析した結果、5号機排気筒のフィルタから、微量な放射性物質コバルト58を検出したことからお知らせします。 評価の結果、今回検出したコバルト58の全放出量は3.6×10E5ベクレルと推定しました。 これによる人体への影響は、3.8×10E-8マイクロシーベルト/年であり、これは通常1年間に受ける放射線量(1260マイクロシーベルト)の330億分の1程度と、極めて小さい値で人体への影響はありません。 (筆者注:比較の対象が、レントゲンになり、CTになり、さらには20mSv, そして 100mSvと増大していくのは、みなさまご承知の通り)
 フィルタ通気期間中の5号機の作業状況から、コバルト58を検出した原因は、原子炉水の浄化を行っている原子炉冷却材浄化系で、使用済み樹脂の収集槽への排出に伴い、収集槽内でコバルト58が空気中に移行し、収集槽の排気ダクトを通じて、排気筒へ流れ検出したものと推定しました。 そのため、原子炉冷却材浄化系での原子炉水の浄化操作を中断しました。収集槽の排気ダクトには、放射性物質を除去するためのフィルタを設置しており、今後、コバルト58が排気筒へ流れた原因調査と必要な対策について検討します。 なお、原子炉水の浄化操作の中断により現在は、コバルト58は検出されていません。


 ようやく、定量的な数値が出てきました。外部に放射能漏れを起こしているにもかかわらず、軽微なため(まあ、どこかで桁が全く違う放射能漏れが続いているため、記事にはならないようです)プレスリリースにしていません。しかし、赤字でかかれている原子炉冷却材浄化系を止めてしまうのは、非常に深刻なトラブルになっていることをしめします。本来これを回していないと、原子炉内の汚染水が浄化できず、線量がなかなか下がりません。これを止めざるを得ないところに深刻さの一端をのぞくことができます。
 しかも、東芝の技術陣は、ほとんど福島にとられており、中部電力としてはまともな対応をしてもらえない(メンテナンスは、東芝・日立に丸投げです。電力会社自らでは、何も出来ません)状況で、かなりいらだっているのだろうとおもいます。。
 私が第2報で、指摘したとおり、外部の放射能漏れを起こしています。そんなこと、最初からわかっていたことで、これは隠蔽していたのです。(この第3報まで同時に出すと、おそらく次のような見出しになったはずです)

浜岡原発5号機、首相指示を受けての停止中に、海水が炉内に大量流入。外部への放射能漏れも



 これを避けたいために3回に分けて、小出しにしたわけです。

 浜岡が定格運転中でなく、不幸中の幸いでした。

 今回は浜岡を例にとって、解説してみました。もっともっと、大規模にした状態が、現在の福島の状況です。

※ 原子力のトラブルは、
・原子力村の住民からみてはたいしたことないのに大げさに取り上げられる
・大変深刻なトラブルなのに、ほとんど論評されない
の二つに分けられます。今回は、後者であるのは間違いありません(情報統制が非常にうまくいっていると思われます。・・・福島の陰に隠れただけですが)

追記(2011.5.28 8:30)
炉内の海水は早急に取り除かねばならず、それには原子炉浄化系を使うしかありません。それにもかかわらず、停止させたと言うことは、これ以上の環境放射能漏れを避けたい(発表したくない)という経営判断だと思われます。大げさですが、廃炉も視野に入っている状態です。もっとも、経営陣はそこまでは考えていないでしょうが、長期化すると手に負えない問題(内部の腐食など)が起きてくるのは明らかです。また、何かあったら、ひっそりと発表することでしょう。今後の展開に要注目です。

追記
 福島原発の現状について、私と同じ危機感を持っている方のインタビューを読みました。是非お読みください。

小沢一郎・民主党元代表インタビュー:一問一答2011年 5月 27日 (金)

追記2(2011/5/30)
長すぎてわかりにくいとありましたので、3行にまとめてみます
・浜岡5号機、通常停止操作中に、復水器の損傷で、海水が原子炉内に100トン?流入
・放射能漏れも起きたが、騒ぎをこれ以上大きくしないために経営判断?で炉水をきれいにする系統を停止している。(廃炉につながる可能性も)
・メーカーが福島に人員をとられて、復旧見込みがたっていないかも。(想像)。
タグ:H
posted by いんちょう at 06:05 | 原子力

2011年05月27日

若狭湾の大津波(伝承)・・関電は知っていた・・

 他電力でも、ぼろぼろ出てきます。
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201105270022.html
津波被害の文献知りながら「記録なし」と説明 関西電力
2011年5月27日
 関西電力の原発がある福井県若狭地方での過去の津波被害をめぐり、関電が被害を記述する文献の存在を把握しながら、「文献記録はない」と地元などに説明してきたことが26日、分かった。
 文献に記述があったのは1586年に発生した「天正大地震」。敦賀短大の外岡慎一郎(とのおか・しんいちろう)教授(日本中世史)によると、京都の神社に伝わる「兼見卿記(かねみきょうき)」と、ポルトガル人宣教師ルイス・フロイスの「日本史」の二つの文献に、若狭地方が地震にともなう大津波に襲われ、多数の人が死亡したとする記述があった。
 一方、これまで関電は地元への広報誌などで、「文献などからも周辺で津波による大きな被害記録はありません」と説明してきた。


 では、関西電力のホームページより
http://www.kepco.co.jp/wakasa/tanpou/tanpou/19.html(消されるかもしれませんので、映像を張っておきます)
2011052702.jpg

 若狭湾にゴツゴツと細く突き出ている常神(つねかみ)半島―その中央を走る尾根の東側は美浜町、西側は若狭町です。若狭町側には、入り江ごとに集落がありますが、険しい断崖が連なる美浜町側には、人家がまったくありません。しかし、ただ一カ所、「くるみ浦」(久留見(くるみ)または久留美(くるび)とも)と呼ばれる場所には、かつて小さな村がありました。
・・中略・・
 くるみ村がいつ滅んだのかは不明ですが、若狭町気山(きやま)の宇波西(うわせ)神社に伝わる戦国時代(大永(たいえい)2年=1522)の文書(もんじょ)には、くるみ浦の名が氏子(うじこ)集落として出てきます。当時は、海運の中継地として栄えていたという説があります。また、江戸時代後期(天保(てんぽう)8年=1837)に、『早瀬浦の共有地である久留見』で、漁の合間に石灰(いしばい)になる石を掘り出したいと願い出た文書があることから、大津波の惨事は、戦国期から江戸後期の間の出来事とみられます。


 ニュースに出ているのはおそらく、この津波のことでしょう。

くるみ村の地図
2011052703.jpg

(参考)若狭湾の原発地図
2011052704.jpg

上記津波を知っているにもかかわらず・・・

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110325/biz11032509120022-n1.htm
関電3原発、津波想定「2メートル未満」 低さ際立つ
2011.3.25 09:07
 関電では福井県内の各原発で想定される津波の高さについて、土木学会が平成14年にまとめた手法を用いて算出。津波の最大波は、美浜1〜3号機が1.53〜1.57メートル▽高浜1〜4号機は0.74〜1.34メートル▽大飯1〜4号機は1.66〜1.86メートル−と想定する。
 一方、3原発に近い日本原子力発電の敦賀原発(敦賀市)は2.8メートル、日本原子力研究開発機構のもんじゅ(同)は5.2メートルを想定。同じ日本海側にある中国電力島根原発(松江市)でも、5.7メートルとしている。

 こちらにも書きましたように、津波対策は防波堤だけでは有害無益。海水ポンプの取水設備の海水面をどうにかしないかぎり(現実的には不可能)、なんの役にも立たなかった・・想定外だったという羽目に陥ります。

 「関西電力の社長はん。あんたのとこの原発あぷないでっせ。地震・津波が来たら、どんな対策しようが、みぐるみはがされまっせ。よう、かんがえておくんなはれや。」。
タグ:O
posted by いんちょう at 16:55 | 原子力

2011年05月26日

海水注入中止問題(一番悪いのは誰か)

 海水注入については、昨日まで、責任のなすりつけあいでしたが・・

http://www.tepco.co.jp/cc/press/11052602-j.html
福島第一原子力発電所1号機への海水注入に関する時系列について
                            平成23年5月26日
                            東京電力株式会社
 当社は、本年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う福島第一原子力
発電所の事故に関し、事態の収束に全力を挙げて取り組むとともに、事実関係の
調査を進めております。
 こうした中、3月12日に実施した1号機への海水注入に関する主要な時系列につ
いて、これまでに以下の内容が判明しましたので、お知らせいたします。
<3月12日の主要な時系列>
12:00頃  社長が海水注入の準備について確認・了解
14:50頃  社長が海水注入の実施について確認・了解
14:53頃  淡水の注入停止(これまでに8万リットル注入)
15:18頃  準備が整い次第、海水注入する予定である旨を原子力安全・保安院等
      へ通報
15:36頃  水素爆発
18:05頃  国から海水注入に関する指示を受ける
19:04頃  海水注入を開始
19:06頃  海水注入を開始した旨を原子力安全・保安院へ連絡
19:25頃  当社の官邸派遣者からの状況判断として「官邸では海水注入について
      首相の了解が得られていない」との連絡が本店本部、発電所にあり、
      本店本部、発電所で協議の結果、いったん注入を停止することとした。
      しかし、発電所長の判断で海水注入を継続。(注)
(注) 関係者ヒアリングの結果、19:25頃の海水注入の停止について、発電所長
    の判断(事故の進展を防止するためには、原子炉への注水の継続が何より
    も重要)により、実際には停止は行われず、注水が継続していたことが
    判明しました。

                                 以 上


 最初の報道では、首相が停止を指示したということになっており、おそらくこれは本当でしょう。ですが、本当の問題はそこにはありません。そもそも、(本人の言葉は知らないですが)所詮素人、緊急時には玄人がその指示を聞いてはいけませんし、一番近くにいる人が命をかけて説得しなければなりません。。

 まず、一番目の問題は、地震翌日に発電所に視察に行ったこと。現場は大混乱ですから、こんなことをしてはいけませんし、させてもいけません。この日の首相動静(再掲)
首相動静(3月12日)時事通信 3月12日(土)5時57分配信
 午前5時31分、執務室を出て、内閣危機管理センターへ。
 午前6時8分、同センターを出て官邸エントランスで大地震を受けたコメント発表。同14分、陸上自衛隊ヘリコプターで官邸屋上へリポート発。班目春樹原子力安全委員会委員長、寺田学首相補佐官同行。
 午前7時11分、福島県大熊町の東京電力福島第1原子力発電所着。同19分、重要免震棟へ。同23分、東京電力副社長の武藤栄原子力・立地本部長による説明。池田元久経済産業副大臣同席。
 午前7時47分、武藤本部長による説明終了。同49分、重要免震棟を出て、同8時4分、陸自ヘリで福島第1原発発。


 このニュースを読んで、この時は少し安心しました。なぜなら、シビアアクシデントの日本での第一人者といってよい武藤副社長が担当しているとわかったから。
 原子力安全委員会の斑目氏が、何もわかっていないことは、東電上層部はわかっているはず。(もう、皆様もご存じのことでしょう)この人の助言は、電力会社は鼻から相手にしていないはずです。この視察を止めさせることができるのは、電力会社社員以外にいません。つまり,武藤副社長の役目だったのです。
 残念ながら、武藤副社長は技術部門の出身。しかも、発電所長という現場の汚れ役をした経歴がないまま、トラブル隠しの影響で副社長になりました。

 東京電力の原子力部門と一口で言いましても、それはそれは人数がたくさんいます。出身部門によって、どうしてもカラーが出ますし、異なる部門間を渡り歩くことは、それほど多くありません。
 ここで、ちょっと説明しておきましょう。

建設部門
 大きな金の動くこの部門は、一番の花形でしょう。工場の立ち会い検査、その他現場での監督、動くお金も桁違いに大きく、きれい事が通用する世界です。権限も一番あり、思い通りに協力企業を動かせます。

発電部門
 いわゆる発電所の運転を担当します。下に部下はおらず、自分たちだけで操作をします。以前も書きましたように、一番権力がないと言っても過言ではないでしょう。

保修部門
 発電所のどぶさらいです。大きなトラブルから小さなトラブルまですべてを担当し、どこに修理を依頼するか、また定期検査の日程、機器の管理などを行います。私のいるときには、計装、電気、原子炉、タービン、総務と別れていました。発電所の汚いところはすべて把握していますし、動かせる金額も、ほかの部署と比べますと2桁、3桁違います。あんまり覚えていませんが、私の所属していたタービン斑では、2プラントで年間100億円近い工事を発注していたと思います。(原子炉以外のすべての機器を扱ってました)

技術部門
 原子炉の運転管理を担当します。発電所では仕事をしていないのですが、使用済燃料プールの問題、核燃料の管理などをしているはずです。本店では、私はこの部門に所属しており、原子炉周りの安全性評価などをやっていました。

保安部門
 原子炉の放射線の測定、廃棄物の管理などをおこないます。線量測定は、この部門の人が行っており、放射線測定、管理のプロです。

 あとは、建築関係(建物)、資材(物品の購入、契約)などがあるのでしょうか。

吉田所長は、保修部門出身で、理屈はわかっていないが、現場のことがよくわかっている。
武藤副社長は、技術部門出身で、理屈はわかっているが、現場のことがわかっていない。

という分類になるでしょう。

 この首相の査察は、武藤副社長が職をとしてでもなんとしても止めないといけなかったでしょうし、海水の停止命令も現場の所長に判断させるのではなく、やはり東電原子力トップである副社長自ら、言うことは聞けないとはっきりと言うべきだったと思います。(東京電力は、お上の言葉には弱いのです。関西電力なら、謝ってでも何でも自分の意見を通しただろうと思いますが)

 首相、副社長の代わりはいくらでもいます。しかし、現在の発電所長を交代させて、後任が見つかるのでしょうか?現場の士気が落ちてしまっては、本当に収束できなくなってしまいます。このまま所長の責任にしてしまったとしたら、いったいどうなるのでしょうか。

 現場のことを知らない人がたまたま東電原子力のトップにいた。線が細かったため、菅首相に対抗できなかった。と分析します。

 以上のことを踏まえ、誰が一番悪かったかは、皆様ご自身でご判断ください。
タグ:1F
posted by いんちょう at 22:05 | 原子力

約3万トン分の仮設タンク

2011/05/27 熊日夕刊より
2011052701.jpg

 全部で3万トン分のタンクが作られるようです。
(熊本からは、2000トン分)これでもかなりの迫力があります。
タグ:1F
posted by いんちょう at 21:13 | 原子力

そっくり、そのまま文科省にお返しします(被曝問題)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110526-00000000-mai-soci
<福島原発>東電に厳重注意…被ばく管理ずさん 保安院
毎日新聞 5月26日(木)0時2分配信
東京電力福島第1、第2原発の労働者の被ばく管理について複数の法令違反があったとして、経済産業省原子力安全・保安院は25日、東電に文書で厳重注意した。保安院によると、第1原発で復旧作業の拠点となる免震重要棟は、空気中の放射性物質濃度が法定の値を超えていたが、マスクなどの適切な防護をしていなかった。
 放射線量が上昇した構内で、放射線業務従事者に指定されていない女性従業員が5人働き、うち2人の被ばく量は一般人の被ばく限度(年間1ミリシーベルト)を超えた。同従事者の指定を受けている女性従業員2人も、被ばく量が限度(3カ月で5ミリシーベルト)を超えていた。第2原発では3月14日〜4月21日、大気中の放射線量が国の基準値を上回ったが、作業員に線量計を携帯させるなどの適切な管理を怠った。【足立旬子、関雄輔】

もう少し詳しく。
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11052508-j.html
 (1)福島第一原子力発電所の免震重要棟において、炉規則及び線量告示に規定
    する放射線業務従事者の呼吸する空気中の放射性物質の濃度限度(ヨウ素
    131において0.001ベクレル/立方センチメートル)を超えていたにもかか
    わらず、適切な防護装備を実施させなかったこと。
 (2)同発電所において、女子従業員2名が線量告示に規定する線量限度(5ミ
    リシーベルト/3か月)を超えていたことに加え、放射線業務従事者では
    ない女子従業員5名が、管理区域に設定しなければならない場所において、
    作業を行っていたことは、炉規則に抵触しており、また、これらの者のう
    ち2名が公衆の線量限度(1ミリシーベルト/年)を超過していたこと。
 (3)福島第二原子力発電所の建屋外において、同年4月14日から21日まで線量
    告示に定める管理区域の設定基準値(1.3ミリシーベルト/3か月)を超
    えていたにもかかわらず、線量について管理していなかったこと。

 福島県の状況はどうなのですか?(1)は発表されていませんが、(2)、(3)はとても守れていません。

20mSv/year = 5mSv/3month

です。福島県の浜通、中通りは、放射線管理区域に当たると思われますが、線量管理を個々人について管理していますか?

 今の日本は、原子力発電所を一歩出たとたんに、放射線の基準がめちゃくちゃ甘くなるという 非常におかしな状況です。

 原子力保安院の方、文科省に厳重注意文書を出してください。あなたたちの義務です。
(管轄が違うから、自分たちは関係ないのですか。そうですか。。)
タグ:P
posted by いんちょう at 12:54 | 原子力

1号機圧力容器の破損

 福島原発関連で流れているニュースは、事故の最初の7日間の振り返りが多くなりました。
現場ではまだ何も解決していません。外界への放射性物質流出が止まるまでは、日本・日本製品への信頼は復活しません。すべては、そこからなのですが・・・

 さて、IAEAに関連するのでしょうか、圧力容器が地震で破壊されたという記事が出てきました。
http://www.47news.jp/CN/201105/CN2011052501001193.html
地震直後、圧力容器破損か 福島第1原発1号機
 東京電力福島第1原発事故で、東日本大震災の地震発生直後に1号機の原子炉圧力容器か付随する配管の一部が破損し、圧力容器を取り囲む原子炉格納容器に蒸気が漏れ出ていた可能性を示すデータが東電公表資料に含まれていることが25日、分かった。
 1号機への揺れは耐震設計の基準値を下回っていたとみられ、原子炉の閉じ込め機能の中枢である圧力容器が地震で破損したとすれば、全国の原発で耐震設計の見直しが迫られそうだ。
 格納容器の温度データを記録したグラフでは、3月11日の地震直後に1号機の格納容器で温度と圧力が瞬間的に急上昇していたことが見て取れる。1号機では温度上昇の直後に、格納容器を冷却するシステム2系統が起動し、格納容器内に大量の水が注がれた。
 データを分析した元原発設計技師の田中三彦氏は「圧力容器か容器につながる配管の一部が破損し、格納容器に高温の蒸気が漏れたようだ」と語った。
 東電は「空調の停止に伴う温度上昇。破断による急上昇は認められない」としているが、田中氏は「空調の停止なら、もっと緩やかな上がり方をするはずだ」と指摘している。
2011/05/26 01:16 【共同通信】


実際の加速度などは、東京電力がプレスで発表しています。
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu11_j/images/110516q.pdf より
2011052601.jpg
 いずれも基準振動内に収まっています。

 津波が起きて、冷却がうまくいかなくなり、水素爆発までは理解できます。しかし、その後の復旧にあまりに時間がかかりすぎです。原子炉には無数の配管がつながれており、私が収束案でかいた(たとえば、復水器の水を循環させるなど)方法など、思いつかないはずがないのです。

 それなのに、こんなに時間がかかる・・というか、通常の方法ではもう収束できず、燃料の取り出しも事実上出来なくなったということは、原子炉そのものに重大な不具合が起きる以外には、わたしにとっては考えられないのです。

 高レベルの放射能を含んだ原子炉水蒸気が、タービン建屋までながれ、さらに大きなループで原子炉に戻っていく。そのいずれかが破綻しただけで、放射能が漏れ出してしまう・・沸騰水型原子炉の設計限界です。

 もう、デスクワークだけの専門家、政治家に口を出させている場合ではありません。そのたびに、現場の作業がストップしてしまいます。すべての権限を現場に移行しないかぎり(ロシアの専門家も現地にいてもらう)、収束までは持って行けず、国土がどんどんと毀損されるまま。日本の復興がいつまでたっても始まりません。非常に強い危機感を持っています。

 事故の原因を追及するのも大事ですが、今はとりあえず全力で事故を収束させること。お願いします。もうこのままでは、日本がなくなってしまいます。
タグ:1F
posted by いんちょう at 12:37 | 原子力

2011年05月25日

つながってきた点と点(2号機 1000mSv/hr汚染水)

 まず記事を時系列に列挙していきます。

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110525k0000m040135000c.html
福島第1原発:1号機と2号機の格納容器に穴の可能性
福島第1原発の現状と東京電力による解析結果※カッコ内は地震発生後の時間 東京電力が24日公表した福島第1原発2、3号機で炉心溶融があったとする報告書の中で、1号機は原子炉圧力容器の外側にある格納容器に直径7センチ相当の穴、2号機では格納容器に直径10センチ相当の複数の穴が開いている可能性が初めて示された。東電は炉心溶融による2、3号機の圧力容器の損傷について「限定的」としているが、高濃度の汚染水がタービン建屋に漏れ出すなど、圧力容器やその外側の格納容器の健全性は元々疑問視されていた。東日本大震災から2カ月半。対応に問題はなかったのか。事故収束に向けた工程表の履行も危ぶまれる。【平野光芳、八田浩輔、久野華代】

毎日新聞 2011年5月25日 2時30分(最終更新 5月25日 12時57分)

 本日のニュース。ついに原子炉圧力容器だけでなく、格納容器まで損傷されていることを公式に認めました。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110414-OYT1T00938.htm
溶融燃料「粒子状、冷えて蓄積」1〜3号機分析
 注水冷却が続けられている東京電力福島第一原子力発電所1〜3号機について、日本原子力学会の原子力安全調査専門委員会は14日、原子炉などの現状を分析した結果をまとめた。
 3基は核燃料の一部溶融が指摘されているが、専門委は「溶融した燃料は細かい粒子状になり、圧力容器の下部にたまって冷えている」との見解を示した。
 専門委では、東電や経済産業省原子力安全・保安院などが公表したデータをもとに、原子炉の状態を分析した。
 それによると、圧力容器内の燃料棒は、3号機では冷却水で冠水しているが、1、2号機は一部が露出している。1〜3号機の燃料棒はいずれも損傷し、一部が溶け落ちている。溶融した核燃料は、冷却水と接触して数ミリ以下の細かい粒子に崩れ、燃料棒の支持板や圧力容器下部に冷えて積もっていると推定している。これは、圧力容器下部の水温が低いこととも合致している。沢田隆・原子力学会副会長は「外部に出た汚染水にも、粒子状の溶融燃料が混じっていると思われる」と説明した。
(2011年4月14日22時44分 読売新聞)


 このニュース見逃していましたが、汚染水にも溶融燃料が混じっていると認めています。

元記事が消去されていますので、ブログから
http://adhocrat.net/adhocblog/2011/03/post-910.html
<2号機の水、放射能濃度1000万倍 保安院「核分裂継続か」
 東京電力福島第1原子力発電所の2号機地下にたまった水の放射性物質(放射能)濃度が通常の1000万倍に達したことは、2号機の損傷の深刻さとともに、原子炉で核分裂反応が続いている可能性を示すものだ。
 ............
 これほどの数値が出たのは、14日に炉心の水位が下がって空だき状態となり、燃料棒が激しく損傷したためとみられる。汚染された水が配管を通じてタービン建屋に流れ、継ぎ目などから漏れた公算が大きく、京都大原子炉実験所の宇根崎博信教授は「炉心はかなりシビアな状態」と話す。
 水には核分裂反応で生じる放射性のヨウ素やセシウムが含まれていた。原子炉内には震災直後に核分裂を止める制御棒が入れられたが、「すぐに核分裂反応を止められるわけではない。核分裂はペースを落としながらも続いているとみられる」(経済産業省原子力安全・保安院)とされる。>(<2号機の水、放射能濃度1000万倍 保安院「核分裂継続か」/msn 産経ニュース/2011.3.27 20:24>)


 半減期の短いヨウ素、セシウムが含まれていると最初に発表


(4) <福島第1原発:2号機 安全委がデータ誤りの可能性を指摘
 東電福島第1原発2号機のタービン建屋地下の水たまりから通常の1000万倍もの高濃度の放射性物質が検出されたことについて、内閣府原子力安全委員会は27日、データが誤っている疑いがあるとして東電に再測定を指示した。同日夜会見した代谷誠治委員は「核分裂反応が起きているなら出るはずの他の放射性物質が検出されておらず理解できない。測定が正確でないのではないか」と述べた。【山田大輔】>(<福島第1原発:2号機 安全委がデータ誤りの可能性を指摘/毎日jp/2011年3月27日 20時35分>)

 これに対して、原子力安全委員会が、疑義を投げていますが、今となっていれば赤字のところが正しく、汚染水中で核分裂反応が起きていたことを示しています。そうでなければ、1000mSv/hrを超える線量にはならないはずです(そう考えると、3号機1000mSv/h瓦礫の問題の答えがわかるような)学者の意見であって、現場を知らない人が言いそうなきれい事(ちょっとでも放射能をかじった人には、だまされた人はいないでしょう。)

 しぶしぶ、東京電力が悪者になります。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2011-03-28/2011032801_02_1.html
2011年3月28日(月)「しんぶん赤旗」
2号機 たまり水1000ミリシーベルト超
東電 「1000万倍」の発表訂正
 東電は27日午前、2号機のタービン建屋地下のたまり水に含まれている放射能の濃度は、通常運転の原子炉内の水の約1000万倍に上ると発表しました。半減期が約53分のヨウ素134の濃度が水1立方センチ当たり29億ベクレルあったとしていました。

 しかし、夜9時になって、半減期が約77日のコバルト56とヨウ素134を取り違えたとして午前中の発表は誤りだったと説明。水1立方センチ当たりの放射能濃度は、通常運転中の原子炉の水の10万倍になると訂正しました。東電は再調査を進めています。

 放射性物質に詳しい専門家は、「運転を停止しているのに半減期が約53分のヨウ素134の濃度が29億ベクレルとなったら、異常な事態だと考え、間違いである可能性も含め、その理由をいろいろ考えるはずなのに、検討もせず発表してしまうのはお粗末としかいいようがない」と批判しています。


 そもそも測定のプロが、ヨウ素134とコバルト56なんかを取り違えるはずがありません。これは、是非生データを出してもらわないといけませんし、測定機器も公開すべきです。ここにでている「放射性物質に詳しい専門家」 というのは、自分で機器を扱ったことのない、デスクワークの人だと断言できます。おそらく、どこかの原子力推進派の教授でしょう。自分の不明を恥じてください。

 何らかの情報操作のために、東京電力がばばを引かされたよい事例だと思われます。
タグ:1F
posted by いんちょう at 20:17 | 原子力

1-3号機メルトダウン報道について

.福島第1原発 1号機と2号機の格納容器に穴の可能性
毎日新聞 5月25日(水)2時31分配信
 東京電力が24日公表した福島第1原発2、3号機で炉心溶融があったとする報告書の中で、1号機は原子炉圧力容器の外側にある格納容器に直径7センチ相当の穴、2号機では格納容器に直径10センチ相当の複数の穴が開いている可能性が初めて示された。東電は炉心溶融による2、3号機の圧力容器の損傷について「限定的」としているが、高濃度の汚染水がタービン建屋に漏れ出すなど、圧力容器やその外側の格納容器の健全性は元々疑問視されていた。東日本大震災から2カ月半。対応に問題はなかったのか。事故収束に向けた工程表の履行も危ぶまれる。【平野光芳、八田浩輔、久野華代】

2011052502.jpg
 メルトダウンは、冷却材喪失事故(Loss of Coolant Accident LOCA) と発表した時点で、確定しています。

・・・武藤副社長が海水注入の時に、「水位計は、ダウンスケール」とはなしていますので、その時点で少なくとも東京電力技術者たちは、想定。および、国内外の専門家たちも原子力史上最大の事故(複数炉心でのメルトダウン)が起きたと考え、おそらくレベル7以上(レベル7より上はいまのところありませんが)の最悪事態と判定しています。さらに3号機の爆発。停止していたはずの4号機で爆発が起こり、こんどは炉心以外に、核燃料が全く無防備(水以外の遮蔽物がない)で保管されている燃料プールの存在に注目が集まりました。
 米国の規制委員会が注目しています。

 これが、3月15日までの専門家の分析のはずです。正式発表するには、それを裏付けるデータがない限り流言飛語として、取り締まりを受けていたことでしょう。本来は、様々な意見があってしかるべきで、それから取捨選択していく能力がこの情報過多時代には求められているにもかかわらず、報道統制をしようとしていました。

 この報道も、IAEAの査察が本日から始まったのと関連しているのでしょう。

おそらく、現場はこんな感じだったかと・・
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ゴルゴ13 (64)海難審判・10月革命の子・2万5千年の荒野 (SPコミックス)より
タグ:1F
posted by いんちょう at 06:42 | 原子力

チェルノブイリでは強制移住

2011/05/25 (熊日朝刊から)
2011052501.jpg

 IAEAの調査が始まったからでしょう、ようやく正確なデータが発表される用になりました。


<チェルノブイリ>
    (強制避難エリア):148万Bq/m2(MBq/km2)
第一区分(強制移住エリア):55万5千-148万Bq/m2(MBq/km2)
第二区分(補償つき任意移住エリア):18万5千-55万5千ベクレル/m2(MBq/km2)
第三区分(放射線管理エリア):3万7千 - 18万5千Bq/m2(MBq/km2)

チェルノブイリの強制移住基準が、やや中途半端な印象を受けます。が、当時の単位で考えますと・・・
※Ci(キュリー)=37000MBq(MBqは百万ベクレル)
<チェルノブイリ>
強制避難エリア 40Ci/km以上
第一区分(強制移住エリア):15Ci以上/km2
第二区分(補償つき任意移住エリア):5-15Ci/km2
第三区分(放射線管理エリア):1-5Ci/km2

 But the former Soviet Union used a lower cutoff − 5 millisieverts per year − in eventually offering resettlement to people near the Chernobyl reactors in 1986.

 「チェルノブイリ」事故による移住、つまり避難の基準は、年間5ミリシーベルト!

とすべての値がすっきりします。

すなわち、15Ci/km2 = 555,000Bq/m2 以上が強制移住対象となったのです。

ちなみに、米国の避難勧告80km は 50 マイル とやはり きりのいい数字です。

文科省は「チェルノブイリ事故と、避難などの基準は単純に比較できない。」

と話しています。それは、そうでしょう。日本の公式発表は、すべて Bq/kg というまやかしでやってきていたわけで、いまさら国際標準に戻せといわれても、困るというのが本音なのです。
(追記)
・チェルノブイリは、>5mSv/y で強制退去
・日本は、 <20mSv/y なら問題ない
・土壌を改良(くさいものにふた方式)が大事
という結論。国際的に通用するのでしょうか?私には多いに疑問です。

(参考)
放射線従事者の基準

 この汚染データは、3月の下旬から発表されており(飯舘村)、原子力推進派のIAEAでさえ、強制移住が必要と発表していました。(もちろん、政府も発表しています)

2011.3.31 12:34 (1/4ページ)
 枝野幸男官房長官が31日午前11時から首相官邸で開いた記者会見の詳報は以下の通り。
【IAEA調査】
 −−IAEA(国際原子力機関)が福島県飯舘村に放射性物質の濃度調査に入って、IAEAの基準だと、避難の値を超えていて、避難勧告を出すよう日本政府に伝えたということだが、どう対応するか
 「IAEAの土壌調査の中に、IAEAの基準の一つを超過するものがあったという報告と、その状況を踏まえて状況を慎重に把握するよう助言があったということだ。当該周辺含めて、この間、大気中の放射線量についての継続的なモニタリングも行ってきているので、今回の土壌についてのIAEAのモニタリングの結果も踏まえながら、さらに精緻(せいち)なモニタリングを行っていかなければならないと考えている」


 あのソビエトでさえ、早急に行った強制避難が全く出来ていない。しかも、IAEAから勧告を受けたのに事実上無視。誰のための、そしてなんのための政府なのでしょうか。

 今回のIAEA査察が、いろいろと明らかにしてくれることを願います。(思いもよらない発表が、連続するはずです。)

 原子力安全保安院に問い合わせて、メンバーの一覧を国際室からFAXしてもらいました。(プレスには発表しているが、ホームページの公開はしていないとのことでした)
公式にはこの方々が査察に来られているようです。
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経験者が正しい(2011.5.25 17:15追記)
 どのような分野にも当てはまりますが、一番詳しいのが、現場で作業をしている人、一番始末に負えないのが、デスクワークだけしている人。

 旧ソビエトは、1957年にウラル核惨事をおこし、1965年にはチャガン湖を核実験で作りました。いわば、核被爆の実験をさんざんやってきたのです。
 チェルノブイリ事故は、それから20年後。実際にいろいろなデータを蓄積した上で、出来うる限りの最大限の避難をさせたのだと思われます。

 また、米国も核被爆の実験は、米兵を使ってさんざんやっています。・・・ 冷戦時代の核戦争をご覧ください。

 いわば、実地で体験しているのです。

 翻って日本はどうでしょうか?

一般市民に核爆弾が使われたのは、世界中で日本だけです。たくさんの方たちが被害を受けました。しかし、それは弱い被害者の立場で、国家的な事業で被曝救済をしたわけでもなく、個別の医師が手探りで診察結果をまとめていっただけなのです。どの人が、どれだけの被曝をしたのかの資料もありませんでした。

 今回、あからさまにはいっておりませんが、文科省は、
「ソビエトの避難区域は、おおげさ。」
といっています。

 核被爆の経験者である超大国の経験を軽んずるとは、いったいどういう了見なのでしょう?


http://onihutari.blog60.fc2.com/blog-entry-50.html より
Bq/kgとBq/m2の換算方法
単位が1キログラムあたりのベクレル数なので、これを平方メートルに換算して比較することは厳密には難しい。ただしいろいろ調べたところ、今中哲二氏が検討したことがある20倍にする方式と、安全委員会が文部科学省データについて回答したという65倍にする方式とがあるようなので、参考までに両方の方式で換算してみた。(※換算方法は採取した土の深さや土の質量によって違ってくるようです。農林水産省のように15cmくらいまで採取する場合はキログラムあたりの値が極端に小さくなりますので150倍にする方式で換算しないといけません)
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posted by いんちょう at 06:33 | 原子力

2011年05月24日

堤防は、津波対策になり得ない

 福島原発の災害で、津波対策がクローズアップされています。
今回は、浜岡で計画されている堤防(各発電所共通だと思います)について、論評します。

まず、中部電力の資料から抜粋
http://www.chuden.co.jp/energy/hamaoka/hama_info/hinf_topics/__icsFiles/afieldfile/2011/03/15/230315taiheiyouokijisin.pdf
2011052401.jpg

砂丘と発電所の間に堤防を作る。

さて、昨日中部電力に電話して設置場所を確認したところ、取水口と原子炉建屋の間に立てるということでした。そうしますと、おそらく下図の場所になるのでしょう。
2011052402.jpg

これでは、まったく津波対策にはなりません。なぜか。

取水槽にに注目してください。ここは、海にある取水棟と取水トンネルでつながっています。もし、今回の大震災のような20−30分にわたる津波が押し寄せたとしましょう。

・・・

・サイホンの原理で、取水槽から水があふれてきます。
・非常に長周期の津波ですから取水槽をぬけて、堤防内に海水があふれ出します。
・20分以上たったときには、おそらく堤防の外と同じ水位になります(流体力学は苦手でしたので、定量的には計算は出来ない。)

・・つまり、堤防があってもなくても、最終的に海水面は津波と同じ高さになる

 これからがさらに悲惨。引き潮になると、どっと水は海に流れ出しますが、今度は堤防が邪魔になって(堤防が崩壊すれば別ですが)なかなか水位が低下しない。さらに海水ポンプの損傷が続く。

 つまり、ここに堤防を作るだけでは、百害あって一利なし。なんの意味もないのです。もし、どうしても堤防を作って、津波を避ける場合には、取水トンネルに水門を作る必要がありますが、原子炉冷却のためには海水を欠くことは一時も出来ないのです。すなわち不可能。

 仮に、取水槽に水門を作ったとしましょう。今度は、この水門の信頼性が大変問題になります。なぜなら、どうもないときに水門が閉鎖でもされたら、福島のように何も起きていないのに原子炉が爆発します。

 堤防では、不可能なので、津波対策をどうしてもやりたい場合は、原子炉周り、タービン周りにすべで盛り土をするしかありません(女川原発の状況です)。が、この場合は、機器搬入口の問題が出てきます。

 さらに悪いことに、大規模な地震だけが起きて堤防が決壊し、取水トンネル(当然このトンネルを横切ります)あるいは、取水槽を破壊してしまえば、これまた海水冷却が不可能となります。

  これで、どうして対策になるというのでしょうか?

こういうのを浅知恵というのではありませんか?サイホンの原理など、みんな知っているはずです。

 中部電力、他電力におつとめの電力会社の方々、このような小手先の検討で対策を考えているのがあなたの会社の中にある原子力村の実態なのですよ。ほんとうにいいのですか?

 もし、間違いがあるのでしたら、ご指摘ください。

 このような堤防を作るのは、全くもってお金の無駄であるだけでなく、原子力発電所の信頼性をいまよりもさらに悪くするだけです。

 この計画を聞いたときには、怒りに震えました。

 すみません、口が過ぎました。是非とも、皆さん拡散してください。

 よく見ますと、現状でも砂丘を越えないまでも、原子力発電所敷地のたかさ(TP6-8m)より高い津波が来ますと、同じくサイホンの原理で、取水槽から海水があふれてきます。
 当然、この評価(たとえばT.P. 12-15m)の津波が20分程度継続した場合の、機器の水没の状況、海水ポンプの健全性が保たれるのかの評価は行われているのですよね?

(参考)
http://www.47news.jp/CN/201105/CN2011051201000815.html
沖合で波高1m以上、20分続く 津波で大規模浸水の原因
 波浪計は3月11日午後3時12分に最大6・7メートルの津波を観測しているが、その前後約20分間にわたり津波は高さ1メートル以上を維持。陸に接近した時点ではさらに高さを増していたとみられる。
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posted by いんちょう at 17:31 | 原子力

2011年05月23日

電力社員を味方にしよう

 原子力発電所で、まさかの災害が起きて2ヶ月。

http://sankei.jp.msn.com/economy/topics/economy-14663-t1.htm
東電株334円、上場来安値を更新 賠償金未知数で売られる
2011.5.23 15:29
 週明け23日の東京株式市場で、東京電力株が反落した。終値は前週末比33円安の334円となり、終値としては震災後の最安値だった4月6日の337円を下回り、終値での上場来安値を更新した。
 前週末に1兆2千億円を超える巨額の最終赤字を発表したが、賠償金負担などについては盛り込まれていなかった。このため、「損害賠償も原発問題の行方次第でどの程度まで膨らむのか未知数である上、もちろん新たな買い材料もない」(大手証券)ことが、投資家の売りを誘った。
 東電の株価は震災前の2000円台から急落し、4月6日の取引時間中には292円をつけた。決算発表での悪材料出尽くしとはならず、「再び300円割れも視野に入ってきた」(同)との指摘も出ている。

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 東京電力は日本の首都にありますので、世界的に活躍している会社がほかにたくさんあります。首都圏では、東京電力社員の立場は、じつのところそれほどうらやましいものではありません。
 が、東京以外に行くとどうでしょう。その地方の最有力企業で、全員が就職するのにあこがれるといっても過言ではない状態だったと思いますし、今でもそうでしょう。

 そのなかでも九州電力、中国電力、四国電力、北陸電力、北海道電力の管轄地方での経済界での立場たるやほかに匹敵するものがないといっても過言ではありませんし、それは電力会社社員も十二分にわかっています。

 今回の東電の事故をみて一番震え上がったのはいったいだれでしょう。実は他電力社員たちなのです。もし、地震、津波あるいは想定外のことが起きて原発に万が一のことがあれば、今までの優越的な地位は霧散、逆に憎悪の対象となってしまい、会社自体がなくなってしまうかもしれない。その恐れは、われわれ一般国民よりも遙かに大きいのは間違いありません。(ピンからキリですから・・・)

 原子力発電所は、原子力村と呼ばれているのはご承知の通り。電力会社内でもアンタッチャブル。原子力部門が安全といえば、「安全」と認めるしかない。(原子力部門以外の社員は、普通の方々と同じレベルで原子力発電を理解しています)疑うことは許されないのです。(とくに電力会社の社員はおとなしい人が多いですから)

 こういった原子力に関係していない電力社員(送配電、火力、水力、営業所の方たち)に、このまま続けると 東京電力と 同じことになってしまいますよ。

と警告し続けることが大事なのだろうと私は思います。

 本日は、中部電力の広報部門に電話しました。
・浜岡5号のプレスリリースが、TOP画面からはアクセスできない。

 早急に見直しますとのことでした。

 あとは、この広報の方に私が懸念する浜岡原発の欠陥点を指摘して(私の話に的確なコメントをされていましたので、原子力の勉強もされておられると思います)、返答はいらないといって、次のように話しました。

「浜岡は本当に危険です。このまま運転再開して、地震などが起きますとすべてをなくしますよ。それでよいのですか?」

とお話ししました。

 電力会社社員も決して一枚岩ではありません。対立などせず自分の言葉で、対話を続けてください。きっとあなたの言葉に頷いてくれるはずです。
タグ:O
posted by いんちょう at 17:12 | 原子力

コントロールできてない福島第一原発の放射性物質の総量

 英語は苦手ですが、情報収集のために下記サイトを時々チェックしています。

http://www.fairewinds.com/

このなかに、
http://www.fairewinds.com/content/how-did-general-electric-ge-mark-1-bwr-reactors-end-creating-such-world-wide-tragedy
というスライドがあります。BWRの系統から、主要機器の写真までありなかなかわかりやすい。名前は知っていたが、こんな構造だったのかとべんきょうになりました。(たとば、燃料プールのスキマーサージタンク)RCICは直接メンテナンスを担当していたので、懐かしく眺めました(実は、非常にちんけなポンプ。スライドp.38をご覧ください)

ここから一枚のスライド
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福島第一1−3号機、および1−4号機燃料プールにある核燃料の総量は、今まであったすべての原発事故の総量よりも多い

 これが、今回の災害のキモだと私は思います。

 現在運転中の原子力発電所の燃料プールは、ただちに空にして、多重災害を防止する必要があるのです。(どんな発電所であれ)

 米国の規制委員会は、この問題を討論しているようですが、日本の規制当局が話し合っているような様子は、少なくとも私にはうかがえません。非常用発電機、津波、地震などは、その後(使用済燃料を片付けてから)の話なのです。
タグ:s 1F
posted by いんちょう at 15:37 | 原子力

2011/05/24-25 放射能拡散予想

 福島原発からは、現在どの程度の放射能が出ているのでしょうか。政府が発表していないためわかりません。したがいまして、下に示す拡散予想は、参考程度に。

http://www.dwd.de/bvbw/appmanager/bvbw/dwdwwwDesktop?_nfpb=true&_windowLabel=T178400415551302522764483&_state=maximized&_pageLabel=dwdwww_start
(上の日本語訳)
http://www.witheyesclosed.net/post/4169481471/dwd0329

2011/05/24 21:00(JST=UTC+9:00)
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2011/05/25 21:00(JST)
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2011/05/23 9:00 - 2011/05/25 21:00 までの拡散予想
2011052303.gif

 本日から全国的にしばらく雨のようです。雨にあまり当たらないよう、そして子供をあまり外で遊ばせないようご注意ください。

 再度書いておきますが、

・福島の飛散量は、3月のはじめに比べれば、ずいぶん減っています。
・放射能は、すぐに地上に落ちてくるわけではありません。(空中で漂っている時間がかなりあります)
・これは、放射能拡散の試算です。判断は、ご自分でよろしくお願いいたします

(日本気象協会は、発表を学会として禁止しています)
タグ:P
posted by いんちょう at 06:29 | 原子力

2011年05月22日

1000mSv/hrのがれき

 東京電力の海外向けプレス写真集より
http://www.tepco.co.jp/en/news/110311/
1000mSv/hrのがれき写真
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やや遠景
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http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110521/t10013028941000.html
放射線量高いがれき見つかる
5月21日 15時41分
東京電力福島第一原子力発電所の3号機の南側で、これまでに屋外で見つかったがれきのなかで最も高い1時間当たり1000ミリシーベルトの放射線量を出すがれきが見つかり、東京電力は水素爆発の際に放射性物質が付着したとみて、慎重に撤去することにしています。

東京電力によりますと、このがれきは、20日、敷地内の放射線量の測定をしている作業員が福島第一原発3号機の南側で見つけたもので、1時間当たり1000ミリシーベルトの放射線量が計測されました。施設の周辺の屋外では、先月20日、1時間当たり900ミリシーベルトの放射線量を出すがれきが見つかっていますが、今回見つかったがれきはそれを上回るもので、東京電力は水素爆発の際に放射性物質が付着したとみています。がれきの近くには、3号機の燃料プールに水を送るコンクリートポンプ車が置かれていますが、東京電力は運転席などで作業するには問題ないとしており、今月25日以降、重機を使って慎重にがれきを取り除きたいとしています。


以前紹介した3号機南側
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この写真の右下に当たると思われます。(発表は正しいと思います)

5月6日の線量マップ(該当部付近)
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この時点では、最大300mSv/hr

格納容器が健全と発表されている3号機で、コンクリート自体にこんな高線量があるとは思えません。
高線量のある放射性物質で、このすぐ近くにあるのは何か?を考えると自然に答えは出そうな気がします。(東京電力、政府は知っているはずです)

 いったいこのがれきの正体はなんですか?
タグ:1F
posted by いんちょう at 21:15 | 原子力

株価からみる原子力災害の影響

まず、3月11日の株式欄から
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地震が起きたのが、マーケットの閉まる15分前。嵐の前の静けさ。

5月20日の株式欄から
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電力株だけ、黒くなっている(年初来安値)のがわかります。

では、電力だけみてみましょうか。

3月11日
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5月20日
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 もし,かり3ヶ月前に私がこの株価を見る機会があったら、こう考えるでしょう。
・ガス会社に取り立てて変動がないところをみると、戦争などの要因は考えられない。ある地域で何かがあったに違いない。
・東京電力の株価は、間違いではないのか?もし、間違いでなかったとしたら、会社存続に関わる問題が起きたと考えられる。沖縄電力だけ、低下が激しくないことを考えると、それは原子力災害だろう
・東北電力も1000円を切っている。逆に北陸電力は1300円台であることを考えると、北陸電力管轄の柏崎刈羽原子力発電所ではなく、東北電力管轄の福島第一あるいは、第二原子力発電所で大規模な放射能漏れが起きたのだろう。
・中国電力もかなり下がっていることは、東電、中部、中国、東北が持っているの沸騰水型原子炉でおきたことのサポートとなる

 事故を起こしていない電力会社の経営も急速に悪化しています。なにかおきたら、すべてだめになってしまう発電所をこれらかも運営を続けたいと思っているのでしょうか?起債、銀行借り入れなども困難になっているという報道もあります。(老後の資金を預けられますか?)

 断片的なピースから、未来を予測するおもしろい映画があります。

http://www.chou-jimaku.com/pc/titles/products/chj_pa_00055/
ペイチェック 消された記憶
19個のアイテムの謎を解き、消された記憶を取り戻せ!
情報化社会が進んだ近未来。コンピュータ・エンジニアのマイケル・ジェニングス(ベン・アフレック)は、数々のハイテク企業の極秘プロジェクトで荒稼ぎをしていた。
しかし、報酬の代償は記憶の抹消。機密保持のため、仕事が完了する度にその間の記憶は消去される契約だった。そんなある日、ジェニングスはケタはずれの高額報酬である巨大企業の仕事を引き受ける事になる。――そして3年後。仕事を終えた彼が手にしたのは、報酬を辞退する自筆サイン入りの誓約書と、19個のガラクタだけだった。いったい何があったのか? 19個のアイテムを手に、消された記憶をたどるジェニングスの戦いが始まる――!


 謎解きの過程が、非常におもしろくはまりました。
タグ:O
posted by いんちょう at 10:29 | 原子力

10万アクセスを超えました

 ブログを参照していただきありがとうございます。
このブログは、2009.4.24に雑談として開始いたしました。

 草gさんの逮捕を扱っていますね。のんびりした時代です。

いちど、病院で取材を受けたこともあります。2009.9.5 私の履歴をご覧いただくには、一番手短かも・・・なお、この時よりも-10kgですので、顔は変わっています目

 ブログの宣伝は特にしていないのですが、2ch, twitterなどを参照され、直接アクセスされてこられる方が多いようです。ちょっとこれまでのアクセス歴をまとめてみます。

3月11日までは、一日訪問者は、50名程度
3月下旬で、300名ほど
4月29日20時より急に増加して、1000名程度

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 ブログ内容転載は、引用元を明示した上でお願いいたします。(許可は必要ありません)

 ひとりごと ですので、コメントは受け付けておりません。ご了承ください。
タグ:Z s
posted by いんちょう at 08:20 | 日記

100mSv安全宣言(by 原子力安全委員会)、SPEEDI、海水中断について

http://www.nsc.go.jp/info/20110520.html

低線量放射線の健康影響について
平成23年5月20日
原子力安全委員会事務局
標記に関する原子力安全委員会の考え方について説明いたします。
 放射線の健康影響は、「確定的影響」と「確率的影響」に分類されます。
 「確定的影響」は、比較的高い線量を短時間に受けた場合に現れる身体影響で、ある線量(閾値)を超えると現れるとされています。比較的低い線量で現れる確定的影響として、男性の一時不妊(閾値は0.15Gy、ガンマ線で150mSv相当)や、リンパ球の減少(閾値は0.5Gy、ガンマ線で500mSv相当)があります。100mSv以下では確定的影響は現れないと考えられます。
 一方、「確率的影響」には、被ばくから一定の期間を経た後にある確率で、固形がん、白血病等を発症することが含まれます。がんのリスクの評価は、疫学的手法によるものが基礎となっています。広島や長崎で原子爆弾に起因する放射線を受けた方々の追跡調査の結果からは、100mSvを超える被ばく線量では被ばく量とその影響の発生率との間に比例性があると認められております。一方、100mSv以下の被ばく線量では、がんリスクが見込まれるものの、統計的な不確かさが大きく疫学的手法によってがん等の確率的影響のリスクを直接明らかに示すことはできない、とされております。このように、100mSv以下の被ばく線量による確率的影響の存在は見込まれるものの不確かさがあります。
 そこでICRPは、100mSv以下の被ばく線量域を含め、線量とその影響の発生率に比例関係があるというモデルに基づいて放射線防護を行うことを推奨しております。また、このモデルに基づく全世代を通じたがんのリスク係数を示しております。それは100mSvあたり0.0055(100mSvの被ばくはがん死亡のリスクを0.55%上乗せする。)に相当します。
 2009年の日本人のがん死亡率は約20%(がん罹患率(2005年)は約50%)で、年々変動しております。また、地域毎、がんの種別毎のがん死亡率の変動もあります。100mSvの被ばくによるがん死亡率は、その変動の範囲の中にあるとも言えます。
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出典 : ICRP Publ.103 国際放射線防護委員会の2007年勧告 国際放射線防護委員会
     放射線と線源の影響 2000年報告書、原子放射線の影響に関する国連科学委員会
     放射線と線源の影響 2006年報告書、原子放射線の影響に関する国連科学委員会
     がんの統計'10 (財)がん研究振興財団


直接論評する前に

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110520/plc11052011390012-n1.htm
「SPEEDI」 首相が自分の安全確保で利用との見方に枝野氏反論
2011.5.20 11:37
 枝野幸男官房長官は20日午前の記者会見で、東京電力福島第1原発事故が発生した直後の3月12日未明に、国の緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の予測図が首相官邸に送られていたことを明らかにした。
 ただ予測図は菅直人首相だけでなく枝野氏や福山哲郎官房副長官、危機管理センター幹部に届かず、「官邸の担当部局に(原子力安全・保安院からの)ファクスは来ていたがその段階で止まっていた」と強調。


 あの緊急時に、保安院のファックスを誰も確認しなかったとのこと。むしろそちらの方が問題。水素爆発を日本で一番早くわかっていた斑目委員長は、SPEEDIのことを助言しなかったのでしょうか?

http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4731045.html
 「海水注入の事実そのものを官邸としては全く把握をしていなかった。総理も海江田大臣も水を止めるということについては指示をしていない」(細野豪志首相補佐官)
 福島第一原発1号機への海水の注入は、3月12日の午後7時4分から始められ、7時25分に中断。その後、8時20分に再開されました。
 この間の経緯について、原発事故統合本部は、「海水の注入開始自体が官邸には報告されていなかった」として、官邸の指示で止めることは起こり得なかったとの認識を示しました。
 その上で、当時官邸では、原子力安全委員会の斑目委員長から、海水を注入した場合「再臨界の危険性がある」との意見が出され、これを聞いた東電の担当者が本社に伝えたことから注水の停止につながった、と説明しました。
 「少なくとも私の指示で再臨界の危険があるからやめた方がいいという発言は絶対しないと思います。もしそれをしていたら、私がいかに原子力の知識がないかということになってしまう」(班目春樹原子力安全委員長)
 しかし、斑目委員長自身は21日夜、JNNの取材に対し、統合本部の説明を真っ向から否定していて、官邸の指示で海水注入を停止したという関係者の話に加え、新たに食い違いが表面化しています。(21日23:31)


ご自分で認められたようです。斑目氏は「いかに原子力の知識がないか」ということを今まで、さんざん証明されてこられました。首相単独でこんなことを決定するとはおもえません(しかし、責任はその助言を聞いた実行者にあります)あるいは、何らかの老人特有の症状が出ているのかもしれないです。

 いつまで、こんな責任のなすりつけあいをしているのでしょうか。事故は全く収束していないのですよ。本当に現場がかわいそうです。しかも出てきたいいわけが・・・・私には信じられないのですが・・・

 さて、本題。ついに原子力安全委員会は、一般公衆においても100mSvまで特に問題ないと発表しました。

 反対に下記の記事

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110428-OYT1T00980.htm
累積100ミリシーベルト超で原発作業5年不可
 厚生労働省は28日、東京電力福島第一原子力発電所の緊急作業で累積被曝(ひばく)線量が100ミリ・シーベルトを超えた作業員は、同原発での作業期間を含む5年間、他の原発などでの放射線業務に従事させないよう、全国の労働局に通達した。
 作業員の被曝線量の積算方法については、東電側と厚労省に解釈の違いがあり、同省が改めて見解を示した形だ。
 労働安全衛生法に基づく規則では、原発作業員の通常時の累積被曝限度は5年間で100ミリ・シーベルト、かつ1年間で50ミリ・シーベルトを超えてはならない、と定めている。一方、緊急時の限度を定めた別の条文では「通常時の限度にかかわらず、放射線を受けさせることができる」とも書かれているが、緊急時の被曝線量を通常時の基準に従って累積させるかどうかは、明記していない。東電ではこれまで、福島第一原発での作業で浴びた被曝線量は「5年間で累積100ミリ・シーベルトという上限とは、別枠だと考えている」(松本純一・原子力立地本部長代理)と説明してきた。
(2011年4月29日03時03分 読売新聞)


 このように、放射線従事者でさえ、
・50mSv/ year
・100mSv/ 5year

という基準なのです。今回、原子力安全委員会は、100mSvまで安全といっておりますが、これはもちろん生涯でという事なのですよね?あんまりはっきりしませんが。。

 以前も書きましたが、私が福島第二原子力発電所につとめました約5年の間の通算被曝量は、0.2mSvもないのです。(放射線管理手帳をなくしてしまい、正確な値はわかりません)

 原子力安全委員会のこの文書は、生涯で100mSvを超えると確定的な危険があるということを指摘しています。すくなくとも、一般公衆が放射線従事者よりも被曝していいわけはありません。

 いったい何のための文章なのでしょうか?また、この文章をお読みになった方々も、100mSv/年と読まれずに、100mSv/生涯 としっかり認識されますようお願いいたします。(放射能被曝は、蓄積します。1年たてば、クリアされるというものではありません)

・・・安全委員会も、この見解を認めました。(詳しくは、追記をご覧ください)2011.5.23 12:00改訂

ゴルゴ13 に 2万5千年の荒野 という話があります。
ゴルゴ13 (64)海難審判・10月革命の子・2万5千年の荒野 (SPコミックス)
放射能被爆問題も書かれており、中身もおおむね正しい。(ただし、加圧水型原発。スリーマイル島の事故をモチーフにしていると思われます)このコミックスのゴルゴ13のワーストストーリとなっている感じを受けます。必読です。

(どうも、書棚から見あたらないので、再度頼んでしまいました)原子力安全委員会に電話(やはり生涯です)
タグ:s R
posted by いんちょう at 06:06 | 原子力

2011年05月21日

遅れてしまった立ち入り禁止区域の設定

4月1日の熊日
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この記事から、
・3月24-25日くらいに、福島第一原発5キロ地点に戻った。
・いわき市で警官に止められたが、説得できた
・高血圧や糖尿病の薬を取りに帰った。
・さいたまスーパーアリーナに戻ったが、表面線量の測定はされなかった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110521-00000017-mai-soci
<内部被ばく>県外原発で働く福島出身作業員から相次ぎ発見毎日新聞 5月21日(土)2時36分配信
ホールボディーカウンターの一つ=経済産業省原子力安全・保安院のホームページから
 東京電力福島第1原発の事故後、福島県外で働く同県出身の原発作業員から、通常ならめったにない内部被ばくが見つかるケースが相次いでいる。大半は事故後に福島県に立ち寄っており、水素爆発で飛散した放射性物質を吸い込むなどしたとみられる。周辺住民も同様に内部被ばくした可能性もあり、福島県内の一部自治体は独自に検査を検討している。【日下部聡、石川淳一、町田徳丈、袴田貴行、池田知広】
 ◇事故後立ち寄り…内部被ばく4766件
 経済産業省原子力安全・保安院の寺坂信昭院長が16日の衆院予算委員会で明らかにしたデータによると、3月11日以降、福島第1原発を除いた全国の原子力施設で、作業員から内部被ばくが見つかったケースが4956件あり、うち4766件はその作業員が事故発生後に福島県内に立ち寄っていた。柿沢未途議員(みんなの党)の質問に答えた。
 保安院によると、体内からの放射線を測定できる機器「ホールボディーカウンター」による検査で、東電が内部被ばくの目安としている1500cpm(cpmは1分当たりに検出された放射線量を示す単位)を上回った件数を電力各社から聞き取った。1人で複数回検査を受けるケースがあるため、件数で集計した。1万cpmを超えたケースも1193件にのぼった。
 いずれも福島第1原発近くに自宅があり、事故後に家族の避難などのために帰宅したり、福島第1、第2両原発から他原発に移った人たちとみられる。
 柿沢氏によると、北陸電力志賀原発(石川県)で働いていた作業員は、3月13日に福島県川内村の自宅に戻り、数時間滞在して家族と共に郡山市に1泊して県外に出た。同23日、志賀原発で検査を受けたところ5000cpmで、待機を指示された。2日後には1500cpmを下回ったため、作業に戻ったという。
 取材に応じた福島第2原発の40代の作業員男性は第1原発での水素爆発以降、自宅のある約30キロ離れたいわき市で待機していた。その後、検査を受けると2500cpmだった。「大半が(半減期の短い)ヨウ素で数値は(時間の経過で)下がると思うが、不安だ」と男性は話す。
 同県二本松市には「市民から内部被ばくを心配する声が寄せられ」(市民部)、市は乳幼児や屋外作業の多い人などを選び、県外のホールボディーカウンターで内部被ばくの有無を測定することを検討している。


 恐れていた事態です。あのソビエトさえ、軍隊を使って原発爆発後、すぐに封鎖しました。

ところが、日本は強制的な警告は、1ヶ月以上たってから。その間に記事のようにたくさんの方が、高放射能域に入られたと思います。

 本日の記事は、原発作業員だったため、たまたまホールボディーカウンターをうけて、内部被曝を受けたことが明らかになっただけであり、それ以外の方も大勢内部被曝をされていると思われます。毎度のことで本当にむなしくなりますが、なぜ原子力安全委員会は、直ちに現場の封鎖を政府に要請しなかったのでしょうか?
 また、表面汚染の確認は、避難民の方、それから二時被曝を防ぐ意味でそれ以外の方のためにも絶対に必要なのに、どうして検査機器が整備されていないのでしょう。

 医師の立場からいえば、高血圧、糖尿病の薬は、A1cの値、および1日何回内服していたかである程度類推がききますし、検査をすれば処方することはそれほど難しくありません。命の危険を冒してまで、取りに行くことが必要な薬ではないのです。なぜ、このようなことが起きてしまったのですか。
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posted by いんちょう at 23:36 | 原子力

海水注入を遅らせた真犯人

 東京電力の生データが出てきたことで、現場の切迫した状況が明らかになってきました。

今回は、時系列的にまとめてみます。

http://fukumitsu.xii.jp/syu_f/FukushimaGenpatsu_1.html
から(今回の報道前に保存していたバージョンとともに)
3/11pm2:46稼働中に緊急停止
3/11pm3:42全交流電源損失
3/11pm4:36非常炉心冷却機能不能
3/12am10:17ベント開始
3/12pm3:36爆発音
3/12pm8:20海水とホウ酸注入
3/12燃料棒露出
3/22原子炉温度383℃に上昇
3/23am2:33給水系から注水
3/25pm3:37淡水注入開始

(以上、5/15のホームページ)より

(以下は、今回の報道などを受けての見直しが含まれた分)
3/11pm2:46-2:47稼働中に緊急停止
3/11pm2:52非常用冷却システムの非常用復水器系が自動起動
3/11pm2:58津波警報発令
3/11pm3頃、非常用冷却システムの非常用復水器系一時停止
3/11pm3:42全交流電源損失
3/11pm4:36非常炉心冷却機能不能
3/11pm3半頃津波到達
3/11pm3:37交流電源、全損失
3/11pm3:50計測用電源喪失水位不明
3/11pm6:20頃東北電力に電源車依頼
3/11pm7:30頃燃料全露出溶融始まる
3/11pm11最初の電源車到着
3/12am1:48非常用冷却システムの非常用復水器系完全停止
3/12am5:46消防ポンプ淡水注入開始
3/12am10:17ベント開始
3/12pm2:53淡水注入停止
↑3/11〜12の一部は読売新聞から
3/12pm3:36爆発音
3/12pm7:4消防ポンプで海水注入開始
※淡水が足りなくなったため、切り替え
3/12pm7:25海水注入中止。※首相が安全委員会斑目氏に問い合わせて、再臨界の危険があるとして一旦中止。
その後安全委員は問題ないとして、再開を指示した
3/12pm8:20海水とホウ酸注入
3/12燃料棒露出
3/22原子炉温度383℃に上昇
3/23am2:33給水系から注水


 以上の時系列をご確認の上、記事をご覧ください。

(爆発後の枝野氏の発表)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110312-OYT1T00810.htm
原子炉に海水注入決断、廃炉も…福島第一1号機
 地震による自動停止で原子炉内の圧力上昇と過熱を引き起こし、炉心溶融が心配されていた東京電力福島第一原発1号機に、東電は海水を注入するという決断をした。
 枝野官房長官が12日夜の記者会見で明らかにした。
 海水は、海から引いてたくさんの量を使用できるので、冷却の効果が高い。もともと原発には緊急用の海水注入系があり、温めた蒸気の冷却などに海水を使用している。原発が海辺に建設されるのは、このためでもある。特に、今回の緊急冷却では、海水にホウ酸を添加して使用する。原発の水は、冷却材であると同時に、中性子の速度を落として核分裂反応を起こしやすくする効果がある。
 水を注入した結果、再び核分裂が活発化しないよう、反応を抑えるのがホウ酸の役目だ。ホウ酸注入は、非常時の冷却では効果があり、軽水炉には専用の注入システムが常設されている。問題は、1号機の今後だ。海水を使用した場合、設備の復旧が難しくなる。特に今回の事故では、核分裂によって生じた放射性物質が外部に放出されていることから、ウラン核燃料の少なくとも一部が、金属被覆を溶かして露出し、融解を引き起こしている可能性がある。
 そのような深刻な汚染が起きたうえに海水を注入した原子炉を、再び健全な状態に戻すのはコストもかかり、実現はかなり難しい。
 仮に、原子炉を廃炉にする場合、国への審査手続きが必要になるほか、放射能の高い核燃料の冷却、施設の放射能汚染を取り除く作業(除染)などが必要になる。また、構造物も40年にわたる運転で中性子線にさらされ、放射化しているため、放射線の影響を防ぐための措置を講じた上で解体する必要がある。
( 2011年3月12日23時16分 読売新聞)


 確かにホウ酸水とともに、注入と発表しています

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110409/dst11040908190006-n3.htm
原発事故1カ月…水失った原子炉、崩れた「神話」
2011.4.9 08:11 (3/3ページ)
 綱渡りの注水を続けていた1号機では炉内の水位が低下を始め、計器は午後0時半に4メートルある燃料棒のうち1・7メートルが水面から露出していることを示していたた。
 「計器が故障している可能性があります」。東電は、より多くの量を確保できる海水の注入を見送り、保安院も報告をうのみにする。午後3時36分、1号機で水素爆発が起き、建屋上部が吹き飛んだ。


ここでは、海水注入をためらったのは、東京電力のサボタージュとしています。・・厳密に言いますと、爆発の前ですから、今回報道された局面とは違います。

本日出てきた記事
首相の意向で海水注入中断…震災翌日に55分間
. 福島原発
 東京電力福島第一原子力発電所1号機で、東日本大震災直後に行われていた海水注入が、菅首相の意向により、約55分間にわたって中断されていたことが20日、分かった。
 海水を注入した場合に原子炉内で再臨界が起きるのではないかと首相が心配したことが理由だと政府関係者は説明している。
 臨界はウランの核分裂が次々に起きている状態。原子炉内での臨界には水が必要だが、1号機は大震災直後に制御棒が挿入され、水があっても臨界にはなりにくい状態だった。
 東電が16日に発表した資料によると、1号機の原子炉への海水注入は震災翌日の3月12日の午後7時4分に開始された。それ以前に注入していた淡水が足りなくなったため、東電が実施を決めた。
 複数の政府関係者によると、東電から淡水から海水への注入に切り替える方針について事前報告を受けた菅首相は、内閣府の原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長に「海水を注入した場合、再臨界の危険はないか」と質問した。班目氏が「あり得る」と返答したため、首相は同12日午後6時に原子力安全委と経済産業省原子力安全・保安院に対し、海水注入による再臨界の可能性について詳しく検討するよう指示。併せて福島第一原発から半径20キロ・メートルの住民に避難指示を出した。
 首相が海水注入について懸念を表明したことを踏まえ、東電は海水注入から約20分後の午後7時25分にいったん注入を中止。その後、原子力安全委から同40分に「海水注入による再臨界の心配はない」と首相へ報告があったため、首相は同55分に海江田経済産業相に対し海水注入を指示。海江田氏の指示を受けた東電は午後8時20分に注入を再開した。その結果、海水注入は約55分間、中断されたという。
(2011年5月21日06時00分 読売新聞)


 せっかく現場(および東電本店)が断腸の思いで決めた海水投入を現場のことを全くわかっていないあの斑目氏が止めたのです。そして、その判断を持って首相指示でとめた。どうして、現場の判断を尊重せずにあのへらへらして、全く責任感のない斑目氏の意見を聞いたのか・・そのまま海水注入を続けていれば、どうなっていたかはわかりませんが、ここでの1時間の遅れは、本当に致命的です。現場の怒りを想像できます。おそらく今まで、封印していたのでしょう。
 斑目氏は、「あのときはそう思った。間違いだったと反省している。」とでも発言するのでしょうね。この方は、水蒸気爆発は起きないと発言したことといい、万死に値します。
 首相は、この斑目氏にすべての責任を負わせることでしょう。(部下の責任をとらないのはトップとしていかがかと思いますが・・)

 ここで大事なのが、「複数の政府関係者」の言葉。ついに政府内部から、これではいけないと重要情報がリークされてきたのがわかります。
現在でも、現場の方針がことごとくつぶされているのが目に浮かびます。

 これら判断をした人たちを原子力災害の担当から早急に外してください。そして、現場にすべての権限を移行してください。アドバイザーが必要と考えているならば、政府から現場に派遣してください。

 お願いします。もう、時間がありません。
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posted by いんちょう at 06:49 | 日記

2011年05月20日

浜岡5号機細管破断(プレス発表より)

 本日の最後は、軽い話題にしようと思っていたのですが、無視できないプレス発表がありま
したのでそちらに変更します。東電時代の思い出がなかなかかけません・・・

 中部電力が、浜岡原発5号機の事故についてのプレスを出してきました。
http://www.chuden.co.jp/energy/hamaoka/hama_info/hinf_tenken/__icsFiles/afieldfile/2011/05/20/230520shuhukusuiki5u.pdf
(配列が乱れるので、長いアドレスはいやなのですが・・・なお、このプレス発表文、トップページからはアクセスできません。プレス一覧にも載せていません。)改訂されると困りますので、いちおう取り込んではります。(なぜか、電力会社のpdfは、コピー、ペーストが出来ず非常に苦労します)
このソフトで、一応解決
2011052001.jpg

損傷した細管
2011052002.jpg

やはり、複数本(報道によると20本)が破断しています。おそらく、再循環配管(すみません、この系統がどの発電所にも普遍的にあるものか、私には記憶がありません。火力発電所にもこんなルートあるんでしょうか?)のエンドキャップが外れて、細管に当たったのでしょう。しかし、ねじを切った後などはありませんので、溶接なんでしょうね。

2011052003.jpg

模式図を見ますと、これはコストダウンをはかったABWRの設計のようです。原子炉に再循環ラインがないため、ECCSのポンプなどがかなり減らされているはずです。まあ、多ければいいというものではありませんが。

それはさておき、この再循環ラインは、電動給水ポンプ(停止操作中だったからタービン駆動を使っていないのでしょうか?)の先にありますから、ほとんど炉圧70kg/cm2の圧力がかかっていたはずで、20cmの配管といいますから、
70x10x10x3.14 = 21tonの重さが加わっているはず。その割には、ぱっとしない構造です。おそらく,沸騰水型の運転改善のために作られた配管だと思うのですが・・・違うかもしれませんが・・。
 わたしは、当初タービンのはねと思っていましたので、それに比べれば、まだまし。

しかし、いっぺんに20本もの細管が破断することは想定していません。
 
中部電力は、

また、主復水器の海水側である水室内に残留している海水から、放射性核種であるコバルト60を僅かに検出しました。コバルト60は、原子炉冷却水に含まれる天然のコバルト59が、中性子照射により変化したもので、原子炉冷却水中に一般に含まれる放射性核種です。 事象発生当時、主復水器内は真空状態であり、細管損傷により細管内部の海水が主復水器内へ流れる状態でした。水室内にコバルト60が移行したのは、主復水器の真空を解除した後であると評価しており、真空解除前に海水の出入口弁を閉止していることから、コバルト60を含む海水の海への放出はありません。今後、水室内に残留している海水の処理を行います。

 こんなことを言っていますが、きれいに物事がいくはずありません。そもそも、海水の出入り口弁の密閉性は完全ではありません。(たしかバタフライ弁だったと思います)

 運転中は、細管の中を海水がながれており、外部側(写真を撮った側)が原子炉一次水となります。圧力較差からは考えると普通は流れ込むはずはありません。

しかし、かなり大量(500ton)に海水が流れていますので、中操はかなり混乱した状態だったはず
・炉水伝導度上昇
・復水器圧力低下

等の警報が鳴り響いたはずです。

中操での事象把握から、この系統を隔離するまで、
・どれだけの時間がかかったのか
・その間の系統流量変化はどうだったか
・真空度の変化はどうだったか
・非常用炉心冷却装置、あるいは残留熱除去系をどのタイミングで起動させたのか。

などをすべてを明らかにする必要があり、またそうしないと海水に放射性物質が移行していないことを証明できません。海水配管と原子炉一次水が細いパイプを通じて接しているという沸騰水型の弱点を突かれました。(加圧水型原子炉では、こういうことはありません)

わたしとしては、この復水器の真空を解除する段階で、海水にもある程度のコバルト60が放出されたとみるのが妥当でしょう。(検出できるかどうかは別です)・・・海水中のコバルト含有量をごく微量としか発表していません。もう、Bq/kgで発表すべき時代です。(結構みんなわかります)

 全体的にこのプレス発表は、定性的で、破断された細管の本数も記載されておりませんし、停止操作を行って、いったい原子炉出力がどのくらいになったときに、どれくらいの時間で、どれだけの海水が流れ込んだのかといった定量的な評価が全くありません。意図的に入れていないのでしょうが、これこそ、原子力村の広報方法なのです。

 この再循環ラインは、おそらくすべてのABWRプラントで採用されているはずで、ただちに見直しをかける必要があります。(同等の事故がいつ起きてもおかしくありません。定格運転中に起きると、結構大事(おおごと)です(爆発することなどはありませんが))

追加:再循環ラインがABWR特有というのは文中にも書きましたように自信がありません。火力の復水器にもついているものなのかも。(しかし、そうはいってもこのようなトラブルが初めてというのが気にかかります。もし、複数回起きているならば、このフランジ部はねじ込み方式などに改良されているはずです。)
タグ:H
posted by いんちょう at 23:20 | 原子力

東電社長の矛盾,1F-5,1F-6, 福島第二のこと

 日本国のトップからして、平気だから仕方ないといえばないのですが・・・

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20110520-OYT1T00751.htm
1〜4号機廃炉、7〜8号機増設計画中止…東電
 東京電力の清水正孝社長は20日午後の記者会見で、福島第一原発1〜4号機の廃炉、及び7、8号機の増設計画の中止を決めたと発表した。
 同原発5、6号機と、福島第二原発は冷温停止状態を当面維持することとした。
 経営合理化方針については、保有不動産など電気事業遂行に不可欠なものを除いて売却するほか、厚生施設を全廃するなどして計6000億円以上の資金を確保。さらに、投資、修繕費用など2011年度で5000億円以上の削減を行うことを明らかにした。
 人件費については、代表取締役については、給与を全額返還し、常務取締役は60%削減することにした。
 また、社長を退任することについては「大変なご迷惑をおかけし、経営責任を明らかにするべきと考えた」と理由を述べた。
(2011年5月20日16時04分 読売新聞)


おそらく、同じ人が話した内容とおもうのですが・・・
原子炉安定後の辞任示唆=避難者に生活資金仮払い―東電社長
2011年 4月 13日 21:30 JST
 清水社長は、深刻な放射能漏れ事故を起こしたことを「改めて深くおわびする」と謝罪の言葉を繰り返した。その上で、自らの経営責任に関し「原子炉冷却の安定化や(放射性物質で汚染された)廃水の処理に取り組んだ段階でないと申し上げられる状況でない。出処進退については、そのときの判断もあるかもしれない」と述べた。

http://jp.wsj.com/Japan/Economy/node_221735

 この程度のことでは、もう驚きましませんが・・・・

・原子炉冷却がもう安定したのですか?
・廃液処理は取り組んだ??

1ヶ月足らず前にご自分が発言したことなのに、どうしてこういう発言が出てくるのでしょうか。
やはり、首相と原子力安全委員長と同じ病気なのでしょうか?

 本日の発言で、大変注目すべきなのは、5−6号機です。

大量の地下水(東電発表)が毎日生じているのは、既報の通り
これだけの状況にありながら、経営陣はこれらの号機を全くあきらめておらず、それゆえに何か重大なトラブルがおきていても、公開されていないように思えます(毎日の大量の地下水のみ発表)。
 質問が出来る方は、ぜひこの号機について質問してください。燃料プール、圧力容器から燃料を抜き取らない限り、どうにもならなくなりそうです(燃料を抜いたからといって、即廃炉というわけではもちろんありません。)おそらく,トラブルが表に出てしまい、その復旧・対策に時間をとられ,廃炉とつながってしまうのが、困るのでこういった対応をしているとしか私には思えないのです。

 また、全く報道がなく表面上問題のなさそうな福島第二原子力発電所。
こちらにしめしたとおり,
50センチ以上の地盤沈下

2メートル以上の東への移動

が起きています。本当に何も問題がないのか、こちらも問いただす必要があります。

すくなくとも、福島の5-6号機、福島第二原子力発電所全号機 の使用済燃料は原子炉建屋内から早急に移動させてください。
タグ:T 1F 2F
posted by いんちょう at 17:11 | 原子力

プールだけ排水禁止(福島県)

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110520-OYT1T00338.htm
学校のプールの水排水できず、文科省など調査へ
福島原発
 福島第一原発事故の影響で、福島県内の学校が夏を前に、放射性物質が含まれている疑いがあるプールの水を排水できずにいる問題で、高木文部科学相は20日午前の閣議後の記者会見で、「排水が水田や河川に流れる状況であれば注意する必要がある。現状把握のため、プールの水の水質調査も含めて検討している」と述べ、福島県と連携して調査に乗り出す考えを示した。
 各学校では、防火用にプールの水をためているが、夏を前に排水や清掃をして授業に備える所が多い。
(2011年5月20日11時12分 読売新聞)


 また、唖然としました。

がれきは調べずに焼却。牛乳も混ぜて出荷、生野菜は水洗いして測定して出荷。お茶も出荷。水道も300Bg/kg でOK

と信じられない状況であるにもかかわらず、プール水(そんなにひどいんでしょうか?いったいどれだけの汚染があるかは記事にないのでわかりませんが)だけ、排水をさせないとは・・・

 もし、これだけゆるゆるの状況でも、河川に出せないレベルの汚染があるとすれば、そこに子供を通わせるのは危険とは、いえないのでしょうか。

 文部科学省は、厳しく接する対象をあきらかに間違えています。
タグ:P
posted by いんちょう at 16:51 | 原子力

再びお茶の出荷問題(生産農家の内部被曝も・・)

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110519-OYT1T00225.htm
生茶葉の出荷制限、500ベクレル超で決着
福島原発
 東京電力福島第一原子力発電所の事故で、生茶葉から暫定規制値を超える放射性セシウムが検出された問題で、政府は18日、出荷制限の基準について、生茶葉から1キロ・グラムあたり500ベクレルを超えるセシウムが検出された場合とする方針を固めた。

 厚生労働省が茶葉(規制値500ベクレル)での規制、農林水産省が茶飲料(同200ベクレル)での規制を主張し、調整が続いていた。
 生茶葉ではこれまでに神奈川県の6市町村、茨城県の2町で、規制値500ベクレルを超えるセシウムが検出されているが、政府が出荷を制限していないため、生産者が出荷を自粛していた。
 同セシウムは茶飲料にすると生茶葉の段階から9分の1〜6分の1に薄まるとされ、農水省は「お茶は飲むもので、茶葉の段階で規制するのは非合理」と主張。厚労省は「飲むときに薄まるといっても、規制値を超えた茶葉が流通することに消費者の理解が得られない」としていた。ただ、厚労省は生茶葉を乾燥させた「荒茶」についても500ベクレルを上回れば制限すべきだと主張。荒茶の場合、生茶葉と比べて約5倍の放射性物質が検出されるため、生産者側から反発の声が上がっており、荒茶については検討が続いている。
(2011年5月19日10時28分 読売新聞)


 この記事を見ますと、農家の出荷を出来るだけさせようと思う農水省と、国民の健康を守ろうとする厚労省というようにみえます。

 この記事の悪いところは、農水省と組織しか出ていないことです。どこの、何課の誰が主張していることを記事にしていただかないと、その後の経過が読めず、また、主張していた課長は異動してしまい、責任をとれません。

 農水省に電話しました。

出られたのは、消費者担当の F氏

・お茶の流通については、 生産局 生産流通課 が担当している。
http://www.maff.go.jp/j/org/outline/dial/seisan_ka.html

にあります。局長の名前は、公開されていますが、課長の名前は私にはわかりませんでした。
(このあたりを報道ではしっかりと書いていただきたいです)

・農水省が甘くしようとしていることはない、厳しい方向で厚労省と調整している。

とのことでした。やはり、よくわかりません。

こちらからは,
・お茶は葉を洗わずに、蒸す。表面に降り積もった放射能がお茶を作るときに、生産設備に移行して、放射能の含まれたお茶の葉を作った農家が、2度とまともなお茶を作れなくなる可能性が高い。
・加熱の過程で、そこらじゅうにセシウムがばらまかれる。
・今年無理矢理作ることは、百害あって一利なし。
・お茶を購入するのは、通常は女性層。現在の報道を見る限り、今年のお茶がまともな価格で売れるとは思えない。
・通常の状態に戻るまで、がまんして生産設備を温存している方が、結局は得になる

といった話をさせていただきました。

 もし、今年お茶を作ってしまいますと、生産設備が汚染されてしまいます。

農家の方々、よくよくお考えください。

 ところで、この記事にある生葉は当然、水洗いせずに測定するのですよね?ごく一部を水洗いして、測定し、その後水洗いをしていない葉でお茶を作ると、とんでもない高レベルの放射能茶ができあがり、また生産者の方も高レベルの内部被曝をすることになります。それとも、ガスマスクをつけて、生産されるのでしょうか?

 水洗いせずに収穫物から製品を作るもの・・・ワインもそう。

 今年の収穫物には、よくよく気をつける必要がありそうです。
タグ:P
posted by いんちょう at 16:17 | 原子力

御用学者の正体 (東工大 有冨 正憲教授)


2011.9.10 削除確認(Fukushima Central Television)





この解説に出られている方は、
東工大の 有冨正憲教授 です。

有冨正憲 ありとみまさのり 斉藤正樹 内閣官房参与
福島第一原発の事故を受けて、政府は東京工大原子炉工学研究所の有冨正憲(ありとみまさのり)所長と斉藤正樹教授の2人を内閣官房参与に任命しました。

と現在の対策本部の参与でもあります。

この方の発言にこの1号機の爆発は、

「私はよく知らないが、爆破弁をつかった一つの作業である。この操作により圧力が下がった。」

という主旨の発言されているようです。

 現在の日本の縮図とはいえ、どうしてこのような方が専門家としてもてはやされるのでしょうか?

・爆破弁 たしかに沸騰水型原子炉にはついています(1号機にあるかどうかまでは知らないですが)。これは、原子炉内にホウ酸水を注入するための弁で、いったん操作をすると、もう閉めることができないとう、使うのには非常に勇気がいる弁なのです。とある研修の時に、先生としてきていた運転担当者が、
「この弁を使う決心は出来るかな。これを使うと廃炉決定だから。」
といっていたのを思い出します。使用すると決めたときには、絶対に失敗せず、しかも必ず動作しないといけないという弁なのです。(私は、原子炉周りは担当していないので、パトロール時に外観をみただけ)用語自体は存在するのですが。。

・1号機で吹き飛んだ部分は、確かにこれより下部の建物に比べて、壊れやすく出来ています。それは、こういった水素爆発が起きたときでも、建屋全体に影響が及ぼすのを防ぐために、もろいところをわざと作っているのです。

 こういった断片的な知識をつなげて、さも本当そうに発言されたのでしょう。その回転の速さには敬服いたしますが、この原子力で飯を食べている人とはわたしにはとても思えません。

 この方は、原子力がバラ色だった世代のはずです。(おそらく、東電の武藤副社長と同年配のように思えます)この時は、当時一番優秀な人間が原子力部門に行き、目を輝かしていた時代です。
武藤副社長の部下だった時代に聞いたのですが、
・高速増殖炉で燃料はほぼ無尽蔵。ほとんどただで電気を作ることが出来る。
・原子力機関車
・原子力飛行機
・原子力船(一応実用化されましたね)
等の夢があったと話されていました。
(まあ、夢のエネルギーで、なにしろアトムも原子力エネルギーを使ってましたし)

 そういった世代のはずなのです。

調べると、

有冨教授 1947年生まれ。1977年東京工業大学大学院理工学研究科原子核工学専攻博士課程修了
武藤栄  1950年生まれ 1974年東京大学原子力工学科大学院卒業(現役ならば)

 やはり、裏付けられました。有冨教授の講座にいる東工大生に評判をお聞きしたいのですが、まあ聞くまでもないでしょうね。

もうひとり同年代の人がおられました

菅直人 1946年生まれ 1970年に東京工業大学理学部応用物理学科(現・物理学科)を卒業。

有冨教授とキャンパス時代がつながっていますので、もしかしたら面識があるのかも・・・


 本当の専門家は、実際にプラントを作ったり、運転をしたりしている人のはずです。ともすると日本では、

専門家=大学教授

と権威ですぐに決めてしまいがちですが、それではいつまでたっても現状は変わりません。専門家という形容詞が、権威ではなく、実際にそのものをやり続けている実地の人(本当によく知っており、現場の人が助言を得たい人)に向けられるよう願っています。

 現場を全く知らない人に、現場のことをわかってもらうのは尋常な労力ではありません
タグ:R
posted by いんちょう at 00:04 | 原子力

2011年05月19日

熊本でも、セシウム検出

 本日の熊日朝刊
2011051903.jpg

日本列島の中では、福島県からもっとも西に位置する熊本でも検出されました。(ただし、ごく微量)

あなたのお住まいの県では、きちんと公表されていますか?
タグ:P
posted by いんちょう at 21:10 | 原子力
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