2011年10月31日

福島民報の一面から−汚染状況が株式欄に類似

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福島の現状を我々は知る必要があります。良くまとまっているのは【西ドイツ放送】死の地域に生きる−フクシマの真実です。一度みておく必要があると思います。我々が想像しているよりも、はるかに厳しい現実がそこにはあります。

ウオッチング・メディア放射性物質に狙い撃ちされた村飯舘村の悲劇(前篇)から
異常な数値を計測、小数点の位置を見間違えたのか?
 十字路そばの民家の軒下に入った。雨樋の排水口が口を開けている。その真下の地面に線量計を置いた。
「353.6」という想像を絶する数値を示す線量計 次の瞬間、私は息が止まるかと思った。線量計のデジタル数字が一瞬、瞬くように見えなくなったかと思うと「9.99」を指して止まってしまった。つまりメーターが振り切れたのだ。
 「それじゃダメですね〜」
 愛澤さんがロシア製の線量計を置くと、またピーピーと警告音が鳴った。本当にイヤな音だ。
353.6?
 はい?
 私は自分の目を疑った。そろそろ老眼が来て、小数点の位置を見間違えたのだと思った。しかし、間違いではなかった。線量計は確かに毎時353.6マイクロSvを示している。

2011103102.jpg

 私にはよくわからない単位ですので、mREM/hrに直しますと、
353.6μSv/hr = 35.4mREM/hr
この値は、たしか原発の中であれば施錠管理にしていたと思います。そのくらいの高線量です。しかし、トラブルがあっても人界戦術を使うほどではないでしょうか。私の中では100mREM/hrを越えるのは、要注意と思っていました。そういえば、通常持ち歩くアラームメーターは30mREMでしたから、1時間いたらなるわけで、私からみても非常に高いと思います。(1時間程度のパトロールでの被曝線量は、1-2mREM = 0.01-0.02mSv = 10-20μSv程度でした)

 なお、この飯舘村に対しては、3/30にIAEAが日本政府に対して避難勧告を出しています。海外の機関が知っているわけですから、当初より高濃度汚染地区と言うことはわかっていました。なぜ、避難を早急にさせなかったのでしょうか。悔やまれます。

10月29日の福島民報 社会面
2011103103.jpg

なにやら、左上に株式欄のような数値がありますね。すこし拡大してみます。
2011103104.jpg
なんと、これは集会所の線量でした。このような線量が日々の新聞に載っているのです。また、twitterでは、次のような指摘が出ていました。

今、福島ではテレビもラジオも機械的に「今日の環境放射線量」として数値をいくつか読み上げるだけです。何の解釈も考察もありません。「福島0.91 二本松0.80 飯舘村2.13…。」という具合に。@ysakamo
2011110904.jpg


この環境下で福島で配付されている資料2011103105.jpg
 あまり論評したくはありませんが、
・この「シーベルト」の数値が同じであれば、外部被曝であっても内部被曝であっても人体への影響はおなじもの
・天然の放射性物質と人工の放射性物質が出す放射線はどちらも人体への影響は同じですので、あくまでその量が問題と言うことです。


この二つは、もっともひどい大嘘です。福島医科大学の先生方は、皆この意見を認めておられるのでしょうか?ちょっと教えていただきたいです。内部被曝と外部被曝をシーベルトで単純に比較できるというのが、日本の医学界全体の総意なんでしょうか?

 どこが間違っているかを勉強するためには、こちらの講義をご覧ください。

 とにかく勉強するしかありません。そうすれば、どこがただしくて、どこが間違っているかがよくわかります。

■関連ブログ
【西ドイツ放送】死の地域に生きる−フクシマの真実2011年10月24日
内部被曝−その評価と治療方法2011年10月10日
累積被爆問題(計画的避難区域)2011年04月13日
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posted by いんちょう at 22:07 | Comment(4) | 原子力

2011年10月30日

オカルトで見る日本の未来

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 小学生の頃は、4次元の世界を探るといった本をよく読んでいました。オカルト界の有名な本としては、

があります。私も読みましたが、南極大陸の話など、興味を引かれる話もあります。(本当か嘘かは、私にはよくわかりません)

有名なところでは、オーパーツ
オーパーツとは「Out Of Place Artifacts」の略で「場ちがいの加工品」という意味である。
その時代にはありえない物を示す

まあ、この分野で知っている人が一番多い(と思う。)のがヴォイニック写本と言われる奇妙な本
2011103011.jpg
訳のわからない文字で、見たこともない植物の絵が描いてあります。16世紀に作られたという話ですが、未だかつて解読に成功した人はいません。

解読不能の書 ヴォイニッチ手稿の謎X51.orgから・・このあたりも読み始めると引き込まれそうです。

 さて、本題。本日は、近未来の日本をオカルトから見てみたいと思います。まず、最初は

予言 未来を見る:ワンダーゾーン 1992から

2022年の東京には、人がいない・・

次は、このところ

ジョン・タイターが予言した2020年の日本地図が現実になりそうな件から
2011103012.jpg
 私は、この地図。てっきり、3月以降に作られた(米国人が、日本に関心があるはずない)と思っていましたが、それ以前に作られたものらしい。(コメントからの情報より)
 
ジョン・タイターWiki
2000年11月2日、米国の大手ネット掲示板に、2036年からやってきたと自称する男性が書き込みを行った。
2011年、内戦が原因でアメリカ合衆国が解体されるが、翌年にはアメリカ連邦帝国が建国される。
2015年、ロシア連邦が反乱部隊の援助という名目でアメリカに核爆弾を投下。核戦争となり、第三次世界大戦へと発展する。




 この流れからしても、あまり実現するとは思えませんが、上記日本地図はすこし気味が悪いですね。
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posted by いんちょう at 20:12 | Comment(8) | 原子力

甲状腺機能検査、報告のお願い

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甲状腺機能の結果をご報告いただいております。ありがとうございます。簡単に報告できる用にと入力フォームを作成しました。

甲状腺データ入力フォームは、こちら
2011103009.jpg

正常値一覧
項目 正常値 
TSH 0.40 - 4.06
fT3 2.3 - 4.2
fT4 0.72 - 1.52
TG <32.7


私の考察
・仙台地区は値は正常ではあるものの、TSH 上昇、fT3上昇、 Tg(サイログロブリン)上昇が見られる。
・同じ生活環境にあっても、大人にはこの変化は見られない。
・サイログロブリンは、通常は一桁
Tgは甲状腺に大量に含まれますので、原因を問わず上昇レベルはさまざまです。
 最も上昇するのは、分化癌の全身転位で、8000-10000以上
 甲状腺内に強い炎症や、急速なのう胞形成の場合 1000-3000
 大きな腫瘍やびまん性の炎症(橋本病やバセドウ病)のとき100-1000
 小さな腫瘍や軽い炎症で、20-100
 まったく何も問題なければ5-20

 私も勉強中です。何か情報がありましたら、コメント欄に記入いただけますと幸いです。

 なお、データで気になることがありましたら、以下に私のコメントを書いていきます。
・kikiさんのデータは、TSH が上昇、fT4が正常低値です。甲状腺機能低下症の状況と思われます。チラーヂンの内服考慮しても良さそうです。


−別意見もあるようです。ちょっとこれについては、意見の相違がありますので、以下に記述していきます。(かように、治療については医師によって様々異なります)
(コメント欄から)
TSH>10で内服開始。ヨウ素過剰摂取も原因として考えられる。(甲状腺専門医と相談)
・専門医では、TSH>10で内服開始 先生によっては、 TSH >20で内服開始
・米国では何年も前から、動脈硬化の可能性があることからTSH 3-4程度で内服開始することもある


私は通常、このような値がでた時は、甲状腺専門医に紹介しています。そして、一度始まった場合は、おもにTSHをみながら、チラーヂンの容量を変動させます。

leonさんへ
 MCV, 白血球、血小板の状況を教えていただけないでしょうか?

とんぽんぱぱ さん
1歳の子は、TGが高すぎますね。ただ、甲状腺ホルモンが正常ですから、治療などの必要はないと思います。もし測っていれば、fT3は高かったように思います。3歳の子も同じ。同じ生活暦で、お母さんに異常が見られないのは、仙台の方もそうでした。やはり、3−6ヶ月後に再検査でしょうか。

ローズマリーさん
TSHが低めで、fT4が正常。fT3,TGが正常ならほとんど影響がなかったと判断できるでしょう。

まめぞうさん
TSH, fT3, TG高値。放射能の影響がすこし考えられるでしょうか。身長体重計測を。

HSさん
TSH, fT3高値。放射能の影響がすこし考えられるでしょうか。身長体重計測を。

たまこさん・・・お二人とも
TG高いですね。エコー検査をされてはいかがかと思います。

Hysさん
TSH, fT3, TG高値。放射能の影響がすこし考えられるでしょうか。身長体重計測を。

ありがとうございます。私のコメントは、参考までに。他の方の生活暦と、自分の値を比較されるとおおざっぱに何か分かるのではと思います。とんぼんぱぱさんが言われているように、個人差が大きく、年齢が高くなるほど影響を受けにくい印象はあります。

TSH, fT4は治療の可否を見るのに適しており、fT3, TG(サイログロブリン)は、放射能の影響を受けたかどうかを見るのに適している印象です。今のところ。


関連サイト(当サイトとは直接の関係はありません)
みんなのカルテ

■関連ブログ
内部被曝−その評価と治療方法2011年10月10日
福島の子 甲状腺機能変化2011年10月05日
福島健康基本調査問診から読み解く2011年10月14日
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posted by いんちょう at 16:17 | Comment(31) | 原子力

福島原発災害のデータは、50年前の東海原発事故想定のパクリ?

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 ちょっと長いですが引用

原発事故コスト:「上乗せ1.2円」…他燃料より「割安」

 内閣府原子力委員会の専門部会は25日、東京電力福島第1原発事故の被害額を基に、原発事故のコストを1キロワット時当たり0.0046〜1.2円とする試算を固めた。原発の発電コストへの影響は限定的との見方を示したことになるが、試算の前提となる東京電力福島第1原発事故の被害額は、除染費用や賠償額など未確定の部分が多く、さらに膨らむ可能性もある。試算は、政府の「エネルギー・環境会議」に設置した「コスト等検証委員会」などに報告され、電源別の発電コストの見直し作業に反映される。
 原子力委は、政府の「経営・財務調査委員会」が試算した廃炉費用と損害賠償額を合わせた今回の事故の被害額(5兆5045億円)を参考に、出力120万キロワットの新設炉が過酷事故を起こした場合の被害額を3兆8878億円と仮定。過酷事故の発生頻度を掛け合わせて事故コストを算出した。
 福島原発事故を含めた国内実績に基づき、事故の発生頻度を500年に1回とすると、稼働率60%の場合、事故コストは1キロワット時当たり1.2円となった。今回の事故は3基から放射性物質が大量放出された。これを1回分と数えると、事故コストは3分の1になる。
 一方、新設炉は過酷事故の発生頻度を10万年に1回以下とする国際原子力機関(IAEA)の安全目標を満たしていると仮定した場合、事故コストは、稼働率80%で0.0046円となり、発電コストにはほとんど影響しない。
 試算に基づくと、原発の発電コストは1キロワット時当たりおおむね5〜7円(従来は5〜6円)となる。政府はこれまでに石炭火力を同5〜7円、液化天然ガス(LNG)火力を同6〜7円、大規模水力を同8〜13円、太陽光を同37〜46円と試算しており、依然として原子力が割安となった。
 使用済み核燃料を再処理し、プルトニウムやウランを取り出して再利用する「核燃料サイクル」のコストも試算。(1)すべて再処理の場合は1キロワット時当たり1.98〜2.14円(2)再処理せずにすべて地中に埋める直接処分なら同1.00〜1.35円(3)現状のように一部を再処理し、一部を中間貯蔵では同1.26〜2.21円−−となった。【比嘉洋、関東晋慈】
 ◇解説 除染など考慮せず
 内閣府原子力委員会による原発の事故リスクと核燃料サイクルのそれぞれのコストの試算は、計3回(約7時間)の会議で結論を出すという時間的な制約があった。事故コストは、条件を変えるだけで数倍にも膨らむ可能性があるが、前提となる被害額の議論を深めることはできなかった。
 被害額は東京電力福島第1原発事故を想定し、1〜4号機の廃炉費用を9643億円、損害賠償額を13年3月末までで4兆5402億円と見積もっている。ただ、廃炉は溶け落ちた核燃料の回収など技術的に解決されていない問題がある。賠償や除染費用、放射性廃棄物の中間貯蔵施設の建設費も十分考慮されておらず、どこまで膨らむかは不明だ。
 今回の事故だけを想定して試算をすることにも疑問がある。会議では「ソースターム(核生成物の種類や放出量)の議論が足りない」との意見も挙がった。同じ非常用電源が失われる事態でも、炉心の形状や気象条件によって放射性物質の放出量が増え、汚染範囲が広がる可能性がある。
 NPO原子力資料情報室や環境保護団体でつくるグループは「原発を費用だけで検討すること自体、検証される必要がある」と指摘する。原発事故は地域社会や経済を一瞬で変える。試算はエネルギー政策の今後を慎重に議論するために不可欠だが、判断材料の一つに過ぎない。【比嘉洋】
毎日新聞 2011年10月25日 11時21分(最終更新 10月25日 14時52分)


 このような数字を出してきたことには、その才能に感嘆いたしますが、小学生でもおかしいことがわかります。なぜ、このような恥ずかしい数値を出せるのでしょう。どこをどう考えても、この数値がおかしいのは明らかです。フクシマを中心として、東北各県は人間どころか、生物がまともに住めない汚染を受けてしまいました。首都圏でも高レベルの汚染がでているのですから・・

 NHKのニュースが結構コンパクトにまとまっていたので、紹介しながらコメントします。
2011103001.jpg
 これは、非常によく見る試算です。この計算の奇妙なところは、経産省が計算していることです。なぜ、事業会社である電力が計算していないのでしょうか。実は、電力会社も非常に理想的な発電コストを「設置許可申請書」で計算しています。
 よくわかる原子力 原発の発電コスト2011103005.jpg
 これが、今回の試算です。まあ、このとおりの数値を出しています。本当でしょうか。

建設時に計算した非常に理想的な電力会社のコスト
2011103006.jpg
 既にこの段階で、石炭、LNG火力、石油火力を上回っています。少なくとも、核燃料費がこの発電コストのどれだけを占めているのかを公開してもらわなければ、判断できません。火力の燃料調達コストの話だけをするのは、おかしい。
 また、この発電コストは、改良工事コストは全く入っていないでしょう。電力会社に命じて、公開させないのはなぜでしょうか。血税を数兆円つぎ込んでいるのですから、せめて公開していただかないと納得いきません。地方税の一つとして核燃料税として納税してもらっているのですから、この金額は知っているはずです。また、ウソを説明してもすぐにばれます。是非公開してください。

事故の確率
2011103003.jpg
500年に1回です。少ないでしょうか。日本には50基以上の原発があります。ですから、日本全体で考えますと、・・・爆発したのは1F-4も含めて4基ですからそもそも間違っていますが、まあそれはおいといて・・

500÷50= 10年/回

の事故確率がある。ということを公式に認めたことになります。この確率は、受け入れられるでしょうか?

さらに
2011103002.jpg
4兆円というのは、東電の予算金額です。これ以上は何が何でも認めない。ということです。しかし、観光、農業、土地からの固定資産税等々、1年分でもこれ以上になるでしょう。

原子力安全研究グループから

◇原発事故による放射能災害 40年前の被害試算(軍縮問題資料 1999年5月)から

最大の事故想定規模
1000万キューリーの放出

今回の今回の保安院推定の放出量は、3.7テラベクレル(3.7x10E+17Bq)ですが、この値はすなわち1000万キューリーです。
3.7x10E+17 Bq=1000万キューリー

なぜでしょう、ぴちっと一致します。今回の福島原発災害の放射能放出量はどういう根拠で計算したのでしょうか?一体どうしてでしょう。そして、なぜ、このようにきりがいい数値なんでしょうか。

この放射能が放出されたと計算した場合の損失額は3兆7300億円(1960年の国家予算 1.7兆円の時代)
2011103008.jpg

この算定基礎となる損害補償額は、

表1 人的損害の区分と損害賠償額

区分

障害の内容

全身換算被曝量

mSv換算

一人当り損害賠償額

1級

被曝後14日以内に全員死亡.

700

レントゲン以上

7000 83万円(うち慰謝料35万円)

2級

全員放射能症.被曝量に応じ一部死亡.回復者は180日の入院.

200700

レントゲン

 2000-7000 死亡:88.5万円(同35万円)

回復:40.8万円(同15万円)

3級

放射能症を呈すが死亡なし.90日の入院。

100200

レントゲン

 1000-2000 24.7万円(同10万円)

4級

90日の医学的観察と検査.

25100

レントゲン

 250-1000 3.6万円(同3万円)


表2 汚染にともなう損害区分と損害額

区分

対策の内容

汚染レベル(1平方m当り)

Bq

損害額

揮発性放出

全放出

 

A級

12時間以内に全員立退き 0.04キュリー以上 0.07キュリー以上 26億以上 一人当り:

都会60万円

農村35万円

B級

1カ月以内に全員立退き 0.01キュリー以上 0.02キュリー以上 7.4億以上 A級と同じ

C級

都会居住者は6カ月間退避、農村は農業不可のため移住 6×10-4キュリー以上 4×10-5キュリー以上 148万以上 一人当り:

都会10万円

農村35万円

D級

現有作物の廃棄と1カ年の農業制限 6×10-5キュリー以上4×10-6キュリー以上 14.8万以上 1平方q当り500万円


どうも、この避難基準で、日本政府は動いている感じを受けます。これだとまあ、今の区分となりそうです。

 読みやすいのは、こちら

 しかし,まとめてみてびっくりしました。今回の福島の賠償は、この東海原発の資料をなぞっただけと言うことがよくわかります。皆さんも検証してみてください。(題名を変更しました)

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posted by いんちょう at 05:08 | Comment(5) | 原子力

2011年10月29日

結論の押し売りではなく、導きを

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以前も紹介いたしました。この本から
原題 The Lost Art of Healing

p.95から・・

 永遠の傷
言葉による傷は、いつまでも人の心から消えることなく、苦痛や病気を引き起こす。このことを認識している医師は少ない。ジョンズ・ホプキンズ大学医学部に在学中、ホーズリー・ガント博士という孤高の生理学者がいた。彼は、ロシアの偉大な生理学者、イヴァン・ペトロヴィッチ・パヴロフに師事した唯一のアメリカ人である。ガントは犬を使って、ベルを鳴らした直後に犬の後足に軽い電気ショックを与えることにより、脈拍が早くなり血圧が上昇するように条件づけした。何度か繰り返すと、電気ショックを与えなくても、ベルを鳴らしただけで、心拍数が増え血圧が上昇するようになった。ベルに対する心臓血管反応は時間が経っても消えず、何ヶ月経っても、ベルが鳴れば必ず心拍数が増え、血圧が上昇した。
 苦痛を伴わない刺激の条件付けは、時間がたてば反応が失われ、再び刺激を強化しない限り、いつか完全に忘れれさられてしまう。ガントによると、心臓に反応を起こす不快な刺激は、いつまでも記憶に残る可能性があるそうだ。ガントは、心臓が独自に永久に消えない記憶を持ったとして、この現象を「スキゾキネシス」と名付けた。これは私の患者にも多く見られる。
(中略)
 そして5年がたった。その年はじめて、私の心臓学フェローがZ婦人を診察した。フェローによると、かの女は完全に回復していた。そして私が彼女をもう一度診察するために、フェローと一緒に部屋へ行くと、彼女は高校生に英文学を教えるための教師用資料を読んでいた。私たちは、近頃は読書をする若者が減り、教師も難しい仕事だという話をしばらくした。私はこのことが頭に残っていたので、深く考えもせずに、彼女に「大変ですね」と言った。
 彼女は、びくっと座り直した。美しい顔に恐怖が浮かび、クビは真っ赤になって、はじめてあった時のように震え始めた「それはどういうことですか。どういうことなんですか、先生」。彼女は、質問していると言うより絶望を訴えているとったほうが良かった。今までのんきにしていた彼女が、瞬時にして恐怖にすくみ上がってしまっていた。
 そういう場合は、私の経験では、同僚の医師に説滅する方が効果的である。私は、彼女に心配ないと直接言うかわりに、彼女を完全に無視してフェローの方を向き、今起こったことを説明した。
 「私は、アメリカの英語教師は大変だと言ったのだが、この気の毒な女性は、自分の心臓のことを言われたのだと思ったのだ。私は、心臓には問題がないことを納得してもらったつもりでいたが、一端傷ついた心は、くすぶり続ける石炭のように、いつまでも火種をかかえていて、いつ炎が燃え上がるかわからない。」彼女が口を挟んだ「ああ、よかった!ほっとしました。心臓のことかと思いました。」


キサゴータミーの話
 死んだ子は生き返らないことをわかってもらうために、釈迦は、「女よ、この子の病を治すには、芥子の実がいる。町に出て4・5粒もらってくるがよい。しかし、その芥子の実は、まだ一度も死者の出ない家からもらってこなければならない。」と言われました。

もっと、卑近な諺では、
馬を水飲み場まで連れて行くことはできるが、水を飲ませることはできない
You can take a horse to water but you can't make him drink.

 結論を先に行っては、だれも納得しないのです。情報を他人に伝えることによって、その人自身に考えてもらうように導くしかありません。
 twitterでもつぶやきましたが、ここで再度紹介します。
 私の娘を見ていますと、ままごと大好きで、完全にその役になりきります。もちろん、読者の方もこのような方法で他人に相談されたことがおありかと思います。

 以下、私のツイッター(@onodekita)から抜粋

放射能を表面上恐れていない人に話をするには、自分のことを「自分の友達、姉」とすり替えて、おもしろおかしく話をすればいい。そうすれば、身をのりだして話に乗ってくるはずだ。こちらは自分のことだから、いくらでもいえるが、相手は目の前の人のこととは思わない。だから警戒を解く

「私の友達なんだけど、近くに住んでて、うるさいのよね。なんか、ガイガーカウンターなんか買っちゃってさ・・この前なんか、私の家にまで押しかけてきて、雨樋のところが、0.1xxだなんて言い出すし。困るわよね。こんな人。いい加減迷惑なんだけど。 牛乳飲むななんてうるさいし・・」とか

「私も結構気にしすぎかと思ってたけど、あの人には負けるわ。もう、毎日電話してくるし。道で会うとすぐに話しかけてくるから、目をあわさないようにしてるの。どう、そんなことある?なんか、ごめんね。いままでわーわー言っていて。あなたの気持ちがよくわかったわ。全くもう。。」

「ねぇ、私そのあとでさ、一緒に食事に行ったら、その人ご飯残しちゃってさ。挙げ句の果てには、店員に産地はどこかなんて聞いてるの。一緒にいたら恥ずかしくって・・もう、逃げ出したいって思ったわよ。その時は。スーパーであっても、そんな感じなのよ。」

「なんか、いちいち裏の製造工場を調べて、明治は絶対に買わないなんていっちゃて。そんなこといったら、食べるものなくなるわよねぇ。安かったから、福島県産の野菜買おうとしたら、えらい剣幕で怒られちゃって。いいじゃん、こっちはこっちの考えがあるのにって、内心思ったわよ。」

「私も何が何だかわからなくなって来ちゃった。あなたは、どうしてる?そんな人にあったら・・あっ、そうか私もそうだったわね。ごめんね。なんかぜんぜんわかっていなくて。。」

「ねえねえ、ほら3月にいなくなったoxさん、フランス大使館に知り合いがいたんだって。あと、ほら▽さん、あの人はテレビ局に知り合いがいたんだって。あと、●さん、あの人ご主人が東電に勤めてるんですって。全く腹が立つわよねぇ。一体どこにお金なんかあるんでしょうね。」

「どうして、避難したのかしらね。なんか、別の情報なんかあるのかしら。なんか気味が悪いわ。どう思う?気にしすぎよね。」(と自分がよく知っている避難した人の家族を紹介していく。)

「ねぇ、あなた。何か噂聞いていない?安心してここに住んでていいのよね。私子どもも小さいし、転校はいやだって言ってるし。困っちゃうわ。この間は、久しぶりの友達が電話してきて、いきなり避難はいつするのかって?本当に余計なお世話よもう。・・」


結論は一切入っていません。あとはこの話から、どのように考えるかです。正しい方向に導くには、情報は必要ですが、結論を言ってはなりません。いわば、禅問答みたいなもの。相手に正解を考えてもらうようにしましょう。
 どうでしょうか。この話し方なら、放射能楽観派のお母さんたちとも話せませんか?

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2011年10月28日

郡山駅前80-120μSv/hの衝撃と福島のお米

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 放射能汚染の実態が徐々に明らかになってきました。とともに、政府の無策ぶりも目に見える形となって・・残念ですが・・現れてきています。

 最近は、twitterで情報を得ることが多く、またtwitter内でコメントを返すことも多くなってしまい、ブログの更新が1日1回と以前に比べますと少なくなっています。それでも、昨日は様々な内容の情報が飛んでおりましたので、今回は郡山の汚染状況を中心にまとめてみます。

郡山駅西口の植え込み 80μSv超を確認(福島県)
きょう午後、JR郡山駅前の植え込みの土から、1時間あたり80マイクロシーベルトを超える放射線量が計測された。高校生などが通学で利用する場所で、早急な現地からの除去が求められる。きょう午後、JR郡山駅西口にある植え込みの土から、高い放射線量が確認されたとFCTに情報が寄せられた。FCTが現地で計測したところ、地上から5センチほどのところでは、最大で1時間あたり80マイクロシーベルトを計測した。また、JRの職員が個人で持っていた線量計で調べたところ、120マイクロシーベルトの高い放射線量であることがわかった。
高い値の放射線量が確認された場所は、土の色が変わっていて、線量が高いのもこの場所だけとみられている。現場は駐輪場近くにあり、通学の高校生などが数多く通ることから、早めの処理が待たれる。郡山市は現地に職員を送り、詳しく調査している。
[ 10/27 20:08 福島中央テレビ]


 3号機の爆発映像を著作権違反として、ひたすら消しているテレビ局・・

 動画、リンクともに直ちに消されると思いますので、キャプチャーを貼っておきます。
2011102702.jpg
2011102703.jpg2011102704.jpg2011102705.jpg まず、線量に驚かされます。80-120マイクロシーベルト/hr 私のなじみ深い単位に直しますと、8-12mREM/hr そもそもこんな線量は、稼働中の原子力発電所内の通常パトロール区域であってもほとんど見ない場所で、私の記憶では、Turbine-Driven RFP(Reactor Feed Pump)の近くくらいしかありません。あともう少し高ければ、施錠管理となります。また、原子力発電所内の場合は、配管の中を放射性物質が通っているために線量が高いのであって、放射能により室内が汚染され、高いわけではありません。もし、この数値と同じ場所があれば、放射線管理区域の中でももっとも汚染度が高いD区域となり、さらに立ち入り禁止と直ちになるのは間違いありません。

 この地区の表面汚染がどの程度になるのか、すこし換算してみます。#単位換算
【更新】大熊町内の土壌汚染調査結果のお知らせから
2011102802.jpg

地表面で、80-120μSv/hrといいますから、おおよそ(5)中央台の汚染と考えていいでしょうか。

Cs134+137 換算で 10,000kBq/m2 = 1000万Bq/m2 程度
そして、ストロンチウムは、柏の高放射線 原因はセシウム(原発由来)から、放出比で約1/100であり、
10万Bq/m2程度
まとめると

この植え込みの場所は、
表面汚染     1,000万Bq/m2
ストロンチウム    10万Bq/m2
と、とても人が近づいてはならない汚染だと言うことがわかります。テレビ局の女性(未婚の方とお見受けしますが)が全く放射能防御をせずに測定していますが、本当に怖いモノ知らずといえます。近くには駐輪場があり、セシウム・ストロンチウムの高校生に対する被曝が強く懸念されます。このエリア周囲数キロは、少なくとも立ち入り禁止区域にするべきではないのでしょうか?

これが、どの程度の汚染か・・チェルノブイリの基準と比較してみます
<チェルノブイリ>Cs 137のみで判断
    (強制避難エリア):148万Bq/m2(MBq/km2) 40Ci/km2
第一区分(強制移住エリア):55万5千-148万Bq/m2(MBq/km2) 15Ci/km2
第二区分(補償つき任意移住エリア):18万5千-55万5千ベクレル/m2(MBq/km2) 5-15Ci/km2
第三区分(放射線管理エリア):3万7千 - 18万5千Bq/m2(MBq/km2) 1-5Ci/km
もちろんこの強制避難エリア(緊急に避難させるべきエリア)に直ちにはいります。−比較するまでもありません。

 この福島エリアから、お米が出荷されています。

福島産米「本当にうまい」=枝野経産相が試食
 経済産業省は27日、省内の食堂で客に提供するコメとして、今年収穫した福島県産米の使用を開始した。東京電力福島第1原発事故による風評被害を防ぎ、消費者に「安心、安全」を印象付けるのが狙い。同日昼に試食した枝野幸男経産相は「新米らしく、柔らかくて甘い。本当にうまい」と舌鼓を打った。
 食堂で取り扱っているのは、須賀川市で収穫された「ひとめぼれ」。枝野経産相は「牛タン定食」を注文し、秘書官や若手職員とともに食事をした。(2011/10/27-12:47)

2011102801.jpg2011102804.jpg
 確かに、おいそうに食べられています。

この枝野氏、4月に南相馬市を訪れた時の様子
2011102803.jpg
 内部被曝の怖さは十分にご存じのような方が、おいしく食べられたのですから、福島のお米は大丈夫なようですね。

■関連ブログ
セシウム牛は要全面マスク域で飼育中だった・・2011年07月13日
福島の土壌汚染状況(部分汚染地図あり)・注目・2011年05月07日
5700万Bq/m2(1500Ci/km2)の大地〜大熊町2011年07月27日
柏の高放射線 原因はセシウム(原発由来)2011年10月23日
放射能に盆も正月もない2011年08月24日
2011年民主党重鎮の福島訪問(内部被曝を恐れる人たち)05月11日
2011年08月10日
3号機の爆発−どう考えても核?(50万アクセス)
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posted by いんちょう at 08:46 | Comment(12) | 原子力

2011年10月27日

ヨウ素が必要な人は900人だった。。

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 本日の熊日朝刊から
2011102706.jpg
ヨウ素剤服用指示に遅れ 災害対策本部、900人に助言届かず2011.10.26
 福島第1原発事故で、原子力安全委員会が住民の甲状腺被ばくを低減する安定ヨウ素剤の服用基準を3月13日に政府の原子力災害対策本部に示したが、同本部から自治体への指示は3日後の同16日に遅れた可能性があることが26日、分かった。
 この基準で服用が必要だった住民は少なくとも900人に上るが、政府は服用の有無について把握していない。3月12〜15日に原子炉建屋の爆発などが相次いで起きており、13日に自治体に指示していれば、被ばくを抑えられた可能性がある。
 一方、対策本部の経済産業省原子力安全・保安院は、13日に安全委から基準は示されていないと反論している。
 安全委によると、3月13日、原子力災害対策本部に対しヨウ素剤の服用指示を2、3回にわたり促した。対策本部から安全委に同日、自治体への指示案がファクスで届き、服用基準を書き加えて返送した。人体への放射性物質付着を検査し、1万cpm(1分当たりの放射線測定値)以上の場合は服用すると記した。
 保安院は「紙自体が確認できない」と受け取ったことを否定。実際の服用指示は、原発から半径20キロ圏内の避難がほぼ終わった16日だった。
 福島県によると、これまで検査した約23万人のうち、1万3千cpm以上は約900人。保安院は、原発周辺自治体でのヨウ素剤配布や服用の実態をつかんでいない。


 ヨウ素剤は劇薬でも何でもなく、通常に使用されている薬です。・・・大事。

まず、900人というのがかなり過小評価。これは、検査をして13,000cpmだった人の人数で、それ以外にもたくさんの人が対象になるはずです。当時のおおざっぱな人口は、

富岡町 14,870人
大熊町 11,063人
双葉町 6,448人
浪江町 19,505人
飯舘村 5,975人

合計5万人を超えます。どうして、900人しか必要ないのでしょうか。どう考えても桁が1つ以上違っているでしょう。

 このヨウ素については、ヨウ素剤は、全国民必携でも書いています。

もう一つ、カレイドスコープから
このままでは福島が国際原子力ムラの食い物にされるから

クリックで原本へのリンクへ2011102701.jpg
3月13日に 福島県知事、大熊町、双葉町、富岡町、浪江町に安定ヨウ素剤を内服させるように書いてあります。なぜ、サーベイメーターで確認してからかは大いに疑問ではありますが。この指示がなぜ県庁に届いていないのでしょうか。発信者名は「原子力災害対策現地本部長」ですから、届いていないはずはない。記事と既に矛盾しています。これが、安全委員会が現地対策本部に送ったという指示文書でしょう。時間も早く、このような文章がなくなるはずがありません。

ヨウ素剤とはそもそも

被曝が一瞬に生じると仮定して、100mgのヨウ化カリウム剤「ヨウ化カリウム丸」を飲むことによって被曝を阻止できる 率は、
 服用が12時間前=90%
 服用が 直前  =97%
 服用が1時間後=85%
 服用が3時間後=50% 
  
から、サーベイメーターで調べてから内服させていては、とても間に合いません。この指示文自体がおかしいのです。


県、安定ヨウ素剤の回収指示 三春町ではすでに服用(2011/03/18 福島民放)
 福島県は17日までに、放射能の健康被害を防ぐ内服薬「安定ヨウ素剤」を住民に配った三春町に対して回収を指示した。安定ヨウ素剤は原子力災害対策特別措置法に基づき、国の指示が出てから住民に配布する。町は「住民はすでに服用しており、回収できない」としている。県によると、安定ヨウ素剤配布の国からの指示は出ていない。現段階では、県は一部の自治体に備蓄用として配っている。
 町は14日に県から安定ヨウ素剤を入手。福島第一原発の爆発事故などを受け、専門家の意見を聞いた上で15日に配った。町は「県が放射能の測定調査の数値を公表していない段階だった。放射能の状況が分からない中、町民の命を守るために配布を決断した」としている


14日に県が三春町にヨウ素剤を配って、その後17日に回収を指示。

このような記事もあります。
ヨウ素剤配布で混乱、誤った服用指示も
19日には、世界保健機関の緊急被曝医療協力研究センター長の山下俊一・長崎大教授が県の災害対策本部を訪れ、報道陣に対し「放射能のリスクが正しく伝わっていないが、今のレベルならば、ヨウ素剤の投与は不要だ」と話した(2011年3月21日03時06分 読売新聞)

どうでしょうか、本日の記事と全然あいません。本当の内容であれば、こういった細かいところがまるで、ジグソーパズルの一片を埋めるようにぴしっとあうはずなのです。
 なぜ、こういった報道が本日出てきているのか、その真意を深く読み取る必要がありそうです。

カレイドスコープの「子供の20ミリ被爆」と「SPEEDI隠し」は「泣き芸」知事の仕業も見過ごせない話が書かれています。是非お読みになってください。

■関連ブログ
ヨウ素剤は、全国民必携2011年07月19日
各家庭へのヨウ素剤の配布がないのは無責任2011年06月30日
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posted by いんちょう at 23:56 | Comment(2) | 原子力

2011年10月26日

福島原発災害−生の声

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 私は、福島に5年間住んでいました。福島弁を話すことはできませんが、福島弁かどうかはわかります。ごく軽度の訛りは、なかなか難しく、その土地にいる人でないと話すことができないと言っていいでしょう。そう言う点で、証言かホンモノかどうか、私なりに判断しています。おそらく,皆さんもお国言葉のホンモノ、偽物は、すぐにわかるでしょう。

まず、4月2日に行われたインタビュー

・東電関係者は、事故後早期に避難していた
・既に情報が会津まで届き、浜通からの避難民が不当に差別されていた
等、恐ろしい話が続きます。関連ブログで紹介している記事と、合致します。すなわちホンモノと言うことです。・・まあ、話し方などですぐにわかりますが・・

 これは、飯舘に住んでいるオートバイショップの方?かなり機転の利く方のようで、情報を色々と集めて、適切に対応されています。長いのですが、興味を引く内容でついつい引き込まれてしまいます。必見。原発内部の情報も漏れています。5−6号機の危険性も指摘しています(未確認情報)
2011.10.21 放送








元東電社員が語る福島原発の真実その1.flv

 ホンモノの方でしょうが、訛りがない。一体どこ出身の方でしょう。

高知に避難中元東電エリートの内部告発と祈りの勧めに文字起こしがあります。
その後の発言はあまり聞かないですね・・

 このような動画を見ていると、テレビを見るような時間はありません。(まあ、必要もないですが)情報が色々出ていますが、ホンモノの情報は、本当に細かい、日付、時間、場所、情報内容に矛盾が出てきません。下の関連ブログと読み比べてみてください。

■関連ブログ
【西ドイツ放送】死の地域に生きる−フクシマの真実2011年10月24日
プロメテウスの罠(朝日新聞)2011年10月15日
もぬけの殻となっていた双葉厚生病院−その時なにが・・(100万アクセス)2011年09月20日

続きを読む
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posted by いんちょう at 23:51 | Comment(5) | 原子力

2011年10月25日

説得は、相手の懐に飛び込んで・・

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 高濃度の汚染スポットが報じられるようになってきました。

柏・高放射線量地:原発由来の雨水 土壌蓄積…文科省調査
2011年10月23日 21時46分 更新:10月24日 1時19分
(中略)
21日の市の測定では毎時57.5マイクロシーベルトの異常に高い空間放射線量を記録した。文科省の調査は当初24日を予定していたが、柏市が前倒しを要請し、23日に繰り上がった。
 ◇専門家「現状なら健康への影響小さい」
 千葉県柏市で、非常に高い濃度の放射性物質を含む土壌が確認されたことで、同市民や「ホットスポット」と呼ばれる放射線量が局所的に高い他の地域の住民に不安が高まっている。専門家は同様の現象が発生しうるとした上で、現状の水準ならば健康への影響はほとんどないとしている。
 松本義久・東京工業大准教授(放射線生物学)は「柏市は街全体がホットスポットのようになっているため、今回のような非常に高濃度の土壌が生じたのだろう」と分析。「ただし、汚染土壌のデータから、内部被ばくの線量などを試算しても健康への影響はほとんどないと思われる」と語った。


2小学校で10マイクロ・シーベルト超 我孫子
 我孫子市内の小学校2校の敷地内で、毎時10マイクロ・シーベルトを超える放射線量が測定されていたことが24日、分かった。同市教委は立ち入り禁止の措置を取っており、「児童の安全は確保している」としている。
 市教委によると、9月7日、同市立我孫子第一小の敷地わきの側溝で高放射線量が測定されたと同小から報告があった。同月15日に高性能の測定器で側溝の地表を測ると、毎時11・3マイクロ・シーベルトの放射線量を測定。地上50センチでは同1・7マイクロ・シーベルトだった。側溝底の土から、1キロ・グラム当たり6万768ベクレルの高濃度放射性セシウムを検出した。
 市教委が側溝周辺を立ち入り禁止とし、10月上旬までに側溝底の土を除去すると、地上50センチで同0・6マイクロ・シーベルトに低下した。土は市クリーンセンターで保管している。
 また、6月には同市立並木小で、プール掃除で出た汚泥を置いていた地表付近で同10・1マイクロ・シーベルト、高さ1メートルで同3・56マイクロ・シーベルトが測定された。市教委はシートをかぶせ土を盛ったうえで、近づかないようロープを張った
(2011年10月25日 読売新聞


 そして、この解説が、

各地でホットスポットの恐れも 専門家「健康への被害は少ない」と冷静な対応呼びかけ2011.10.24 22:11
 千葉県柏市で局地的に測定された高い放射線量に、日本原子力研究開発機構の吉田善行客員研究員(放射化学)は「人体や健康への影響は問題ない」と言い、冷静な対応を呼びかけている。
 今回はまず、地表面で毎時57・5マイクロシーベルトの高い放射線量が測定された。吉田研究員によるとこの値は、子供が側溝の横を毎日、多く見積もって、1日1分間にわたって横切ったとしても、年間の被(ひ)曝(ばく)積算量は0・5ミリシーベルト以下で、除染対象方針(1ミリシーベルト以上)よりも低い値となる。
 現場は町内会のレクリエーションで使用していたが、月1回2時間程度での年間積算量も1ミリシーベルト程度。吉田研究員は「東京とニューヨーク間を5往復する程度の被曝量で、問題はない」と説明する。
一方で、深さ30センチ地点の土壌で検出された放射性セシウムについては「影響するのはあくまでも地表面。今回のような濃度の放射線源の場合、周囲10メートルも離れれば放射線量はかなり薄まる。健康にも全く問題はない」としている。ただ、年間の積算量が1ミリシーベルトを大幅に超えるような地点に長時間留まり続けるのは危険だとも指摘。「むやみに土壌を掘り起こすのは注意が必要」と話している。


 私に言わせると

専門家には2種類いる。・何も知らないか ・知っていて黙っているか である。

なんですが・・それにしても、突っ込みどころ満載の文章です。これで、何も疑わずに信用してしまう人などいるとはとても思えません。

 また、柏におられた方に聞きますと
・外出して道路を歩くと足の裏がちくちくする
・雨が降ると必ず頭が痛くなる
と言った症状がかなりの人に出ているのに、全くそれを気にしていない。そして、放射能の危険を言うと完全に村八分の状態になってしまうと。

 どうしたら、こういう人たちとコミュニケーションが取れるのか、ましてやそういう人が家族であることも多いでしょう。涙をのんでいるママもたくさんいると思います。私は、以前どうしてもまわりの方に話を聞いてもらえない方へを書いていました。ここでは、原爆の怖さを本当に知っている人の話を聞けば、きっとわかってもらえるというなまっちょろいものでした。
 どうやら、これだけではどうしようもないはずです。

 twitterから・・・(精神科のDr.)

「世の中には放射能を怖がっているヤツらがいるけど、そんなもの気にしていたってしょうがないですよね?」と言う患者さんが結構多い。ふむふむ。最後に付け加える「あ、そうそう食べ物による内部被曝は気をつけてね」たいていの患者さんは「え?」という顔をして、でもやっぱりそうかという顔になる

地味に伝える、、相手はマスコミや推進派の医師の話しか聞いていない。でも身近な医師からは「食べ物による内部被曝に気をつけろ」と言われる。そんなささやかなことしか出来ない自分に恥じながら生きている。

そう言われれば相手もぽつりぽつり話し始めること多い。「特産品」の売上げが落ちているんです。商品券で送って良いでしょうか、、まぁ、こんな事言っていいんでしょうか、、云々。大丈夫、言論や思想の自由って子どもの頃教わったでしょ、、ふふふ。


 これは、本当になるほどだと思いました。相手の懐に入り込んで、自分の言いたいことを言う。色々報道を見たり聞いたり、あるいは自分の身に降りかかっていることで、放射能が危険とは身体ではわかっているのです。全員が。
 ただ、頭で認めたくない、認められないと考えている。そこをうまくつかないといけません。その会話の一例だと思います。

実は、この手法は推進派もよく使う方法です。

放射能を必要以上に怖がることは「エセ科学」=カルト宗教-新聞論説から

・始まりの文章は、誰が読んでも正しいことを書く。
・文章の途中までは、自分の意見とは反対の意見をただしいかのように記述する。
・本来はただしい意見を、突拍子もないとんでもないことと結びつけることによって、ただしい意見も間違いだといった印象を植え付ける。
・最後には、また誰が読んでもただしい意見を述べる

我々も、この手法を用いればいいのです。全員心の中に「放射能は危険で怖い」という正しい知識を持っています。それを「理性」というウソで塗り固めた鎧でもって外に出さないようにしているのです。そういう状態でけんかをしても始まりません。まずは、鎧の中に入ってしまって、そのくすぶり続けている火にちょっと油を足すだけで、心の中はおおきく変わります。
 まずは、相手の意見を十分に聞くこと。そして、その意見の中の矛盾点を指摘してあげれば、徐々に心は解けるはずです。

 おまけ・・
 インターネット、twitterは全く信用できないと鼻から毛嫌いしている人たちがいます。そういう人にも上記手法は十分使えるのですが、新聞がデマを飛ばした例を紹介しておきます。
2011.5.16読売新聞
チェーンメールで放射能のデマ拡大
2011102502.jpg
 福島第一原発の事故に関連して、千葉県の柏、松戸、流山と埼玉県の三郷の計4市で、飛び地のように放射線の観測数値が高くなる「ホットスポット」が発生しているいううわさがチェーンメールやツイッター、ネット掲示板などで広がっている。
 文部科学省原子力災害対策支援本部は「千葉と埼玉で測定されている数値は平常時と変わらない」としており、日本データ通信協会迷惑メール相談センターは「公的機関や報道機関などの根拠のある情報を確認してほしい」と注意を呼びかけている。同センターは状況の把握と分析のため、デマなどのメール転送を求めている。


 今となれば、どちらが正しかったのは明白です。上記記事に出てきた役所には抗議の電話をしなければいけませんね。私も確認してみます。

 twitterは、まるで魑魅魍魎の世界のように思えるかもしれませんが、実はそうではありません。何でも知っている人が参加しているわけではありませんが、どんなことに対しても知っている人が何人かいる・・そんな感じです。
 例えば、twitterで自分は、精神科の医師だ と言ったとしましょう。そんなのすぐにばれます。ホンモノの精神科医がいますし、他の医師もいます。つい、「僕は、精神科の医師なので、解剖などはしていないのでよく知らない。」と発言してしまえば、一発。医師ならこの発言が大嘘だとわかり、それ以降は相手にされなくなります。

 敬遠していた方も、ちょっとのぞいてはいかがでしょうか(ただし、あんまりはまると時間をおおきく取られますので、要注意)

■関連ブログ
どうしてもまわりの方に話を聞いてもらえない方へ2011年09月04日
放射能を必要以上に怖がることは「エセ科学」=カルト宗教-新聞論説から2011年08月29日
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posted by いんちょう at 23:55 | Comment(7) | 原子力

2011年10月24日

【西ドイツ放送】死の地域に生きる−フクシマの真実

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 フクシマの状況が全く報道されません。広島原爆168個分のセシウムが放出されているのに、なぜそのままその場所にとどまっていられるのか。だれも、何にも考えていないのかと不思議でなりませんでした。東京にすんでいる方が危機感を全く持っていない(対岸の火事と思っている)のは漏れ聞く限りよくわかりますので、福島もおそらくそうなんだろうと勝手に思っていました。

西ドイツ放送局の死の地域に生きる・・・これは、twitterからの情報で知りました。


 てっきり、何も知らずに遊んでいる福島の人が出てくるとばかり思っていましたが、全く違いました。まず、最初にでてくる民家に住む男性

・千年も住み着いているのだから、逃げるわけにはいかない。自分の代では離れられないと。内心の苦しみをかみ殺し、涙をこらえて心の底から絞り出し、自分に言い聞かせるように話しています。その姿は、全てを知っていて決して逃げない侍のよう。
・3号機の爆発についても触れています。通常の爆発ではない。ウランとプルトニウムが核爆発をして全てを吹き飛ばした。嘘をついているのは東電だけではない、国もだ。
・建物も、木も全て除染したが、しばらくたつと元通り。
・国や県が安全と言っているが、全く信用できない。

全てに同意いたします。この方は、全てをご存じです。

次の女性
・子どもたちは、もう外で遊べない
・線量計が配られたが、実験台に子どもたちがされている。喜べない。高線量の場所を教えてくれるわけではない

また、スーパーでの野菜の産地など、福島の人たちが放射能のことを恐れ、自分のできる範囲できちんと対応されているのがよくわかります。圧巻なのは、屋外コンサートの場面。自治体の長が、安全安全というばかりで、本当に住民のことなどを考えていないことがよくわかります。

 30分という短い時間ながら、フクシマの現状をきちんと伝えてくれています。さすが、ドイツの放送局だと思います。日本には、大きな民報が5つ、国営放送が一つあります。なぜ、このような真実を報道する放送局が全くないのでしょうか。安全を振りまく番組があってもいいでしょう。バラエティもあっても問題ないと思います。しかし、なぜフクシマの問題点を正面から取り扱った番組を全く作れないのか。
 全ての放送局が、安全安心の放射能幻想を振りまき、空いている時間にはバラエティか、テレビ通販しかしないのであれば、放送局など1つだけあれば十分です。真実を放送するのが、報道に携わる者の矜持ではないのですか?

 この動画は、是非ご覧になってください。

日本の放送局では作れない真実を報道していただいたことを西ドイツ放送局の方に感謝申し上げます。本当にありがとうございます。

どうしたらいいのか、私にもわかりません。ただ一ついえることは、この悲劇を二度と繰り返してはならないと言うこと。
 関東圏は高濃度の放射能で既に汚染されており、西日本も決して安全ではないことは、様々なデータからわかります。人ごとではありません。「福島の人は大変だなぁ」とボーと考えているばあいではないのですよ。

同じくドイツが作成した日本の現状を風刺した動画
Heute Show 「犯罪会社東電」

 風刺番組ですが、これを笑うことができる日本人はいるでしょうか(2011.4.1放送のようです)

■関連ブログ
3号機の爆発−どう考えても核?(50万アクセス)2011年08月10日
原発で子供を遊ばせる国−ニッポン2011年06月15日
posted by いんちょう at 20:55 | Comment(18) | 原子力

2011年10月23日

柏の高放射線 原因はセシウム(原発由来)

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柏の高放射線 原因はセシウム
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柏市は「なぜ放射性セシウムがあったのか、今の時点では分からない」としていて、文部科学省と連携して原因を調べるとともに対策をとることにしています。柏市の空き地の土から高濃度の放射性セシウムが検出されたことについて、放射性物質に詳しい大阪大学の藤原守准教授は「半減期が2年のセシウム134は、原子炉を動かしたときにできる物質で、通常は原子炉の中にしかないため、今回検出されたのは福島第一原発の事故による放射性セシウムと考えられる。局所的に濃度が高くなっていることから推測すると、側溝などで濃縮された放射性セシウムを含む土か、福島第一原発近くの土が外から持ち込まれた可能性が考えられる。土壌の分析をすれば、福島の土か、柏市内の土か、ある程度推定できると思う」と話しています。
 記事では原発由来と書いてありますが、動画では「考えにくい」と話しています。いずれ直ちに消去されるでしょう。

柏市、土壌からも高濃度セシウム 文科省「原発事故否定できず」2011/10/22 21:39 【共同通信】
千葉県柏市は22日、毎時57・5マイクロシーベルトの放射線量が測定された同市根戸の市有地で採取した土壌を検査した結果、最大で1キログラム当たり27万6千ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表。24日に文科省とともに現地調査して原因解明を進め、今後の対応を協議する。

 文科省は「東電福島第1原発事故で放出された可能性は否定できない」と指摘。検出されたセシウム134とセシウム137の割合が、同事故で放出されたセシウムの割合と近いという。
 ただ、検査結果は地表より地中の方が濃度が高い。文科省は「原発からの距離を考えると、奇妙なことが多い」としている。


柏市のホームページ
柏市内における高濃度放射線の確認について
2011102303.jpg
柏市内において高い空間放射線量を確認した土壌の測定結果について
2011102307.jpg

twitterで流れた情報から@tyoshiza
柏市根戸の57μSv/hの場所。周辺3m立ち入り禁止どころではなく、そこに通じる路地が入り口で出口で50mほど進入禁止 バリケードが築かれている。
近くの測定ポイントの線量(柏市根戸の例の場所周辺の線量 測定ポイント数もすくないのでなんとも言えないけど有意に高いわけではない。この地域全般とあまり変わらない)
2011102304.jpg

スペクトル分析(柏市)
2011102309.jpg
(参考・・飯舘村)
2011102305.jpg

放射性炭素による年代測定の原理
試料に残っている炭素14の量から試料の年代が測定でき、精密な測定のために補正がなされる。放射性炭素による年代測定法は、独立した別の年代測定法によりチェックがなされており、信頼できる。
 放射線同位元素の比率で年代を推定できるのです。この場合はどうでしょう。

東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故に係る1号機、2号機及び3号機の炉心の状態に関する評価について平成23年6月6日原子力安全・保安院から
2011102308.jpg
 これを見ておわかりのように、
Cs134:Cs137:Sr-90 =100:100:1
と、原発放出当初はなります。半減期が
Cs-134 2.1年
Cs-137 30.0年
ですから、
2年後 Cs134:Cs137 = 1:2
4年後 Cs134:Cs137 = 1:4
6年後 Cs134:Cs137 = 1:8
と変化していきます。今回、この比率を見ますとおおよそ、1:1ですから、福島原発由来と断定できます。(他に原発が爆発していれば別ですが)

 今後報道があった場合には、このセシウム比率を確認することで、おおよそどこ由来かを想定できることでしょう。
例えば、中越沖地震の柏崎刈羽原発由来であれば・・7年前ですから・・
Cs134:Cs137 = 1:8
程度となります。両者とも比較的簡単に測れる放射性同位元素のようです。発表の際には、この比率に注目すれば、自分で判断できるようになります。

参考資料
SAVE CHILDから
【汚染】柏市が小学校や住宅街に隣接する最終処分場に「最高70800ベクレル/kgの放射能焼却灰」25トンを埋め立てていた

■関連ブログ
殺人軽トラ が となりに 〜 福島県いわき市小名浜の実態2011年08月30日
福島原発事故後の不審な病死(80万アクセス)2011年09月07日
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posted by いんちょう at 10:56 | Comment(1) | 原子力

2011年10月22日

被災地のガレキ受け入れ 熊本市など拒否(熊日1面)

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 ガレキ問題−−熊本市で動きがありました。本日の熊日朝刊
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 熊本市など県内8団体は21日までに,東日本大震災の被災地で発生した、がれきなど産業廃棄物の受け入れについて、「自然環境の影響など安全性が確認できない」などとしてきょひすることを熊本県を通じて環境省に回答した。
(中略)
 九州地方環境事務所(熊本市)は「被災地だけでの処理に限界があり、何年かかるかわからない。全国の皆さんの力が必要。安全に処理する環境設備には環境省が責任を持つので、何とか協力をお願いしたい」とはなしている。
 一方、東京電力福島第1原発事故で、関東などから県内に避難・移住した母親等で作る「STOP!放射能の会」は同日、熊本市などに回答内容を照会。同市役所で会見した東しのぶ代表代行は「自治体などが受け入れに慎重に対処してくれている状況はありがたい」と評価。「私たちの命にかかわる重大なことが、見えないところで決められるのは恐ろしい。県などは積極的に情報を公開し、民意をくみ取るべきだ」と話した。(潮崎知博、川崎浩平)


 素晴らしいと思います。もし、この事故が5年前に起きていれば、住民がなにも知らないままにこのままガレキを受け入れていたことでしょう。
 きっかけは、10月7日に環境省がこっそりと出した文章(ガレキ処理の自治体アンケート・・狡猾な罠)2週間と非常に短い回答期限を区切った上に、受け入れないという選択肢のない、半ば脅しに近い内容。しかも,回答内容は公開しないと明言してあります(現在、ネット上ではこの文書を見ることはできません)このような役所が、「安全に処理する環境整備に責任を持つ」−−これはウソ パンツでおならは防げない をご覧ください−−と言われても、信用しろという方が無理です。
 本当に自信があるのだったら、こういったこそこそと卑怯な方法をとらずに正々堂々と書けばいい。書けないからこそ、こういった方法をとるのではないのですか?
 なぜ、この文書の存在が明らかになったか。それは、twitterとブログです。twitterでこの情報が流れ、ブログにその文書が載っている。それによってあっという間に全国の人が知ることになりました。
 twitterは、簡単に言いますと、インターネット版「井戸端会議」みたいなものです。みんなで真偽がはっきりしないうわさ話を持ち寄り、それを知り合いに広めるという働きをします。ご近所で「スピーカー」とあだ名をつけられる話し好きのおばちゃんがいませんか?もしそのおばちゃんに情報をしられてしまうと、あっという間に広まって、近所中が知るところになるのは、実社会でもよく経験されているでしょう。それと同じです。ウソも混じっていますが、本当のことも多い。そんな世界です。ただ、人の噂も七十五日というように、情報が廃れてしまうのも早いのが難点。あんまり信用しぎると振り回されてしまいますから、ほどほどに。

 また、この行為の素晴らしいところは、新聞記者と同行していることです。こうすることで、記事となり、言った言わないの齟齬を防げます。また、役所が恣意的に言い換えることも不可能となります。是非、皆様方も役所に行かれる際には、話のよくわかる新聞記者と一緒に行かれることをおすすめいたします。あるいは、地方議員でもいいとも思います。ただの個人がいっても、いいようにあしらわれてしまいます。(もし、その両方がダメならば、動画、あるいはボイスレコーダーを用いて、きちんと記録を取っておくことです)
 その上、新聞記事に署名までしてあります(一面の署名記事は珍しいと思います)今後、熊本で放射能関係の抗議を行う場合には、この方たちに連絡すれば報道してもらえる可能性が高まります。
 環境省は最初から知っているのに、フィルタでセシウムが採取できると言う信じられないことを言っています。また、4月の時点からこの問題があるのは、私が以前書いているとおりです

 がれきの処理を行っているのは、環境省、適正処理不法対策室です。
電話をしましたところ、やはり
・福島県の浜通地方 以外は、通常の震災廃棄物扱いで、特別処置はしない。
・環境省としては、測定する予定もない。
・いくつかご批判の電話は来ている


 まともな内容が認められ、しかも新聞に報道されますと、本当に安堵します。

■関連ブログ
パンツでおならは防げない−バグフィルターに見るウソ2011年10月20日
ガレキ処理の自治体アンケート・・狡猾な罠2011年10月17日
日本列島全体が汚染列島へ☆☆☆☆☆2011年05月17日
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瓦礫問題・・一歩前進2011年06月04日
タグ:P
posted by いんちょう at 21:51 | Comment(9) | 原子力

福島原発の現在の状況と問題点

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今回は、福島原発そのものの状況に焦点を当てます。

福島第2原発再稼働を=電力不足を懸念−日商会頭
 日本商工会議所の岡村正会頭は20日、福島市で記者会見し、定期検査などで停止中の原発の再稼働問題について、電力供給不足懸念を踏まえ「政府が安全を確認し、地元の理解が得られるなら、当面は再稼働へ進まざるを得ないし、進むべきだ」と述べた。また、「地元理解が大変難しいことは認識している」と断った上で、東京電力福島第2原発の再稼働に期待を示した。
 さらに長期のエネルギー政策に関して「技術の進展は予測がつかない。10年後くらいに改めて見直す必要がある」と指摘。将来、安全技術が向上すれば脱原発を転換すべきだとの考えをにじませた。(2011/10/20-15:33)


 2F(福島第二のこと)が現在動作できる状況にあるとはとても思えません。福島第二−やはり塩害だったはたしてこの海水はどう処理したんでしょうね。敷地にまいたんでしょうか?続報を私は聞いていません。

発言主
岡村正
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2000年6月に東芝社長に就任し、肥大化して脆弱になった東芝グループの事業再編を進め、経営体質の強化を進めた。2005年7月に同社会長となり、同時に日本経済団体連合会(日本経団連)副会長に就任。2007年11月には日本商工会議所の第18代会頭に就任した。以来、財界、およびそれを代表した委員として参加する公的機関などでの社会活動を積極的に行っている。
2006年(平成18年)01月 - 英BNFLから、ウェスティングハウスを54億ドル(約6370億円)で買収。原子力発電装置の世界三大メーカーの一つとなる。

 まあ、原子力村の親分ですから、この発言は当然です。驚いてはいけません

東電のホームページ福島第一・第二原子力発電所の現況(2.04MB)[2011年10月18日]がありました。2011.10.18発表
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なにやら、冷温停止とむりやり定義づける表です

1,3,4号機は原子炉建屋上部に損傷あり。2号機は圧力抑制室の閉じ込める機能に異常がある可能性あり。5,6号機は水素ガス滞留防止のため、原子炉建屋屋根部に穴あけを実施
チ2:1〜3号機の炉心損傷状況の暫定的な解析では、燃料ペレットが溶解し、解析条件によっては圧力容器底部に移行したとの結果が得られた。しかし、原子炉への淡水注水により、1,3号機では原子炉圧力容器底部の温度が100℃以下で安定している。2号機においても10月17日現在100℃を下回っており、試験的に注水量を変化させて圧力容器底部温度を100℃以下で安定できることを確認


5−6号機も決して安定した状況でないことがわかります。なぜ、水素ガスが貯留する可能性があるのでしょう?この屋根の部分はまだ、このまま雨漏りを続けているのですか?情報がありません。冷温停止状態ではあるものの、何らかの重要な欠陥を未だに内包していると思われます。それが何かは私にはわかりませんが。
 そして、解析条件によっては圧力容器底部に移行した とは、どういうことでしょうか。まだ、燃料が炉心内にそのままあると考えているとは、ちょっとどういうこと? と思います。格納容器の中にあるとさえ、私は思えません。海外の専門家の意見をお聞きになられてはどうでしょう?(海外の専門家も決して当てにはなりませんが)
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 今回再稼働を言い出した福島第二・・これだけだと順調なようですが、実はそうでもありません。
2011.10.21の現状
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1号機は、残留熱除去系が片肺運転。非常用ディーゼルも復旧していません。余裕のない状況のない原子炉が一つでもある状態で、他のプラントを起動するなんて、とんでもありません。
2011.8.28
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しかも、これを見ますと、2号機、4号機の残留熱除去系が二系統運転となったのは、8月上旬。福島第二からは何の情報も漏れてきていませんが、かなり危機的な状況になっていたのが伺えます。プラントが運転前の状況になっているとは、とても思えません。今動かすといって、一番反対するのは、福島第二の職員でしょう。そもそも、この発電所内の体育館では福島第一の作業員たちが寝泊まりしているのです。こんな状況で、稼働するなんて正気の沙汰ではありません。
 冒頭の発言をした人は、ご自分の目で現場を確かめるべきです。そして、責任をしっかりと取ってください。

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 特に3号機。内部の温度が72度でありながら、なぜ大気圧よりも原子炉圧力が低いのでしょうか?こんな状況で、燃料が炉内にあるというのはほんとうですか??

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サーベイマップは8月のモノが最終。屋外でありながら、あちこちに信じられない高線量(私の感覚では、10mSv/hrを超える線量は、運転中でしかありえません。)があります。原発内であれば、施錠管理が必要となるエリアがあちこちにあり、10,000mSv/hrを超える場所までわけですから、とんでもない話です。見逃していたのかもしれませんが、その状況を東電は、7/30に公開しています。何の変哲もない場所が高線量。ペレットかなにかではないかと考えるのは、考えすぎでしょうか?
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 なんと、敷地境界で10μSv/hrもあります。これは、チェルノブイリ(事故10日後で敷地境界 10-15mREM/hr= 100μSv/hr)と比較しても、かなり高い数値です。収束しているとはいえません。あの、広大な敷地でこの状況ですから。。

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 Puが少ないといっているのですが、着目点はPu-238 の測定値 0.076Bq/kgですから、アルファ核種はこの程度の分解能で調べると言っていいでしょう。そうすると、アメリシウム241の検出限界が3.7Bqという記事(既に消去されているようです。私のブログをどうぞ)は、ウソです。アルファ核種をこの程度の感度で測定するはずがありません。こういった細かいところを見れば、前の報道が正しかったかどうかがわかります。

しかも、この表−5を見てください。
2011102310.jpgと2桁も違います。Pu-241 -> Am-241と変化しますから、本来一番大量に放出したと推定しているPu-241 と Amアメリシウム-241も測定すべきですが、一切記載はありません。

理解され信用され受入れられるPu利用への道から
「ふげん」におけるPu-241崩壊とAm-241蓄積の影響
最後に、Pu利用で考慮すべき事項に触れたいと思います。軽水炉の使用済燃料から抽出される核分裂性Puは、Pu-241 が約20%、Pu-239が約80%ですが、Pu-241が半減期〜14年で崩壊して核分裂を殆ど起こさないAm-241に変換し、このAm-241がB-10と同程度に中性子を吸収するとともに、放射能を増加させることです。


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周辺線量を測定しています。おおよそ0.3-1.2くらいですが、20-33マイクロシーベルト/hrという高線量のところがあります。このような場所が近くにありながら、避難区域を解除するつもりというのは、本当でしょうか?とてもそんな段階にはなさそうですが・・部分的に立ち入り禁止エリアを作るつもりなのでしょうか?現状をご存じでした?(私は知りませんでした)

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 原発周囲の目標線量は、0.05mSv/年 らしいです。
なんだか・・・・

 一つ一つの報道に惑わされてはなりません。全体を見通すようにすればいいのです。一つの資料からも色々と他の報道内容が検証できることを理解していただけたでしょうか。こうすれば、報道に一喜一憂するのではなく、正しい報道が一体なにかを自分で判断できるようになるのではと思います。

■関連ブログ

アメリシウム241とはなにか、どこからきたのか
2011年09月18日
福島第二−やはり塩害だった2011年07月09日
1000mSv/hrのがれき2011年05月22日
3号機タービン建屋の大穴・・高線量のガレキでは?2011年07月23日
10シーベルト超/時の放射線量(原爆爆心地並み)2011年08月02日
チェルノブイリよりはるかに線量高い?−福島2011年06月22日
タグ:1F 2F
posted by いんちょう at 12:29 | Comment(6) | 原子力

2011年10月21日

人類とはなんと愚かで、なんと素晴らしいのだろう

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核爆発の実験


 何度見ても、このような爆弾を人間の上に落とした人間がいることに怒りを覚えます。口で言い表せない怒り。そして、この現実を全く知らなかったこと。そして、独立のためには核も必要かもしれないとすこしだけ思っていたこと。原発でつとめていたこと。広島、長崎の事実を知りながら、全く本気で考えていなかったこと。なんと、愚かだったのでしょう。

 一瞬ですさまじい高温になるため、塗料が蒸発し剥がれてしまう。この世のものとはおもえない破壊力です。これでも、広島原爆の1/10くらいではないでしょうか。(おそらく、戦術核)

 この原爆が人の上で炸裂するとどうなるか。
(グロ・・・注意マンガですか)


橋爪さん、肥田先生の話と寸分違いません。噂では、核兵器の威力を見るために、広島にはその前の空襲がほとんどなかったと聞きます。

 愕然とする真実で、ほとんどの方が知らなかったのではと思います。

 最初の核爆弾のBGM・・どこかで聞いたことがあると思いましたら、
Sarah Brightman & Antonio Banderas - The Phantom Of The Oper

なんと、14,528,764 view(2011.10.21)

 こんなに素晴らしい文化を創る人類が、なぜあの破壊をすることしかしない原爆をこの世に生み出してしまったのでしょうか。私には、この二つのビデオがどうしてもつながりません。

うたっている女性 Sara Brightmanの代表作

プロモートが東芝EMI・・・なんということでしょう。

■関連ブログ
原発と原爆はおなじもの・・橋爪文氏2011年10月02日
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posted by いんちょう at 17:09 | Comment(1) | 原子力

2011年10月20日

パンツでおならは防げない−バグフィルターに見るウソ

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 先日書きました環境省のガレキ処理の自治体アンケート・・狡猾な罠のコメント欄にいただいた情報
環境ジャーナリスト 青木泰さん
月刊廃棄物2011 october P57から抜粋させていただきました。
http://dl.dropbox.com/u/40607011/%E7%A6%81%E3%81%98%E6%89%8B.pdf
---
有識者検討会で、放射性物質がバグフィルターで除去できるかどうかの検討のために提出された研究論文は、京都大学の「都市ごみ焼却施設から排出されるPM2.5等微小粒子の挙動」という論文であり、放射性物質を除去できたという報告ではない。ここでは喘息の原因となる微小粒子は、バグフィルターを通せば99.9%除去できると報告しているが、ガスは検討対象から外れている。
このような論文で、放射性物質はバグフィルターでほぼ取れるというのは、サッカーのゴールネットで野球のボールを捕獲できるというに等しい暴論である。
---


 なかなか、有意義な情報です。この種の議論は、魚で放射性物質は濃縮しないという内容で私も見たことがあります。まず、いろいろと情報を集めてみることにしました。

ここのサイトが、このバグフィルターについては、詳しくまとめてあります。(筆者ですから、当たり前ですね)
青木泰のブログ
バグフィルターで放射性物質が除去できるか? 〜放射能汚染廃棄物の焼却処理〜
3)放射性物質は、バグフィルターで除去できると裏付けなしに語る。
 有識者検討会の委員で環境省の方針を積極的に後押ししたのは、国立環境研究所の大迫政浩資源循環・廃棄物研究センター長である。大迫氏は、バグフィルターが付加されていれば、放射性物質を除去できるため、煙突から煙となって拡散されることはないと朝日新聞の週刊誌「アエラ」で語っている。
 しかし大迫氏らの発言は、実証的な実験の裏付けがあって語っているわけでない。
 有識者会議に大迫氏が資料として提出した論文は、放射性物質がバグフィルターで除去できるというものでなかった。

 その論文は、論題は、「都市ごみ焼却施設から排出されるPM2.5等微小粒子の挙動」であった。微小粒子が喘息等に影響を与えると言う米国や環境省の報告を受けて、既存の焼却炉で除去できているかの実験をしたものである。
 微小粒子が、バグフィルターで99.9%除去できたとする実験結果でしかなかった。

 実際廃棄物関係の専門誌である「月刊廃棄物」では、大迫氏は、「元来放射性物質は廃棄物処理法に含まれていなかったので、われわれ国立環境研究所は、知見もノウハウもほとんどありませんでした。」「自治体からの要請に基づいて、排ガス中の挙動や放射能レベルが高くなる原因究明などについての調査なども行ってゆきます。」
と語っている。
 アエラで語った「放射性物質は除去できる」というのは裏付けなく話していたにすぎない


東京23区のごみ問題を考える
資料9    放射能を帯びた災害廃棄物の処理に関する検討(大迫委員)(2011年6月5日(独)国立環境研究所 資源循環・廃棄物研究センター) 【7/8】から
2011102001.jpg2011102002.jpg

 バグフィルターとはそもそもどんな装置なのでしょうか?
株式会社 フィルターサービスから
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このフィルターを作っている会社
 国鳥繊維工業
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たいそうな名前がついていますが、所詮このようなもの。これで、放射性物質がほとんど取り除けるとは、とても思えません。・・・ちなみに、原発でもこのバグフィルター使っています。

 この赤丸で囲んだところにあるのがバグフィルター。私自身勤務中に取り替えたこともあります。
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 こんなフィルタごときでセシウムが防げるはずがないのに、環境省は取り除けるという結論を簡単に出しています。最初に紹介しました青木泰氏のかかれた論文が非常にわかりやすいので、引用させていただきます。

バグフィルターで放射性物質が除去できるのか?
 災害廃棄物の焼却処理で、俄然注目されたのはバグフィルターである。マスメディアでも有識者会議の報告として「バグフィルターで放射性物質が100%除去できる」という報道がなされた。環境省の担当者に聞くと「それは100取れると断言しているわけではない」「排ガスは調べていない」という答えが返ってきたが、結局環境省の方針では、バグフィルターを敷設した焼却炉で燃やせばよいということになり、「バグフィルターで放射性物質は除去できるが一人歩きしてしまった。本当なのか。
 市町村の焼却炉は、家庭や地域の小規模事業者から排出された可燃ゴミを約1/10に減らす減容化のための手段に過ぎない。敷設されているバグフィルターなどの除去装置は、焼却の過程で生み出される煤塵や有害物を除去するための装置に過ぎず、高濃度に放射能汚染されたものを除去分解するための者ではない。
 福本勤精華大学講師は、放射性物質は燃やせば、微細なチリとガスになり、これらがバグフィルターで除去できるかは、実際の焼却炉や実験炉を使った実証実験を行う必要があると主張する。もともと「パンツでおならは防げない」と関口鉄夫元信州大学教授が語るように、フィルターでガスは除去できない。
 有識者検討会で、放射性物質がバグフィルターで除去できるかどうかの検討のために提出された研究論文は、京都大学の「年ゴミ焼却施設から排出されるPM2.5等微小粒子の挙動」という論文であり、放射性物質を除去できたという報告ではない。ここではぜんそくの原因となる微小粒子は、バグフィルターを通せば99.9%除去できると報告しているが、ガスは検討対象から外れている
 このような論文で、放射性物質はバグフィルターでほぼ取れるというのは、サッカーのゴールネットで野球のボールを捕獲できるというに等しい暴論である
 

 フィルターの仕組みを知っている人には、あまりにも明らかな話です。よく知らない単語が出てきたときには十分に注意する必要があります。

 つまり、震災のガレキを受け入れ、焼却処分した場合、セシウムをはじめとするほとんどの放射性物質は周囲に飛散し、近隣の住民を内部被曝させるというわけです。国の検討はこの程度の底の浅い思慮による結論です。このような結論を真に受けて、被害を被るのは我々国民。一体なぜ、こんな集団自殺にも等しいことを平気で指示できるのでしょうか。私にはどう考えても理解できません。そして、こんなバカなことを辞めさせるためには、ひとりひとりが役所の人に電話をして、正しい知識を伝えることなのです。あとは、環境省トップの地元民の方(静岡県らしいですが)も是非、担当している国会議員の事務所に対して声を上げていただけますようお願いいたします。


 環境省は、もともと環境庁だったのです。目的は、
地球環境保全、公害の防止、自然環境の保護及び整備その他の環境の保全(良好な環境の創出を含む。)を図ることを任務とする(環境省設置法第3条)。

 全く持って正反対のことをやっているようにしか私には見えませんが・・・

■関連ブログ
ガレキ処理の自治体アンケート・・狡猾な罠2011年10月17日
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2011年10月19日

ロボトミー・・悪魔の手術が終わるまで

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 かつてあったことは、これからもあり
 かつて起こったことは、これからも起こる。
 太陽の下、新しいものは何ひとつない
 見よ、これこそ新しい、と言ってみても
 それもまた、永遠の昔からあり
 この時代の前にもあった。
《旧約聖書の伝道の書(新共同訳ではコヘレトの言葉)1章8節〜10節》



この映画ご存じでしょうか。1975年のアカデミー賞を取りました。主題は、非人間的なロボトミー手術。聞いたことがある手術かと思います。

 精神外科(ロボトミー手術)

そして、この発明者 エガス・モニス (Egas Moniz)
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ポルトガル北部大西洋岸のアベンカに生まれた。ロボトミーという名前で良く知られる精神外科手術、前頭葉切断手術を精神疾患を根本的に治療する目的で考案した。これが功績として認められ、1949年にスイスの神経生理学者ヴァルター・ルドルフ・ヘスとともにノーベル生理学・医学賞を受賞した。受賞の理由は「ある種の精神病に対する前頭葉白質切截術の治療的価値に関する発見」である。
 まことにとんでもない手術ですが、非常に広範囲に行われ、なんとあのノーベル賞まで受賞しています(今日まで、この受賞は取り消されていません。)
 つい最近、ノーベル賞のお祭り騒ぎがありましたが、このような間違った手術に賞を与えて、そのまま責任を取っていない賞が本当に人類最高のほまれと言っていいのでしょうか。

サイコドクターあばれ旅 から
ロボトミー lobotomyから
 ロボットみたいにするからロボトミー、と思ってる人がもしかしたらいるかもしれないが、それは違う。そんな率直な(笑)名前、いくらなんでもつけるわけがないではないか。第一、ロボットはrobot、ロボトミーはlobotomy。綴りが違う。
 ロボトミーのlobo-というのは、中肺葉とか前頭葉とかの「葉」という意味。一方、-tomyは切断とか切除を意味する。いわゆるロボトミーは、正式にはprefrontal lobotomyといい、「前部前頭葉切截術」と訳されている。つまり、前頭葉の前の方を切っちゃうぞ、ということだ。

 さて、標準的なロボトミーのやり方について、ちょっと説明しておこう。まずは、こめかみのあたりにきりきりと小さい穴をあける。穴があいたら、その中に細い刃を突き刺し、手探りでぐりぐりと動かして前頭葉の白質を切断する。おしまい。

 おおざっぱである。むちゃくちゃおおざっぱである。

そもそも前頭葉は、脳の中でももっとも人間らしい知的活動をつかさどっているといわれている部分である。正確にどのような機能を持った場所かということについては、いまだによくわかっていない。それなのに、とにかく切ってしまう、という無謀さには恐れ入ってしまう。
 当然ながら、そのうちロボトミーを受けた人は性格・感情の上での顕著な変化を示すことがわかってきた。つまり、手術を受けた人は、楽天的で空虚な爽快感をいだくようになり(だからうつ病に効くとされたわけだ)、多弁で下らないことをいう。また、生活態度に節度がなくなり、反社会的犯罪行為を示す者もいたという。さらに意欲が乏しくなり、外界のできごとに対して無関心、無頓着になる。
 こういうことが問題にされるようになり(当初はこういう性格変化が逆に病状にいい影響を与えるとされていて、まったく問題にならなかったのだ)、さらに抗精神病薬が開発されるようになったこともあり、1970年代以降はロボトミーはほとんど行われていない。
(中略)

 ここで、ロボトミー肯定派である広瀬貞雄先生の言葉を引用しておこう。

「我々の今日までの現実的な経験としては、ロボトミーは臨床的に有用な棄て難い利器であり、従来の療法ではどうしても病状の好転を来たすことができず、社会的にも危険のあったものがロボトミーによって社会的適応性を回復し、或は看護上にも色々困難のあったものが看護し易くなるというような場合をしばしば経験している」

「精神病院内に、甚しく悩み、また狂暴な患者が入れられているということは、戦争や犯罪やアルコール中毒の惨害以上に一般社会の良心にとって大きな汚点であるとし、このような患者がロボトミーで救われることを肯定する議論もある。1952年にローマ法王PiusXIIは、その個人の幸福のために他に手段のない限り肯定さるべきだという意味の声明をした」
 なお、この広瀬先生も、ロボトミーによって患者の性格が変化し、環境への積極的な関心や感受性が減り、内省したり将来を予測して行動する能力が低下することは認めてます。でも、それ以上にプラスの変化の方が大きい、と広瀬先生は言うのですね。「著効例の中には国立大学教授、会社経営者、優秀な開業医、技師など高度な社会的機能を果たしているものも少なくない」と広瀬先生は書いております。
 さて、当初から批判の声が多かったロボトミーは、薬物療法の発達と人権意識の高まりに伴い、1960年代後半から徐々に下火になっていく。しかし、一部の病院ではその後も手術は続き、日本精神神経学会で「精神外科を否定する決議」が可決されてロボトミーがようやく完全に過去のものとなったのは、1975年のことである。


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手術風景
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また、このような記述
 昭和6年東京生まれの男性Aさんは、12、3歳頃から他人に迷惑をかけることが多かったらしい。昭和21年頃から家族や親戚の家を転々とし、盗みや喧嘩をくりかえしていた。昭和25年頃より独語空笑が目立つようになり、XX病院で電気ショック療法を受ける。
 昭和28年4月9日、22歳でこの病院に入院。6月23日にロボトミーを受ける。翌年の1月8日に退院したが、その後も無為徒食、奇異な行為があり、制止しようとすると家族に暴力を振るう。昭和29年3月19日再入院。7月23日ロボトミー施行。
 そして46年間の入院。最近のAさんは、ベッドにいることが多く、他患との交流はまったくない。ホールに出てテレビを見たり病棟で行っているレクリエーションに参加する(これも声をかけないと自分からは参加しない)ことが唯一の活動である。
 Aさんは今年6月、脳出血で亡くなった。68歳だった


前部前頭葉切截 ― ロボトミーは"悪魔の手術"か X51.org 参考に

この手術が米国で中止された理由にこの ローズマリー・ケネディ のロボトミー手術があります。
ロボトミー手術 1941年、医師の勧めによって父ジョセフは23歳のローズマリーにロボトミー手術を受けさせる。これによって彼女の暴力性がおさまると考えてのことだった。前頭部の左右の神経線維を切断されたローズマリーは、この手術の結果期待された結果の替わりに尿失禁の後遺症が残り、幼児的な性格に戻ってしまった。彼女は何時間もぼんやりと壁を見つめ続けたり、話すことが支離滅裂になったりして、その人格が破壊されてしまった。これがケネディ家の呪いの最初の犠牲者となった[2]

手術後 1949年、ローズマリーはウィスコンシン州ジェファソンにある障害者施設、St. Coletta's Institute for Backward Childrenに入所することになる。彼女はケネディ家からは距離を置かれ、定期的に母ローズと妹のユーニスが彼女を見舞ったものの、孤独な生活を送った。父ジョセフに至っては、一度たりとも彼女のもとに見舞うことはなかった。ローズマリーは時折フロリダやワシントンD.C.で静養し、また幼年期をすごしたケープ・コッドの家を訪れることもあった。


私がこの前、大学時代の神経解剖の恩師に聞いた話では、この手術が元でケネディが徹底的に調べて、ロボトミーを中止するように要請したとのことでした。
恩師より補得していただきました。

ロボトミーの件はJosef Kennedyが娘にLobotomy を強要し(1941年)、結果後悔し、それに強い影響を受けたColumbia – Greystone Project の評価チームが1947年に調査を開始し、効果なし、有害の結論を出した。それにより米国ではほとんどLobotomy は下火になった。J.F. Kennedyは当時下院議員でした。政界には強い影響力を持っていたが、むしろ親父(Josef )の方がこのような点では影響力は強かったようです(Johnの大統領就任は1961年)。

Columbia – Greystone Project で検索しますと、色々出てきます。
The History of Lobotomy
The Demise of Lobotomy

Finally, around 1950, the first discordant voices against the lobotomy folly started to be heard. Scientific evidence for the benefits of lobotomy was not coming. Even lobotomy's preponents admitted that only one third of the operated patients would improve, while one-third remained the same, and one-third got worst (25 to 30 % is the proportion of spontaneous improvement in many kinds of mental diseases ! Thus, a large proportion of the operated patients could have recovered without the lobotomy). In the United States, a major evaluation study called the Columbia-Greystone project was conducted in 1947 and failed to provide evidence of the positive effects of lobotomies. Many times, the evaluation was performed by the surgeons who did the work, without any kind of scientific controls.

Ethical objections began to pile up, because of the irreversible damage to the brain, and also because of the reports of severe collateral effects of the surgery on the personality and emotional life of the patients. In addition, the appearance of new antipsychotic and antidepressive drugs, such as Thorazine in the 50s, gave new means to combat most of the symptoms experienced by agitated and uncontrollable patients. Neurosurgeons everywhere started to abandon lobotomy in favour of more humane methods of treatment.

Concern over the protection of patients against lobotomy and similar radical therapies, particularly in inmates, where release was widely exchanged with agreement to a lobotomy (a highly unfair, biased and controversial offer); translated into laws in the United States in the 70s and in many other countries as well. Psychosurgery was classified as an experimental therapy, with many safeguards to the patient's rights.

The original lobotomy operation is now rarely performed, if ever, although many countries still accept psychosurgery as a form of radical control of violent behavior (Japan, Australia, Sweden and India are among them), In the Soviet Union, land of psychiatric abuse, lobotomy was outlawed in the 40s, not because it was not useful to suppress oponents of the Communist régime (they used other methods, such as forced hospitalization), but because there was a ideological stance against it.

 明らかに非人道的な手術とわかった時点でも、この手術を平気で擁護し、継続する学者がいることに驚きます。そして、それはいまの放射能を擁護する自称専門家たちの姿でもあります。

 このような人たちは、一体どのようなことが起きれば、自分の間違いを認識するのでしょう。

放射線を正しく恐れる・・上関、横浜の安全資料2011年09月24日
100mSv安全の根拠-原爆の知見を信用しますか?(60万アクセス)2011年08月27日
残るか去るかは住民自身が判断しなくてはなりません。-山下俊一2011年08月21日
タグ:医学
posted by いんちょう at 21:55 | Comment(4) | 原子力

2011年10月18日

お子さんの甲状腺機能検査を

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ブログ記事は、引用元リンクを明示の上ご自由にお使いください。

 今回の福島原発事故では、大量の放射能がまき散らされそれは現在も続いています。
福島県民調査票を見ますと3月11日から3月25日まではとくに毎日の行動を書くように求められています。21XX年からの未来日記から
2011101801.jpg
・・わかりやすく、問題点をまとめてあります。ありがとうございました。
以前、ご紹介したプロメテウスの罠、双葉厚生病院の記事を見ますと3月12日の早朝には放射能防護服を着た人が現れています。また、フクシマ原発のモニタリングポストの値(3月12日)を見ますと、
午前3時00分  正門     69 nGy/h  0.001μSv/h未満
    10分  正門     66 nGy/h  0.001μSv/h未満
    20分  正門     69 nGy/h  0.001μSv/h未満
    30分  正門     68 nGy/h  0.001μSv/h未満
    40分  正門     66 nGy/h  0.001μSv/h未満
    50分  正門     64 nGy/h  0.001μSv/h未満
午前4時00分  正門     69 nGy/h  0.001μSv/h未満
    40分  正門    866 nGy/h    −
    50分  正門   1002 nGy/h    −
午前5時00分  正門   1307 nGy/h    −
    10分  正門   1590 nGy/h  0.001μSv/h未満

とありますから、おそらく午前4時過ぎに不測の事態が起き、放射能が強烈に飛散を始めたのだと思われます。そして、この時刻は記事の記述一致します。

さて、この時期にどの地域に放射能が拡散されていたか
東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う放射性物質の移流拡散についてから


 3月16日早朝に宮城県南部から、4歳の男の子をつれて九州に避難されている方が来院されました。特に原子力関係に知り合いがいるわけでもなく、在日大使館に知り合いがおられるわけでもないのにこのような決断をごくごく初期に下せた判断力に正直感嘆いたしました。きっと、神のご加護があるのでしょう(最近、このような宗教的な考えになってしまいます)
 私は、原発の技術者になったあとに、内科医師になりましたので(詳しくは、下記バックグラウンド参照)、被曝に対して詳しいわけではありません。むしろ、放射能、放射線を毛嫌いしていましたので、ほとんど勉強していません。3月11日以降慌てて勉強を開始し、今も一生懸命勉強している最中ですので、そのあたりはお含み置きください。

 さて、甲状腺については、長野県で既に検査が行われています。この方も検査希望でしたので、ヘモグラム(白血球、赤血球、血小板)と甲状腺(TSH, fT3, fT4, サイログロブリン)を実施しました。症状がない血液検査ですので、まことに申し訳ないのですが、自費検査(10,000-15,000円)となりました。ご本人の了承をいただきましたので、血液データを紹介します。
 まず、お母さんから。(40代女性)
2011101802.jpg
異常は全く認めません。

4歳男の子
2011101803.jpg

 これは、説明が必要です。一応検査結果としては、正常範囲といえます(健診では異常なしでしょう)ちょっと気になることがありましたので、専門医の先生にコンサルとしました。

貧血は見られますが、小児では正常範囲 (血色素 12.9g/dl ヘマトクリット 37.7%)
甲状腺機能・・一応正常範囲内
 サイログロブリンは通常1桁。 32はなにかあった(甲状腺の軽い炎症、首を絞められた)と思えるが、それが何かはわからない。あったとしてもごくわずかだが、今後は発育状況(発育曲線の乗っていくか)をみていくのが良いと思う。 気になるなら採血だが、子どもには負担が大きい。
破壊性甲状腺炎がおこると、もっと高くなるし、fT4も上昇する。何ともないと言い切れないが、おおむね心配無用な数字。


 3月12−13日に、宮城県南部を放射能がおそっていますので、私もなんともいえません。

このように早期に非難された方にも、ごく軽度の(病的でない)変化が現れています。もし、可能でしたら、お近くの病院に検査を依頼されてはいかがかと思います。(自費になると思いますが)そして、このコメント欄に数値を記入していただけますと、幸いです。(年齢、性別、生活暦・・住居の状況をご記入の上)

 成長曲線は、下記のサイトで簡単に入手できます。

http://www.pediatric-world.com/teikyou/seicho.html
http://ghw.pfizer.co.jp/gh/c_down/index.html

よくわからなければ、柱に傷をつけて身長の記録、その横に体重を書いておくのが一番簡単。(借家の場合は、柱に紙を貼りましょう)1ヶ月に1回でも測定していれば、変化に気がつくはずです。また、

人体に入った放射性セシウムの医学的生物学的影響によりますと、
* 血管系が侵され、高血圧が幼児期からも見られることがある。また 15キュリー/km2の汚染地の子供の41.6%に高血圧の症状が見られた。

とあります。身長、体重、血圧は侵襲を与えずに簡単にできる検査です。必ずノートなどに書き留めて、変化を見ていきましょう

 また、身体の表面に何らかの変化が出た場合には、デジカメで撮影しておくのも大事です。紫斑、その他の余りよくわからない症状が出たときは、かならず記録しましょう。また、髪の毛、生え替わった乳歯などもあとあと因果関係を確かめるのに、重要な証拠になります。必ず、日付と一緒に保管しましょう。また、毎日の日記も大事です。領収書と一緒に取っておくと、生活の記録にもなると思います。

(補足)甲状腺機能低下症について
先天的に甲状腺ホルモンが不足する場合をクレチン症といいます。
症状の現れ方
 新生児期の早期には黄疸(おうだん)の遷延(せんえん)(持続)、便秘、臍(さい)ヘルニア、巨舌(きょぜつ)、かすれた泣き声、手足の冷感などがあり、長期的には知能低下や発育障害が問題になります。
治療の方法
 生後2カ月以内の甲状腺機能は知能予後に極めて重要と考えられるので、機能低下が疑われればまず治療を開始することが基本です。1日1回甲状腺ホルモン薬のレボチロキシンナトリウム(チラーヂンS錠、散、10〜15μmkg日より開始、成人では2〜3μmkg日で維持)の内服を行います


まえだ循環器内科HPより
Q2:甲状腺機能低下症の症状と所見は?
 A:色々ありますが、病状の進行がとてもゆるやかで、老化現象と勘違いして、病気と気づかない人が多い。
  ○甲状腺機能低下症の症状
 全身症状としては、「元気がなくなる」、「疲れやすい」、「脱力感」、「寒がり」、「体重増加」、「食欲低下」、「便秘」など。
精神症状は 、「記憶力低下」、「集中力低下」、「動作が緩慢」、「痴呆ではないが、一見痴呆と間違われる」など。
皮膚症状は 、「発汗低下」、「皮膚乾燥」、「黄色皮膚(カロチン血症)」など。
顔つきでは、「腫れぼったい」、「大きな口唇や大きな舌」など。
下肢では「むくみ(押してもへこみが残らないことが多い)」が起こりやすい。
髪や眉は、「白髪が増加」、「脱毛」、「眉の外側1/3が薄い 」など。
そのほかの症状では、「声が低く」、「しわがれ声」、「月経過多」、「筋力低下」、「こむら返り」など。

 ○甲状腺機能低下症の一般検査異常
 甲状腺機能低下症は、一般検査の異常から疑われ、見つかることも少なくありません。
「総コレステロール上昇」、「中性脂肪上昇」、「CPK上昇」、「血沈亢進」、「γ-グロブリン上昇」などの血液検査の異常。胸部 レントゲンでの「心拡大(俗にいう心肥大)」、心電図では「徐脈」、「低電位」、「T波平低、T波陰性化」など。
 ただし、上記の症状は甲状腺機能低下症に特徴的というわけではなく、他の病気や加齢とともに増える所見です。
また、症状や検査の異常は全例にあるわけではなく、強くでる人と余りでない人があります。特に、高齢者の場合では症状が乏しいことが多いので、少しでも疑われたら、一度TSHを検査したほうがよいでしょう。

○甲状腺機能低下症確認のための検査
 ごく軽症の甲状腺機能低下症でも甲状腺刺激ホルモン(TSH)は高値になります。軽症以上の甲状腺低下症では血中甲状腺ホルモン(遊離T3、遊離T4)が低下します。さらに、橋本氏病では抗甲状腺抗体(抗TPO抗体、抗Tg抗体)が陽性になります。


子どもの場合は、知能発育異常、成長不良とつながりますし、治療がありますので、検査することが非常に大事だと私は考えます。

データは、 inspiron@onodekita.com まで送付していただけますと幸いです。
(できれば、名前をお隠しの上、デジカメ写真、スキャンで)
No.  症例   生活暦 採血日 TSH  fT3  fT4  Tg 尿
134
尿
137 
評価 
1 4歳 M 3/16仙台より避難  11.10.08  0.78 ↑4.8 1.33 32.1     fT3,Tg高い 
2 11歳 M 東京 北区 110.8.15 1.61 4.09 1.18 13.1     腺腫様甲状腺腫
3 8歳 M 東京 北区 11.08.15  1.41  3.69 1.17 12.3     腺腫様甲状腺腫
4 7歳 M 東京 北区             数値不明
5 10歳 F 東京             数値不明 
6 40前 F 3/16仙台より避難 11.10.08 2.08 3.3   1.00 4.0     正常
7 30前 F 福島在住  11.07.05 2.75 1.04 20.3     Tg軽度上昇
8 11歳 F 東京在住    2.13 3.59 1.26       正常
9 18歳 M 東京在住    1.80 3.45 1.23       正常
10 3歳 M 福島県いわき市  11.08.22  1.804 4.0 1.6   0.87 0.85 正常
11 8歳 M 福島県いわき市  11.08.22  1.217 3.8 1.6   0.58 1.1 正常
12 30前 F 東京都 11.09.13 1.29 2.4 0.78       TgAb 245.2・妊娠中・橋本病診断・チラーヂン50μ内服中
13 6歳 F 6/15柏市より避難  11.10.24 1.33 ↑4.6 1.16 21.8     fT3, Tgやや高い
14 12歳 F 仙台市  11.10.21 0.83 3.64 1.39 ↑56.0     全身倦怠感、腺腫様甲状腺腫
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posted by いんちょう at 23:40 | Comment(7) | 原子力

2011年10月17日

ガレキ処理の自治体アンケート・・狡猾な罠

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 東電の新入社員は、採用枠(電気、機械、化学etc.)によって配属先が決まっています。例えば、私の採用枠は機械。火力、原子力、水力のみしか選べません。配属先の間口がおおきいのが電気採用 配電、発電所、工務所 などが選べます。第1、第2,第3希望までを書いて、それをマッチングさせるのです。私は、色々考えて、1.原子力 2.火力 3.水力 としました。あとで聞くと、機械採用でも、火力に行きたいのならば、1.火力 2.(無記入) 3.(無記入)とするのが、正解だと聞きました。福島第二に来た連中は、1〜3の間に「原子力」と書いた連中ばかり。電気関係のやつは、特に悔やんでました。今は、一体どうなっているんでしょうか。おそらく、企業が強いから、採用の時点で、「原子力に行く気があるか?」と踏み絵を踏ましているでしょうね。

 先週末から、twitterで次の情報が流れていました。

ハッピーだぜから(長いため、全文は追記に書いています)
事務連絡
平成23年10月7日

関係都道府県廃棄物行政主管部(局)御中
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部
廃棄物対策課
東日本大震災により生じた災害廃棄物の受入検討状況調査について

東日本大震災により生じた災害廃棄物の広域処理については、本年4月8日付け事務連絡「東日本大震災により生じた災害廃棄物の広域処理体制の構築に関する調査について(依頼)」により各地方公共団体における災害廃棄物の受入処理に関する調査を実施し、多数の回答を頂きました。
 しかしながら、放射性物質による災害廃棄物の汚染を心配する意見が全国各地で寄せられ、慎重な対応を余儀なくされていたところです。
 環境省では、今般の東京都における広域処理のスタートを契機として、今後、広域処理を加速するため、環境省本省と地方環境事務所が緊密に連携し、広域処理のマッチングを進めることとしています。
 このため、各地方公共団体における災害廃棄物の受入検討状況を把握し、得られた情報を用いて具体的なマッチングを実施することを目的として、別紙要領により調査を実施いたします。
 なお、本調査の結果について、個別の地方公共団体名は公表しないこととしています。
 御多忙の折、大変恐縮ではございますが、御協力方よろしくお願いします。

連絡先            
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部       
廃棄物対策課  担当:敷田、青竹、播磨
TEL : 03-3581-3351(内線6857)
E-mail : hairi-haitai@env.go.jp

別紙

東日本大震災により生じた災害廃棄物の受入検討状況調査要領
1. 調査方法
「災害廃棄物受入検討状況調査票」により、責管内市区町村分を取りまとめの上、
回答してください。
2. 回答提出先
別添の提出先に電子ファイルを提出願います。
3. 回答期限
平成23年10月21日(金)17:00

4. 記入上の留意点
@ 検討状況
以下のA〜Cから選択して記入してください。
A:既に受け入れを実施している
B:被災地への職員派遣や検討会議の設置等の具体的な検討を行っている
C:被災地への職員派遣や検討会議の設置等は行っていないが、受入れに向け
  た検討を行っている
A 検討内容等
具体的な検討の内容や進捗状況を記入してください。
B 受入れが想定される廃棄物
  以下のような記載を参考にしてください。
○ 可燃性混合廃棄物(木くずやプラスチック等が混合した状態の廃棄物)
○ 不燃ごみ(割れたガラス等、埋立処分が必要な廃棄物)
○ 粗大ごみ(家具等で粉砕処理を必要とする廃棄物)
○ 燃え殻等(火災により発生した燃え殻等、埋立処分が必要な廃棄物)
(後略)


大事なことは二点
・このアンケート結果は、国民に公表しない
・受け入れないという選択肢がない。

まあ、twitterで流れた文章です。あまりにも良くできた文章ですので、おそらくホンモノだと思いますが、それでも疑う心は必要です。環境省に電話して、確認するのが一番。この行為は、業務妨害ではありません。税金を支払っている国民の当然の権利です。疑問に思ったら、みんなで問い合わせましょう。一人では、何の力にもならないようですが、抗議の電話が殺到すれば、もちろん考慮せざるをません。(国民が反対する行政は、できない)
 さて、電話しました。ここに公開します。出てこられたのは、文章中の名前のある播磨さん



・受け入れない、検討していないということをあえて回答させようとはかんがえていなかった。
・受け入れない場合には、回答しなくて良い(空欄でいい)

 東電の新入社員の希望調査と全く同じ考え方ですね。

 熊本市は政令指定都市に来期になる予定です。この政令指定都市認定要件として、ガレキ受け入れをさせられる可能性があるという噂が流れています。噂であって欲しいのですが、そう言うひどいことをいう前例はあります。(政治レベルで)そのような圧力に屈することのないよう、お願いいたします。

なお、このガレキについては、いちおう安全を確認したといっているそうです。
(原発だって安全といっていたのですから、国のどんな委員会がなんといっても信用しません。私は。)そもそも、内部被曝を全く認めていないのですから、どんな放射性物質だって安全という結論が出るのは目に見えています。まあ、それでも騙されないために、一応資料は出しておきます。

検討結果

災害廃棄物の広域処理の推進について
4.評価
災害廃棄物を焼却した際に発生する飛灰に関する算定の結果は、表5に示すとおりで、これまで岩手県内で行われた災害廃棄物の放射能濃度の調査結果のうち、もっとも高い測定結果が得られた陸前高田市の調査結果を用いた場合であっても、4,895Bq/kg にとどまった。これは、通常の廃棄物と同様に埋立処分が可能となる放射性セシウム濃度の目安 8,000Bq/kg を大きく下回っており、前提としてかなり安全側に仮定を置いた結果であることから、広域処理を行った場合、受入側に対して焼却灰の一時保管といった負担をかけることなく、埋立処分ができるものと評価できる


この前提条件自体がおかしい。8,000Bq/kgがいつの基準か。一体、原発事故の前はどうだったのかと比較しない限り、このような高レベル放射性廃棄物を生活環境において良いはずがありません。
(資料ご存じの方、教えていただけますか?)

 燃やしても、バグフィルターがあるから大丈夫といっていますが、そんな評価など全く信用できません。それこそ日本列島全体の大気がセシウム、ストロンチウムだらけになります。

この委員会のメンバー
2011101702.jpg
このメンバーは、きちんと名前を押さえておかねばなりません。内部被曝の専門家などいるのでしょうか(いませんね。元々認めていないのですから)

 さんざん検討してきた原発の安全性すら、あの状況です。このような委員会の報告書を信用するような国民などいるのでしょうか。もともとの土台がおかしいのですから、そのような土台の元で組み立てられた説明資料など、根拠になりませんし、我々が納得する必要はありません。

今回の電話録音に用いた機器

(ICレコーダーは余裕があれば、こちらの方がいいです)

携帯電話などを録音する場合は、こちらのイヤホン


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posted by いんちょう at 21:11 | Comment(18) | 原子力

昨日は医師会当番医

 医師会では、私はまだまだひよっこなので、最近はずっと日曜日夕方の当番医が続いています。土曜日には確認の電話をもらっていたのですが、本日はすっかり忘れており、20分ほどたってから病院から督促の電話がありました。
 医師は必ずいなければならないので、こういうポカは非常に迷惑をかけます。朝からいい天気で、ちょっと散歩に出かけて、図書館に行ったりと優雅な1日を過ごしていたため、すっかり忘れていました。
 医師会病院の方にはご迷惑をおかけいたしましたこと、お詫び申し上げます。

さて、診察の方と言えば18時35分〜23時。全部で20名ほどの来院でした。
20時頃にピークがあり、7人ほどでしたが、それ以外はそうでもなく。症状としては熱発が多く、変わった疾患はなかったような気がします。インフルエンザもなし。(まだ、あまり検査をしていませんが)

 小児は相変わらず多かったようですが、それでも今までの中では一番閑散としてました。

 空き時間は、

を読んでいました。(図書館で借りました)被災当時に広島逓信病院長であった蜂谷道彦氏の詳細な日記風の記録です。内部被曝とはわからないまま、診療にあたっている様子がよくわかります。
 最近は、肥田先生や橋爪さんと言った原爆体験者の話を書き留めた本をよく読んでいます。なにもわからないまま経験されていますので、その文章には真実があります。そして、私にはこれから日本に起こるであろう災厄の警告になるだろうと思っているからです。
 このような本が出版されていながら全く読むことをせず、東京電力の原子力につとめてしまった自分の浅はかさを本当に痛感しています。こんなにも非人道的なひどい兵器とおなじ放射能をつくる工場に勤めていたのですから。。

 小学校の頃はかなり本を読む方でしたが、最近はあまり読まなくなっていました。わたしが買い集めてきている本は、右下の本棚(ブクログ)に紹介しています。ほとんどが原発関係の本ですし、全て読んでしまったわけではありませんが、いずれもおすすめです。
 インターネットで手軽に知識を得るのはいいのですが、紙の本に優るものはありません。今年の秋は、読書の秋にしようかと思っています。
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posted by いんちょう at 00:11 | Comment(0) | 日記

2011年10月16日

柏崎はアリ地獄の砂丘に造られていた

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2007年7月16日に新潟県中越沖地震がありました。
NHK報道




被害の説明動画

2011/3/31 CNIC news 写真で見る原発の姿 from CNIC
中越沖地震に襲われた柏崎刈羽原発の状況 (59分)
画像は原子力安全・保安院が撮影した公開資料です。
講師
後藤政志さん(元原子炉格納容器設計技師、博士(工学))
blog gotomasashi.blogspot.com/​
上澤千尋 (原子力資料情報室 ・原子炉安全問題担当)

比較的わかりやすく、原発の状態を説明しておられます。いろいろと実感が湧くのではと思います。(すこし長いですが)

から

柏崎刈羽原発立地点についての記述
 原発が検察されている砂丘には、ひとたび落ちるとたちまちそこまで滑り落ちてしまうところがあった、という。地元の人たちはそれを「どんどん」と称して恐れていた。アリ地獄である。
 おそらく,これが原発のあいだにあるド捨て場ではないかと類推されます。
2011101204.jpg

 このように非常にもろい岩盤の上に造られています。地盤はどのように移動していたのか。国土地理院がしっかりと観測しています。
平成19年(2007年)新潟県中越沖地震に伴う地殻変動(第2報)のベクトル図から
2011101601.jpg

この地図上でどこに原発が存在するか。
2011101602.jpg

ほぼ、震源が原発のように思えます。。

柏崎刈羽原発を襲ったキラーパルス(破壊的強震動):中越沖地震から2007/8/16
ところが、震央距離約16kmの東京電力柏崎刈羽原子力発電所5号で1567ガル、同1号で1259ガルだというのです(どちらも水平方向合成値)。サイト内の地表観測データとは、5号機及び1号機の地震観測小屋におけるもので、原子炉建屋等構築物の影響を受けないように、少し離れた地点に設置してあります。入倉氏の研究はこの「今回の地震は、柏崎刈羽原発を集中的に狙った」という謎に迫ったものです。
◆豆腐の上の原発 軟弱地盤
 入倉氏は理由として2つ挙げました。1つは地盤が軟らかいというもので、これも原発に対する常識を覆すものです。
 しかし、地元の反対派や一部の地質学者はすでに30年以上前から指摘していたことで、「豆腐の上の原発」という表現は有名です。それで東電では、原子炉建屋の場合は「岩盤に直接設置」するために深さ40mくらいの地下まで掘り下げたり、マンメイドロック(人工岩盤!)と称してコンクリートを厚く打設したりしています。
 また、柏崎市に立地する1〜4号機と、刈羽村に立地する5〜7号機の間には、広い土盛りがありますが、東電が「土捨て場」と呼ぶその場所は、地元の人々は「蟻地獄」と呼んでいたと私は聞いています


動画で、細かい設備の損傷はある程度おわかりと思います。地盤の変動は、東京電力がまとめています。
原子力発電の現場から
震源・・本当に柏崎刈羽に近いところです。
2011101604.jpg

柏崎刈羽原子力発電所の新潟県中越沖地震を踏まえた地質・地盤調査計画および現在の状況について2007.11.7
2011101605.jpg2011101606.jpg
地盤の変動は、せいぜい数センチ足らず。これでも壊滅的な被害を被ったことは、この地震を契機に重要免震棟を各発電所に建設したことからも類推できます。
 関連ブログをお読みください。
 この時の報道では、放射能漏れは、ほとんどないという話ではありました。(プレス第一報)2007年プレス一覧2011101603.jpg


柏崎刈羽原発、中越沖地震・放射能漏れでサクラに異変か荒木祥2008/08/06
中越沖地震で大きな被害を受けた柏崎刈羽原子力発電所は、2007年の7月16、17日、ヨウ素だけで約7億ベクレル(※)と考えられる大量の放射能を環境に出してしまった(※ 槌田敦さんの推計値)。このヨウ素量は、原子力発電所が通常運転で排出する1年分の、約700倍にあたる。その他にも、測れただけで、200万ベクレルの放射性の塵、9万ベクレルの放射性の水を環境に出した。1991年2月の美浜原発2号機の配管破断事故の際と同じくらいの量なのだ
 今は、福島第一原発で約2億ベクレル/時 の放射能がまき散らされていますので、感覚が麻痺してしまいますが、これはとんでもない量なのです。この近辺で、植物の奇形を報告されていますので、やはり放射能汚染があったと考える方が自然でしょう。

 福島は、この中越沖地震とは桁が違い、30センチ程度の地盤沈下です。配管が健全という発表は、本当なのでしょうか?

■関連ブログ
福島原発で地盤沈下 ☆☆☆☆☆☆2011年05月16日
滑り込みセーフだった重要免震棟2011年07月03日

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posted by いんちょう at 18:00 | Comment(3) | 原子力

2011年10月15日

プロメテウスの罠(朝日新聞)

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 最近の世の中の動きを見ていますと、神話の世界を思い出します。ギリシア神話、旧訳・新約聖書、そして仏教。いまよむべき教訓的な話がたくさんあり、そのうちいくつかは既に紹介しています。

プロメテウス・・ご存じでしょうか。
ゼウスはさらに人類から火を取り上げたが、プロメーテウスはヘーパイストスの作業場の炉の中にトウシンソウを入れて点火し、それを地上に持って来て人類に「火」を渡した。火を使えるようになった人類は、そこから生まれる文明をも手に入れることになった。
 人類に火をもたらしたのがプロメテウスなのです。このプロメテウスから、記事の題名を取った素晴らしいドキュメントがありました。

頼む、逃げてくれ 〈プロメテウスの罠〉
■防護服の男(1)
 福島県浪江町の津島地区。東京電力福島第一原発から約30キロ北西の山あいにある。
 原発事故から一夜明けた3月12日、原発10キロ圏内の海沿いの地域から、1万人の人たちが津島地区に逃れてきた。小中学校や公民館、寺だけでは足りず、人々は民家にも泊めてもらった。
 菅野(かんの)みずえ(59)の家にも朝から次々と人がやってきて、夜には25人になった。多くが親戚や知人だったが、見知らぬ人もいた。
 築180年の古民家を壊して新築した家だ。門構えが立派で、敷地は広い。20畳の大部屋もある。避難者を受け入れるにはちょうどよかった。門の中は人々の車でいっぱいになった。
 「原発で何が起きたのか知らないが、ここまで来れば大丈夫だろう」。人々はとりあえずほっとした表情だった。
 みずえは2台の圧力鍋で米を7合ずつ炊き、晩飯は握り飯と豚汁だった。着の身着のままの避難者たちは大部屋に集まり、握り飯にかぶりついた。
 夕食の後、人々は自己紹介しあい、共同生活のルールを決めた。
 一、便器が詰まるのを避けるため、トイレットペーパーは横の段ボール箱に捨てる。
 一、炊事や配膳はみんなで手伝う。
 一、お互い遠慮するのはやめよう……。
 人々は菅野家の2部屋に分かれて寝ることになった。みずえは家にあるだけの布団を出した。
 そのころ、外に出たみずえは、家の前に白いワゴン車が止まっていることに気づいた。中には白の防護服を着た男が2人乗っており、みずえに向かって何か叫んだ。しかしよく聞き取れない。
 「何? どうしたの?」
 みずえが尋ねた。
 「なんでこんな所にいるんだ! 頼む、逃げてくれ」
 みずえはびっくりした。
 「逃げろといっても……、ここは避難所ですから」
 車の2人がおりてきた。2人ともガスマスクを着けていた。
 「放射性物質が拡散しているんだ」。真剣な物言いで、切迫した雰囲気だ。
 家の前の道路は国道114号で、避難所に入りきれない人たちの車がびっしりと停車している。2人の男は、車から外に出た人たちにも「早く車の中に戻れ」と叫んでいた。
 2人の男は、そのまま福島市方面に走り去った。役場の支所に行くでもなく、掲示板に警告を張り出すでもなかった。
 政府は10キロ圏外は安全だと言っていた。なのになぜ、あの2人は防護服を着て、ガスマスクまでしていたのだろう。だいたいあの人たちは誰なのか。
 みずえは疑問に思ったが、とにかく急いで家に戻り、避難者たちにそれを伝えた。(前田基行)
     ◇
 ギリシャ神話によると、人類に火を与えたのはプロメテウスだった。
 火を得たことで人類は文明を発達させた。化石燃料の火は生産力をさらに伸ばし、やがて人類は原子の火を獲得する。それは「夢のエネルギー」とも形容された。しかし、落とし穴があった。
 プロメテウスによって文明を得た人類が、いま原子の火に悩んでいる。福島第一原発の破綻(はたん)を背景に、国、民、電力を考える。
     ◇
 「プロメテウスの罠(わな)」は、数カ月にわたり長期連載します。第1シリーズ「防護服の男」は十数回の予定です。文中はすべて敬称を略します。


 こういった記事を読む場合に、大事なのは今までの報道です。矛盾がないかを必ず押さえなければなりません。それをきちんと検証することで、ガセネタか、本当のネタかが自分でも納得できるのです。私のブログでは、もぬけの殻となっていた双葉厚生病院−その時なにが・・(100万アクセス)2011年09月20日 これを見てみます。

後から思い出しながら記録したので、多少時間が違っているかもしれませんが、3月12日の午前6時に対策会議を開いた後、6時30分くらいだと思います。いきなり、警察官が病院に入ってきたのです。
 「玄関から誰かが入ってきた」となり、何だ、となった。放射線防護服を着ていたので、「何、仰々しいことやっているんだ」、「こんな派手な格好しなくてもいいじゃないか」とも思った。自衛隊の人も来たのですが、普通の制服姿でした。

 電話は通じたり、通じなかったり、という状況でした。最終的に避難を決定したのは、午前7時30分頃です

全員退去を決め、自衛隊のヘリコプターの救援を待つため、双葉高校のグラウンドに移動を始めたのは、午後2時くらいだったと思います。何往復もしているその時に、1号機が水素爆発したのです。午後3時36分です。


 どうでしょうか。時間がぴったりと合います。何気ないところで、つながればその記述が真実だと証明されることになります。いかにもよくできたあり得ないウソの話もたくさん出ていますので、こういった裏を取ることが非常に大事です。

 この記事は 薔薇、または陽だまりの猫 ブログの

〈プロメテウスの罠〉防護服の男(1)〜(12)

で全文を読むことができます。これは、読まなければならない迫真の記事です。


また、英文の記事もあります。EX-SKFから(Bloggerの方が、英訳されました。)
Must Read: Asahi Shinbun "Trap of Prometheus" Series Part 1 - Men in Protective Clothing (1) "Why Are You Here? Flee!"
Must Read: Asahi Shinbun "Trap of Prometheus" Series Part 1 - Men in Protective Clothing (2,3) "We Were the Only Ones Who Didn't Know"
 英語の勉強にも是非どうぞ。

■関連ブログ
もぬけの殻となっていた双葉厚生病院−その時なにが・・(100万アクセス)2011年09月20日
仏教聖典から・・・キサゴータミー2011年06月15日
カッサンドラーの嘆き(格言)2011年03月15日
タグ:P
posted by いんちょう at 23:56 | Comment(10) | 原子力

2011年10月14日

福島健康基本調査問診から読み解く

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 ブログ、twitterをやっているからと思いますが、ぽつぽつといろいろな情報をいただいています。なかなか、反映することがいつも申し訳なく思っています。

さて、今回は福島の方から送っていただいた、「県民健康管理調査」これを見ますと、なにを考えているのかがよくわかりますので、ここに紹介します。

表紙・・調査対象は、3月11日に福島県内に居住していた人
2011101401.jpg
・・各個人に推定被曝量が送付されるとのことですから、これから出る設問は、被曝量算定に必要な項目であるのは、間違いありません。

3月25日までは、一日刻みです。おそらく、ここまでは大量の放射性物質放出があったという評価でしょう。そして、それは通勤、通学時間が必要なほど、なのでしょう。
2011101402.jpg

それを裏付ける記事
原発避難地域の見直し本格検討 放射線量の新基準設定へ2011年4月7日1時10分
放射線の積算量の測定を始めた先月23日以降、福島第一原発から約30キロ離れた浪江町の積算量は約11.63ミリシーベルト、飯舘村は約6.83ミリシーベルト。24時間屋外にいるとの仮定に基づくため、屋内にいる時間を勘案すれば実際の積算量はより低くなるという。

 3月23日までは累積被曝の測定すらされていません。なぜでしょうか?
ご丁寧になにがあったかの表まであります。
2011101403.jpg2011101404.jpg

木造、鉄筋コンクリート、などで被曝量が違うようです。外部放射線がいかに強かったのかが伺えます。
2011101406.jpg

驚きは、次の調査
家庭菜園の場合は、どのくらいの被曝があったかの大きな決定ポイントになるようです。食品の種類まで書くようになっていますから、そこはおおきく関係するんでしょうね。食べ物の写真を撮っていれば、正確に書けると思いますが・・
 さらに家畜の牛乳まで。・・・危険性を熟知していると思われるのですが、家庭菜園の植物に対して、なにか注意喚起でもあったのでしょうか?調査だけしているような印象を受けますが・・
2011101408.jpg

さらに次
・水道、井戸水、ミネラルウォーターと分けているところを見ますと、水道には放射性物質が含まれていたんでしょうか?私にはよくわかりませんが。
2011101409.jpg

そして、送付先
2011101410.jpg

 これらのアンケートから、被曝線量を測定する。・・なんだ、色々わかってるんじゃないかと思うのは私だけでしょうか。関連ブログのうち、フィルムバッジを持つということ(放射線管理の長い手)は、是非お読みになってみてください。

 そして、福島の方はこの資料を提出する際には必ず、コピーを取っておかれますように。

 また、福島医科大の方には、この資料から被曝推定をする算定根拠を公開していただければと思います。

■関連ブログ
累積被爆問題(計画的避難区域)2011年04月13日
フィルムバッジを持つということ(放射線管理の長い手)2011年06月25日
タグ:P
posted by いんちょう at 21:48 | Comment(13) | 日記

2011年10月13日

原爆生き残りの方の証言(肥田医師、橋爪文さん)

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 今回の原発災害が、あと10年前後していたら・・と時々思うことがあります。まず、ここ10年のネット関係のサービス
1995 インターネット、やや普及開始
1996 Yahoo! JAPAN 開始
2001 フレッツADSL, Yahoo! BB 開始
2001 Google開始
2002 ブログの開始
2005 Youtubeサービス開始
2006 Twitterサービス開始

現在必要なサービス全てが、ここ10年でようやく出そろった感じです。
 原爆を体験された方がおられる時代に福島の事故が起きました。私にはとても偶然とは思えないのです。

 ご自分が経験された原爆体験を話されている肥田医師(被爆時28歳医師)、橋爪文(被爆時14歳)、はだしのゲン(被爆時6歳)の紹介を再度いたします。

111006肥田舜太郎氏インタビュー 約2時間















Video streaming by Ustream








Video streaming by Ustream
3番目は書き起こしをされています。
肥田舜太郎&岩上安身 10/6(最後の部分の内容書き出しました)

福島県いわき市で肥田舜太郎先生の公演。2011.9.25






肥田舜太郎: "内部ヒバク"から問い直す核/原子力体制 2011.8.6


「福島で被ばく初期症状が始まっている。今年秋から来年たくさん出てくる」(2011.4.24)


肥田先生のお話@ どのような心構えで福島の人と向き合うか 2011.4.4

肥田先生のお話A 原爆症の人たちとどのように接したか 2011.4.4

肥田先生のお話B 被曝者の差別について 2011.4.4


ピカドンからの66年 肥田舜太郎先生講演会 2011.3.27





【肥田舜太郎】低線量被曝とぶらぶら病1【ヒロシマ原爆体験】 2011.3.19

【肥田舜太郎】低線量被曝とぶらぶら病 2【原爆で天井まで飛んだ】 2011.3.19

【肥田舜太郎】低線量被曝とぶらぶら病 3【医療活動とぶらぶら病】 2011.3.19

【肥田舜太郎】低線量被曝とぶらぶら病4【1ミリシーベルトでも危険】 2011.3.19


HOTホットOTML11月号 著者と語る「橋爪文」2007.7.21



ラジオ深夜便から・・・おすすめです。まだ聞かれていない方は、是非お聞きください。
2011082105.gif40分43秒

2011082106.gif40分43秒

はだしのゲン 中沢啓治著


Yahoo コミックからも読めます


肥田先生がお話しされた目の玉がぶら下がるという描写が出てきます。

 是非、見てください。そして、核・放射能の怖さをまだ理解していない人たちに広めてください。

■関連ブログ
原発と原爆はおなじもの・・橋爪文氏2011年10月02日
世界中のみなさん、反原発に向けて立ち上がりましょう 橋爪 文(原爆被ばく者)2011年08月23日
「原爆体験を世界に」橋爪文〜NHKラジオ深夜便から2011年08月21日
われわれは原発事故にどう対処すればよいか(肥田舜太郎氏)2011年06月26日
タグ:原爆
posted by いんちょう at 20:25 | Comment(3) | 原子力

2011年10月12日

行儀のいい原発、悪い原発

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 日本の原発は、全て冷却水として海水を利用しています。図表はこちらから
2011101201.jpg
この断面は大事。海水を大量に使うのはタービン。つまり、海水の取り入れ口にできるだけ近くタービン建屋を造るのが通常の設計状況となります。

福島第一原発の配置
2011101203.jpg2011101208.jpg
おわかりでしょうか。海岸線に平行に整然と

原子炉建屋−タービン建屋−海

となっています。どの号機もそれは全く変わりません。つまり、この福島第一の配置は理想的といえるのです。

同じく、福島第二原発
2011101202.jpg

これも、整然と行儀良く並んでいます。地盤にそれほど問題がなかったためと思われます。

次に柏崎刈羽原発
2011101204.jpg
この衛星写真でわかるように、1−4号機と5−7号機のあいだに不自然な土捨て場といわれる場所があります。噂では、岩盤が低かったということですが、本当でしょうか。この場所は、地元の人が蟻地獄として恐れていた「どんどん」ではないかと成書に書かれています(情報求む)

さらに1−4号機の場所を詳しく見てみましょう
2011101205.jpg
画面下が1−2号機ですが、不自然に海岸線から距離が取ってあります。できるだけ海岸線に近いところに作るはずが、そうなっていない。これは、地盤の問題でしょう。福島と比較するとよくわかると思います。

もっとも問題なのは、浜岡原発
2011101206.jpg

左上から1−2号機3−4号機、5号機 となります。これは、いい図面があります。
2011101207.jpg

・通常海岸線に沿った形の配置となるべきが、全くばらばら。
・タービン建屋と原子炉建屋を比べると、浜岡は原子炉建屋の方が海に近い。これはあり得ない構造。コストアップせざるを得ない設計上の理由がある。おそらく図面上に赤くひかれている断層を避けるために、このような配置にしたのだろう。

 福島の現状はあのようではありますが、非常に行儀がいい原発だとみえませんか。そして、それを福島の東電社員他原発関係者は、「岩盤に直接たっている耐震性の非常に高い原発」と誇りに思っていたのです。それが、あの惨状。福島でおこるということは、他の原発ではもっともっと高い確率で起きるといえるのではないでしょうか。
 なぜ、他原発が安全といえるのか、私には不思議でなりません。

■関連ブログ
原子力発電入門(5)なぜ、海に面しているのか?2011年08月10日
浜岡5号機の海水リーク(細管破断?)2011年05月16日
タグ:1F H
posted by いんちょう at 23:18 | Comment(2) | 原子力

おなかが痛くなった原発くん・・現状は最悪の事態

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再度この本からの情報

神話の語り部をあやつる
 次に必要なのは、神話の語り部。語るのは新聞やテレビ、週刊誌などマスコミ、そして最近では、インターネットである。
(うんちとおならを例に、福島原発の事故は水をかければ安全だ)
という動画が、原発事故後、インターすっとで流れている。題名は「おなかがいたくなった原発くん」
 原発事故は微量奈放射線漏れだけで、炉心溶融や炉心爆発まで言っておらず、プルトニウムやセシウム、ヨウ素など核分裂生成物は漏れ出ておらず、水で冷やせば安定する、という構図を小学生でもわかるように作った動画だ。アクセス回数は一五〇万回にもなり、日本語だけでなく、英語、中国語、韓国語、ロシア語、スペイン語、タイ語などのバージョンがある。原発が破壊された2日か3日後にこの動画が現れた。
 何度も見たが、内容といい動画といいナレーションといい、とても素人が作ったモノとは思えない。動画は素人っぽいがプロが描いたもの、と見える。日本列島の中に福島原発がある場所など、難色か使ってわかりやすく作っている。ナレーションも、ときどきプロと思わせる言葉が出てくる。「原発は安全」という映画やビデオを昔から見ているが、同じような口調が2,3回出てきた。「最悪の事態を説明しておきます」などという説明は、原発の専門家でなければ出ない言葉だ。「個人のクリエーターがなんにんかでつくった」という情報が流れているがもし、素人が作ったなら、これだけの傑作は10日や20日はかかる。中小のPR会社社長が話していた。
「これだけのものを1日か2日で作り上げるのは、プロ集団を大勢かかえた大手の広告会社ぐらいではないか」
広告会社も、「原発安全神話」の重要な語り部なのだ


 この動画を探してきました。2011/3/15upですから、1号機の爆発2011/3/12のたしかに3日後です。


各国語を紹介しておきます。しらたまBlogより
英語1(2011.3.16), 英語2(2011.3.17), フランス語(2011.3.18)・ポルトガル語(2011.3.17), スペイン語(2011.3.18),中国語1(2011.3.19), 中国語2(2011.3.19), タイ語(2011.3.17), ベトナム語(2011.3.17), ロシア語(2011.3.20)
よくもまあ、短期間にこれほどの多言語にできるんですね。一体お金いくらかかったのでしょうか。また、各言語に堪能な方、字幕の正確性、書き込みなどをご報告いただけたらと思います。翻訳は、プロの手によるといえますか?また、あるべきドイツ語、イタリア語版 がありません。もし、見つけられた場合は、コメント欄にお書きいただけますか?
・・・ドイツ、イタリアは脱原発をしたので、必要ないと情報をもらいました。この言語版がないことからしても、推進派が作った証拠です。(不必要なカネは払わん)そして、上記に掲げた言語を母国語とする国に、原発を作る予定があると言うことです(ベトナム、タイは狙われています)・・・missing Language の存在

さて、この書き下し文もあります。こちらから(2011/3/15 up)
原発でおきてることを、うんちとおならで解説してみるよ。間違ってること書いてたら教えてね。まず、この前爆発があったけど、あれは原子炉そのものが爆発したんじゃないんだ。お腹痛くなったから、とりあえずおならで解消したみたいなもの。(続く)
だけど、外からみるとおならかウンチかわからないよね。だから匂いの量をはかって、ああ、あれはオナラだったんだな、とわかったんだ。でも、ずいぶんおおきなオナラだったのでみんなびっくりしたんだね。でもミは出ていないから大丈夫。
でも、まだ腹痛はおさまっていないんだ。今はそれをなんとかしようとお薬(海水やホウ素。人間と違って冷やすと落ち着いてくるんだね)でなんとかしようとしているところ。そしてうんちが外に出ることだけは全力で防ごうとしているんだ。(続く)
お薬(海水)が足りなくて、ときどき危ない局面もあったけど、今のところ、まだミは漏れていないんだ。大丈夫。けど、おならはすでになんかいか出ているので、それによって匂いはちょっと広まってしまった。でもこの匂いはすぐ消えるし、遠くにいる人達は、全く気づかないレベルだよ。
ちなみに、アメリカのスリーマイルとうでも事故があったけど、それもミはでてないよ。けっこう大きなおならだったけど。あと時々名前が出てくるチェルノブイリ、あれは本当に大事故だったんだ。それこそ、教室でうんちもらしちゃった、しかも下痢、しかもそのまま走りまわった、くらいの。
予想だけど、日本では、チェルノブイリさんほどの大惨事は起こらないと思うよ。それに、日本の原発はじつはおむつもあててあるから、ウンチがでちゃう事態になっても、それが遠くまでとびちる、みたいなことは起こらないんじゃないかな。
今、東京あたりで読んでいるきみは、このへんのオナラやうんちは全く問題ないよ。もちろん「ウンチそのものが飛んできたら困るよ!」とか思うかもしれないけど、本当にやばいウンチは重いから、遠くまで飛ぶことはまずないんだ。(注:プルトニウムのこと)
僕が本当にえらいとおもうのは、今お薬を原発に処方しているひとたちだ。今、この作業をしている人たちは、ウンチの近くにいるから、長時間匂いを嗅いでいると健康に悪いくらいの環境にいる。まる1日こんなに近くにいると、命の危険があるくらいだ。だから、交代で作業してるんだよ。
交代で作業をするのは、本当は効率が悪いけど、でも健康のためにしょうがないんだ。あ、もちろんこれは本当にウンチの近くにいるからだから、離れていれば、そんなに心配することないんだよ。
今原発が前よりくさくなっているのは、4号機においてたウンチ、これは水につかっていたはずなんだけど、ウンチの熱で水が無くなって、さらにトイレが燃えちゃったんだね。今はなんとか火は消えたようだけど、前より大変な状況ななか頑張るお医者さんたちは本当にすごいよ。
みんな、うんちはぜんぶ一緒と思っていないかな?ウンチのくささにはいろいろあるんだ。ずっと臭さが残るんじゃないかと心配かもしれないけど、おならのくさみは、1週間くらいで消えるから大丈夫だよ。そして、くささが残るウンチ(のかけら)は、重めだから遠くへは飛びにくい。覚えていてね。
オムツで安全なんだったら、多少ウンチ出てもいいのでは?とか思うかもしれないけど、実はこの状態のオムツを処理したことはまだないんだ。処理するのに危険とお金がかかることは確実だし、冷やせばおさまる腹痛なのは確かなので、なんとかウンチ出さずにすまそうとみんな努力してるんだね。
みんな、だから「注水が再開」とか読んだら、「ああ、お薬まぜて冷やしているんだな」とおもおう。そして、それをやってくれてる原発のお医者さんに感謝しよう。だいじょうぶ、時間とともに原発のおなか痛いの治るよ。
さいあくのじたいも説明しておきます。つまり、うんちがでてしかもオムツからもれちゃった、ってことです。それでもチェルノブイリちゃんみたいにはならないし遠くまでうんちが飛ぶことはないです。けど、このへんが封鎖されてしまったり、お魚や野菜への影響も出るかもしれない。
そうなったら、これから頑張っていかなければならない福島の人たちがたいへんなハンデを負うことになります。お医者さんたちが必死でがんばっているのはそれもあるのだと思います。
だからぼくは、このまま原発がひえてウンチが出ないことを祈ります。
たぶん、それはこの1〜2日が勝負です。そこをのりきって、福島のひとたちの平和な暮らしがもどってくることを祈ります。それが、今までここからたくさんの電気をもらった僕の出来ることだと思うのです。


 このアニメで言う、最悪の事態が起きています。つまり、
・やったことのないことを一生懸命やっていること
・汚いおむつを処理しなければならない
・うんちがでてしかもおむつからもれちゃった
状態です

その2もあります(アニメはなさそう)

原発名言集から @genpatsumeigen
放射能が漏れることはない。事態は悪化しない。汚染水は漏れない。 : 澤田哲生(東京工業大学原子炉工学研究所助教)

同じ方が今週号の週刊新潮で、

澤田 私は楽観論を言いすぎると批判されましたが、悲観論を言う方がずっと楽です。楽観論を言うと、それ以上のことが起きればこてんぱんにやられますが、1mSvを死守しろとあおる人たちは、悲観的な事態にならなくても責任は問われない


インタビューズ (2011年03月17日)
福島原発事故
京都大学原子炉実験所助教・小出裕章氏電話インタビュー

この時の私の現状認識(まことに申し訳ないのですが、このブログではかけませんでした。2011.3.12)
2011年03月12日17:04 メルトダウン
 以前務めていた発電所ですので、、、
情報を総合しますと、メルトダウンはすでに起きていると思われます。
まず、非常用発電機の同時故障は、普通はありえません。炉心冷却に重要な機器ですので、確か毎週試運転をしていたはず。
おそらく想定を越える津波で、すべて水没し、使えなくなったものと思われます。
また、最終的に熱交換を行うのは、海水建屋ですので、それも損傷。最終的な熱の除去ができない状況に陥っていると考えるのが妥当でしょう。
非常用電源車をいくら持って行っても、設備がないのですからどうしようもありません。

2011年03月12日17:09
1: onodekita
福島第二発電所(ここに勤務していました)は、海水建屋が海のすぐ近くにあり、海抜はおそらく数メートル
最終的な熱交換器がすべて破損しており、復旧の見込みはありません。
残留熱除去装置、燃料プールの熱除去もできなくなっており、おそらく水を沸騰させて気化熱で熱を取るしかないと思います。幸い、比較的新しいプラントですので、炉心冷却材は喪失はしていないが、蒸気のため格納容器の圧力が上昇し、このため格納容器ベントを初めているとみます。
おそらく数ヶ月といった時間がかかりますので、これも見通しは良くありません。
 私がまだ勤務中でしたら、生命保険を確認して、妻と子供を実家に(九州や西日本)直ちに帰すでしょう。


この時なにが起きていたか

解説:原発事故を台所で考えてみる・・

 チェルノブイリを超えて、現在も下痢うんちをまき散らしている状況と私は認識しています。

追記・・コメント欄および、直接寄せられた情報から(いずれも、各言語の専門家です)
《時系列》

2011/03/15 13:29:31 八谷和彦(hachiya)による一連のツイートの最初
2011/03/15 14:22:59 tkokumaroよってtogetter「うんち・おならで例える原発解説 」が作成される
2011/03/15 18:05:38 八谷和彦(hachiya)による一連のツイートの最後
2011/03/15     onaradaijobu さんが動画『おなかが痛くなった原発くん』をyoutubeにアップロード
上記によると、八谷和彦による一連のツイートの最後からわずか6時間以内に、「動画制作者」があの動画を完成し、onaradaijobuがアップロードを完了したことになります。


 まあ、どう考えても無理です。放射能をうんちと表現するのは、かなり頭のいい人がいたのは間違いありません。東電の社内ではなく(東電社内では、トラブル対応にかかりっきり)、推進派と大手広告代理店で練り上げたストーリーでしょう。爆発してからがスタートですから、実質2日足らず。更に翻訳まで。http://www.jaif.or.jp/ も絡んでいるかもしれません。いずれにせよ、原発推進派の実力が遺憾なく発揮されています。分析は、私の紹介した本の通りでしょう。

次に翻訳文(コメント欄、twitterなどによる各言語専門家の分析)
英語・・
両方ともアメリカ人が書いたと思われるレベル。日本人の書いた英語ではない。2つ目のは全くのジョーク。好き勝手に日本語でまるで言っていないことを英語で書いている。

仏語・・
申し分のない字幕でした。しかもご丁寧に「原発くん」の「くん」を「我々の友」と訳し、「我々の友、(福島)原子力」と表現されていました。原子力(英語:Nuclear)と訳したのはおそらく、原発と訳すと文字数が多くなるためと思われます。少なくとも、ちょっと仏語をかじった程度の人の仕事ではありません。

中国語・・良い仕事してます。
とにかく安くあげたいというクライアントだと、翻訳専門のところじゃなくて人材派遣業者なんかに頼んで、「取り敢えず中国語出来る人よこしてー!」みたいなことをされたりするんですけど、そういうレベルではなさそうです。
宣伝ターゲットは大陸中国ではなく、台湾です。
大陸中国とその他地域では同じ言葉を喋ってても文字表記が異なるんですけど、この字幕の場合は文字表記のみならず使われてる単語や表現も自然な台湾本土の字幕表記になってます。
日本の街中では至る所で「勉強した日本人学習者が無理に訳したんだろうな」とすぐに判るちょっとおかしな中国語併記をよく目にしますが、この作品の字幕にはそういった妙なものは感じられません。二箇所ほど些細な誤訳がありますが、全体としては申し分ない仕事をされてます。


スペイン語・・・素人の仕事
致命的な文法のミスが多々あり、プロならばそうした文法のミスはないはずです。


■関連ブログ
原発事故を台所で考えてみる・・2011年08月19日
3月12日の分析(とあるSNSでの私的分析)2011年05月05日
その日何が起きたのか。(地震当日を報道から振り返る)・重要2011年05月15日
3月11日のSNS(当時の私的予測内容)2011年05月03日
タグ:1F
posted by いんちょう at 02:12 | Comment(13) | 原子力

2011年10月11日

那須社長の小さなエピソードと荒木社長の功績

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をとある本屋で見つけ、連休に読み上げました。

 元東電社員だった私にとっては、大変面白い読み物で、東電帝国の闇の部分を見せつけられました。あの会社にこういった権力闘争があったとは・・私が、勤務していたときの社長は、
第7代 那須翔
第8代 荒木浩
でした。二人とも、福島第二原発勤務中に、現地視察に来たことがあります。所員に対して、「○時○分に社長が来ます。お手すきの方は、会議室にお集まりください」とアナウンスがありました。

感心したのは、那須社長の時。私は確か5分前程度に会議室に行っていたのですが、予定よりも早く社長が会議室に来て、(所員は300名程度だったと思います)
「皆さんをここでお待ちしようと思って早く来たのですが、皆さんの方が早かったですね。ご苦労様です」
と言った主旨のことを言われました。その腰の低さに大変感心しました。もし、この方が社長を続けていたとすれば、今のようなことはなかったのではないかと思います。まだご存命のようですから、東電に対して何らかの影響力を行使していただけないのでしょうか。

 その次の荒木社長。私には印象はありませんが、発電所内の廊下を歩いているときに所員からの挨拶がなかったと立腹していたという噂を聞きました。

そして、この本の中から
「東電を普通の会社にしよう」
「兜町を見て仕事を使用ではないか。」
と、社長就任早々、社内に大号令をかけたのは荒木浩だった。1993年6月29日の取締役会で第8代の東京電力社長に就任した荒木は、コストダウンの徹底を、経営方針の重点項目にした。
(中略)
コスト削減は、原子力部門も例外ではなかった。

東電学園を廃止したのもこの荒木社長でした。

その裏では、ジェイ・ビレッジ
五〇〇〇人収容のスタンドと天然芝フィールド、90室260人収容のホテルと一流シェフがいるレストラン、25メートルプールなどを備える豪華な施設
8代目社長の荒木浩が、プルサーマルを地元に認めさせるかわりに大判振る舞いした施設。


 徹底的なコスト削減をしておきながら、その裏では電気事業とは全く関係のない施設を多額の費用を費やして作る(総括原価方式だから、もちろん、ソロバン勘定は合っているのでしょう)まともな会社経営とは、私にはとても思えません。
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posted by いんちょう at 21:15 | Comment(2) | 原子力

2011年10月10日

内部被曝−その評価と治療方法

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 内部被曝の評価、検査方法などについて、聞かれることが多くなりました。私は原発の技術者の経験があり、内科の医師ではありますが、放射能については嫌いなのでほとんど勉強しておりませんでした。従いまして、放射能の専門家とはとてもいえないのです。ただ、原子力と医学の知識がありますので、今も勉強しながらブログを書いていることをご了承ください。

 放射能専門家といわれる人は、3月11日からいうことが180°変わっている方が多いようですので、参考にするのは、この日以前の話と同じかどうかを見れば、いいと私は思っています。

 内部被曝の評価については、私は市川定夫先生の講義をおすすめします。(1-4までありますが、内部被曝の評価については、3が詳しい)
【必見】「天然放射能と人工放射能の違い」を進化の過程を踏まえて教える、人気予備校講師レベルのわかりやすい講義……「放射能はいらない」【文字おこし3】


ところが問題なのは、その多くの場合その飽和に達するほどたくさん放出してることは実際ないわけ。彼らは実際放出している量は彼らの言うとおり微量なのであって、どんどんのぼっていくところでしか我々に接してないわけ。だからね、だからさぁ飽和までいったら大変なんだよ。だから飽和まで考慮してるみたいな言い方するけどね、飽和まで出されちゃ困るし飽和まで達したら困るんでね。
実際にはあの言えば彼らはね、すべての核種もわかってるみたいな言ってるけど、ほんとにどこまで飽和点がどこなのかということまでわかってる。つまりさっきも言ったようにどういう核種がどこにどういうふうに入るかわかってるなんてのは数えるほどしかないのよ。
ある程度わかってるのがヨウ素でありストロンチウムでありセシウムでありコバルトであると。マンガンもややわかってる。だからほかあと亜鉛だとか何とかいろんなものセリウムとかタリウムとか全然わかってないのがいくらでもあるのよ。
で彼らが評価してるというのはわかってるものについて評価してる、わからないものについては一切除外してるからね。
例えば原子炉の安全審査でも、わかってる核種について評価するわけ。わかってないのは書いてないからね。

推進派の言い分にもう少し耳を傾けてみよう。
370ベクレルの基準値ギリギリに汚染された輸入食品を1年間食べ続けたとしても、その被ばく線量は4ミリレム。まったく心配のないレベルであると。

370ベクレルで今のICRPが使ってる計算使えば、例えばそれが今のその式を使えば4ミリレム、その370ベクレルのもの食べたらね。あのある量食べると。あの今仮定されているのはそればっかり食べるんじゃないけれども、食べ物のうち何分の1がヨーロッパ産であると。
例えば3分の1で計算してるのね。そうすると4ミリレムになると。だけどその出てくる4ミリレムという数字が何かというと、全身の平均被ばくだと考えてもらえばいいわけ。4ミリレムちゅうのは合計で4ミリレムちゅうんじゃなくて、平均でどこも4ミリレム浴びてるという意味だからね、平均で。
全身頭の先から足の先まで合計で4ミリレム浴びるでは絶対ないから。
それはもう均一にどの部分も4ミリレム浴びてるという計算になって、そのうち筋肉とセシウムの部分が大きい、ああ生殖腺の部分が大きいとセシウムの場合は。
それから中に一番極端なのはたとえばアルファ線を出すプルトニウムとかポロニウムとかそういったものでウランもそうだけど、そういうものは入ったとこのほんとに1ミリの何分の1だけの距離に被ばくを集中させて、そこの被ばくはものすごく大きくなる。
だから、ICRPの計算式から行けば、ネズミに例えば実験して100万分の1グラムくらいのプルトニウムをネズミ一匹に与えても、ICRPの計算式だったら1%程度しかガンが出ないはずなのに、100万分の1グラムのプルトニウム与えたら100%出ると。
だからそのいわゆるレムって示される内部被ばくってのは先にも言ったように、全身だったりその臓器、ひとつの臓器で考えるとその臓器の平均値でしかないからね。それ以上我々求めること出来ないから。
で、体内被曝についてはだからきっちり把握する今のところ方法がないわけ。で、全身の被ばくするときなんかでこんな複雑な体した人間の体をね、くまなく指の先からね、足の指の先まで計算することはできないから、仕方ないから人間の平均体重を60キロとして、60キロの球として計算するんですから今の評価法は。
もともとだってそんなものなんだよ。

レムという単位は、仮定の置き方でどのようにでも変わる評価値にすぎない。ところが推進派は、このレムを持ち出し、輸入食品に含まれる放射能や、原発が日常的に放出する放射能をことさら自然放射能と比較して見せる。このような比較に、意味があるのだろうか。原発を推進される側はいつもこれの比較。絶対これを離れない。

この比較を原発を推進する側はやるわけ。
私たちは本当に比較しなきゃならないのはこっちなんです。
さっき言ったカリウム40。こういうものが天然に昔からあったわけです。そういうものがあったら、そういう危険なものがある元素は人間や全生物はそういうものは蓄えないという形で適応してるわけ。つまり進化と適応、生物の進化と適応の過程で遭遇してきたものに対しては、それをくぐりぬけてきたものしか生き残ってないという形で結果として。だからこういうものを蓄えない、天然のこういうものを蓄えない生物なんかが生き残っているという形で適応して、人口あ、自然の放射性核種を濃縮する生物はひとつもいません
ところがヨウ素。ヨウ素はさっきも言ったように、天然のヨウ素は全部非放射性でしょ。放射能がない要素だから我々は植物は安心して何100万倍も濃縮したし、我々は安心して甲状腺に集めて利用してるわけです。安全だったからそういう性質は貴重な、優れた性質になりえたんです。
ところがその安全だった元素に、安全だった元素に放射性の核種を作ったらだめなんです。濃縮するやつを考えてみますと、今までその元素には放射性がなかった、そういう元素に放射性のものを作った時に濃縮するんです。
セシウムそう。セシウムも天然のものはカリウムと一緒に入ってきても、非放射性ですから何にも怖くないです。勝手に入りなさい。ね。
ところがこんなものなんか原子炉の中で作り出すもんだから、これも今言ったようにじわじわじわじわ蓄える。
ストロンチウム90もそう。天然のストロンチウムは非放射性でカルシウムに性質が似ていてカルシウムが入るとこにはストロンチウムはいつでも入ってきます。ただ天然のストロンチウムは入ってきたって一向に構わないです、非放射性ですから。
ところが原子炉の中で、ストロンチウム90とか、放射性のストロンチウムを作ると骨の中に入っちゃう。ストロンチウム90もこれにちかい半減期28年ですから、ゼロ歳の時に骨の中に入っちゃうストロンチウム90が。ね。入っちゃったらその人は28歳になったって放射能まだ半分残ってるんです骨の中で。中から被ばくを与えてます。
ストロンチウムが入ると、白血病だとか骨髄罹患にかかりやすいちゅうのはそういうのあります。骨に入って至近距離から骨髄とかに照射してるわけですから。ねえ。
そういうこれまでその元素に放射性のなかったものに放射性のものを作った時に濃縮するんです。それが人工放射能の濃縮です。今まで天然でそういう濃縮するものはないというのはさっきもいったように適応の結果なんです。
ところが我々が進化の適応の過程で1回も遭遇したことがない、原子力が始まってから初めてできたものに対しては我々はそういう適合をもってないんです。遭遇しなかった。
ところが今これやると具合悪いんで、昔そうだった。
昔は人工放射能も自然放射能も同じようなもんだと考えたのは一理あったんです。私もそう習ってきたしそう思ってます。なぜなら、ウランの核分裂の結果できる人口放射性核種を出す放射線はアルファ線かベータ線かガンマ線なんです。天然にある放射線もアルファ線かベータ線かガンマ線なんです。出す放射線は同じなんです、ウランの分裂の結果できるものも、天然にあるものも、出す放射線は同じなんです。放射能ちゅうのは放射線を出す能力のことで最終的にわれわれ生物に傷をつけるのは放射線ですから、放射線が同じなら人口でも自然でも同じじゃないかと昔は考えていたんです。これについて。
ところがそれは間違っていた。挙動の違いがあったわけです。
濃縮するかしないか。それがわかったあとなのに、推進側は今度、それがこれがだめちゅうことになってわざとこっちへ持ってきた。
放射線の問題にして、人工の放射線でも例えば医療の放射線出してきたり、あれも人工の放射線。自然に天然に宇宙から飛んできてるやつもみんな放射線は放射線で、みなさん傷つけてますよ人工にも自然にも差ありませんよと。
放射線取り上げたら差はありません。ここには差はないんです。
だけど放射線が同じか違うかじゃなかったんです問題は。放射線を出す能力をもったこういうものが、我々の中で蓄積するか、しないかの違いなんです。


他の動画は、以下をご覧ください。
輸入食品に含まれる放射能について解説……ドキュメンタリー「放射能はいらない」【動画&文字おこし1】
市川定夫氏の放射性セシウム体内濃縮の講義が、かゆいところに手が届きすぎる!……放射能はいらない【動画&文字おこし2】
子供達の未来のためにこれだけは知って欲しい……ドキュメンタリー「放射能はいらない」【文字おこし4】
 古いビデオではありますが、内容としては全く古くありません。一度閲覧されることをおすすめします。
 私が、内部被曝をmSvで評価するのは、まやかしだというのは、市川先生が話されているとおりです。人間は、放射能に対してなにもわかっていないのです。
 食事に関して、なにをどれだけ食べるか。おおざっぱに言えば、炭水化物、脂質、タンパク質、そしてビタミンをどれだけ取るかを区別して、1日の必要摂取量を決めています。だれも、一日300グラムの食事を取ったから十分などということはいいません。
 ところが、放射能だけは、mSvだけで判断させようとしています。上記で述べたようにいろいろな核種によって、挙動が全く異なるのにです。そんなバカな話はありません。そして、そのmSvは、人間を60kgの球として評価している。外部被曝の評価をするにはそれでもいいでしょうが、内部被曝に使える単位ではないのは、明らかです。内部被曝の影響をmSvで評価しようとしている記事をよく見ますが、私には全く持って、ナンセンスだと思えます。

 そして、肥田舜太郎医師の講演会。最初の二回はほぼ、原爆の被害について。三番目以降が今後東北でおこる放射能内部被曝による被害を説明されています。(一つ見るならば、四番目。これを紹介しておきます。)


連続で頭から見る場合はこちら

内部被曝に関しては、次の書籍が詳しくまとまっています。
肥田 舜太郎,鎌仲 ひとみ
筑摩書房
発売日:2005-06-06


この本から・・「原爆ぶらぶら病」はその本体が明らかでなく、「被ばく者の訴える自覚症状」は、頑固で、ルーチンの検査で異常を発見できない場合が多い。

 内部被曝の検査としては、
・ホールボディカウンタ
・尿検査でセシウム含有量をしらべる
・毛髪、乳歯を保存して、セシウム摂取量をあとで調べる

等があると思いますが、一番大事なのは、

内部被曝の治療法はない

ということです。

全国保険医新聞(5月5・15日)から(一部引用させていただきます)−医師向けです
−開業医の中では、放射線に対する治療を知らない人がたくさんいると思いますので、まず、治療について伺います。
肥田 放射性降下物による内部被ばくには治療法はまだありません。
−開業医の先生方にとって被ばくを治療する知識は、どういうものがあるのでしょうか。
肥田 一番マークしなければならない症状は、「非常にだるい」「仕事ができない」「家事ができない」という、原爆症の中で一番つらかった『ぶらぶら病』だ。
−避難者の中でそういう症状が現れれば原爆病・・・。
肥田「ぶらぶら病」という概念にあたる、原因の分からない後遺症。治療法は分からない。命が危険になる病気ではない。周期的にくる。大部分はその人特有の現れ方をする。ぜんそく発作のように、始まると4,5日止まらないとか、何週間、何ヶ月も続くとか、その出方も症状もみんな違う。
 いろんな検査をして、広島ではぶらぶら病の患者に対して「病気じゃない。原爆にあったショックの精神障害だからだんだんよくなる」と言うと、他の医療機関を受診し、同じことの繰り返しになる。これが特徴だ。
−例えば白血病などはどうでしょう。
肥田 白血病はまだでない。3年以降で、白血病はピークが5年、がんが7年だった。これは必ずピークは出る。医師は知っておいた方がいい。被災者のみんなが放射能障害を心配している中で、「心配しなくていいよ」という医者では通用しなくなる。
−日本の専門機関では内部被ばくの治療に取り組んでいるのでしょうか。
肥田 内部被ばくの治療法はないからやっていないと思う。内部被ばくについて本が出ているのは米国とイギリスとスイス。僕が知っているのは全部で5冊。本を出すほどまでに内容を知っている人は少ない。書く材料があまりない。

・・詳しくは、関連ブログを参照してください。

そして、最近の週刊朝日から
2011101001.jpg

目次・・原発に関しては、最近一番充実した記事を掲載していると思います。
2011101002.jpg
p.126-127 
内部被ばく者を診察して66年 94歳の医師・肥田舜太郎
「発病を抑えるには 早寝早起きがいい」
2011101003.jpg
 正直に言って、体に一度入った放射性物質を外に排出させ、発病を抑える薬は、私が知る限りありません。ですから原則的には、福島の子どもたちは強制疎開すべきだと思っています。放射線が出ているあいだは、今からでもすべきです。
 呼気ような状況で今、私が言えることはただ一つ。
 それは意識的に生きる努力をすることです。人間の体には、もともと放射線に対する免疫力があります。ですが、その免疫力も体が健康でなければ機能しません。ご飯をよくかんで、唾液の成分ジアスターゼを十分混ぜて、ご飯の栄養素を蝶から全部窮することが、放射線病に対する一番の予防策なのです。
 ご飯をよくかむためには、いつもより30分早く起きる。そのためには夜更かしをしない。だから、早寝早起きが大事になってくるんですね。(中略)
 放射能から体を守るには、一人一人が健康に気をつけ、本気で自分の体を守るという意識を持った生活を、明日から始めなければならないのです


■関連ブログ
われわれは原発事故にどう対処すればよいか(肥田舜太郎氏)2011年06月26日
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posted by いんちょう at 22:43 | Comment(4) | 原子力

2011年10月09日

マルクール続報とベルギーの放射能汚染

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 マルクールについては既に二回記事にしていますが、全く報道がありません。それは、日本に限らず、米国、欧州でもそのようです。二番目の記事は、EX-SKFで英文に翻訳されました。
More on Accident at Marcoule Nuclear Waste Processing Site in France: Furnace Had Many Problems Before
 私が熊日を見て書いた記事が英文になるくらいですから、英語圏でもほとんど情報が流れていないことがわかります。

以下は、twitterから得た情報です。(スペイン語なので、わたしには直接判断できませんが、正しいと思います)
スペインのPublicoによるマルクールに関する記事
2011100901.jpg
Interior Marcoule faclities, in which the fatality-AFP
/29付ミディ・リーブル:@マルクールの炉の放射線量はEDFの子会社が当初発表していたものの500倍であったと仏原子力安全機関(ASN)が発表。ASNによると事故当時、溶融炉には63キロBqではなく約30メガBqの金属約4トンがあった。
A死体からは約100Bq/kgという微量の放射能が検出。マルクールの爆発は、放射能の値が低いため、INESのレベル1と評価された。4名の負傷者からは放射能は検出されなかったとASNは言う。2010年、ASNはレベル1の事故140件を調査した。
補足:マルクールの炉の放射線量というのは「炉内」のことです。

WONDERFUL WORLD
マルクール事故A 死者は被曝していたから
 マルクールの爆発事故の続き。あまりにも情報が少ないので、しつこく検索したら、ありました!!この事故、やはり情報規制が相当厳しいようで、私が入手したのは、スペイン語の元記事を英訳したものです。以下はその簡約、( )は、フランスの事情をよく知らない筆者が勝手に入れた注ですが、詳しい方、ぜひ教えて下さい。
マルクール爆発事故の死亡者は被曝していた、政府はデータ出さず
 プブリコ誌(スペインのニュースサイト、元記事Aは写真つき)は、マルクール核複合施設爆発事故の詳細を明らかにした。事故で死亡した作業員はかなり強い被曝を受けており、家族は遺体に近づくことさえ許されなかった。解剖も行われず、遺体は放射能を遮断する棺に密閉されて、葬儀場に運ばれた。
 現場に48時間置かれていた遺体には、放射性の砲弾が食い込んでいた。この遺体を収容するために、政府のNRBCチーム(核-放射能-化学-細菌武器の処理部隊のよう)が召集されたが、チームは遺体の解剖を省略することを求めている。
 消防団員は、1300℃の砲弾を浴び、全身の85%以上のやけどを負ったもう一人の作業員の救出に成功し、軍の病院に搬送した。この作業員は初め民間病院に担ぎ込まれたが、後に軍の病院に移されたことから、さまざまな憶測を呼んでいる。
 EDF(フランス電力公社、日本でいえばTEPCO)とフランス政府は事故による放射能もれはなかったと主張し、クリラッド(CRIIRAD、放射能に関する調査と情報提供を行う仏の環境NGO)もこの仮定を支持している。
 政府は、(事故が起きた時)処理していた廃棄物はどの企業のものだったのかについて公表を拒んでいる。処理対象物を特定する手がかりになるため、フィルターやセンサーのデータ公表も拒否している。また、この事故の前に焼却施設でも事故がおきているが、その問題を含め、作業員の安全問題、また(現施設を)廃止のためにはより大規模な施設が必要だという発言の意味など、さまざまな問題がある。(2011年9月23日)@


Shrapnel=するどい金属の破片 の意味しかないとご指摘いただきました。ブログには書かれていますが、以降の注釈は、私のところでは削除させていただきます。このブログでの重要な論点は、作業員の高度被曝のみに絞っておきます。

マルクール事故B 秘密のベールに包まれて
昨日お伝えしたマルクール事故についての、スペインのプブリコ・エスパニョ―ル紙の全文(英訳)を見つけました。スペインのメディアが詳しく報道したのは、死亡した作業員がスペイン籍だったからでしょうか。以下、この記事をベースに、他のメディアの情報を加味して「マルクール事故」を再現しますが、実態はやはり、フランス政府の公式発表と正反対のようです。

 爆発後、現場に駆けつけた消防隊は、敷地内に入るのを拒否しています。現場の状況がわからず(放射能濃度も爆発規模も不明)、危険だと判断したのでしょう。地元の警察隊も、特別チーム(NRBC)が来るまで、現場入りを禁じられています。それにもかかわらず、ASN(原子力安全局)や環境NGOのCRIIRAD(クリラッド)は、「今のところ、放射能漏れはない」と発表していますが、これが何のデータを元にしているのかは明らかではありません(ASNは「事故は終わった」とまで言っています。CRIIRADは後になって汚染があったと発表)。

 消防隊はやがて決死隊を送りこみ、怪我をした三人を救出しました。しかし、うち一人は、1300℃に達する溶鉄の砲弾の破片を受け、体表の85パーセントが三度のやけどという重症で、生死の境にあり、モンペリエ大学中央病院の特別ユニットに担ぎ込まれました。一方、ホセ・マリン氏(51)は、ソコデル社の溶融炉から「火山の噴火」のようにふきだした四トンの溶融金属に直撃されて即死し、遺体は炭化状態となっていたようです。ソコデル社とはフランス電力公社(EDF)の子会社で、セントラルコ核廃棄物焼却炉の運営を請け負う会社です。

 この事故を受け、政府はすぐエコロジー・交通・ハウジング省のナタリー・コシウスコ=モリゼ大臣(彼女はこの少し前まで未来予測・デジタル経済開発担当大臣だった)を現地に派遣、彼女は、EDFと共に周辺を測定し、その結果、「放射能漏れはない」と発表しています。それどころか、メディアを使って「放射能が関係する事故ではなく、産業事故に過ぎない」などとPRを始めています。原発依存率は80パーセントにもなるフランスでは、何がおきても、まずは「人心安定」。さぞかし、ウソも多くなることでしょう。

 ホセ氏の遺体は水曜日夜になって、ようやく裁判官3人が率いるNRBCチームに運び出され、救急ヘリでモンペリエの病院に運ばれました。事故が起きた月曜昼から、実に48時間以上も現場に放置されていたわけです。遺体には、放射能を帯びた榴散弾が発見されました。NRBCは、検察の解剖を省略する許可を得て、遺体を特別の棺に入れ、急いで特別防護部隊が守る格納庫に運びこみ、内部を「放射線防護ライト(?)」で照らして密閉した上で、チャスクランの教会に安置しています。つまり、もう誰も、死者の体を見ることも、放射線を計ることもできなくなったのです。

 これについて、調査の責任者の一人(警察官)は、「遺体を見せようとすれば、前もって除染作業を行うしかなかったが、そうすると体そのものが溶け出しかねなかった。だから、事実上、できなかった」と述べています。二次被曝を恐れたとか、解剖できる状態になかったとかいうより、遺体に残った榴散弾について詮索されるのと、遺体の放射線の高さがばれるのを避けたのかもしれません。

 「放射能漏れのおそれがない」なら、測定すれば済んだはずなのに、それをパスしたわけだから、これは怪しい。地元の人々だって、政府の大本営発表なんか信じてはいません。地元住民らは、1956年の稼動から50年以上も、「マルクールの秘密」―原発で働く人々のガンや、放射能のリスクなど―は、ずっと噂の種でした。(続く)2011.10.5


 そして、
仏マルクール核廃棄物処理施設での爆発死亡事故:仏当局、事故現場の放射線レベルを当初発表値から約480倍上方修正」/CRIIRAD研究所(9月30日)
「放射能に関する独立研究情報委員会」CRIIRAD研究所は9月30日、9月12日にマルクール核廃棄物処理施設で起きた爆発死亡事故(死亡1名、重軽傷4名)に関するプレスリリースを発表した。(以下、要約です)
これによると、フランス当局は爆発が起きた放射性金属廃棄物用の溶解炉から検出された放射線量を、当初6万3千ベクレルと発表していたが、フランス原子力安全委員会(ASN)は9月29日、施設を運営する(フランス電力公社およびアレバ社の合弁子)会社が報告していた数値は誤りだったとして公式ホームページ上の数値を修正。当初発表値より476倍高い3千万ベクレルの放射線を測定していたことを事実上認めた。
CRIIRAD研究所は、爆発発生当時に溶解炉の中にあった4トンの放射性金属廃棄物から発生した放射能について、放射線防護原子力安全研究所(IRSN)が発表した放射線量が、爆発事故で死亡したジョゼ・マラン作業員の体から計測された毎時8.5マイクロシーベルトという放射線量(注)に比して異常に低い数値であると当初から指摘していた。
CRIIRAD研究所は23日、「秘密」を明らかにし情報を公開するよう、IRSN、原子力安全局、保健・産業・環境の各省に対し公開書簡を送付。また29日にはニーム市の裁判所に対し、放射線量を示す地図の作成と放射線量に関する計測結果の分析を行うよう指示を出すことを求めるとともに、476倍もの数値の誤差が発生し修正が行われた背景説明を求め不服申し立てを行った。
尚CRIIRAD研究所は、公表されている放射線量の値に比較して実際にはその10倍から100倍の濃度の放射性物質が放出されたと仮定すると、(マルクール施設が一般の原子力発電所に比較して更に汚染物質の排出基準が緩い施設であるにも関わらず、)同施設が許可されている基準値を上回っていた可能性があると示唆している。
(注)本件を担当するロベール・ゲリ裁判官は9月28日、爆発事故で死亡した作業員の体から検出されたこの放射線量の測定値を認める公式見解をホームページに掲載した。


 まず、放出量3000万ベクレルは、現在福島原発から出ている二億ベクレル/時間から考えますと、福島原発の10分間分の放出量であり、それほどたいしたことない?のではと思えますね。本当??

 そして、私が注目したのは、表面線量。8.5μSv/hrという汚染は、
福島第1原発:マイカーで一時帰宅 冬に備え荷物持ち出し
本部は16日から、警戒区域を出る際に除染が必要な放射性物質の濃度を、従来の10万cpm(毎時1マイクロシーベルトに相当)から、1万3000cpmに厳格化。

ということは、表面汚染が 850,000cpm 程度であったと考えられます。これは、大変な量であり、放射能で即死した可能性すら残っているのではと思います。

 最後にベルギーで起きた、不思議な被曝
IAEA査察官 被ばくか10月6日 5時0分
IAEA=国際原子力機関の査察官など3人が、ベルギーにある核廃棄物の処理施設で定期査察を行っていたところ、事故が起き、被ばくした可能性があることから、IAEAで詳しい状況を調べています。

これはIAEAが、5日、報道機関に対し、発表したものです。それによりますと、ベルギー北部のデッセルにある核廃棄物の処理施設で4日、IAEAやEU=ヨーロッパ連合の査察官など3人が定期査察を行っていたところ、放射性物質による汚染事故が起きました。3人はただちに避難して、放射性物質を取り除く除染措置が施され、被ばく量や健康状況などの詳しい検査を受けているということです。また、施設はベルギー当局によって直ちに密閉されたことから、放射性物質の屋外への流出はなかったということです。これについて、処理施設を管理する企業は、3人が放射性物質の入った容器を点検していたところ、誤って床に落としたため容器にひびが入ったと説明しています。ヨーロッパでは、先月、フランスの核廃棄物処理施設が爆発して1人が死亡する事故が起きており、原子力発電所の保有国のみならず、原発の安全確保を進めるIAEAの管理能力も今後、問われることになりそうです。


ベルギー続報(コメント欄から)
英文自動翻訳(欧州系の言語は、英語にすると何とか読めます)・・追記に英語翻訳記載
Nuclear power plant accident in Belgium three people contaminated by plutonium
プルトニウム汚染があった模様。

 この程度のことは、世界各地で起きているのでしょうね。

■関連ブログ
仏マルクールの「産業事故」(2)・現場に近づけない2011年09月15日
仏南部マルクールの放射性廃棄物処理施設で爆発事故(閲覧注意・・JCO全身やけど写真あり)2011年09月13日
福島原発事故後の不審な病死(80万アクセス)2011年09月07日

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タグ:マルクール
posted by いんちょう at 21:44 | Comment(7) | 原子力

福島原発作業員が死亡…体調不良、事故後3人目

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福島原発作業員が死亡…体調不良、事故後3人目2011年10月6日(木)19:33
 東京電力は、体調不良で病院に5日運ばれた福島第一原発の50歳代の男性作業員が6日朝、死亡したと発表した。
 男性は下請け企業に所属。8月8日から、福島第一原発で汚染水処理用のタンクの設置作業などに従事していた。累積の放射線 被曝 ( ひばく ) 量は2・02ミリ・シーベルト。東電は、被曝は死因に無関係とみている。同原発での作業員の死亡は、事故発生後3人目。


 公式資料を見つけようと思ったのですが、見つけられません。あとの二人は、一応公式資料があり、そのうち1例はブログにしています。
 前回の病名公開で懲りたのでしょうか。遺族希望とのことで、死因を全く発表していません。一応、会見では
50代。大成建設の下請け。業務内容は屋外での水処理タンク作業1日3時間。10/5朝礼時体調不良を訴え意識はあったが自力歩行できず10/6朝死亡。今日の会見でも遺族要望で死因公表せず。

とのことでした。自社のプラントの復旧作業に従事してもらっている作業員に対する配慮がかけているような気がいたします。ライブカメラに指さしを行ったもと作業員の方がフリーの記者となり東京電力に対して質問を行っています。

ライブカメラの原発作業員が東電の記者会見に現れた
そして、文字起こしは、みんな楽しくHappy♡がいい♪
この方は、こつこつと文字起こしをされておられます。その中のコメントから

私は今まで結構沢山のスピーチなどを書き出してきましたが
その、言いにくい事とか、言いたくない事柄の時には
あのー、そのー、あー、いー、
という言葉が合間に必ず入ります
今日の松本さんはすごかったww
なので、なるべくそのまま、書き出しました(。◡ .◕)♡


 自分が経験している得意分野では、ウソを簡単に見破ることができるという好例でしょう。是非皆様も、ご自分の得意分野でいろいろと分析していただければと思います。

 作業員の処遇について、ドイツのZDFが番組にしています。
ざまあみやがれい!から

 労働者に対して口止めを行い、そういう契約については何ら関与していないと顔色も変えずに答える東電広報部。本当に「人」が経営している会社なのでしょうか?

バリゾーゴン から

この7分くらいから。
30mREM(=0.3mSV), 60, 100
私のところではそんなところない(といいながら、鼻をおさえる)
下請けの下請けの下請けの人が、「ここおわんないから・・」といってアラームメーターを横に置くことがある。東芝、日立の人はそんなことない。


 下請けの下請けの下請け(電力関連の工事はどの分野でも、このように多重の雇用構造になっています)の作業員ならば、問題ないはずがありません。全員が日本語を話す同じ日本人のはずです。なぜ、このような差別的な対応がとれるのか。私には不思議でなりません。
 
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posted by いんちょう at 19:05 | Comment(3) | 原子力

2011年10月08日

祖母のおなかの中で、自分の種ができている(発生第3週・・妊娠5週)

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の第7版から

●原始生殖細胞
 男女両性の成熟生殖細胞は、原始生殖細胞の直接の子孫であると考えられ、ヒトの胚子では発生第3週末(妊娠第5週)に卵黄嚢壁に出現する(図1−7)。これらの細胞はアメーバ運動により卵黄嚢から発生地家をの生殖巣(原始生殖腺)へと移動し、胎生の第4週末か、あるいは第5週の初めに原始生殖巣に到達する。
2011100803.jpg

 子孫を残す細胞は、妊娠のごくごく初期(妊娠第5週)に分化しているのです。

祖母のおなか − 母の胎生期(母の妊娠第5週) − 自分の細胞のもと(原始生殖細胞)

 発生学は、医学部二年生で勉強しました。想像以上に早い時期に次世代にいのちをつなぐ細胞が、できているのを知り、大変感動した覚えがあります。

 妊婦のお母さん、あなたのおなかの中には自分の孫になる細胞がすでに役割を与えられ、じっとその時をまっているのですよ。
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posted by いんちょう at 21:19 | Comment(5) | 日記
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