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昨日は、白血病増加がデマというさわぎが、ネット上でありました。噂があっという間に広まるにはそれなりの理由があります。昔から言うではありませんか、「火のない所に煙は立たない」。
今は、なぜかしら流言飛語が取り締まられるようになっています。色々とおかしな時代です。さて、横浜のストロンチウムさわぎ。最初の報道は、次の通り。
横浜マンションから“猛毒”ストロンチウム!迫る放射能汚染の恐怖2011.10.12
猛毒の放射性物質、ストロンチウム90が横浜市港北区のマンション屋上から検出されたことが12日までに分かった。福島第1原発事故で放出されたものとみられ、原発から100キロ圏外で検出されるのは初めて。専門家は「すでに広く飛散している。どこにでも(ストロンチウムが)あるということをきちんと認識すべき」と警鐘を鳴らしている。
ストロンチウム90の半減期は29年で、ウランが核分裂してできる毒性の強い放射性物質で体内に入ると骨などに蓄積する。ガンマ線よりも危険度が高いベータ線を出し続け、骨のがんや白血病を引き起こす恐れがあるとされる。1986年4月に旧ソ連で起きたチェルノブイリ原発事故でも飛散し、大問題となった。
検出されたのは横浜市港北区の築7年の5階建てマンション屋上。溝にたまった堆積物を住民が7月に採取し、同市内の分析機関が検査したところ、1キロあたり195ベクレルのストロンチウム90を検出。この報告を受けて横浜市が再検査を始めた。
文部科学省が行った調査では福島第1原発から100キロ圏内に留まっていたが、今回は事故現場から約250キロも離れた横浜市内で出た。しかも、4、5月に福島第1原発から至近距離の福島市内の土壌から検出された77ベクレルを2倍以上も上回っている。
京都大学原子炉実験所の小出裕章・助教は「放射性物質は、雨どいや溝などにたまりやすい特性がある。こうした場所で高い値を検出する傾向がある」と解説する。
高い数値でも過剰反応しないよう求めた上で、「世界中に放射性物質が飛散している。首都圏にもすでに相当量のストロンチウムが放出されており、どこにいても避けられるものではない。(マスクをしたり水で洗い流したりするなど体内に)取り込まないようにするのが一番の対処法です」と指摘する。“死の灰”から逃れる術は自己防衛しかないようだ。
ストロンチウムは、Caと同じアルカリ土類金属
骨に沈着し、ほとんど排出されないとされています。
人体内放射能の除去技術から
このストロンチウムが検出されると言うことは、容易ならざる事態です。しかも、横浜から。しかし、皆さん、ご安心ください。この情報はウソだとあの政府機関の権威ある「文科省」が発表してくれました。
ストロンチウム 「横浜は原発と関連なし」 2011年11月25日 朝刊
横浜市港北区の泥などから放射性ストロンチウムが検出された問題で、文部科学省は二十四日、「福島第一原発事故とは関連がない」との見解を発表した。市から送られた泥などの分析で、半減期が約五十日と短いストロンチウム89が検出されなかったことなどから、「過去の核実験の影響とみられる」と結論付けた。
また、東京・霞が関の経済産業省前など都内三カ所の路上で検出された放射性ストロンチウムについても、同様の見方を示した。
文科省は、同区大倉山の道路側溝と同区新横浜の横浜アリーナ近くの噴水底部から採取した堆積物を分析。福島第一から飛来したなら含まれるはずのストロンチウム89は検出されず、半減期が約二十九年と長い同90が一キログラムあたり最大一・一ベクレル検出されただけだった。
文科省は原発事故前から毎年、全国各地でストロンチウム濃度を測定。今回の値は、これまでの測定値(最大三〇ベクレル)の範囲内だった。
横浜市が民間検査会社に委託した分析では、二種類のストロンチウムを合わせて最大一二九ベクレルを検出していたが、文科省の再測定で、濃度は百分の一以下だったことになる。
経産省前などでの検出については、文科省は分析していないが、同じ民間検査会社が同じ手法で測定していることから、文科省は「誤って、実際より高い濃度を出してしまったのではないか」と推測している。民間検査会社は「測定には自信を持っているが、百倍も違う結果で戸惑っている。なぜ差が出たのか調べたい」としている。
◇
文科省の見解を受け、横浜市の担当者は二十四日、「ストロンチウムは市の調査よりも微量だったが、今後もストロンチウムなどの調査範囲の拡大を求めていくことに変わりはない」と述べた。
これまで公開してある情報から集めてみましょう。一応公式な保安院(なぜ、こんなに監督官庁が分かれるのでしょう)の資料から。
Cs-137の2桁程度低い値ではありますが、しっかりと放出されています。
そして、この図(元記事消されています)
気象研究所で調べているはずなのですが、ストロンチウム、セシウムの値はどこにも見あたりません。
チェルノブイリの値を見ますと、セシウムのだいたい2桁下にストロンチウムがあるようですから、上記保安院の推定放出量と矛盾しないようです。
なぜ、横浜にはフクシマ由来のストロンチウムが飛来しなかったのでしょうか。随分と不思議な話です。
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