東京電力福島第1原発事故を受け、18歳以下の子ども約36万人の甲状腺検査を進めている福島県は25日、専門家による検討委員会を開き、先行実施した避難区域の3765人のうち、26人に一定の大きさのしこりなどが見つかったが、全て良性だったとする結果をまとめた。検討委座長の山下俊一・福島県立医大副学長は「原発事故に伴う悪性の変化はみられない」としている。
結果がまとまったのは、原発事故で警戒区域や計画的避難区域に指定された浪江町、飯舘村、川俣町山木屋地区の子どもで、超音波による画像診断の結果、3739人には異常が見つからなかった。
2012/01/25 19:58 【共同通信】
そして,この結果は公開されています。
第5回福島県「県民健康管理調査」検討委員会 次第から
まず、メンバー
この放射能安全分野では、同じ人が手を変え品を変え出てきますから、きちんと見ておくことが大事です。
次からは甲状腺検査についての資料です。
そして、問題の結果が出てきます。
少なくとも5.0mm以下の結節が見つかった人は1117人います。
このオブザーバーの中で、細井義夫氏は、一度ブログで取り上げたことがあります。上関原発で自信たっぷりに安全論をぶちかましていた広島大学の先生です。上関 未来通信
なるほど、そして、福島医科大学の先生は、以前ご紹介したとおりに、同じ甲状腺のデータで異常なしと発言された先生です。
そして、甲状腺専門医には次のような文書が配布されています。(ちょっとバカにしていると思いますが・・・)
まあ、5mm以下の結節は問題ないから、そのように説明してくださいとわざわざ念押ししています。
標準小児科学 第4版 p.216から
甲状腺腫瘍
甲状腺が結節状に主張する疾患を表10-17(略)に示した。良性と悪性腫瘍があるが、小児の場合、硬い充実性の腫瘍は悪性と考え、検査・治療を急ぐべきである。癌と言ってもほとんどが分化癌なので、早期診断、切除で予後は良いことが多い
(症状) 全く他に症状がなく、偶然甲状腺結節に気づき受診することが多い。機能性甲状腺腫、多発性結節性甲状腺腫(Plummer病)では甲状腺機能亢進の症状を認める。
(診断) 超音波エコー検査で充実性か膿疱性かを調べる。充実性で123Iヨードシンチグラムがcold noduleであれば分化癌、hot noduleであれば機能性甲状腺腫、Plummer病が考えられる。
(治療・予後) 充実性でcoldであれば癌腫と考え早急に手術する。乳頭状腺癌は良性であるが、ロ胞状腺癌はかなり悪性なので、組織生検に基づき、手術方法・術後管理を決める。機能性甲状腺腫とPlummer病では、組織学的に船首、腺腫様甲状腺腫、時に願主の報告があるので、外科手術の適応になる。
山下俊一先生は、下記講演をされています。
このスライドでは、
「超音波診断による結節性異常に対する穿刺吸引針生検と細胞診が重要です。特に小児甲状腺癌の場合には典型的な乳頭癌よりも硬化がんタイプで繊維化や石灰化の強い例が多く存在します。1cm以下の結節でも早期に頚部リンパ節への転移や肺転移の頻度が高いのが特徴です。」とのべいています。5ミリ以上の結節が見つかった子ども達に針生検などはしていないようですが、本当にそれで大丈夫ですか?チェルノブイリの際の研究発表とは異なっていないのでしょうか。
また、
チェルノブイリ原発事故後の健康問題では、
2.小児甲状腺がんの特徴
甲状腺検診で問題になるのは、発見されたがん甲状腺結節や異常甲状腺エコー所見の取り扱いである。これら結節患者にエコーガイド下吸引針生検と細胞診を試みると7%に甲状腺がん(大部分は乳頭がん)が発見される。
福島で甲状腺癌が起きないと主張する一番の理由は、チェルノブイリよりも放出量が少ないです。本当なのでしょうか。
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タグ:甲状腺