「いつ起きても」を削除 巨大津波の記述、文科省
東日本大震災直前の昨年2月、政府の地震調査委員会(文部科学省)が東北地方の巨大津波について、報告書に「いつ起きてもおかしくはない」と警戒する記述を盛り込むことを検討しながら、委員の議論を受けて削除していたことが、28日までの文部科学省への情報公開請求などで分かった。「切迫度のより高い東海地震と同じ表現を使うのは不適切」との理由だった。
報告書案は震災8日前、文科省と東京電力など3社との非公式会合に提示。電力会社の要求でさらに表現を弱めた修正案がつくられたが、結局公表されなかった。
委員は大学の研究者を中心に気象庁などの専門家ら計十数人。報告書は、三陸沖―房総沖の地震の発生確率などを求める「長期評価」の見直しの一環で作成していた。
開示資料と取材によると、報告書案では「宮城県沖から福島県沖にかけて」という項目を新設。両県の太平洋沿岸の地中で、過去2500年間に貞観地震(869年、マグニチュード推定8・3)など計4回、巨大津波が来たことを示す堆積物が見つかったとの研究結果に基づき「(周期から)巨大津波を伴う地震がいつ発生してもおかしくはない」と記述した。
だが、この文言が東海地震と結び付けて考えられる可能性があるなどとの指摘が出た。30年以内の発生確率が87%(現在は88%)だった東海地震と比べ、貞観地震などの再来にはそこまでの切迫性はないとして「発生する可能性があることに留意する必要がある」と弱められた。
当初あった「巨大津波による堆積物が約450〜800年程度の間隔で堆積」「前回から既に500年経過」などの表現も削除された。
東日本大震災について、地震調査委は昨年3月11日時点にさかのぼって発生確率を推定。「30年以内で10〜20%」だったとしている。
一民間企業が、なぜこのような研究会の資料を内々に見せてもらう権利があるのか、そしてその電力会社の言うことを唯々諾々として聞く文科省。こんな表現を変えたところで地震は起こるときには起こります。このようなことをするのに一体何の意味があるのでしょうか。
気象庁(国土交通省の下部組織のようですが)は、放射能測定を隠蔽しようとして、朝日新聞に暴露されました。
プロメテウスの罠 第3部 本庁は告げた「放射能観測を中止せよ」から
ギリシャ神話に人類に火を与えた神族として登場するプロメテウス。第3部「観測中止令」のテーマはお役所の論理。福島第一原発の事故を背景に、国とは何か、民とは何か、電力とは何か、を考える。2011年11月に朝日新聞に掲載した連載全15回をWEB新書化。
第1章 突然、本庁から電話
2011年3月31日、気象庁気象研究所の研究者、青山道夫(58)は日本から届いたメールに驚いた。モナコで国際原子力機関(IAEA)の会議に出ていたさなかだった。
「放射能観測をやめろって? 半世紀以上続いてきた観測なんだぞ」
気象研は1954年から放射能の研究をしている。きっかけはビキニ環礁で行われた米国の水爆実験だった。57年からは大気と海洋の環境放射能の観測を始め、一度も途切れることなく続けてきた。いまや世界で最も長い記録となり、各国からも高く評価されている。
それをなぜやめなければいけないのか。よりによってこの時期に。
メールの主は茨城県つくば市にある気象研の企画室調査官、井上卓(47)。3月31日午後6時、本庁の企画課から突然、電話があったという。
「明日から放射能観測の予算は使えなくなる。対応をよろしく、と」
放射能が観測史上最高の値を示している時に、なぜやめるのか。聞き返したが、本庁は「その方向で検討してもらうしかない」という。
井上は途方に暮れた。
あと6時間で11年度も終わる。その最後の日の退庁時刻も過ぎたころになって、明日からの予算を凍結するなんて聞いたことがない。
しかし、本庁の指示とあれば考えている時間はない。井上は分析作業員を派遣していた業者に電話した。
「突然で申し訳ありません。派遣職員の方に明日からは出勤しないよう、連絡いただけないでしょうか」
放射性物質の分析という特殊な技術を持つ人材と補助業務をする専門の職員を「放射能調査研究費」で雇っていた。その予算がなくなれば、明日からの給料は払えない。
「所内関係者を集めろ」
「会計課は送別会のはずだぞ」
「電話して呼び戻せ」
企画室はてんやわんやとなった。
気象研での放射能研究の中核は、地球化学研究部の青山と環境・応用気象研究部の五十嵐康人(53)だ。
家に帰っていた五十嵐が呼び出された。企画室の職員が説明した。
「福島原発事故に対応するため、関連の予算を整理すると文部科学省から本庁に通達があったそうです。緊急に放射能を測らなければならなくなったので、そっちに予算を回したいと……」
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第2章 無視して採取続けた
気象庁気象研究所の研究者、青山道夫(58)は11年4月3日、モナコの国際会議から帰国するなり、企画室に飛び込んだ。
「放射能観測の予算凍結ってどういうことですか。本庁にもう一度確かめてください」
調査官の井上卓(47)は答えた。「文部科学省が予算を配分してくれないのだそうです」
青山は文科省に連絡を入れた。
「今もっとも放射能観測が必要とされているときに、測るのをやめろとはどういうことですか」
担当は文科省原子力安全課の防災環境対策室である。その調整第一係長の山口茜から返事があった・・・
続きは読んでいただくとして、明らかな隠蔽工作です。その一つの証左として、
放射線の影響予測については、国の原子力防災対策の中で、文部科学省等が信頼できる予測システムを整備しており、その予測に基づいて適切な防災情報が提供されることになっています
防災対策の基本は、信頼できる単一の情報を提供し、その情報に基づいて行動することです。会員の皆様はこの点を念頭において適切に対応されるようにお願いしたいと思います
これは、SPEEDIのことを指しているのは明らかです。なぜ、この学会長は、政府中枢にSPEEDIがあることを教えるのではなく、学会員に黙れと行っているのでしょう。もしかしたら、政府から何らかの圧力がかかったのではないのですか?昨日の政府中枢はSPEEDIを知らなかったという話と明らかに矛盾しています。
とにかく、学会員は黙っておけと一番大事な時期に会長から直々にお達しが出ています。上のプロメテウスで書かれた内容と全く同じです。そして、この時期の気象予報
一体これで、どのように判断すればいのでしょうか。この時期の放射能を予想してくれていたのは、ドイツ・ノルウェーの気象局でした。
ちょっと話はそれますが・・
奈良林直 北海道大学教授
奈良林 直(ならばやし ただし、1952年 - )は日本の工学者、工学博士。元東芝社員、現在北海道大学大学院工学研究院教授で、原子炉工学の研究を行う。原子力安全委員会専門委員。
略歴 [編集]1952年 - 東京都に生まれる。
1972年 - 東京工業大学工学部機械物理工学科入学[1]。
1978年 - 東京工業大学理工学研究科原子核工学修士課程修了。
1978年 - 東芝入社。原子力事業本部原子力技術研究所に配属。原子炉の安全などについての研究を行う[2]。
1991年 - 東京工業大学より工学博士の学位授与。
1991年 - 東芝 原子力技術研究所主査就任。
2000年 - 東芝 電力・産業システム技術開発センター主幹就任。
2005年 - 北海道大学大学院工学研究科助教授就任。
2007年 - 北海道大学大学院工学研究科教授就任。
研究 [編集]原子炉の免震構造や配管等の異常を自律検知するシステム等の原子炉安全工学、惑星間航行用原子力推進宇宙船などについての研究を行う
プルトニウムは飲んでも安全と言われている先生です。この方、何処かで見たことあると思っておりましたが、週刊誌を読んでいるときに高橋毅現1F所長の思い出話をしていて、思い出しました。私が本店にいたのは、1993-1995年です。その時に、この人と仕事をしたことがあるのを思い出しました。穏やかなしゃべり口でしたが、なんの話だったか・・PSR(定期安全レビュー)か、停止時安全性か、水位計問題か・・ちょっと思い出せませんが、とにかく一緒に仕事をしていました(あちらは東芝)とても、論文など書けるはずもないと思うのですが、なぜかしら今は北海道大学教授で、「原発安全」をテレビに出演しては話しています。
この方がなぜ、北海道大学教授として迎えられたのか。そこを調べるだけでもいろいろと見えてきそうな気がします。
学問と原子力。 信じられないくらい密接につながっている印象を受けます。
◆関連ブログ
3月12日未明の東電FAXにSPEEDI情報が掲載−政治家は知らなかったと証言2012年02月28日
タグ:放射能