2012年05月31日

熊本市幼稚園−「フクシマの真実と内部被曝」(45分)

 市内のとある私立幼稚園で講演会を行いました。



・私のバックグラウンド
・原子力発電所の原理
・総括原価方式とは
・フクシマの配管破断、地盤沈下
・原発事故を台所で考える
・3号機核爆発
・放出された放射能を重さで評価・原爆と比較
・放射能汚染の状況、世界・日本
・放射能を否定できない奇形
・内部被曝によると思われる若年突然死
・放射能汚染とガレキ
・セシウムの性質動画

について述べています。通常の90分とは違ってかなりはしょっていますが、入門?には適当かと思います。その他の動画もすべて無料で視聴できます。講演会一覧

講演会の中から3種類の動画をDVDにプレスして、発売しています。(500円/枚)
http://onodekita.sblo.jp/article/55924329.html

今後の講演会の予定(一般参加可能分)

2012.6.9(土) 14:00-16:00 熊本市ウェルパル
2012053104.jpg

2012.6.16(土) 15:00-16:30 調整中
2012.7.8(日) 15:00-16:30 調整中

6.16(土)に講演会の予定が入りましたので、6.14(木)の院内勉強会は、とりあえず休講とさせていただきます。申し訳ありません。

◆関連ブログ
講演会一覧
タグ:講演会
posted by いんちょう at 21:50 | Comment(7) | 原子力

大飯原発再稼働−自分の意見を政府に

 フクシマの教訓は、いくら安全性を高めても事故は起きる。事故が起きた時にどう対処するのかまで、きちんと詰めた上で、原発を動かせ。だと私は思います。

しかしながら「川内原発停止求め提訴」の記事を読みますと、原告側はいまだに「絶対安全は不可能」と訴訟理由を挙げています。私は、事故が起きた場合の対応を取るのは不可能。運転するのならば、事故が起きた場合の補償費用など支払うことは不可能。といった理由を付け加えるべきだと強く思います。安全議論になりますと、裁判官は体制側の味方をします。事実、東芝に天下った最高裁判事がいます。議論が分かれるところであらそうべきではないのです。甲乙つけがたい場合、必ず司法は、原子力村に味方します。

原発産業と最高裁の不適切な関係――元判事が東芝に天下り 四国電力伊方原発一号炉と東電福島第二原発一号炉に対する設置許可処分取り消しを求めた二件の裁判(一九七二〜七五年にかけて提訴)で、最高裁第一小法廷が「国の設置許可に違法性はない」として住民側敗訴判決を下したのは九二年一〇月。その時の判事のひとり、味村治氏(故人)が、原発メーカー東芝の社外監査役に天下っていたことがわかった。(週間金曜日ニュースより)

世の中こんなもの。裁判官の就職先と引き替えに、判決を出されては、たまったものではありません。

 原子力規制庁の法案が審議入りするようです。

規制庁法案:首相「指揮権は不可欠」毎日新聞 2012年05月29日 22時08分(最終更新 05月30日 01時42分)
 原子力の安全規制を担う新たな組織を設置するため政府が提出した原子力規制庁設置法案は、29日の衆院本会議で、自民、公明両党の対案とともに審議入りした。野田佳彦首相は、原発事故などの緊急時に首相らに指揮権を与える政府案について「危機管理上、最低限、最後の手段であり、首相の指揮権は不可欠だ」と強調した。自公案は政治家の介入を排除し、専門家の原子力規制委員会に指揮権を委ねている。国民の安全を左右する緊急時の権限のあり方が、与野党の修正協議の最大の焦点となる

自公案は、政治の関わりを外すようにと主張していますが、民主党は反対。まあ、この世の中にすむ誰が首相になっても、原子力災害にきちんと対応するのは不可能でしょう。なぜ、規制庁に政治の役割が強く必要なのか。その答えの一つが昨日発表されました。
2012053101.jpg

 あれほど、安全でなければ稼働しない、需給問題と再稼動は関係ないと話していたにもかかわらず、最後は「政治決断」です。関西広域連合も予想したとおりに、再稼動黙認。これらの首長は住民の命よりも、経済の方が大事なようです。私は、ツイッターで次のように野田首相の政治目的をまとめました。(ツイッターは1文が140文字以内です)

「みんなで放射能を浴びて、原発を再稼働して毒物を作り、諸外国には原発を輸出し、TPPを推進して、国内をめちゃめちゃにして、増税したい」

 どうでしょうか?どこか間違っていますか?国民のためにならない政策をどんどんと発表して、民意がないままごり押しする政権。誰がこの国を支えているのか、まったくご存じないようです。

ネット上では、次のような写真が流れています。(@morinokuma3さん作成)
2012053102.jpg
どうでしょう?似ていますか?

 そうはいっても、この国の首相であるのも事実です。今の我々にできることは何か。デモに行くには時間がない、しかし、決して許される行為ではない。黙って指をくわえていることはできない。
それこそ、民主主義の原点だと思います。自分の考えを相手に伝える方法は
・手紙
・電話
・FAX
・メール
たくさんあります。自分ができる方法で「民意」を示すしかありません。連絡先を書いておきます。

首相官邸内閣官房内閣広報室〒100-8968東京都千代田区永田町1-6-1
 電話:03-3581-0101 FAX:03-3581-3883

野田佳彦選挙事務所(東京) Tel:03-3508-7141 Fax:03-3508-3441
野田佳彦事務所(地元)
〒274−0077 船橋市薬円台6-6-8−202
Tel:047-496-1110 Fax:047-496-1222

枝野幸男〒330-0846 埼玉県さいたま市大宮区大門町2-108-5 永峰ビル2階
TEL:048-648-9124 FAX:048-648-9125
東京事務所〒100-8981 東京都千代田区永田町2-2-1 衆議院第1議員会館804号室
TEL:03-3508-7448 FAX:03-3591-2249
この方はホームページにきちっと載せています。立派です。首相に比べてはるかに

細野豪志
■ 国会事務所
〒100-8981 東京都千代田区永田町2-2-1 衆議院第一議員会館620号室
TEL 03-3508-7116 FAX 03-3508-3416
■ 三島事務所
〒411-0847 静岡県三島市西本町4-6 コーア三島ビル2F
TEL 055-991-1269 FAX 055-991-1270
■ 富士事務所
〒417-0035 富士市津田町109-2
TEL 0545-55-5411 FAX 0545-55-5412

仙谷由人
■東京事務所
〒100-8981 千代田区永田町2-2-1衆議院第一議員会館803号室
tel.03-3508-7235 fax.03-3508-3235
■徳島事務所
〒770-8053 徳島市沖浜東1-64
tel.088-626-1059 fax.088-655-9130

大飯町役場 
住所:〒919-2111 福井県大飯郡おおい町本郷第136号1番地1
電話:0770-77-1111 FAX:0770-77-1289

FAXをお持ちでない方、あるいは海外にお住まいの方は、下記のサービスがあります。写真のクリックでホームページにとびます
2012053103.jpg
是非よろしくお願いいたします。(注記。昨日まで登録不要サービスだったのですが、アクセスが集中したためか、登録が必要となってしまったようです。もうしわけありません)

肥田先生は、今月号のDAYS JAPAN のインタビューで次のように話されています。
「1975年にアメリカに行って放射能のせいだとわかるまでは、患者や家族に『助かるんでしょうか』と聞かれても、わからん、としか言えなかった。『今までの経験では助かった例がない。一生懸命やるが、病気が何かもわからない。私のやってることが不安だったら大きな病院に行ってください』と言うと『そう言うところはもう行ったんです。病気じゃないと言われました』。そうなると面倒見るしかない。それで30年診療を続け、説明できるようになった。僕はもう米軍に消されるつもりでいたけれど、地方に散らばった被爆者が長時間汽車に乗って僕のところに来るんです。万一、僕が米軍に捕まったりすると、自分の命を預けている医者が捕まえられたと大変な騒ぎになる。これは組織的な戦いと違って封じ込めにくいから、アメリカが一番嫌がる。『もうやめろ』と随分忠告も受けましたが、被爆者に支えられてここまで来ました。」
また、先日行われた西南学院大学で行われたサンデル教授の授業で
「震災の悲劇的な体験で若い世代の日本人は代わったのかもしれない。議論する姿勢があれば、復興の向こうに民主主義の活性化がある」
と結ばれました。

 リーダーの後ろに着いていくのをやめましょう。各人がそれぞれ、考えて行動する。それこそが、日本政府、ひいてはアメリカが一番嫌がる行動方式なのです。群れてその数を頼みに集団圧力をかけるのは、必ず潰されます。
 まだまだ色々なことが起こるでしょう。決してあきらめずに、自分はどう行動するべきかを考えて動けば、色々なやり方が見えてくるはずです。

 なお、東電労組委員長は、既に国会議員に圧力をかけていることを報告して結びとします。
「裏切った民主議員に報いを」 東電労組トップが不満
 「裏切った民主党議員には、報いをこうむってもらう」。東京電力労働組合の新井行夫・中央執行委員長は29日(2012.5.29)、愛知県犬山市であった中部電力労働組合の大会に来賓として出席し、そうあいさつした。
 「脱原発」をかかげる民主党政権のエネルギー政策などに、支持団体トップが不満を示した発言。中部電労組の出席組合員約360人からは、どよめきが上がった。
 新井氏は東電の福島第一原発の事故について「(東電に)不法行為はない。国の認可をきちっと受け、現場の組合員はこれを守っていれば安全と思ってやってきた」と述べた。事故後の政権の対応を踏まえ、「支援してくれるだろうと思って投票した方々が、必ずしも期待にこたえていない」とも語った。


 東電、そしてその労組にここまで言われて、黙っておけば、Silent Majority として、殺されますよ。そして、関電の体質は東電よりもはるかに悪いこともお忘れなく。

FAXを複数の場所に送るには、パソコンにさせた方がはるかに便利です。アドレス帳を作れば、あとは勝手に送ってくれますし、話中の場合はまたあとで何回もかけ直してくれます。約3000円程度です。Windowsに付属の機能ですから、追加ソフトは不要

USB-FAXモデム 例えば


そしてセットアップのやり方
http://bit.ly/LHmR9t

これらを参考に、こちらも武器を持ちましょう。普通のFAXを使うよりもはるかに楽に送ることができます。

送る場合のFAXの注意点
・できれば手書きの大きな文字+イラストを
・必ず1枚にまとめる
・まったく同じ内容はFAXしない
組織票ではないところを見せつけなければなりません。

◆関連ブログ
目覚めるニッポン(原発全停止の朝)2012年05月06日
若狭湾の原発銀座−背後に山が迫る恐ろしい立地2012年04月15日
タグ:FAX 再稼動 大飯
posted by いんちょう at 06:53 | Comment(14) | 原子力

2012年05月30日

90万テラベクレルのウソ

「どんな馬鹿でも真実を語ることはできる。だが、うまく嘘をつくことは、かなりの頭の働く人間でなければできない」★サミュエル・バトラー

先日、東電が漏洩量を90万テラベクレルと先日発表しました。
2012053001.jpg

 そして、東電の発表
2012053002.jpg

 ざっと資料を読む限り、まじめに算定しているように思えますが、この評価はまったくナンセンスです。

 2つの日に着目します。3号機が核爆発を起こした日(3月14日午前11時)と3号機建屋から黒煙が上がった日(3月21日)です。

まず、3月14日・・何度も分析していますが、動画と証言からまとめます。

 得体の知れない黒煙が上がっていることがわかります。

しかし、東電のプレス発表は、
(参考)モニタリングポスト(MP6)付近の測定値
午前11時44分:20μSv/h(マイクロシーベルトパーアワー)
午後0時30分 :4μSv/h
午後1時55分 :15μSv/h


とほとんど上昇していないことになっています。しかし、3.14フクシマに原爆が落ちた日−キノコ雲を見た消防士から
 「キノコ雲が出てきて、『パン』という甲高い爆発音。『ゴー』という地鳴り」(双葉消防本部・志賀隆充指令補)
 爆発後、現場の放射線量が急激に上がり、慌てて避難したといいます。
 「現場の線量も急激に上がったので、緊急的に撤収作業をして引きあげました」


そして、中日新聞の記事
2012032308.jpg
隊員は3号機の爆発に巻き込まれていた。線量計を近づけると毎時1ミリシーベルトもあった。明細服を切り裂いて裸にしてシャワーを浴びてもらいました。切り捨てた服の線量計が次々になりました。警報の設定値は20ミリシーベルト医療施設の復旧が間に合ってよかったとホッとしました

そしてサーベイマップ
2012053003.jpg
事故当初なので不十分とはいえ、3号機まわりがかなり汚染されており、この近くで1Sv/hrの高線量ガレキも見つかっています。

 そして、まさにこの爆発後、米軍のなぞの行動
米第7艦隊、原発風下から離脱 放射線検出受け2011年03月14日 20:01 発信地:東京
 米海軍第7艦隊は14日、東京電力福島第1原発からの低レベル放射性物質を検出したため、東北地方太平洋沖地震の救援活動を行っていた空母ロナルド・レーガン(USS Ronald Reagan)などの艦艇を福島原発の風下から移動させたと発表した。
 米第7艦隊は声明で「米第7艦隊は、一帯の大気と、付近を飛行した航空機の両方から低レベルの放射能汚染を検出したため、状況を評価して放射能の影響に対するどのような緩和措置が必要か決定するため、艦艇と航空機を福島第1原発から離れるよう一時的に再配置した」と発表するとともに「この気中放射能の発生源は、福島第1原発から放出された放射性プルームだ」と述べた。


さらにCTBTの観測結果
2012053004.jpg
 今始めて気がつきましたが、最も多かったと思われる 3/14 15:55〜 3/15 15:55 のデータが欠落しています。しかし、その後の1日にも大量に放射性物質が飛散しており、東電の推定放出量とまったくあいません。

 私は、この3号機の爆発が今回のフクシマで環境に放出された放射能の大半を占めると考えています。状況証拠はすべて揃っていますが、未だに政府、東電は認めておりません。

 あと21日の下記写真
2012053005.jpg
3月21日15:55 3号機に関し、灰色の煙が噴出(調査中) 16:49 3号機の煙に関し、煙量に変更はないが、灰色から白色に変化 18:02 3号機に煙に関し、沈静化を確認

 そしてまた米軍
米原子力空母ジョージ・ワシントン、横須賀基地を出港…原発事故を受けての退避措置か
米原子力空母ジョージ・ワシントンが21日午後1時10分ごろ、配備されている 米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)を出港した。基地関係者によると、 福島第1原発事故を受けての退避措置とみられる。在日米海軍司令部は「あらゆる任務に 対応する準備はできているが、航路は未定」としている。
空母は4月上旬ごろまで横須賀基地内で定期メンテナンスを続ける予定になっており、途中で切り上げての出港となった。今後、米国でメンテナンスする可能性もある。


 なぜ、2回も米軍が逃げ出したのか、そして、その時の放出量を一切公表していない東電公式発表。一番最初にかいた諺がぴったりではありませんか。

 改めてみると、この評価は燃料プールを無視しているんですね。だからこの評価。いつになったら、政府、東電は本当のことを話すのでしょうか。

◆関連ブログ
3号機の爆発−どう考えても核?(50万アクセス)2011年08月10日
3.14フクシマに原爆が落ちた日−キノコ雲を見た消防士2012年03月23日
1000mSv/hrのがれき2011年05月22日
米国の動きと原発事故2011年12月12日
タグ:1F-3 1F
posted by いんちょう at 22:45 | Comment(6) | 原子力

2012年05月29日

混ぜて安全・世論調査は捏造・最終処分場合意なし(ガレキ処理)

 北九州の試験焼却の結果が出ました。
2012052802.jpg
 この結果は、一般ゴミの1/10を混ぜたにもかかわらず、
小倉北区 30ベクレル
門司区 19ベクレル
とかなりの数値が出ています。もし、ガレキだけ燃焼すれば、300ベクレルにもなるわけで、このようなガレキをなぜ、北九州で燃やして、安全と主張するのかはなはだ疑問です。

 そうであるにもかかわらず、北橋健治市長は「人体や農水産物への影響はなく、市民に安心いただける結果だ」と大嘘をついています。将来必ず起こる健康被害に対して、どう責任を取るつもりでしょうか。私には、「国に騙された」と大泣きをする様子が手に取るように見えます。

 もちろん、世論操作も非常にお得意です。まず、得意なインターネット フェイスブック
2012052803.jpg
 いいねと言っている人ばかり。市長に表彰してもらえることでしょう。

そして、このような新聞まであります。

石巻がれきの試験焼却 北九州市民、多くは冷静
 北九州市で実施された石巻市のがれき試験焼却が25日で終わった。搬入時は反対派の抗議行動で混乱したが、がれき広域処理に関する地元団体の調査では7割が受け入れに肯定的だった。多くの市民は放射能への安全確保を前提に、被災地支援につながるがれき処理を冷静に受け止めているとみられる。

 「放射能がれきNO!」。試験焼却前日の22日朝、石巻市のがれきを積んだトラックが北九州市の保管施設を目前に立ち往生した。受け入れ反対派約40人が横断幕を掲げて立ちはだかり、搬入は夕方まで持ち越された。
 反対運動の中心となってきた門司区の主婦村上聡子さんは「被災地を助けたいと思うが、コロコロ変わる国の放射能基準への不信と、市の説明不足に怒っている」と批判の矛先を行政に向ける。特に、市民が自由に参加できる説明会が試験焼却前に開かれなかったことを問題視している。
 反対派の行動に、複雑な思いを抱く市民も少なくない。「抗議の様子を映像で見た被災地の方はどう思うのだろう。胸が苦しくなる」と門司区の主婦(35)。2人の子どもには「安全なら、助け合いの気持ちは大切だよね」と話している。
 がれき受け入れに賛成69.7%、反対8.4%。北九州青年会議所が3月、市民737人を対象に実施したアンケートは賛成派が大幅に上回った。回答では「痛みは分かち合うべきだ」「積極的に協力すべきだ」など受け入れに前向きな意見も寄せられた。
 調査結果を踏まえ、青年会議所の小田剛理事長(36)らは3月22日、広域処理を後押しする提言書を市に提出した。
 提言に先立ち、宮古市のがれき仮置き場を訪れた小田理事長は、山積みとなった家財道具などに衝撃を受けた。「10年も20年も地元に任せたままでいいのか」との思いを強くしたという。
 小田理事長は「安全ながれきの処理が被災地の助けになるなら、受け入れるべきだ。反対派ばかりが注目されるが、多くの市民は極めて冷静に考えている」と強調する。


 非常に疑問の残るアンケート結果ですので、北九州青年会議所に電話してみましたが、担当者がいないのでよくわかりませんとのこと。さすが、環境省が受け入れのためにふんだんに血税を投入しているだけのことはあります。

 中立を装っている「青年会議所」ちょっと調べてみます。

2012052805.jpg
ほほー、なるほどガレキ受け入れに熱心

2012052804.jpg
細野大臣とも仲良し

そして、京都でガレキ受け入れ嗄声のプラカードを持っている団体も日本青年会議所
2012052806.jpg
「絆」のプラカードは日本青年会議所JCI。から

 このようにずぶずぶの関係を持った団体が行ったアンケートのどこに信憑性があるのでしょうか。そして、それをまったく検証せずにたれ流すマスコミ。

 こういった強硬姿勢を貫くお手本となった「島田市」実は、未だに最終処分場の地権者合意が得られていません。

地権者「焼却灰撤去を」 島田市の震災がれき(2012/5/29 14:27)
 島田市が本格受け入れした震災がれきの焼却灰を運び入れた最終処分場(同市阪本)の一部地権者が29日、土地賃貸借契約の協議が終わるまでは焼却灰を撤去することなどを求める通知書を市に提出した。
 提出したのは地権者11人のうち6人。通知書によると、放射能汚染の恐れがあるとの理由で、3月31日に終了した契約は更新されていない。震災がれきの焼却灰は受け入れないと伝えた上で協議していたにもかかわらず、市は処分場に搬入。市役所で会見した地権者らは「到底納得いくものではなく、仮置き場としても一切使用しないことの確認を」と訴えた。通知書の回答がなければ契約を解消し、土地の返還を求めるとしている。
 久保田正・市生活環境部長は「通知書に回答すると同時に、引き続き理解を求めていく」と話した。
 市は25日、放射能濃度が埋め立ての基準値を大幅に下回ったとして、焼却灰2・2トンを処分場に移し、28日にはごみ処理施設に保管していた試験焼却の灰4・5トンも仮置きした。がれきにコンクリート片が混入していた問題で、岩手、静岡両県が原因を究明し再発防止策を決めてから埋める。


 なんと、処分場の地権者合意もないまま、強引に進めていた島田市が、環境省のいう「モデル都市」であり、優等生なのです。

もちろん、北九州も同じ

がれき焼却灰 北九州市、漁協同意まだ2012年05月29日
 東日本大震災で発生した石巻市のがれき処理受け入れの可否を判断するため、北九州市が実施した試験焼却で出た灰について、地元漁協から埋め立ての同意を得られていないことが分かった。一方、同市は28日、試験焼却で出た灰などの放射能濃度が独自の安全基準を下回ったと発表。漁協との話し合いの結果なども踏まえ、6月中にも受け入れの可否を最終判断する方針だ。
 焼却灰には固形状の「主灰」と粉状の「飛灰」がある。市は放射能濃度が問題がないと確認後、主灰を海上に造られた響灘西地区廃棄物処分場(若松区)に埋め立てる予定だ。一方、飛灰は一時保管し、本焼却開始後に主灰と同じ処分場に埋め立てる。
 3月の市長の受け入れ検討表明以降、市は埋め立てには地元漁協との合意が必要との立場だ。主灰の放射能濃度を放射性物質として扱う必要がない「1キロあたり100ベクレル」以下と想定し、漁協側に安全性を説明していた。
 しかし、漁協側は、風評被害を懸念。25日に会合を開き、風評被害がおきた場合の対策などについて、市の考えを聞くことを決めた。30日にも市と話し合う方向で調整中だ。
 漁協との合意がなければ焼却灰を埋め立てる見通しが立たず、がれきの本格受け入れも難しくなる。ある市職員は「事前に同意が得られればよかったが、試験焼却まで速いテンポで進んでしまった」と話している。


 海に埋め立てられれば、当然セシウムは延々と海に漏れ続けます。放射性廃棄物の海洋投棄を行うわけですから、漁協のみならずその周囲に多大な内部被曝の影響を与えてしまいます。環境省が「セシウムは管理しているから、水に溶け出さない」との言葉を信用してしまった群馬県伊勢崎市は、今セシウムが漏れ出し、大変なことになっていますが

戸敷 土に埋めれば放射性物質は土壌に吸着され問題ないと言っているが、群馬県伊勢崎市では浸出水から90ベクレル以上のものが出た。環境省の担当者は説明会で「処理が悪かったんでしょう」という話をされた。自分たちが指導し、問題ないと言っているのに、後になって「処理が悪かった」ではすまされない。国が「安全だ」と言う部分を、しっかりと科学的に示すことが大事ではないか。

 今後20−50年と管理が必要になると思われますが、そのような責任を単に選挙で選ばれただけの市長が負えるとはとても思えません。いつのまにこんなに無責任な人間ばかり、行政をすることになってしまったのでしょうか。

(参考)北九州漁協Fax.093-751-3955

 私の手元に来ました一通の手紙を紹介させていただきます。これが被災地の本当の声だと思います。決してあきらめることなく、抗議し続けましょう。
2012052807.jpg2012052808.jpg2012052809.jpg2012052810.jpg

◆関連ブログ
四面楚歌を演出する環境省・マスコミ2012年04月21日
posted by いんちょう at 21:44 | Comment(186) | 原子力

2012年05月28日

DVDを入金された方へ

 DVDを御注文いただきありがとうございます。入金後5日以内には、商品を発送しているようにしておりますので、もし手元に届かないようであれば、 a00@onodekita.com まで御連絡ください。

 なお、下記の方から送金していただいておりますが、送付先がわかりません。ご連絡いただけないでしょうか。

ゆうちょ銀行
5月28日1000円 (有限会社Y ・・ 会社名で送金いただいた方)

よろしくお願いいたします。
posted by いんちょう at 16:29 | Comment(3) | 日記

屋久島−フクシマの真実と内部被曝 2012.5.27(日)

 5月26-27日と屋久島まで講演会に行きました。企画していただいた屋久島まもるネット の方々ありがとうございました。最初、有料の講演会では人が集まらないだろうと言われていたようなのですが、予想を超える100人以上(島民の1%を超えているそうです)の参加があったようで、正直私もホッといたしました。

 熊本からは、新幹線、高速線を使って約4時間。屋久島は、自然がありのまま残っており、大変魅力的な土地だと感じました。自然を見るのにハイヒールを履いて・・というわけには行きませんが、ちょっと道から入ると珊瑚などがすぐに見える海岸がありました。夜中は蛙の合唱が聞こえ、朝は小鳥がチュンチュンと鳴く。熊本ではもう見られなくなった当たり前の風景がそこにはありました。
 しかしながら、ここ屋久島でも、虫が減り、鳥が減っているとの話です。みんながわかる被害が現れているのに、なぜ大多数の人が気がつけないのか。本当に不思議でなりません。



私の経歴
・総括原価方式のわかりやすいたとえ
・フクシマで何が起きたのか(地盤沈下、ベント、メルトアウト)
・世界規模の汚染
・放射能による内部被曝とその症状
・原爆と原発は双子の兄弟
・ガレキ拡散をしてはならない理由
・除染不可能な理由
・肥料汚染

関連DVDも発売しています。
http://onodekita.sblo.jp/article/55924329.html

 前回、人吉での講演での感想をいただきました。こちらで紹介させていただきます。
まとめていただきありがとうございました。
○2度目の講演を聴いて、またとても勉強になりました。農業、食に関わる者として原発は×。(男 30代)

○原発について分かりやすく説明が聞けて良かった。内部被ばくすると治療法が無いと聞いておどろいた。(男 70歳以上)

○TV、新聞等では、本当のこと言わない。隠し事ばかりとは思っていましたが、これほどひどいとは驚きました。本当に勉強になりました。今日参加してよかったと思います。(女  20代 50代)

○ブログツイッターで毎日拝見させていただいていますが、人吉まで来ていただいて大変よかったです。(女 40代)

○本当のことが聞けて良かったです。(女 50代)

○今まで知らなかった放射能の恐ろしさを身にしみて感じました。(女 60代)

○少しでも周りに話していこうと思います。(女 50代)

○ガレキ処理問題について、認識が変わった。(男 60代)

○廃棄物処理について色々勉強になりました。特に広島の20倍近くとは知りませんでした。及び被曝が多いことについて、ぜひ原子力を無くそうと思う。(男 70歳以上)

○大変よく理解できました。ありがとうございました。(男 40代)

○マスコミでは知らされていない事実をもっと知りたかった。事実と報道がこのように異なるという例を示してほしかった。自主的に被曝の実験、例えば放射能汚染された物を小動物に与えてみるとかやっている人はいるのですか。(男 70歳以上)

○大変参考になりました。(女 40代)

○ガレキ処理も同情的な観点では、ダメだということが分かった。そら恐ろしい原発。止められない恐ろしさも。(女 50代)

○問題点がはっきりしてきた。(男 70歳以上)

○世界中が汚染されているのに福島だけに汚染を閉じ込められるのかと考えていましたが、今日の小野俊一先生の話には、納得しました。ガレキは、日本全体で処理していくべきだと思っていました。内部被曝がどれだけ恐ろしいか、日本人総絶滅の危機はやっぱり避けなければならないのだと考え直すことにしました。(男 60代)

○原発の危険性が良く分かりました。絶対反対です。(男 70歳以上)

○具体的で分かりやすかった。本当にますますなさけなくて、どうして子どもでも分かりそうなことを大の大人が、東大とか京大とか出た秀才連中がするのか。(女 60代)

○とてもためになりました。(60代)

○驚くことばかりでした。日本人消えていなくなる!自業自得?(女 70歳以上)

○政府の発表は、いい加減だと思っていましたが、講演を聴いて自分の考えの甘さにもつくづく思い知らされました。原発は絶対になくすべきです。沖縄の大学に米軍機が墜落したとき、ストロンチウムを積んでいたから、その時やじ馬で集まった人たちは内部被曝したとか沖縄では言われてますが、マスコミは一切報道しません。うそか本当か分からない事ばかりです。(女 60代)

○本当に恐ろしい原発ですね。絶対反対していかなければいけませんね。ぜひ先生のDVDを買ってみたいと思います。(女 60代)

○皆(家の人)に聞いてもらいたい。(70歳以上)

○原発から1年が経ち、どうかすると気持ちの中にこれから起きるであろうことの本当の恐ろしさが薄らいできていたように思う。今日の講演でズバッとしたお話が聞けて放射能汚染が世界中に広がっていることに驚きました。やはりたよらないエネルギーを考えるしかないし、日本が一番にしなくてはいけないことを確信した。ありがとうございました。(女 60代)

○原子力発電に無関心、無知であったと反省しています。核廃棄物は、処理できない。これ以上増やしてはいけないと思います。先生が使われていた資料は、とても分かりやすかったです。原発を無くすため力を合わせたいです。(男 50代)


 なお、講演会についての私のスタンスは下記の通りです。
・スケジュールは、こちらをご覧ください
・日帰り圏内であれば行けるとは思いますが、極力DVDなどを使った勉強会などで対応してください
・基本的には一般参加を認めていない勉強会は、お断りしています。(幼稚園、学校のぞく)

 販売しているDVDは、複製をされない限り、どのようにお使いいただいても構いません。少人数などの勉強会など、有効に活用していただけたらと思います。

◆関連ブログ
講演会一覧
posted by いんちょう at 16:10 | Comment(7) | 原子力

2012年05月25日

秘密会議で安全性を確かめる北九州

 全国でガレキを燃やそうと環境省が躍起になっています。なぜ、ガレキを全国で燃やすことが復興につながるんでしょうか?私にはさっぱりわかりません。

 警察沙汰にしてまでガレキ燃焼を始めた北九州。着々と手を打っています。
なんでもオープンにと言うことが叫ばれているのに、秘密会議で安全性を討論(消されるとまずいので、こちらにもアップしておきます。)
2012052423.jpg2012052424.jpg2012052425.jpg

2枚目を見ると、すべてが御用学者といってよく、結論は始まる前から見えています。

3枚目には恐るべきことが書いてあります。
傍聴人の退場 傍聴人は、検討会が会議を公開すべきでないと認めたときは、速やかに退場しなければならない

 なぜ、会議を非公開にしなければならないのでしょうか。とても表にできないような恐ろしい話をするからではないのですか?

 このような非公開、録音すら禁ずるような検討会を許してはなりません。資料の右上に書いてある担当部局に、みんなで意見を言いましょう。

環境局社会推進部 093-582-2187
環境局総務課   093-582-2173
FAX(共通) 093-582-2196(共通)


しかも、北九州市が出してきた資料は、噴飯もの。
2012052426.jpg
 煙突のすぐ近くで測定して何がわかるというのでしょうか。灯台もと暗し の諺もご存じないんでしょうかね?

第1回の議事録
2012052427.jpg

 なんと誰がなんと発言したかすら、書かれていない議事録。これは議事録とは言いません。匿名の下に責任も持たずに発言する。このようなものを議事録と称しているのが北九州市役所の実態です。


さらに、セシウムは次の場所に埋められます。検討会資料
2012052503.png
 セシウム(Cs)はナトリウム(Na)と同じアルカリ金属。容易に水に溶けます。
2012052428.jpg

反応性も恐ろしいほどあり、この金属化合物が水に溶けないはずがありません。一番最後がセシウムです


 海に必ずや溶け出します。漁業の死です。漁協にも上記の話を自分の見たままの言葉で説明してください
北九州漁協(093-751-3954)
福岡県漁連 (092-713-1161)
JA北九州(093-582-2411)

 そして、恐るべきスライドも発見
2012052510.png
 99.9%のセシウムが取れるとしても−この値はまったく根拠のない数値ですが−3,950,000Bqものセシウムが出ると仮定しています。10%ならば 39,500,000Bqにもなります。これはちょっとした漏洩です。このような放射能をまき散らしてまで、なんで東北の復興につながるのでしょうか。

 佐賀のガレキ担当者は、恥知らずにも
中村尚司氏が述べた
2012052429.jpg
1960 年代の大気圏核実験が世界中で盛んに行われていた頃の東京近辺で、気象庁が長年に渡って測定してきたCs-137 の空中放射能濃度は今より1 万倍も高かった を未だに信じているのです。
九州の値をプロットしています。
2012052430.jpg
 どこが1万倍も高かったと言えるのでしょうか。1970年代とほぼ同程度のセシウムが九州には降り注いでいるのです。フクシマ事故前ならば正しいのですが。このようなウソを平気でまき散らしている人間が、いまだに政府の中枢にいることが私には信じられません。

 このような秘密会議を許してはなりません。自主、公開 が 地方自治の原則のはずです。みんなで、北九州市役所に意見を届けましょう。

 なお、ガレキを燃焼し、雨が降ったためでしょうか、九州全域で25日に線量が上昇したことを指摘しておきます。このがれき燃焼は北九州市だけの問題ではないのです。
2012052431.jpg

新潟県が作った環境省への質問書。非常に良くできています。是非お読みください。環境省のとんでもなさが非常によくわかります。

◆関連ブログ
おとりまで使ってガレキ搬入〜ヤクザ顔負けの北九州市2012年05月23日
放射性セシウム除染が困難な理由(70万アクセス)2011年09月01日
セシウムは日本全国に降り注いだ2011年08月30日
posted by いんちょう at 20:51 | Comment(31) | 原子力

2012年05月24日

近藤駿介原子力委員長の電力業界との癒着

 原子力安全委員会の斑目委員長は、皆様よくご存じでしょう。

もう一つの組織に原子力委員会があります。
2012052401.jpg

原子力委員会
1956年に設置された日本の行政機関。委員長及び委員4人の計5人で構成される(1960年5月10日から1978年10月3日までは委員6人で計7人)。
現在の原子力委員会委員長代理・委員 [編集]鈴木達治郎 - 原子力委員会委員長代理(2010年1月 - )元財団法人電力中央研究所研究参事
秋庭悦子 - 原子力委員会委員(2010年1月 - )元社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会常任理事
大庭三枝 - 原子力委員会委員(2010年1月 - )東京理科大学工学部准教授、東京理科大学専門職大学院総合科学技術経営研究科知的財産戦略専攻准教授
尾本彰 - 原子力委員会委員(2010年1月 - )東京電力株式会社顧問


鈴木達治郎氏
2012052413.jpg
元財団法人電力中央研究所研究参事(関連業界)


秋庭悦子氏で検索しますと・・・
2012052404.jpg
のページから、
2012052403.jpg
・・・・恐ろしいですね。秋葉委員、東電会長、敦賀市長、近藤委員長 集めようと思ってもできるものではありません。

大庭三枝 委員
2012052414.jpg

尾本彰氏
2012052408.jpg
 この人を見てぶったまげました。この尾本彰氏は、武藤副社長が技術課長をしていたときの東京電力原子力建設部の安全関係の課長でした。
2012052409.jpg
田中龍作「東電情報隠し」の裏で進行する放射能汚染 〜その5〜から

 なんと、ほぼ全員が電力業界で占められています。この尾本委員には本当に驚きました。片や東電副社長、かたや東工大特任教授→原子力委員 への華麗なる転身。あり得ませんね。この人事は。全部仲間内で話し合って、自分たちの都合の良い結論を導き出す。ここまで、食い込んでいるのですね。心底恐ろしくなりました。

さて、近藤委員長
2012052410.jpg

私が勤めているときにも、この先生は良く座長をしていました。議論百出の中で、ちゃっかりまとめる能力は確かに優れていたと思います。近藤先生が出ている委員会に、武藤さん、尾本さんが出ていたわけです。最終的には、仲良く揃ってお仕事です。

さて、この近藤委員長。次のような事前議事の漏洩を毎日新聞に指摘されました。


原子力委:大飯再稼働への影響懸念、議案隠し 新大綱策定
毎日新聞 2012年05月08日 02時30分(最終更新 05月08日 02時39分)
拡大写真 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)再稼働の妨げになるとして、内閣府原子力委員会が4月、有識者によって長期的な原子力政策を決める原子力委の「新大綱策定会議」(議長・近藤駿介原子力委員長)の議案の一つから「(原子力と)地域社会との共生」を外していたことが、毎日新聞の入手した議案書で分かった。経済産業省・資源エネルギー庁や電気事業者側に極秘で事前に議案を示したところ「『地域とはどこか』と論争が起こるのでやめてほしい」と依頼され隠蔽(いんぺい)したという。原発推進派に有利に働くよう、議案を恣意(しい)的に調整している疑惑が浮上した。
 再稼働を巡っては政府が「地元の理解が必要」とする一方、どの範囲が地元かを明確にせず批判を浴びており、問題の議案を取り上げると動きに拍車がかかる可能性がある。近藤氏の了承を受け隠蔽した疑いが強く、原発事故後「ゼロからの出発で議論する」と公平な議事運営を強調してきた近藤氏の姿勢に重大な疑問が浮かんだ

2012052411.jpg

 現代はネット時代です。この次に行われた委員会の動画までインターネットで簡単に閲覧できました。

20120509 第18回 新大綱策定会議の近藤駿介委員長... 投稿者 Beaucoup11

内閣府の音声ストリーミング

 見ていただければわかりますが、声が震えていますし、つまりまくっています。当たり前ですね。この委員会の構成メンバーを見れば、電力関係者が二人もいるんですから。

そして、本日の熊日夕刊にも次のような記事が載りました。
2012052412.jpg

規制と推進がずぶずぶとなった原子力委員会に信頼が残っているのでしょうか。しかし、この近藤委員長が未だにトップでいると言うことは、原子力部門の深刻な人材難を示している気がしていけません。

◆関連ブログ
もと東芝社員−奈良林直氏が北海道大学教授に就任してから・・2012年04月10日
NHKスペシャル原発危機_安全神話〜当事者が語る事故(出演者の背景をひもとく)2011年11月29日
posted by いんちょう at 17:04 | Comment(9) | 原子力

2012年05月23日

おとりまで使ってガレキ搬入〜ヤクザ顔負けの北九州市

 本日、12時半から、北九州市が本当に震災ガレキを燃やし始めました。もう、まるでどこかの独裁国家のように、独断。しかも、市長は市民には会わず、定例記者会見で「理解を得られず残念」と発言しています。
2012052315.jpg
2012.5.23(水) 熊日夕刊

搬入のためには、手段を選ばず、囮トラックまで出します。警官を何百人も動員して、どうにかガレキを燃やし始めました。
2012052316.jpg
2012.5.23(水) 熊日夕刊

前日?5月21日のお母さんたちの抗議
2012052317.jpg

本日にも市役所に抗議に市民の方たち100名程度が押しかけたようですが、市庁舎の内部はこんな感じ
2012052318.jpg

この様相は、以前玄海原発再稼動の際の佐賀県庁とまったく同じ構図です。
2012052319.jpg
2011.6.25(佐賀県庁)

 権力者は、人の楯で守ってもらうのが好きなようです。それにしても、動員されている公務員たち。全体の奉仕者であることを忘れて、首長のいうことだけを聞くのですね。恐ろしい国です。北朝鮮のことを嗤っていたら、自分の国はそれ以上だと言うことを痛感させられました。一体、民意を届るにはどうしたらいいのでしょうか。そして、このガレキを押しつけているのは、国−環境省です。これほどまでに強引に押しつけて物事がうまく進むと考えラテいるのでしょうか。

我々にできるのは、抗議活動だけです。このガレキ処理の検討会を行ったメンバー・・以前はホームページにのっていたのですが、現在は消去(まだ、2ヶ月足らずにもかかわらず)されています。記録のためにここに記述しておきます。

北九州市 災害廃棄物の受入に関する検討会 構成員名簿
http://www.city.kitakyushu.lg.jp/files/000112087.pdf
上は、リンク切れ
↓ ↓ ↓ ↓ ↓

■環境政策全般 浅野 直人(福岡大学法学部 教授、北九州市環境審議会 会長 )
■生態系 小野 勇一(九州大学:名誉教授、前 北九州市立いのちのたび博物館 館長)
■廃棄物処理 樋口 壯太郎(福岡大学大学院工学研究科 教授)
■放射性廃棄物 伊藤 洋(北九州市立大学国際環境工学部 教授)、出光 一哉(九州大学大学院工学研究院 教授)
■環境リスク 松永 和紀(科学ライター )この人は有名な御用サイエンスライター Focom主催
■医師(放射線臨床)中村 和正(九州大学病院 准教授 放射線部副部長)
■医師(小児科)田中 正章 ((社)北九州市医師会 理事)
■市民・市民団体
泉 優佳理(元 北九州ミズ21委員会 委員(第8期) )
北野 久美(北九州市保育所連盟 副会長、北九州市保育士会 会長 )
土井 智子(北九州市女性団体連絡会議 会長)
番野 宅二((社)北九州市衛生総連合会 会長 )
■経済団体 羽田野 隆士(北九州商工会議所 専務理事)
■議長 佐々木 健五(北九州市議会議員)
■副議長 西 豊磨(北九州市議会議員)
■自由民主党 片山 尹(北九州市議会議員)
■ハートフル北九州 世良 俊明(北九州市議会議員)
■公明党 赤松 文雄(北九州市議会議員)
■日本共産党 石田 康高(北九州市議会議員 )
■環境省 山本 昌宏(環境省廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課長 )この課長は、熊本でセシウムは水に溶けないと大嘘をつきました

 私の記憶では、産業医科大学からも出席があったと思うのですが、原簿が消されている現在となっては、もう証拠がありません。まさか、このような公文書を消してくるとはまったく思いませんでしたので、抜かりました。

 ブログのコメント欄からの情報
2012052322.jpg
原簿がありました。やはり私の記憶はただしく

岡崎龍史 産業医科大学医学部放射線衛生学 講師

も入っております。この教室は、このブログでも散々紹介してきたとんでもスライドの筆者でもあります。この方一人が入っていることだけで、私はその後に導かれる結論が見えるというものでした。よくみるとおかかえサイエンスライターまで入っており、申しすこしじっくり見ないといけませんね。とても九州が本拠地とは思えない人が複数名入っているのですから、やっつけで仕事をしたことがよくわかります。

 現場に行くことも大事だと思いますが、我々にはお金はないものの声は上げられます。(イラスト入りのFAXで簡単に自分の意見を言われるのがよい・・・プラカードの感じ)

北九州市選出の国会議員
緒方 林太郎/民主党 FAX 03-3508-3941 093-644-7078
城井 崇/民主党(衆議院) FAX 03-3508-3438 093-941-5535

北九州市の役所の電話番号、FAX一覧
2012052321.jpg
2012052320.jpg
検討委員会名簿と同じように消されると困りますので、ここにアップしておきます。役所も、警察もまったく信用できない状況となりました。

市長秘書室 TEL 093-582-2127 FAX 093-562-0710

 また、
ガレキ専用ダイアル 093-582-2411
北九州教育委員会 093-582-2352
いずれも、前回電話しておりますが、まったく何も知らず、なんの責任も取る気がないことがよくわかるかと思います。一人一人の声が大事です。みんなが怒っていることを伝えましょう。

◆関連ブログ
警察権力が市民に牙をむいた日〜5.22北九州2012年05月23日
西日本を被爆させる都市−北九州−−ガレキ問題2012年05月18日
放射能を「正しく」怖がるホームページ・・筆者と作成団体を「正しく」知ろう2012年05月09日
環境省の作ったガレキ安全神話のほころび2012年04月24日
誰が責任をとるのか−玄海原発再開2011年07月06日
posted by いんちょう at 20:46 | Comment(36) | 原子力

警察権力が市民に牙をむいた日〜5.22北九州

 昨日は怒りのあまり、ブログを更新する気になれませんでした。北九州は、市民の理解が得られないまま、ガレキを強制搬入し、西日本全体に放射能汚染をまき散らす愚を犯そうとしています。そして、その正確な報道は一切なされていません。

本日の熊日朝刊・・北九州市がなぜ、警察権力を使ってまで市民を排除したのか、一切書かれていません。
2012052301.jpg

FNNが「反対派市民」として取り上げています。
2012052302.jpg

 この動画は、権力側にとって不具合な情報ですから、すぐに消されます。一応キャプチャー
2012052303.jpg2012052304.jpg2012052305.jpg2012052306.jpg2012052307.jpg2012052308.jpg2012052309.jpg

 トラックの下に潜り込んだ勇敢な市民の写真(@asat8)
2012052310.jpg

日本人がここまでさせる・・ドイツ、フランスではこのような抗議を見たことはありましたが、日本で見たのは初めてです。そして、それを強制排除する警察。法治国家とはとても思えません。一体だれが、このような指令をしたのか、小倉北署に電話(093-583-0110)しました。


指令を出した部署を、「北九州市の方」とまるで「消防署の方から来た」という同じ手口でのらりくらりと回答し、さらに途中で電話を切るという横暴なやり方をしています。その後、何度か電話をしたのですが、回答した人間がわからないとシラを切る警察。市民に対して、このような仕打ちをしていいのでしょうか?

ツイッター上のまとめ

田中龍作ジャーナル【放射性がれき・北九州編〜下】警察隊投入、住民排除しトラックで搬入

もご覧ください。

そして、一足先に試験焼却をした島田市。すでにかなりの汚染が見られるようになってしまいました。
2012052311.jpg

なぜ、環境省がしゃかりきになってガレキ拡散をするのか、一つのヒントがこの調査だと思われます。
エコチル 調査
2012052312.jpg

 そしてこの中のサポーターのひとり 野口健氏
2012052313.jpg
この方が入っていると言うことは、いろいろと妄想してしまいます。

 環境省、ひいては日本がどこかの大国から命じられていること・・・「健康被害を隠せ」・・・を忠実に実行していると思えます。骨折が増えても、白血病が増えても化学物質に由来を求めるためには、エコチル検査で日本全国ほぼ同等の結果にする必要があります。そのために
・100Bq/kgは問題ない
・バグフィルターで放射能はほぼ全量取れる
・この程度の線量では健康被害が起きるはずはない
・東北の「安全なガレキ」を受け入れないのは「非国民」
大気核実験の時に比べると放射能降下量ははるかに少ない
と、ちょっと調べればわかるウソを振りまいて、期限(おそらく数年後には隠せないほどの健康被害が現れるでしょう)までに日本全国に放射能をばらまくのが一番大事なようですから。

(補足)

この電話機は、FAXとちょっとした設定で、自動的に電話送受信分をすべてSDカードに録音できます。価格も手ごろですし、抗議活動用のFAXもついていますのでおすすめします。現在の電話の音声を録音する方法としては、(すこし面倒ではありますが・・)

この手のICレコーダーも一つ必要です。OLYMPUSとSONYの両者が有名どころだと思いますが、SONYの製品は、ファイル名が日付となりますので、管理が簡単です。私は、Sonyをおすすめします。役所などの交渉ごとの際には、必ず持ち歩きましょう。あとで、私はそんなことは言っていないと完璧にシラを切ります。相手に自分の所属を名乗らせてから、交渉しましょう。匿名の下に隠れさせてはなりません。

そして、このイヤホーンマイク これも非常に優秀です。


我々市民は、なんの権力もありませんが、記録することはできます。きっちり証拠を取るようにしましょう。

動画がありました。


◆関連ブログ
環境省説明 南川事務次官(於 熊本)2012年04月14日
4月からの食品の新基準とそれに反対する勢力2012年03月09日
posted by いんちょう at 09:20 | Comment(29) | 原子力

2012年05月21日

総括原価方式(打ちでの小槌)をポイントカードで理解しよう

 難しいことをみんなにわかりやすい言葉で説明する。それは、宗教がもっとも得意とするところですし、専門家がみんなにわかるように説明するのに必要な技術の一つでしょう。

 原発事故を台所で考えてみる・・は、なかなか評判がいいです。ベント、ベント とフクシマの当初に言っていました。その際、NHKの解説者が、ベントとは圧力鍋の蒸気を抜く行為と同じです。と説明してくれればいいのに、解説者自身がベントが意味するところを正確には理解できていない・・そういうことが垣間見えました。

 さて、今回は、「総括原価方式」をわかりやすく?説明してみます。

 「総括原価方式」と言われる特殊な会計方法を採用していることが、電力が原発を推進する本当の理由です。この仕組みがわかれば、カラクリが全部見えるようになりますので、勉強会でもよく説明しています。
2012052101.jpg

 このスライドを用いて、電力は使えば使うほど、儲かる。だからこそ、発電原価の高い原子力を推進すると説明していました。ところが、母にこの説明は何度聞いてもわからないと指摘され、そのように考える女性が多いことに気がつきました。
 どうやら、一般常識にあまりにも反している経済行為であるため、どうしてもピンと来ることができない・・・なにか、実生活に即した行為がないかな・・

2012052102.jpg
 皆さんご存じの、買い物につくポイントカード。これが、この総括原価方式を理解するのにぴったりです。

 電力会社の事業報酬は、かかった費用の3% = 買い物カードのポイントが3% 

と考えればぴったりです。ポイントカードのポイントは、自分の利益(へそくり)になると考えてみてください。

2012052103.jpg

 一枚のスライドを作りました。自分のお金で食事をするときには、500円の定食を食べて、15円のポイントをためる。無駄遣いしてはどうしようもありませんからね。ところが、義父母なりのスポンサーがいて、必要であればいくらでも支払ってあげるよ と言われたらどうしますか?500円の定食か1万円のフルコースか。スポンサーが金持ちであれば、自分のへそくりを増やすために1万円のフルコースを頼んで、300円のへそくりをためるでしょう。
 このコースにアルコールを頼むときはどうしますか?アルコールも必用経費として認めてくれそうですから、発泡酒ではなくヱビスビールを、そしてワインも国産の安ワインではなく、フランスのブランドワインを当然頼みますよね?そうすれば、自分のへそくりがどんどん増えるわけですから。
 そのお店で募金も受け付けているとしましょう。スポンサーが払ってくれるのなら、1000円ではなく、それこそ10万円募金するかもしれません。そうすれば、30円ではなく3000円もへそくりが貯まります。
 だんだん、交通費も自分で運転するのがばからしくなって、お抱えのハイヤーを頼んで、それにもポイントをつけたくなるでしょう。自分のカネでもないのに、豪勢に使うことで、そのお店からはちやほやされますし、下にも置かないおもてなしを受けることができるでしょう。そのレストランは儲かり、自分も儲かる。この輪の中に入ってしまえば、誰も損しない理想的な状況だと思えますね。

 それが、電力の言う「電力料金」に含まれているという言葉の真実なのです。つまり、使えば使うほど儲かるという、不思議な打ち出の小槌の完成です。通常は企業間の競争がありますから、こんなことをしていればその会社は潰れてしまいますが、電力は地域独占。他の選択肢などはないのですから、このような神をも恐れぬやり方が通用するのです。

 では、東京電力がどのようなカネを経費=ポイントが貯まる として、計上しているか。
2012052104.jpg
・社員専用の飲食施設の維持管理費
・サッカーチームの運営費
・東京電力管弦楽団の運営費
・福利厚生の補助
・健康保険料の70%負担
・社員の自社株式の購入奨励金
・利子補助
・原発立地自治体への寄付金

これら、すべてにポイントがつくのですから、電力としては堪えられません。使えば使うほど儲かるのですから、自治体にもよろこんでたくさん寄付をします。例えば、LNGなどもわざと高く買えば、買うほどポイントが貯まる。なんの工夫もいらない会社ですし、かりに予算より安くLNGを購入してしまうと、ポイントが減少してしまうわけです。

 電力会社は、ポイントを他人のカネでためている・・だから、できるだけ高い発電方法=原発 を利用する・・そう理解してはいかがでしょう。

◆関連ブログ
電力会社が借金まみれになっている理由2011年11月22日
原子力は高いから推進−総括原価方式の罠2011年07月20日
原発事故を台所で考えてみる・・2011年08月19日
posted by いんちょう at 20:54 | Comment(11) | 原子力

2012年05月20日

フクシマの真実と内部被曝(熊本学園大学)

 北九州が、ガレキから1メートル離れて放射線量を測定するという飛んでもない方法で「安全」と評価して、試験焼却を始めようとしています。この状況は、こちらで紹介させていただきました。

 このコメント欄に、次の書き込みがありましたのでここで紹介させていただきます。

【超緊急全国拡散】『瓦礫阻止!北九州1万人アクション』みんなで止めよう北九州!瓦礫トラックは19日に宮城県を出発。今まさに放射性物質を載せたトラックが高速道路を走行中。22日に市内の日明積立基地ストックヤードに搬入され。23日試験焼却。許せない!!みんな北九州市に集まれ! ●21日、市民検討会後、国際会議場から市役所までビラまきしなからデモ行進。PM3:30 市役所本庁舎前で1万人の大抗議!プラカード・衣装自由。派手に!(小倉北区城内1?1 093-582-2525)●22日、18時半に日明市民センターで環境局説明会が開催される。その場でも大抗議行動(北九州市小倉北区日明4丁目3?7 093-571-3704)●22日夜~23日朝8時30。日明積立基地で門を封鎖だ!大抗議!車100でも200台でも集まれ!人間も集まれ!(北九州市小倉北区西港町96番地の2 093-581-7976)

全国の皆様、どうか北九州市にお集まりください。

緊急につきまだ詳細はつめていません。分かり次第書き込みます。

とりあえずのお問合せ先
「震災避難者お話会 北九州」HPから
のメールアドレスでお願いします。
http://hinanohanasi.blogspot.jp/

既に福岡県内各地、山口、熊本からも多くの賛同者が集結の予定です。

皆さん、世界中に発信、拡散してください。よろしくお願いします!
がれき問題では国は北九州市に対して異常なほどの狙い撃ち、圧力をかけてきています。市の受け入れの進め方はあまりにすさまじい、どこか病的なものがあります。
その真の狙いとは?
どうか皆さん、ご推察のほどを。

がれき受け入れと試験焼却で健康被害や環境汚染が発生しても、北九州市も国も宮城県も誰も責任を取ると明言しません。めちゃくちゃです。
我々はこれでもかと、陳情、抗議、講演会、チラシ配布を繰り返してきましたが、市役所はテコでも動こうとしません。

北九州市役所 電話とメールの抗議先です。

秘書室
093-582-2127
ここに市長がいます。ぜひとも逃げ回る気弱な北橋市長を電話口に呼び出してください。
市長はこの問題で一度たりとも市民と接していません。

がれき問題担当
環境局循環社会推進課
093-582-2187

特別に設置された震災廃棄物ダイヤルは役所お得意の「ガス抜き」です。ろくに答えられぬ若手ばかりが座らされています。ここは無視してください。

北九州市役所HP
http://www.city.kitakyushu.lg.jp/
市長へメールも送れます。

世界中からの抗議の声をお待ちしています。西日本全体が汚染される問題です。
どうかよろしくお願い致します!!


 昨日は、学園大学で講演会を行いました。参加者約70名。今回も熊日の方が取材に来られていました。高校時代の同級生のお母さんにも約30年ぶりにお会いして、はなしを。思わぬところで、徐々に輪が広がっている印象を受けます。



 今回新しく、総括原価方式:原発周辺の地盤沈下のスライドを追加しました。途中画面が乱れるところがありますが、ご了承ください。90分で何をどこまで話すか。いつも迷います。盛り込みすぎると、時間が足りなくなりますし・・・
 今回の講演は、ガレキ問題をという主催者からの依頼がありました。しかし、ガレキ問題だけを話していては、細かな技術問題になり、日本の「絆」をお前は持っていない。と「非国民」扱いされてしましいます。
 原発による内部被曝が、核兵器とつながっており、その健康被害はその性質上、隠される。そして、それを隠すために、日本全国にガレキをばらまくことが本当の目的だとわからないと腰の据わった反対ができません。今回もガレキ問題に費やした時間は少なくなってしまいました。

 また、公演中にいくつか聴衆の方に質問いたしましたが、ガイガーカウンターを6−7割の方が持っているような集団であるにもかかわらず、3号機の爆発映像を見たことがある人はほんの数名でした。ここまでのところ、これほどインターネットが発達した時代に於も日本政府による隠蔽工作が、非常にうまくいっていると言えるでしょう。その秘訣を、日本政府は中国に教えてあげてはいかがでしょう。

5月20日(日)の熊日朝刊に掲載されました。短いながらも、非常に簡潔にまとまっていると思います。ありがとうございました。
2012052001.jpg

途中、割愛している動画


 この講演ではありませんが、以前の講演会はDVDを販売しております(送料込み1枚500円)
詳細はこちらをご覧ください

2012020301.jpgをクリックで注文画面にいきます
 お支払い方法は、
・ゆうちょ銀行
・楽天銀行
・Paypal
です。振込手数料はご負担ください。送金確認後に配送させていただきます。
(Paypalは決済手数料として+100円請求させていただいています。)

また、手紙・FAXで注文の方は、こちらの申込用紙を送付ください。少額の場合は切手でも結構です。

 また、これまで行いました講演会、およびこれからの予定は右上の私のアイコンをクリックすると見ることができようになっています。ご興味のある方は、こちらをご覧ください。

◆関連ブログ
フクシマの真実と内部被曝−2012.1.29 水俣2012年01月30日
講演会一覧
タグ:講演会

タグ:講演会
posted by いんちょう at 05:36 | Comment(20) | 原子力

2012年05月18日

西日本を被爆させる都市−北九州−−ガレキ問題

北九州が試験焼却を発表しました。

2012051801.jpg

そして、恥ずかしくなる検査の方法で安全性を確認したという記事ここに出てくる 渡部誠司環境広報担当課長は、勉強不足も甚だしい。市民の環境衛生を守る気なんてこれっぽっちもありません。何しろ、袋から1メートルの距離で空間線量を測定するなんて、人を馬鹿にしているにもほどがあります。
2012051802.jpg

 もっともこの方法は、あの環境大臣推奨の「正しい」ガレキ汚染のはかり方ではあるんですけどね。
2012031304.jpg
口さがない人間は、3バ○トリオ といっているようですけど・・

こんな由緒正しい方法で「安全」アピールをするものですから、まねする馬鹿どもが・・・
岩手、宮城のがれき処理で説明会 福井・敦賀市議会
2012051803.jpg

 私にいわせれば、これは人間の鼻で、犯人の遺留品検査をしているのと同じようなものです。通常ならば犬を使うのに人間がにおいをかいで、こいつは白と裁判で証言しているのと同じ。全くナンセンス。こんな知識のない田舎の人間をだますような猿芝居は、とっととやめていただきたい。放射線を「正しく」怖がるといっている先生方、指導をお願いします。

一方でこんな動きもあります。

震災がれき 市長「現地で処理できる」 県受け入れ分 2012年5月18日
 東日本大震災の被災地のがれきの受け入れをめぐり、川崎市の阿部孝夫市長は十七日、「東北地方だけで処理できると理解している」と述べ、環境省から県に示された分の受け入れは、進まないのではないかとの見通しを示した。 (山本哲正)

そして、ガレキ受け入れにしゃかりきになっている北九州市長も、2ヶ月前にはこんなことを・・・

環境首都こそがれき受け入れを 北九州市2012年03月06日
 東日本大震災のがれきを巡り、北九州市議会の5日の一般質問で、市が掲げる「環境首都」を引き合いに自民党議員が受け入れを迫る一幕があった。北橋健治市長は他都市の情報収集に努めるとしたものの、不安を抱く市民がいるとして受け入れには慎重な姿勢を貫き、溝は埋まらなかった。
 市は、岩手県釜石市を支援するため可燃物のがれき受け入れを検討したが、放射性物質による汚染を不安視する声が強まるにつれ、態度が後退。受け入れ反対の苦情も殺到していた。1月には釜石市が現地で処理のめどがついたとして、「受け入れは必要なくなった」としていた。
 釜石市以外のがれきについても、北橋市長は1月の記者会見で「世論が固まっていない」とし、慎重な考えを示していた。
 5日の一般質問で自民の鷹木研一郎議員は、市はリサイクル企業などを集積させ、「環境首都」を掲げていることに触れ、がれき処理の技術力があると指摘。安全を確保しつつ受け入れるべきだと主張した。自民会派の総意とも話した。
 市長は「科学的根拠に基づく対応が基本」と答え、慎重な方針を説明した。
 鷹木議員は再質問で、大きな声では受け入れ賛成とは言わないが、安全確保を条件に賛成している市民は多いはずだと指摘。「一部の反対の声を恐れ、正しい判断ができないことはあってはならない」と食い下がった。一方、市長は「数は少ないかもしれないが、不安を感じる人もいる」と述べ、従来の姿勢を貫いた。
 最後に鷹木議員は「環境首都の本市こそ、他都市にむけて(環境の)技術力を発信すべきだ」と話した。(菊池文隆)

 私は、この件に関しては地方の自民党がもっとも推進している印象を受けます。たった2ヶ月で何が市長をこうも変えてしまったのでしょう。かなり深い深い闇がありそうです。市長はガレキ受け入れ反対というところは、こういう記事からも読み取れる気がします。

 議会と市民、どちらが行政の主役なのでしょうか。それは明らかです。市長は目を覚ますべきです。

宮崎市長が環境省の本性を暴いてくれています。
みやざき(番外編)県市長会会長 戸敷正・宮崎市長に聞く2012年5月2日付から
―これまでの国の対応をどう評価するか。
 戸敷 土に埋めれば放射性物質は土壌に吸着され問題ないと言っているが、群馬県伊勢崎市では浸出水から90ベクレル以上のものが出た。環境省の担当者は説明会で「処理が悪かったんでしょう」という話をされた。自分たちが指導し、問題ないと言っているのに、後になって「処理が悪かった」ではすまされない。国が「安全だ」と言う部分を、しっかりと科学的に示すことが大事ではないか。

 北九州も必ずや、バグフィルターの設置が悪い。環境省で確認した範囲では、放射能の漏洩はみられなかったと100%いうのは間違いありません。

 私も北九州の2カ所に電話しました。全体を紹介しておりますが、一番よくわかったのは非常に不勉強なこと。
・放射能の知見はないと環境省が言っている
水俣病
島田市長は、ガレキ産廃業の元社長
ということさえご存じありませんでした。ちょっと知識だけで、安全安全というだけの役人に対して話をすることができるかと思います。
参考にしていただけますと幸いです。

ガレキ専用ダイアル 093-582-2411


北九州教育委員会 093-582-2352


が電話番号です。特に福岡、山口、広島の方は必ず電話をしましょう。

録音に使った装置は下記の通りです #電話録音

 このICレコーダーは、優れものです。環境省の説明会の時もこれを使っています。これ一本で、ほぼ万能。マイクロSDを使えば、長期保管も完璧です。おすすめ(高いだけのことはあります)

固定電話の録音はこれ


携帯などはこちら(これもきっちりと録音できます。木下さん曰く、放送可能レベル)


◆関連ブログ
環境省の作ったガレキ安全神話のほころび
2012年04月24日
かつてあったことは、これからもあり かつて起こったことは、これからも起こる(水俣病と放射能)2012年05月08日
静岡−島田市のガレキ試験受け入れとその背景2012年02月16日
posted by いんちょう at 21:11 | Comment(41) | 原子力

2012年4月院内勉強会DVD(新規)発売のお知らせ

 外で行っております講演会の時間は、約60分から90分で、なかなかすべてを言うことができません。
 今年の4月に1枚のDVDの内容を2時間(1時間を2回)で院内勉強会をいたしました。既に公開しておりますが、その内容をDVD化いたしました。
内容は、

第1回院内勉強会 フクシマの真実と原発再稼働(約60分)
・私の経歴
・元東電社員の発言
・原発の原理・問題点・電力(産業界)が推進する理由
・フクシマ事故の推移
・放射能汚染についての東電のスタンス
・原発再稼働の条件


第2回院内勉強会 放射能と内部被曝(約60分)
・放射能汚染の状況
・放射能と放射線
・内部被曝と外部被曝
・実効線量係数・名目確率変数
・奇形動植物
・放射性ヨウ素、ストロンチウム、セシウムの体内動態
・内部被曝の症状(原爆ぶらぶら病)
・胎児奇形
・ガレキ、除染問題


現地の実情を無視=遺体の含まれているガレキまで早々と広域処理がなされていた・・環境省説明会質疑応答から(熊本)から環境省事務次官回答(音声のみ)


以上をひとまとめにしたのが、新規DVDです。今までのDVDも継続販売中です。

2012020301.jpgをクリックしてお申し込みください。
 お支払い方法は、・ゆうちょ銀行 ・楽天銀行 の振込もしくは・Paypal(100円手数料)申し訳ありませんが、振込手数料はご負担ください。送金確認後に配送させていただきます。

現在発売のDVDは、下記内容です。

やましろ病院(43分)


水俣(90分)


 なお、5月24日(木)に予定していた院内勉強会は、中止とさせていただきます。次回は6月14日(木)の予定です。2週間前に告知いたします。

◆関連ブログ
第1回院内勉強会 フクシマの真実と原発再稼働2012年04月13日
第2回院内勉強会 放射能と内部被曝2012年04月27日
現地の実情を無視=遺体の含まれているガレキまで早々と広域処理がなされていた・・環境省説明会質疑応答から(熊本)2012年04月18日
講演会ビデオ販売のお知らせ2012年02月04日
タグ:DVD 講演会
posted by いんちょう at 08:25 | Comment(4) | 原子力

2012年05月17日

やらせと原子力、じつは切っても切れない関係です。

2012051702.jpg
 311以前にはこういうはずかしげもない広告に、得意になって出ていた著名人がたくさんいます。この茂木健一郎氏 以前脱税で捕まっています。
 この手の広告を見て覚えておかなければならないのは、名前と所属と顔です。こういう広告に出られた方は、現在でも活躍しておられ、いわゆるトンデモ学説を振りまいてくれます。

京都大学原子炉実験所教授・山名元 原発ゼロは危険な「社会実験」だ・・小出先生の上司
2012051703.jpg
(抜粋)
 福島第1原発事故を受けて大飯原発が実施した安全強化措置を見ると、致命的事故に至るまでの余裕(耐性)が福島第1と比べて相当に向上していることは確かであり、「更なる強化措置を速やかに実施する事を条件として再稼働できるレベルに達している」と判断できるのではないか。そもそも、安全強化された3、4号機の稼働を容認できないとするなら、昨年動き続けていた他の原発についてはなぜ稼働を認めてきたのか
 こんなことがすらっと言えるようでなければ、御用学者はつとまりませんね。

さて、本日はやらせ記事について、次のような新聞報道が先日でました
2012051701.jpg
玄海でやらせが行われたのは周知の事実であるにもかかわらず、役人は未だにその認識すらない。騙されたと思わないのですから、呆れ果てます。

そして、かのプルトニウム大橋大先生も、こちら
5.「やらせ」事件
この討論会について、九州電力のいわゆる「やらせ」が問題となった。私は、佐賀県から依頼されて登壇したもので、話す内容や質疑などについて九州電力からの連絡は一切なかった。
客観的にみれば、この種の討論会は、推進派も反対派も動員をしてそれぞれの立場から質疑を行うのは当然であり、違和感はない。国会答弁でも何でも同じだろう。目立ちたがり屋の弁護士さんが「やらせやらせ」と言い出し、それに社会全体が翻弄されただけではないだろうか。

と、完璧に開き直った発言をしています。ある意味あっぱれです。そして、このやらせを布くんだ張本人・・九電の佐賀支店長

やらせメール関与の九電支社長、子会社社長に
 九州電力(福岡市)は16日、佐賀県玄海町の玄海原子力発電所を巡る「やらせメール」問題に関与した大坪潔晴・佐賀支社長(執行役員)(58)が退任する人事(6月27日付)を発表した。
 大坪氏は九電の子会社「北九州エル・エヌ・ジー」(北九州市)の社長に就く予定。
 大坪氏は玄海原発の再稼働を巡る県民説明番組を巡り、昨年6月に佐賀県知事公舎で、九電幹部(当時)とともに古川康知事と面会。大坪氏がまとめた知事発言のメモが、やらせメールにつながったとされた。
(2012年5月17日10時13分 読売新聞)

 厳しく罰するどころか、子会社の社長に栄転させる。九電には企業倫理などかけらも残っていないことが明らかになりました(もはや,もうみんな知ってますけどね)

 さて、やらせと言えば、次の投書(熊日読者の声から)
2012051704.jpg
年配の女性です。
・上京のついでに気仙沼に行くという不自然さ
・女性ならば、気仙沼に行く理由が何か書かれるはずだが一切なし
・このような活動が好きな情勢なのに、会話はタクシー運転手だけ。地元の人の声が一切ない不自然さ
・産業の振興ばかり気にして、子ども、母親と話した表情が一切ない
 女性らしい観点が一切ありません。不思議な文章です。まるで、取材記事のような・・

 もう、やらせを認めている原子力村ですから、このような文章だって、平気でNHKに書きます。
2012051705.jpg
 この連絡先に抗議しましたら、開口一番、「あなたは医者ですか?」と切り替えされましたね。そういえば。#御用学者が巻末に一覧となっていますので、ご覧ください。九大の 工藤 和彦特任教授までいますね。ご注意ください。

さて、やらせの文章・・・玄海から
燃料自給率が低い日本で唯一文化的な生活をこれからも続けようと思うならプルトニウムを使用すべきと強く思う。それを反対するなら平安時代のように千年前の生活に戻るが良い!!この現代社会にあってプルサーマル計画に反対する人たちはすべて自力でやっていく千年前の生活は到底できまい!!もしそれができた上で反対するならそれも仕方がない。しかしプルサーマルは必ず時代の流れによって必要だ!! (唐津市/男性/50 代)

さて、首都圏スペシャル の番組に寄せられたメール が面白いとのことで、探してみました。
 上と同じにおいがする文章

考えが甘い。放射能汚染が心配という人に対しては、極端な話、そんなの甘えた考え方だとしか思えない。
そこまで不安視するならば自分で安全な土壌を探し、自給自足にすればいい。
店舗に出ているものも信用できないと言うのだから、そうするすかないし、それがベストだろう。
安全ではないなら農作物を買わない・食べないと偉そうに言っている消費者は、農業を避けてやりたいことばかり好き放題にやってきている人がほぼ100%だろうと思うし、そう言う人には農家の方々の苦悩など到底分かる訳がない。
言っちゃ悪いけれど、はっきり言ってバカだと思う。
(35歳・女性・埼玉県)


 こんないい方女性がするんでしょうか?いかにも定年前後の男性のにおいがぷんぷんします。

大笑いなのは、次の文章
2012051209.jpg
女性が、小生というとは・・・唖然とします。

2012051217.jpg
16歳にしては随分としっかりしてますね。

2012051218.jpg
9歳の女の子が、「多少の放射線には人間は負けないと思います。」ですよ。親に言われたんでしょうか、それとも・・・

 まあ、いちいち報告はしませんが、この意見は原子力村の底力を見せらます。311以前なら、玄海の時のようにこの手の意見が殆どを占めていたのでしょう。本当に恐ろしいことです。

◆関連ブログ
プルサーマル公開討論会(佐賀)やらせの証拠2011年08月01日
2012年03月25日
東大話法を用いた大橋教授の弁明と奈良林北大教授のプルトニウム安全神話
タグ:やらせ
posted by いんちょう at 23:04 | Comment(11) | 原子力

2012年05月16日

5月19日、27日の講演会(熊本市、屋久島)のお知らせ

 講演会のお知らせ(熊本市、屋久島)

日時 平成24年5月19日(土)14:30-16:45
場所 熊本市 熊本学園大学
費用 500円
備考 託児あり(お問い合わせください)090-1920-9675(勝連)
2012042702.jpg

日時 平成24年5月27日(日)10:00-12:00
場所 鹿児島県屋久島 安房公民館
費用 500円
備考 託児あり
2012042703.jpg

それ以外の講演会のお知らせは、ブログ右上の
myself.jpg
をクリックすることで、見ることができます。

院内勉強会と環境省との質疑応答を1枚のDVDとして、発売予定です(500円)今週中には、ご案内できるかと思います。講演会よりも、時間が長くなり深くなっています。
タグ:講演会
posted by いんちょう at 21:11 | Comment(6) | 原子力

2012年05月15日

甲状腺乳頭癌−郡山から避難した30代女性 一例報告

 甲状腺乳頭癌−私には国試時代の知識しかありません。古い教科書を読み返してみました。


(この記述は、手元にある第一版)

 甲状腺癌の中でもっとも多く、30−50歳代の女性に好発します。比較的若年者の癌は予後が悪いように見えますが、本症の予後はきわめて良好で、10年生存率は80%以上とされています。被曝によって生じる甲状腺癌のほとんどは乳頭癌で、1986年のチェルノブイリ原子炉事件(ママ)のあとに好発しているのも本症です。また、特に10歳以前に頚部放射線照射を行うと、本症の危険度が増加することが指摘されています。
 本症の多くは硬い結節性甲状腺腫で発見され、主にリンパ行性に転移します。初診時に既に頚部リンパ節転移をしているケース、肺や骨などの臓器に転移しているケースもありますが、それでも発育が遅いために、その予後はそれほど悪くはありません。周囲への浸潤傾向はそれほど強くはありませんが、進行癌では反回神経麻痺(声がかれる)や食道への浸潤による嚥下困難を来すこともあります。

検査
 本症および濾胞癌という分化型の甲状腺癌はホルモンを産生しませんが、そのまねごとをします。そのために、血中のサイログロブリン値が上昇します。ただし、サイログロブリンの上昇は他の多くの疾患でも認められるために、それほど診断の足しにはなりません。
 頚部軟X線撮影を行うと、砂粒状石灰化psammoma body(砂のように細かい石灰化)が認められ、本症の特徴とされてきましたが、他の画像診断の進歩によって最近ではこの検査を行う機会はめっきり少なくなっています。代わって不可欠な検査の地位を占めたのは、超音波エコーです。超音波エコーでは腫瘤像を認め、その内部エコーは不均一で低く(黒く写り)、その辺縁は不整です。腫瘤にぶち当たった超音波は突き抜けることができないので、広報エコーは減弱ないし消失します。またしばしば内部に微細な石灰化による散在性の高エコー域を認めます。
2012051511.jpg

123Iまたは99mTcによる甲状腺シンチグラフィーを行うと、ホルモンを産生しない本症では取り込みが認められずにcoldになります。ただし、肺や骨などに臓器転移した場合には、この部位で取り込みが認められてhotになります。また、201Tl を用いたシンチグラフィーでは、腫瘍内への貯留時間が延長するために逆にhotになります。
2012051512.jpg

 穿刺吸引細胞診では、集団を形成した腫瘍細胞を多数採取することができ、細胞集団は乳頭状またはシート状の配列を示します。細胞内にはすりガラス状の核があり、その辺縁に位置する核小体が目玉のように目立ちます。また、細胞質が核内陥入して切れ込みを作り、封入体のように見えることもあります。(これを核内細胞質封入体と呼びます)
2012051513.jpg

治療
 外科的に摘出しますが、予後のよい本症ではどこまで摘出の範囲を広げるかをめぐって議論があります。甲状腺の摘出に当たっては、反回神経や上喉頭神経の損傷に注意しなければなりません。また、副甲状腺の摘出による低Ca血症にも配慮が必要です。
 本症では、腫瘍細胞はTSH依存性に発育していくと考えられています。従って、TSHを抑制する程度の合成T4製剤を投与し、腫瘍の縮小を狙うこともあります(この治療法については、その効果を疑問視する見解も強く、定説とはなっていません。)
 骨や骨に転移した場合には、甲状腺全摘後に131Iを用いた甲状腺シンチグラフィーを行い、取り込みが認められれば、大量の131Iを投与して腫瘍をたたきます。この際には被曝量の少ない123Iではなく、強烈なβ線を放出する131Iを使用します。また、先に甲状腺を全摘しておかないと、甲状腺に131Iが取り込まれてしまうために効果が半減してしまいます。


 以上は、医学生が知っておくべき知識であり、太字は国試で出るであろうキーワードとなります。

 郡山から西日本に避難された30代前半の方から、病院で乳頭癌と診断され、手術予定だと連絡がありました。ご本人の了解が得られましたので、ブログで紹介させていただきます。もちろん、この症例がフクシマによるものかどうかを結論づけることはできませんが、今後要注意であることだけは間違いないと思います。

2011年3月11日〜15日昼まで郡山市
(外に出る時はマスク着用、N95が当時手に入らず普通のマスク。
水道が止まり、水汲みやお風呂に入る為に外で並んだ。窓は開けなかったが、目張りはしなかった。
マンション1階居住。14日にイソジンを10mℓ摂取。15日にプルームが関東を覆ったが、その後を追うように、15日の昼に郡山を出発し、雨の中車で沼津へ。東北道が通行止めで、下道で15時間かかった。)

3月16日〜4月4日まで沼津。
普通に生活。21日のプルーム第2弾は雨だったので外には出ていない。

4月5日〜23日まで猪苗代や那須に滞在。
(自宅が半壊で住める状態ではなかったのと、当時線量が2μ位で戻るのは無理だと静岡にいた時から思っていた。)

4月24日〜9月*日まで会津**町に引越し。
(仕事を辞められなかった、辞めたくなかった為、線量の低い会津に引越し。当時で0.14μ位。ただ仕事で毎日仙台〜栃木まで高速道路で通行していた。80キロ圏内での仕事はしなかったが、会津から仙台〜栃木に行くには結局、郡山・福島を通っていた。)

9月*日〜2012年1月*日
沼津へ移住。

1月*日〜現在
大阪以西へ移住。

食事と水には相当気を付けていました。現在もです。
理研の尿検査(2012年2月21日〜22日)ではヨウ素・セシウム不検出(検出限界0.073)でした。

2011年7月*日A病院(会津若松市)
(喉が痛く、痰、下痢も止まらず、体重も減り、だるい、眠い、もしかして?と思い内分泌科を受診。エコーで5ミリの腫瘍発見。自分ではしこりは気が付かなかった。細胞診もしたが、細胞の量が少なく判定不能だったが、大丈夫と言われた。放射能が心配ですと言っても、影響ないと笑われた。)
2012051501.jpg
2012051502.jpg

2011年12月→Bクリニック(静岡県)
紹介状を持参し、エコーと血液検査。腫瘍は6ミリ。7ミリ以上にならないと細胞診はしない、血液検査の結果は異状なし。半年〜1年の検査で十分と言われる。
2012051503.jpg
2012051504.jpg

2012年4月*日→*へ避難者してきた方(私も含む)主催のイベントで無料のエコー検査があり、しこりがあるのは分かっていたが、無料だったのでD病院の医師に診てもらう。しこりの形が不整形だと悪性の可能が高いから、検査はこれからもちゃんと受けてと言われる。はじめて、しこりの形を指摘された。
2012051506.jpg2012051507.jpg
2012051508.jpg
2012051509.jpg

2012年4月→Cクリニックでカラーエコー、血液検査、細胞診、心電図、尿検査を受ける。
細胞診の結果は2週間後。診察で主治医の第一声が、「甲状腺癌では死にませんからね!!」。
たぶん、エコーである程度予想が付いていたんじゃないかと思う。この時から、覚悟はしていた。
脈拍が50しかなく、甲状腺機能も低下気味とのこと。思い当たる節は沢山あったが、移住や仕事のストレスだと思っていた。
2012051505.jpg

5月→Cクリニック2回目
細胞診の結果は偽封入の可能性もあって、微妙なので、もう一度細胞診をすることに。染色すると完全に判断出来ると言われる。2週間後に結果。

5月→Cクリニック3回目
2回目の細胞診の結果は2週間後だと言われていたが、4日後に電話が来て結果が出たので来て下さいと言われ、嫌な予感。乳頭癌の診断。甲状腺右側で6ミリ。細胞診画像見ながら説明を受けましたが、経験が浅い医師なら良性の判断をするとのこと。
C医師は被曝医療に尽くされている方で、チェルノブイリでも活動されています。福島にいたことも、その影響も理解してくれています。

2012051510.jpg

 非常に詳細に書かれた記録であり、ほぼそのまま報告させていただきました。私の手元にある資料はこれですべてであり、これ以上のことを質問されても、私には答えられませんので、ご了承ください。
 しかしながら、
・イソジン10mlを内服
・比較的早期に郡山から脱出
・サイログロブリン値には殆ど異常がない

を考えますと、今後の状況を見なければなりませんが、非常に厳しいことになるのではないかと思っています。

 甲状腺癌に関しては山下俊一先生が日本では一番の専門家と言ってよく、下記講演をされています。
2012051514.jpg
 これを見る限り、事故後3年間には増えないことになっています。

 また、甲状腺学会は、次のようなお触れを専門医に対して出しています。
2012051515.jpg

 見直しを図る必要はないのでしょうか。

◆関連ブログ
甲状腺機能検査、報告のお願い2011年10月30日
甲状腺機能原発事故後に低下−群馬(甲状腺学会発表)2011年11月23日
福島−子どもの甲状腺にしこり(追加検査なし)2012年01月31日
タグ:甲状腺癌
posted by いんちょう at 20:40 | Comment(18) | 原子力

2012年05月14日

フクシマの真実と内部被曝(人吉講演)

 昨日の 放射能の怖さをなぜ人より早くわかることができたか・・説得のヒントにたくさんのコメントをお寄せいただきありがとうございました。

 いくつかこれはと思いましたコメントを紹介させていただきます

しかし今回のような大きな事故では、何か見えない力が働いて、としか言えないような部分もありますね。最後に後押ししてくれたのは天国の母と父でしょうか。祖父母とかそういう存在のエネルギーを感じることができなかったら私も動けなかったかもしれません。過去と未来への大きな責任を背負っているような感覚です。

田母神氏や、渡部昇一氏の様な¨右翼言論人¨が、「放射能は、たいした問題ではない」と言い出したのが答え。敗戦間際の¨神国日本が負けるはずがない¨と同じ状況。

今までのコメントを読んでいて感じるのは、広島・長崎の原爆という体験を日本人として、心に沁みつけた体験が、今回図らずもふたたび起きて(起こして)しまった原発事故の際に役立ったと考える人が多いことは、まさしく、原爆の被害にあわれて亡くなられた私たちの祖先にとって何よりの供養になるということです。
歴史に学ぶとは、そういうことだと思います。


 その他にもたくさんヒントになるコメントがあると思います。何となく、報道がおかしいと感じた人は、おそらくその前に何らかのベースとなる経験があるはずです。もう少し自問自答されるともっと目に見えてくるのではないでしょうか。

 さて、昨日熊本県人吉市で講演会を行わせていただきました。天気のよい日曜日、いろいろと楽しい予定も組めたと思いますが、多数ご来場いただきありがとうございました。その際に、長崎の原爆体験をまとめられた本をご紹介いただきました。私は今までナガサキの記録を見たことがありませんでしたので、日を改めて紹介させていただこうと思います。


今回の内容
・フクシマで何が起きたのか
・どれだけの環境汚染が起きたか
・放射能による内部被曝症状
・ガレキ拡散をしてはならない理由

大きなところは変更しておりませんが、いつも原稿なしで話していますので、若干内容に差異があります。また、現在緊急の問題である内部被曝の症状、ガレキ問題をより詳しく説明しています。

途中、割愛している動画


 この講演ではありませんが、以前の講演会はDVDを販売しております(送料込み1枚500円)
詳細はこちらをご覧ください

2012020301.jpgをクリックで注文画面にいきます
 お支払い方法は、
・ゆうちょ銀行
・楽天銀行
・Paypal
です。振込手数料はご負担ください。送金確認後に配送させていただきます。
(Paypalは決済手数料として+100円請求させていただいています。)

また、手紙・FAXで注文の方は、こちらの申込用紙を送付ください。少額の場合は切手でも結構です。

 また、これまで行いました講演会、およびこれからの予定は右上の私のアイコンをクリックすると見ることができようになっています。ご興味のある方は、こちらをご覧ください。

◆関連ブログ
フクシマの真実と内部被曝−2012.1.29 水俣2012年01月30日
講演会一覧
熊日新聞で紹介されました
タグ:講演会
posted by いんちょう at 08:14 | Comment(8) | 原子力

2012年05月12日

放射能の怖さをなぜ人より早くわかることができたか・・説得のヒント

 周りの人にいくら放射能が怖いと説明しても、鼻からバカにしてわかってくれない。一体どのようにして説得すればいいのでしょう?

と言う質問をよく受けます。何か特効薬があれば、もちろんお教えしますが、そんなものはこの世にありません。何しろ、私だって実家はいざ知らず、兄弟の家庭にすら話を聞いてもらっていないのですから。キサゴータミーの話ご存じでしょうか?
 詳しくは、リンク先を読んでいただくとして、子どもを死なせてしまった金持ちの母が、その現実を受け入れられずに、死人を生き返らせようと狂ってしまう。お釈迦様が、それを教え諭す話です。

 現実を受けいられない人をどう導くのか、宗教問題とも似た難しさがそこにあります。散々口やかましく言っても、「もう、いい。うるさい。わかった」と言われるだけの日々が続いているのではないしょうか。

 その説得の一つのヒントとして、自分がなぜ、放射能の危険をすぐに察知することができたのか。それを考えてみるのはどうでしょうか。私は放射能から避難された方に会うと、なぜ避難することができたのか、聞くようにしています。なかなかその時にはピンと来る答えをもらえないこともあるのですが、

・お父さんに小さい頃から原爆の展示会に連れられていってたから
・もともと原発反対運動に加わっていたから、知識があった
・はだしのゲンの怖さが身に染みていた

等々。その理由は人によって違うでしょう。私の場合をご紹介します。

 私の母の実家は、広島市にありました。祖父母が、母をかわいがってくれていましたので、私は小学生の間ずっと長期の休みの時には、広島に遊びに行っていました。当然8月6日の原爆が落とされた日のサイレンと、原爆記念式典はテレビでいつもそれとなく見る−そんな夏休みだったのです。祖父母、母ともにピカの被害は受けておらず、原爆投下後1年近く経ってから広島市に戻ってきたようです。祖母はABCCで検査を受けたことがあるのですが、直接そのことを存命中に聞いたことはありません(母から、先日初めて聞いて大変驚きました)。そして、ヒロシマ、ナガサキの原爆資料館にも行ったことがありますが、その時の記憶は殆ど残っていません。
 知識はないが、とてつもない爆弾を米国が使ったという感覚だけはあったのだと思います。

 原子力は、とんでもない技術だと思ったのは、ゴルゴ13 2万5千年の荒野

<1984年7月作品>
2012051201.jpg2012051202.jpg2012051203.jpg2012051204.jpg

定量的な内容を書き出します。

・アポロン1号の核燃料ウランの総量は170トン、分裂能力は8000万キューリー
・そのうち1%が漏れ出るくらい(公式発表では、チェルノブイリは1億8000万キューリー、フクシマは1000万キューリー)
・炉から2マイル(3.2キロ)いないは全員1日目に脳をやられて死亡
・ガンマ線被曝量は1日で320レム(3.2Sv)1週間で1万4千レム(140Sv)以上になりますから・・
・20マイル(32キロ)離れた地点にとどまった人は、第1日目に72レム(0.72Sv=720mSv)、90日で4600レム(46Sv)に達し、重傷の放射能障害が出ます。急性白血病で髪は抜け皮膚は落ち、50%が1州下院いないに死亡
・50マイル(80キロ)離れても、1日目に15レム(150mSv)、90日で250レム(2.5Sv)
・甲状腺では濃縮され、被曝量は1週間で、1240レム(12.4Sv)一週間で発病する人もいます
・子々孫々までも、長期の影響が現れます。誰も、住めないでしょう。
・桁が違います。ヒロシマの原爆の全放出量は数十万キューリーに過ぎません。原発はその200倍から400倍あるんです。それに死の灰で、地表や海、川、大気・・・あらゆるモノが汚染されます。
・数百マイル離れても、農作物は作れなくなります。・・・死の世界です・・・

どうでしょうか?私はこのマンガをチェルノブイリ前に読んでいました。実際に事故が起きて、ウクライナは終わったと確信したのですが、その後事故被害報道は尻すぼみ。あのマンガは、大げさだったか・・と思って、その後東電原子力に入社してしまいました。

 今改めてこの本を読んで、その正しさがよくわかります。

それ以外の本としては、




皆さんもなぜ、放射能の怖さを知り得ていたのか、コメント欄で教えていただけますと幸いです。


◆関連ブログ
仏教聖典から・・・キサゴータミー2011年06月15日
結論の押し売りではなく、導きを2011年10月29日

タグ:放射能
posted by いんちょう at 23:12 | Comment(112) | 原子力

2012年05月11日

重い腰を上げた日本野鳥の会だが・・・法人会員には原発マネー企業がずらり

「虫や鳥や木が消え始めたら、次は人間が消えていく番だ」で書きましたとおり、311当初から山では異変が起きています。
熊日 2011.12.30
2012051102.jpg

熊日 2012.4.20
2012051103.jpg

いずれも、野鳥が極端に減少していることが書かれています。そして、昨日私はスズメが路上で死んでいるのを見つけました。
2012051101.jpg
 その他、路上で死んでいるカラスを見かけたこともあります。

野鳥と言えば日本野鳥の会、素人の私でも気がつき、新聞記事にもなっているのに、今まで調査したという報告すら聞いていませんでした。

原発事故でツバメに影響? 野鳥の会が全国調査2012.5.9 18:38
 日本野鳥の会は9日、生息数の減少が指摘されているツバメに、東京電力福島第1原発事故で放出された放射性物質の影響が出ていないかをみる全国調査を10日から始めると発表した。市民の参加を呼びかけている。
 旧ソ連のチェルノブイリ原発事故後、ツバメの尾の変形や体の色素の異常が多くなったほか、産卵数やふ化率の減少も目立つようになったとの報告がある。第1原発近くのツバメの巣から高濃度の放射性セシウムも検出されており、国内でも影響が出ていないか調べる。調査は3年間の予定で、今年7〜8月ごろに中間結果を公表する。
 同会のウェブサイトに10日から開設される特設ページから回答する。
 俳優で同会会長の柳生博さんは記者会見で「ツバメは里山のシンボルだが、減っているとの声が多い。多くの情報をもらい、人と自然との関わり方を考え直すことにつなげたい」と話した。


 私の知る限り、放射能を理由の一つに挙げたのは初めてです。すべて、今までは原因不明としか書かれていません。いよいよ日本の野鳥の会も・・と思われた方も多いはずですが・・・それにしては動きが鈍い・・なぜでしょう。

2012051104.jpg
 綺麗なホームページで、カネがかかっているのがわかります。しかも寄付は免税。何から何まで至れり尽くせり。予算を見ますと・・・
24年度の予算で 収入 約8億円 資産 約20億円
もある、非常に大きな組織です。では、どのような法人会員がいるのでしょうか。

2012051105.jpg
では、この中から関連企業をざっと抜き出してみます

沖縄電力(株)
関西電力(株)
九州電力(株)
四国電力(株)
中国電力(株)
中電環境テクノス(株)
電源開発(株)
東京電力(株)
日本原子力発電(株)
北陸電力(株)
北海道電力(株)

これほどのスポンサーがいます。

一応こんなホームページはありますが・・
2012051106.jpg

 これだけのスポンサーがついているんです。今までまったく報告をあげていなかったことから、この日本野鳥の会が出す報告は、始まる前から結論が見えています。

 日本野鳥の会よ、お前もか・・

とならなければいいのですが。

私の妄想する結論をここに書いておきます。

 ツバメは全国的にやや減少傾向が見られるが、これはここ数年間みられている現象である。本年特に少なかった理由は、冬の気温が寒かったこと、春の訪れが遅かったためと思われる。今後注意深い観察が必要だ


程度か

◆関連ブログ
「虫や鳥や木が消え始めたら、次は人間が消えていく番だ」 2011年12月30日
タグ:野鳥 P 放射能
posted by いんちょう at 21:20 | Comment(20) | 原子力

2012年05月10日

首長独裁で進めるガレキ処理と賞賛するマスコミ

 島田市は、ガレキを国の優等生のように受け入れ、熊本市からも視察に出かけています。

東日本大震災:熊本市議会、静岡・島田市へ来月視察 がれき受け入れ態勢など /熊本毎日新聞 2012年04月17日 地方版
 東日本大震災のがれきの広域処理問題で、熊本市議会環境水道委員会(藤岡照代委員長)は、がれき受け入れを表明している静岡県島田市を5月22日に視察することを決めた。
 藤岡委員長によると、同委員会は3月定例会終了後に島田市議会に視察を申し入れた。現在、両市議会事務局が当日の具体的なスケジュールを調整中だが、受け入れ態勢などを視察するとみられる。
 藤岡委員長は取材に対し「まだ受け入れについてはゼロベースだ」と前置きした上で「今後、市民の声を聞きながら受け入れについて議論する上でも、島田市の状況を知らなければならない」と視察の目的を説明した。【松田栄二郎】


 ガレキ受け入れに関しては、本日熊日に次のような記事が載りました。
2012051002.jpg
 私はこのように一見理解を見せたような切り口の記事が、一番汚いと思います。ガレキ受け入れの反対意見は、地を覆うように広がり、首長はほぼ独裁でやっているのが実情なのに、この記事では「受け入れの機運がすこしずつ高まる今、孤立感を抱くようになった」と書いています。明らかに実情に反しているとしか思えません。首長が独断で、住民の意思を全く無視してやることが、リーダーシップとでも言うのでしょうか。この、共同新聞社の記者は、本当に現地を取材しているのでしょうか。大いに疑問です。

桜井市長は、以前次のような発言をしています。
 「がれきの放射線量は島田市の家庭ごみと同程度。政治家として、どんな反対があってもやらなければならない。反対されるほどファイトがわいてきた」

もはや、こういう進め方は、独裁と思えますが、本日の熊日夕刊でも、この独裁を賛美する意見が掲載されました。
2012051001.jpg
 新聞が独裁を読者の声を借りて、誘導する大変な時代です。

安心して暮らせる島田をつくる市民の会のブログから
島田市の最終処分場は私有地です から

そして、現時点で
反対している地権者は11戸中7戸
98%の住民の強い後押しもあります

市は最低限の手続きもできていないのに、燃やすことにシャカリキになっているように感じますね。

新聞報道では、「市民の理解を得る努力を」と言うようなくだりがあり、まるでそれがされてきたかのような印象を世間に与えていましたが、市民の理解どころか、必要な最低限の手続きも進められていません。

地権者は協議を求めています。


これを読む限り、最終処分場の許可も得られていないのにリーダーが独断でやっているようにしか私には思えません。このような無理筋の焼却を支持するのが公器である新聞の役目なのですか。

さらに驚いた記事が
島田市最終処分場立地地区住民が反対せざるを得ない理由 から
2012051003.jpg

仰天の解答です。
 【立地問題】
 道路一本、フェンス一枚外は茶園です。半径300m先には人家が8戸、茶工場が2工場あります。そして、その先数キロは牧之原大茶園が広がっています。全国でもトップクラスの有料茶産地です。もし、風評被害が出たら島田市の茶業のみならず、静岡県の茶業界にとって大打撃は必至です。

市からの回答→
風評被害については、国が責任を持って対応することになっていますが、全国各地で災害廃棄物を受け入れようとしていますので、風評被害は起こらないと考えています。


 これは風評被害ではありません。セシウムが検出されるわけですから、実害です。いつまで放射能を風評と呼べば気が済むのでしょうか。また、この市からの解答にすべてが書かれています。日本全国を放射能汚染してしまえば、もはや綺麗な土地はなくなり、日本人全員があきらめてしまう。それが、現在環境省がしゃかりきになって、ガレキ拡散を進めている理由の一つでしょう。環境省の頭の中には、いかに効率よく日本を放射能汚染してしまうしか、考えていないことがよくわかります。(そういった意識さえ持っていないようですけどね。)

 徐々にではありますが、目覚めた市民が全国各地で立ち上がって、声を上げ始めています。その声が無視できない状況になっているからこそ、このような誘導記事が新聞に踊っているのです。もし、順調に賛成意見が増えているのであれば、このような記事を載せる必要すらない。そのことに我々は気がつく必要があります。
 そして、決して投げ出さないこと。決まったと言っても、すべてが一瞬で終わるわけではありません。福島を中心とする放射能被害は、徐々に顕在化してきており、あと半年もすれば、政府と電力業界のカネをかした隠蔽工作も明るみに出ることでしょう。

 本日の勉強会の際におひとりの方が発言しました。「日本は、法治国家ではない。その国でいかに生きていくかを考えなければならない。」と。本当にその通りです。敗戦後散々積み上げてきたかのように思えた民主主義の世界は、実は全くの偽りであったことが明らかになったのですから。
 しかし、我々は良くも悪くも日本人です。日本の子どもたち、そしてその子孫のために、決してくじけることなく、声を上げて、動いていきましょう。

Never Give up.

◆関連ブログ
ガレキ処理に住民の了解は必要ない−日本民主主義人民共和国のショーグン達2012年03月01日
静岡−島田市のガレキ試験受け入れとその背景2012年02月16日
環境省の作ったガレキ安全神話のほころび2012年04月24日
posted by いんちょう at 21:43 | Comment(25) | 原子力

2012年05月09日

放射能を「正しく」怖がるホームページ・・筆者と作成団体を「正しく」知ろう

 1年くらい前に新聞記事を分析しました。
放射能を必要以上に怖がることは「エセ科学」=カルト宗教-新聞論説から

・始まりの文章は、誰が読んでも正しいことを書く。
・文章の途中までは、自分の意見とは反対の意見をただしいかのように記述する。
・本来はただしい意見を、突拍子もないとんでもないことと結びつけることによって、ただしい意見も間違いだといった印象を植え付ける。
・最後には、また誰が読んでもただしい意見を述べる


 最初から明らかにおかしいことを書けば、誰も相手にしません。次のようなページを見つけました。

2012050901.jpg

一見、普通の主婦が、放射能パニックから逃れたという「正しい」記事のようです。この文章の流れとまったく同じツイッターのまとめを思いだしました。

2012050902.jpg

まったく持って同じ流れです。放射能を心配していた「主婦」が、科学的な知識を仕入れて放射能を「正しく」怖がるようになった。しかも、このまとめのFavs と Viewの数。驚異的です。

この手のエントリーはかなりあるようで、
2012050903.jpg
もみつかります。

 綺麗そうなホームページで、ネット上ですぐにわだいになる。こういう時は必ず、その主催者を見なければなりません。(基本中の基本です)

まず、Global Energy Policy Research の運営会社
GEPRはアゴラ研究所が、運営するウェブ上の仮想シンクタンクです
代表取締役:池田 信夫
取締役:西 和彦
取締役:田代 真人


 池田信夫氏は、いまさら説明する必要はないでしょう(ググれば、すぐにわかります)
 西和彦氏には、ちょっと補足が必要でしょうか。この方は、ASCIIの設立者で、マイクロソフトのビルゲイツ氏と仲が大変よいようです。その豊富な資金力を生かし、2chに対抗する形で1ch.tvなるサイトを立ち上げられましたが、今は閉鎖しています。
 ビル・ゲイツ氏は、原発推進に大変力を入れておられますので、おそらくそのつながりではないかと考えます。このサイトに出てくる執筆者全員が、全員ある一定の目的を持っている・・すなわち巨大な原子力村の一員であることは論を待たないでしょう。
2012050905.jpg

 最初はたくさんの人がいるように思われます。しかし、彼らはカネでつながる団結力のない組織です。一つ一つ名前を抑えていくことで騙されることはなくなります。

 例えば、次のサイトも要注意です。
2012050904.jpg

 一見綺麗で、正しい情報を流しているかのようなサイト。このようなサイトを見かけたら、必ず主催者を確認。そうするとこの人たちの名前を色々なところで見かけるようになります。そうすればしめたもの。もはや、洗脳されることはなくなるでしょう。
 自分なりの分析でホームページを見て、どこの誰が なんと 発言したのかを記憶する。それだけで、もはや根も葉もない噂に惑わされることはなくなります。決して、マスコミ、ネット情報を鵜呑みにしてはなりません。

◆関連ブログ
2011年08月29日
放射能を必要以上に怖がることは「エセ科学」=カルト宗教-新聞論説から
タグ:放射能 洗脳
posted by いんちょう at 21:48 | Comment(17) | 原子力

2012年05月08日

かつてあったことは、これからもあり かつて起こったことは、これからも起こる(水俣病と放射能)


 かつてあったことは、これからもあり
 かつて起こったことは、これからも起こる。
 太陽の下、新しいものは何ひとつない。
 見よ、これこそ新しい、と言ってみても
 それもまた、永遠の昔からあり
 この時代の前にもあった。
《旧約聖書の伝道の書(新共同訳ではコヘレトの言葉)1章8節〜10節》


 今回の原発・放射能災害を小規模に起こしたものが水俣病だと最初から思っています。その関連性については何度もブログで紹介してきました。

 そんなことでは被害は起きないと、さも玄人のような話で説明しておきながら、いざ被害が起きると我々には知識がなかったと主張する国の役人たち。

今回のガレキでも、環境省は「放射能の知見はない」と公言しながら、環境省近畿地方環境事務所、廃棄物・リサイクル対策課長の林里香氏
今夜の立山町のガレキの説明会(岩峅公民館)で、環境省の課長(女性)が、「100ベクレルは枕元に置いても安全な基準値です。」と言いました。住民から失笑を買いました。
と発言されました。本当にそう思われているのかどうか。

 さて、本日の話題。次のブログから記事を利用させていただきました。
水俣病・有機水銀中毒 12010年03月20日
 昭和31年5月1日,水俣市の新日本窒素(現,チッソ)水俣工場付属病院の細川一院長が,「水俣市の漁村一帯に,これまでに見たことのない中枢神経疾患が多発している」と水俣保健所に報告した.細川院長が保健所に報告した奇病というのは,歩行障害,言語障害,狂躁状態などの原因不明の中枢神経障害をきたす小児患者で,チッソ水俣工場付属病院に入院してきた5歳の姉,引き続き入院した2歳の妹,この姉妹が報告のきっかけとなった.この姉妹は水俣市内月浦に住む田中義光さんの子供で,姉妹の症状は進行性で日本脳炎に似ていた.しかし日本脳炎の特徴である発熱,頭痛,嘔吐はみられず,これまでに経験したことのない悲惨な症状を示していた.さらに医師たちを驚かしたのは,同じ症状の患者が近所にもいるという家族の話だった.そのため内月浦地区周辺を調査することになり,その結果,田中姉妹と同じように四肢の筋肉を硬直させ,狂声を発する患者8人が見出され入院することになった.
 昭和31年5月16日,熊本日日新聞は「水俣に子供の奇病,ネコにも発生」との見出しで水俣病を報じた.この水俣の奇病は人間に限らず,他の動物にもみられていた.海岸周辺の住民の話から,10年以上も前から水俣湾の魚介類が大量に死んでいることが観察されていた.また数年前から「猫が痙攣を起こし,よろけながら歩き,狂ったように急に走り壁にぶつかり,あるいは海に落ち死んでしまう」,このような不気味な現象が地元では知られていた.さらに不気味なことに,ふらふらと飛んでいたカラスが急に落下するのを目撃した住民も多数いた.
 水俣病の公式届出の約3年前である,昭和29年7月31日の熊本日日新聞は,「猫がてんかんで全滅」の見出しをつけて記事を掲載していた.漁村では網がネズミにかじられないように猫を飼う家庭が多かった.その猫が全滅したため.ネズミが増え網がかじられる被害が多発していると報じたのである.その当時は猫の病気はあまり問題にされず,住民たちはこれを「猫踊り病」,「猫の自殺」と呼んでいた.さらに飼い猫が「猫踊り病」で死んだ家では,その後,同様の症状の患者が発症していることが分かった.

 最初の報告は、チッソの病院長です。この方は告発したあとどうなられたのでしょう。

 水俣病は狭い地域に集団で発生していることから,また患者の家の猫も「猫踊り病」で死んでいたことから,奇病の原因として最初に注目されたのが新種の伝染病であった.そのため白衣を着た保健所職員が患者の家を真っ白になるまで消毒し,患者は疑似日本脳炎として隔離された.この伝染病という噂により,患者たちはさまざまな差別を受けることになる.患者の家の前を通る人たちは,手で口をふさぎながら,足早にすぎていった.患者が街を歩けば,住民は汚いものを見るように,遠くから患者を見つめるのだった.患者がバスに乗ると,乗客は席を立ち離れようとした.このように患者や家族は病苦だけでなく,周囲からの差別を受け,孤独の中で苦しめられていった.村八分と同じ扱いを受けたのである.
(中略)
 熊本県水産課は,因果関係は明確ではないが,工場排水による魚介類の汚染が原因と考え,食品衛生法に基づき工場排水の停止と漁獲禁止の処置をとろうとした.しかしチッソ会社と日本化学工業協会は政府に圧力をかけ,厚生省は熊本県の処置を認めなかった.また漁業の補償問題を懸念した行政は,すべての魚介類が有毒化している証拠がないとして,漁獲禁止の措置をとらずに放置した.水俣の漁民は病気を恐れ,また水俣湾の魚は売れずに水揚げは激減した.昭和31年に45万トンであった水俣湾の魚介類の水揚げは,昭和32年には1万トンまでに激減した.漁民は生活の補償を受けられず,どん底の生活に追い込まれた.しかし一方では,この水揚げの激減により,昭和32年には新たな患者の発症はみられなくなった.
(中略)
 水俣市はチッソあっての水俣市であった.水俣市はチッソ工場を中心に商店街が連なり「チッソ城下町」とよばれていた.市民の多くがチッソ工場で働き,チッソは水俣市のドル箱と言われていた.地元の人たちはチッソが奇病の原因と疑ってはいたが,チッソで成り立っている水俣市では,チッソ水俣工場の存在は余りに大きく,市当局や市議会は常にチッソに対し逃げ腰だった
 チッソは工場内の立ち入り調査を執拗に拒否し,そのため工場内の調査は不可能な状態であった.工場排液が怪しいとの確信があったが,水俣市の財政の半分以上を占めているチッソ水俣工場に立ち入る勇気を誰も持たなかった.「チッソ城下町」と呼ばれていた水俣市で会社の責任を追求することは出来なかった.そのため原因究明は大きく遅れをとった.

(中略)
 昭和33年9月,それまで水俣湾へ直接流していた排水経路を,チッソ水俣工場は突然反対側の水俣川河口へと変更した.それまで狭い水俣湾に停留していた廃液が不知火海へ直接流されることになった.なぜ排水経路を変更したのか,このことについて会社側の説明はなかった.チッソ水俣工場は工場排液を水俣病の原因と認めていなかったが,狭く限局した水俣湾に廃液を流すよりは,広い不知火海へ廃液を流すほうが希釈され被害が少なくなると予測したのであろう
 しかしこの排水路の変更により決定的なことがおきた.水俣湾周辺に留まっていた水俣病患者が,汚染海域が拡大したため不知火海全域で発症することになったのである.それまで患者の発症が見られなかった不知火海沿岸各地,さらには離島にも患者が続出する事態になった.このため不知火海沿岸はパニックに陥ることになる.この工場排水の変更が,被害をさらに拡大させ,工場排水が水俣病の原因である可能性を高めていった.

(中略)
 昭和34年10月以降,工場幹部は水俣病の原因を廃液と知りながら,うやむやにする工作に出た.まず患者や漁民に対しわずかばかりの見舞金,補償金の支払いを約束する.そしてその条件として「将来水俣病が工場排水によるものと判明しても,新たな補償金の要求は一切しない」という項目をいれた.さらにこの補償金は会社側の責任を示したものではなく,あくまでも「隣人愛による行為」と説明したのである.
 現在の東電もまったく同じ賠償をやっています。

 熊本大学の有機水銀説を否定するかのように,昭和35年4月12日,東工大教授・清浦雷作が「水俣病の原因は腐った魚介類の毒(アミン説)」によると新聞紙上で大きく発表した.清浦雷作は水俣湾の魚介類を分析した結果,魚肉が分解したときに出る4種類のアミンを検出,これを猫に注射すると水俣病と同様の症状が出ることから,魚介類のアミンが何らかの反応によって有毒化したことが水俣病の原因と発表した.翌36年には東邦大学・戸木田菊次教授がこのアミン説を支持する論文を書いた.このように水俣病の原因について,熊本大学の有機水銀説と清浦雷作のアミン説の2つが対立したが,当時のことである,田舎の熊本大学よりも東工大教授・清浦雷作の方が多くの支持者を得ていた
 さらに日本化学工業協会・大島竹治理事,横浜国大・北村教授は水俣湾に流れ込んだ農薬が原因であるという農薬汚染説を主張した.また戦時中水俣にあった日本海軍施設の爆薬が海中に投棄され,その中の爆薬が溶けだしたとする「爆薬投棄説」まで持ち出された.これらチッソ工場の立場を守ろうとする諸説に対し,メチル水銀説の熊本大教授らはただちに反論したが,メチル水銀の出所を明らかにすることはできなかった.チッソ水俣工場が廃液の検査を拒否したため,原因の決め手に欠いていたのである.チッソ水俣工場は無機水銀を使用していたが,有機水銀は使用していないと無関係を強調した.

 まさしく、現在も東大の御用学者が、フリージャーナリストその他のただしい意見を権威でもって押さえつけています。

水俣病は他の公害病とは異なっていた.海水によってきわめて薄い濃度に希釈されたメチル水銀が,水中の生物間の食物連鎖を経由して,魚貝類に高度のチル水銀として濃縮されたのである.この数万倍にも濃縮された魚貝類を摂取した人々のなかからメチル水銀中毒症の犠牲者が出たのである.
 放射性セシウム、ストロンチウムについても同様の食物連鎖被害が予想されますが、東大を始めとする御用学者は、希釈するので大丈夫と話しています。水俣病をご存じないのでしょうか。

 水俣病が問題化した昭和30年代は,日本の経済が復興し,高度成長時代の牽引役として工場側を擁護する雰囲気があった.また政府も工業立国を目指す政策から工場側に有利な立場を取っていた.明治41年,チッソ水俣工場が操業を開始して以来,チッソは日本の化学工業をリードし,水俣市の政財にも大きな影響を及ぼしていた.経済成長を最優先した時代に,工場排水が原因として強く疑われたが,国や市は工場の操業停止を求めることはなかった.これらが水俣病の解明を遅らせ,被害を大きくしたのである.水俣病は被害の大きさと悲惨さから公害の原点といわれている.
 水俣病の患者はチッソ水俣工場を相手に裁判に踏み切った.チッソ水俣工場は「メチル水銀による水俣病の発生は予想できなかった」,「アセトアルデヒドの生産過程で有機水銀が発生しすることを知らなかった」,「熊本大学医学部の水俣病研究班は3年かかって原因を明らかにしたが,医学専門家でない技術者に原因がわかるはずはない」,などの弁明をした.

 まさしく、このあと数年経って、環境省が口に出しそうな弁明をチッソがやっています。

 このままでは震災ガレキ、放射能被害は、水俣病の二桁、三桁、いやそれ以上の災禍を持って、日本人を襲うのは明らかです。
 チッソ=東電、水俣市=福島県 と考えれば、現在の状況が納得できるのではありませんか?

◆関連ブログ
ロボトミー・・悪魔の手術が終わるまで2011年10月19日
水俣と福島(上)−企業城下町では真実は封殺される2011年08月11日
水俣と福島(下)−チッソ、東電、国、そして御用学者・・企業救済を優先2011年08月12日
東大・専門家を信用するな2011年04月20日
タグ:水俣病
posted by いんちょう at 21:15 | Comment(6) | 原子力

2012年05月06日

目覚めるニッポン(原発全停止の朝)

 昨日の23時に泊3号機の出力がゼロとなり、日本中の原発が停止しました。

本日の熊日朝刊一面
2012050601.jpg

2012050602.jpg
左下にある 『フクシマ』論を書いた 開沼博氏 の正体はわかりました。
 今、各地で「原発が止まって食っていけない」と訴える人が出ている。とりあえず仕事が欲しいと言うときに、再稼動しかないのが現実。職を奪われたくない。困れで通りの日常を送りたい。遠い日にあるかどうかわからない「科学的なリスク」より「生活のリスク」がそこにはある。
 このような文章を載せざるを得ない追い込まれた新聞社の姿が目に浮かびます。しかも「大型識者談話」とまでわざわざ書いていますが、彼は84年生まれの27歳  あの東大大学院博士課程に在学中の学生です。ニューホープを見つけたというところでしょう。
 東大の学生、新たな文壇の登場というところでブランド価値を見つけているのでしょうか。今の時代は、権威のある者が、原発推進を唱えると、原発の必要性が理解されるよりもむしろ権威そのものが失墜する時代であることがまだわかっていないようです。

このニューホープの方には、その原発に支えられた日常生活は、原子力は産業のアヘンと同じだと気がつけないのでしょうか。

藤原 正司(ふじわら まさし)参議院議員(2期) 比例民主。(電力総連)
2012050606.jpg
「半年もたてば、世論も変わるわ。日本は農林水産業だけでは食べていけない。震災後、原発を減らせという評論家が増えたが、産業・経済はどうなる。お父ちゃんの仕事がなくなってもええんだったら検討しましょうよ」

このような経済至上主義の方には、次の詩を(響く心はなさそうですが)

母親というものは

母親というものは
無欲なものです
我が子がどんなに偉くなるよりも
どんなにお金持ちになるよりも
毎日元気でいてくれることを
心の底から願います
どんな高価な贈り物より
我が子の優しいひと言で
十分すぎるほど幸せになれる
母親というものは
実に本当に無欲なものです
だから
母親を泣かすのは
この世で一番いけないことなのです
詩・葉祥明


報道されているニュースよりも、報道されていないニュースの方が大事です。
2012050603.jpg


 このニュースは、海外の方が詳しく報道してくれています。ドイツシュピーゲル
2012050604.jpg
 ここで紹介されているビデオの中で、「いわき市で心筋梗塞で友人が死んだ」という証言があります。私には周知の事実ですが、日本のテレビ・新聞で報道されたことは寡聞にしてしりません。

2012050605.jpg
 こちらには泊原発の出力がゼロになるところが記録されています。

このような大規模なデモが、一切報道されない。明らかに報道管制がひかれています。1年以上経つのになぜ、熱しやすく冷めやすい日本人が、未だに怒りを覚えているのか、全く理解できないというのが本当のところでしょう。


4月29日にも原発のデモが原宿でありました。無言で先頭を歩かれている女性たち。意志の強さが顔に出ています。中国で300人程度のデモがあれば、大きく紙面を使って報道するにもかかわらず、自国のデモは数千人規模以上であっても無視する。正直に報道することすらできなくなっている焦りを本当に感じます。

最近お気に入り?のJaif TVから

 日本は50年近く、原子力発電の建設というものを絶やしたことがない
2012050607.jpg
 彼らは、続けない限り死ぬ運命にあることがわかっているからこそ、遮二無二でも再稼動、建設続行をお題目のように唱えるのです。動かせない、新しいプラントを建設させない(海外含む)ことで原発の火−悪魔の火−は必ず消えます。

 報道されていないことを悲しむよりも、あのような大規模なデモが報道することすらできなくなっている現状に自信を持ちましょう。

◆関連ブログ
原子力は産業のアヘン2011年06月14日
みえないばくだん2011年07月08日
顕在化してきた健康被害(気になる症例 Part.2)2012年03月22日
気になる症例のまとめ2011年09月11日
6万人の脱原発デモ−どこがパレードなのか。2011年09月19日
脱原発6万人超のデモ−新聞各社の朝刊一面2011年09月20日
タグ:脱原発
posted by いんちょう at 08:53 | Comment(16) | 日記

2012年05月05日

葉祥明展(熊本市現代美術館)

 先日、葉祥明展に行ってきました。

現代美術館の入り口
2012050501.jpg2012050502.jpg2012050503.jpg2012050504.jpg
なかなか活気のある産直展です。野菜と、畳製のスリッパを購入

このビルには、電気が足りないと宣伝している九電のオール電化住宅展示も
2012050505.jpg
この会社、一体何考えているんでしょ。

さて、本題(パンフレット)
2012050506.jpg2012050507.jpg

 私自身は、この展覧会を見るまでこの方を存じ上げていなかったのですが、自然を愛する画家、絵本作家だと展示をみて感じました。このような方が、本当のことにふれることができるのかどうか。現代の試金石そのもの。


中の1ページ
2012050508.jpg
 この本は1986年のチェルノブイリ事故後に書かれていたが、出版されず311以降に発売された本です。

 巻末には次のように書かれていました

 目には見えず、においもせず、触ることもできない放射能は生物にとっての脅威です。そこには底知れないこわさがあります。

この世にはコントロール出来るものと
コントロール不能のものがあります。
それを見極めるのは智恵や感性です。


この地球上の自然といのちあるものへの人間としての責任を考え続けなければなりません。


この時購入しましたはがき
2012050510.jpg
阿蘇にある美術館
2012050511.jpg

2012050509.jpg
から

落合恵子『この非情この上ない現実を迎えながら、一つだけ私たちにとって希望が見えたとすると、信頼に値する人と値しない人がはっきりと分かれたことです

 自然を本当に愛する人ならば、現在突きつけられている問題から逃げませんし、逃げることはできません。

 口先だけの反核、口先だけのエコ。口先だけの弱者保護

もうやめようではありませんか。本物かどうかを見分ける目を個人個人で培っていきましょう。

◆関連ブログ
災厄の犬たちとの戦い−村上春樹2011年06月11日
タグ:原発 文化人
posted by いんちょう at 21:29 | Comment(6) | 原子力

2012年05月04日

内部被曝−ペトカウ効果と遺伝疾患

われわれは原発事故にどう対処すればよいか(肥田舜太郎氏)から

「福島で被ばく初期症状が始まっている。今年秋から来年たくさん出てくる」
被ばく医師肥田舜太郎氏の演説 2011年5月

「被ばくはアメリカの軍事機密。伝えると厳罰だった」被ばく医師肥田舜太郎氏の演説(文字おこし)(前編)
「ところが後から街へ入った人が、今の医学ではわからないいろんな病気で苦しんだとうことを聞いても、それはその患者を診た医者が、原爆のことを悪くいうためにデマを飛ばしているんであって、体の中に入る僅かな放射線は全然害がない、ということを、広島から爆弾を落としてから1ヶ月と2日目、アメリカのあの爆弾を作ったグループの一番TOPの人から2番目という偉い軍人が来て、まだマッカーサーが日本へ上陸する前に焼け残った東京の帝国ホテルの前に、外国から来ているジャーナリストを集めて、つまり微量な放射線は体に入っても何にも害はないんだということを世界に向けて放送をし、日本の政府に向けてもそれを承知しろと。」
で、広島長崎で被害をうけた被ばく者は、アメリカの軍事機密である原子爆弾の秘密の一部を自分の体で知ったわけだから、これはアメリカの軍事秘密だから絶対に人にしゃべってはいけない、それから書いて残してもいけない、もちろん写真や絵で書いてもいけない、もし違反した物は厳罰に処すと、占領政策に最初にそれを日本で宣言したんですね。」
(中略)
「でもそれは7年前に終わりました、しかし、その直後あと、皆も知っている日米安保条約というアメリカがおこす戦争には日本が全力を上げてこれを助ける、そういう今の安保条約という条約ができて、日本の政府は今でも、日本を守ってくれるアメリカの核兵器が不利になるような運動を一切してはいけない。」「まだ今の政府はそういう方針を持っています。」


 内部被曝は、核の秘密につながる。もし、放射能で人類に被害が起きることを認めてしまえば、毒ガス兵器と同じで、使用できなくなってしまう。そのため、内部被曝はない・起きないことになってしまいました。フクシマの放射能被害に対する日本政府の対応を見ればよくわかります。

この考えにたった考えの動画−内部被曝を一切無視しています。

・カリウムがあるから、放射能は安全
・遺伝的影響は一切見られない
というのが、主旨です。

肥田先生の著書

から。この方が世界で一番の内部被曝の専門家です。今までも、随分と紹介させていただいています。
このp.90
2012050406.jpg
 放射線の人体に対する影響の医学的な解明を阻んでいた壁の一つは、放射線に対する細胞膜の強大な障壁だった。アブラム・ペトカウは1972年、マニトバにあるカナダ原子力委員会のホワイトシェル研究所で全くの偶然から、ノーベル賞に匹敵する次のような大発見をした。即ち、「液体の中に置かれた細胞は、高線量放射線による頻回の反復放射によりも、低線量放射線を長時間、放射することによって容易に細胞膜を破壊することができる」ことを実験で確かめたのである。

 ペトカウは牛の脳から抽出したリン脂質で作った細胞膜のモデルに放射線を照射して、どのくらいの線量で膜を破壊できるのかの実験をしていた。エックス線の大装置から16.6シーベルト/分(許容線量は1ミリシーベルト/年)の放射線を58時間、全量35シーベルトを照射してようやく細胞膜を破壊することができた。

 ところが実験を繰り返すうち、誤って試験材料を少量の放射性ナトリウム22が混じった水の中に落としてしまった。リン脂質の膜は0.00001シーベルト/分の放射線をうけ、全量0.007シーベルトを12分間被曝して破壊されてしまった。彼は何度も同じ実験を繰り返してその都度、同じ結果を得た。そして、放射時間を長く延ばせば延ばすほど、細胞膜破壊に必要な放射線量が少なくて済むことを確かめた。こうして、「長時間、低線量放射線を照射する方が、高線量放射線を瞬間放射するよりたやすく細胞膜を破壊する」ことが、確かな証拠を持って証明されたのである。これが、これまでの考えを180度転換させた「ペトカウ効果」と呼ばれる学説である。

0.00001Sv/min = 0.01mSv/min = 10uSv/min = 600uSv/hr
0.007Sv = 7mSv
 まあ、この論文自体を引いて、問題ないと言っているサイトもあるようですが、ここで重要なことは、
外部被曝35Sv が 内部被曝7mSv で同じ影響が起きること。すなわち、内部被曝が外部被曝の5000倍も影響力が高いと言うことを意味します。内部被曝も外部被曝も全く同じと言っている論拠がなくなります。

たしかにABCCは被曝は胎児に影響がないと説明しています。
2012050402.jpg

そして、
ヒロシマ・ナガサキを世界へ―被爆医師の反核語り部世界行脚 p.33から
 被爆後数十年経ってもなお人間を「ゆっくり殺し続ける」核兵器の残虐さの根源は、爆発時に放出する「放射線」にある。アメリカは原爆被害に関する情報の禁止を強要し、原爆投下後23年経って初めて国連に提出した原爆白書でも、「残留放射能による被害なし。生存被爆者はすべて健康」と事実を偽って放射能障害を隠蔽しようとした。それは、核兵器の非人道性が明らかになって核兵器廃絶が世界の統一した世論になることを恐れたからに他ならない。

 この2つを見ただけで、ABCCの公式の話がウソだと断ずるのに十分ではないでしょうか。

先日紹介しました世界は恐怖する 死の灰の正体1957年制作から
無脳児 昭和28年生まれ
2012031504.jpg

人間の形をしていない物体 昭和26年 長崎 1480m 三菱工場あと
2012031506.jpg

単眼男子
2012031509.jpg

そして、定量的にも次の記述がありました
・長崎大 林教授 s24-s25 22.3%の奇形 被曝していない場合 8.7%
・奈良医大 カンベ教授(ABCC勤務中)小児解剖1000体の内 無脳児15体、大血管奇形20体 単眼症1異例、 無眼症1例
・小頭症の子ども


そして、

の第5巻
2012050403.jpg2012050404.jpg2012050405.jpg
小頭症の子供が生まれたと書かれています。

また、次のような証言も
ABCCは何をしたか から
2.岡村ヒサさんの証言
 私は昭和20年当時、尾長町で産院を開業していました。41歳でした。その頃はまだ家庭分娩が多うございましたが、だんだん少なくなりまして、昭和30年頃には、皆産院に吸収されました。
 何も記録は持っていませんが、奇形がたくさん出ました。当時はABCCへ、みな報告しなくてはいけないシステムになっていました。奇形が出ましても、報告するのを嫌う人もございましたので、しなかったこともあります。

 このような報告がありながら、奇形児は生まれなかったとほおっかむりする科学者たち。本当の声が耳に入るのはいつの日になるのでしょう。

 被爆後3年経っても、とどまるところを知らない原爆症。公式発表ですら、この広島原爆の168倍にもあたるセシウムがフクシマから放出されたと日本政府は認めています。

 ABCC=放影研 の公式発表を信じてよいのでしょうか。

◆関連ブログ
われわれは原発事故にどう対処すればよいか(肥田舜太郎氏)2011年06月26日
世界は恐怖する 死の灰の正体1957年制作2012年04月30日
未だにセシウム・希ガスを大量に放出し続けているフクシマ2012年01月23日
死の灰の正体−無脳児、単眼児の出産も2012年03月16日
タグ:肥田舜太郎
posted by いんちょう at 19:57 | Comment(9) | 原子力

5月10日院内勉強会のお知らせ(放射能とABCC)

 下記の通りの日程で、勉強会を行います。参加ご希望の方は、下記要項をご覧の上、お申し込みください。当日の勉強会の様子は、録画した上でYoutubeにアップいたします。

日時 平成24年5月10日(木) 13時30分 〜 15時00分 (講演−約1時間程度)
場所 熊本市横手1−2-121 小野・出来田内科医院
電話 096−355−7532
題名 放射能とABCC
費用 無料
参加者 20名(駐車場は12台ありますが、やや狭いです。公共交通機関をできるだけご利用ください。)
応募方法 こちらのページからお申し込みください。先着20名
申し訳ございませんが、電話・メールでは受け付けておりません。
病院へのアクセス
2012040603.jpg
西山中学校前すぐ
新町電停徒歩7分
医院の前が駐車場です。満車の場合は地図中のPが駐車場です。一方通行もある狭い道ですので、ご注意ください。すこし離れたところには、コインパーキングもあります
2012040604.jpg


今月の勉強会の予定
・5月13日(日)14時〜16時 人吉市 東西コミセン 「なくそう原発人吉球磨の会」主催
・5月19日(土)14時30分〜16時45分 熊本学園大学 1411教室 500円 熊本原発止めたい女たちの会
・5月27日(日)10時〜12時 屋久島 安房公民館 500円 屋久島守るネット主催

5月24日(木)の勉強会を実施するかどうかはまだ未定です。
タグ:勉強会
posted by いんちょう at 08:18 | Comment(3) | 原子力

2012年05月03日

2012年4月の注目記事

  1. 死の灰の正体−無脳児、単眼児の出産2012-03-16
  2. 現地の実情を無視=遺体の含まれているガレキまで早々と広域処理がなされていた・・環境省説明会質疑応答から(熊本)2011-04-18
  3. 震災ガレキを燃やすいわき市2011-04-04
  4. 自宅に放射能連続観測所を作る−熊本市・自宅2011-03-30
  5. 若狭湾の原発銀座−背後に山が迫る恐ろしい立地2011-04-15
  6. 九州広範囲で、電線から火花・・塩害〜セシウム塩が原因か2011-04-13
  7. 環境省説明 南川事務次官(於 熊本)2011-04-14
  8. 環境省の作ったガレキ安全神話のほころび2011-04-24
  9. 気になる症例のまとめ2011-09-11
  10. 福島の子どもたちからの手紙「わたしは何さいまで生きられますか?」2011-04-22
  11. 子どものタンパク尿検査を−バンダジェフスキー氏の講演会から2011-03-20
  12. 日本の人口25万人減(人口動態から宮城県を考える)2011-04-21
  13. 東北でぶらぶら病出現か2011-03-28
  14. 第1回院内勉強会 フクシマの真実と原発再稼働2011-04-13
  15. もと東芝社員−奈良林直氏が北海道大学教授に就任してから・2011-04-10
  16. 原発再稼働賛成派の意見と良識的な経済学者の意見2011-04-08
  17. 献血と被曝問題2011-04-01
  18. 顕在化してきた健康被害(気になる症例 Part.2)2011-03-22
  19. 地震と津波の間に起きたこと−フクシマ原発2011-04-06
  20. 東電時代の思い出
◆関連ブログ
2012年3月の注目記事2011-04-01
2012年2月の注目記事2012-03-02
2012.1月の注目記事
2011.12月の注目記事 2012.01.04
2011.11月の注目記事 2011.12.01
2011.10月の注目記事2011.11.01
2011.9月の注目エントリー2011.10.1
2011.8月の注目エントリー
2011.7月の注目エントリー他2011.8.3
6月の注目エントリー2011.7.2
posted by いんちょう at 22:59 | Comment(1) | 日記

2012年05月02日

原発立地自治体とは−玄海、川内で被害予想(400万アクセス)

 大飯原発の再稼働問題で、地元自治体の範囲がクローズアップされてきました。

再稼働に対する政府の公式見解は、
原発再稼働、地元同意義務ない 藤村官房長官(04/05 13:28、04/05 15:29 更新)
 藤村修官房長官は5日午前の記者会見で、定期検査により停止中の原発の再稼働に関し、地元の同意は必ずしも前提条件にならないとの認識を示した。「法律などの枠組みで同意が義務付けられているわけではない」と述べた。これまで原発の再稼働には地元の同意が必要としてきた姿勢を軌道修正した形で、原発の地元や周辺自治体などの反発は必至だ。
 政府は、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働に向けた手続きを進めているが、周辺自治体が反対・慎重な立場を崩していないためとみられる。法律上の「同意」は不要との立場を強調し、再稼働実現への地ならしを図る狙いがあるようだ。

 まあ、それを言ったらおしまい。この発言は、すべてをぶちこわしてしまいました。

県によっては、次のように勇ましい発言をする知事も

女川原発再稼働判断 「地元自治体と県合意で十分」 
村井嘉浩宮城県知事は26日、仙台市内であった経済人らの会合で講演し、東北電力女川原発(女川町、石巻市)の再稼働をめぐる地元合意について「県と県内の自治体で十分ではないか。どこかで線を引かないと際限がなくなる」との認識を示した。
 合意が必要な地元市町村の範囲に関しては「(国の原子力安全委員会が設定した防災対策重点地域に当たる)30キロ圏内でいいのか、50キロ圏なのかなど、十分な検討が必要だ」と述べた。
 村井知事はこれまで、女川原発再稼働に必要な地元合意に関して「明確な基準がなければ(再稼働の是非の)判断が難しい」として、国の責任で範囲を明示するよう求めていた。
2012年04月27日金曜日

 この問題は、首長たちが何に重きを置いているのかのもっともよい試金石です。この知事は、天皇陛下に「ガレキの安全な処理を」と園遊会で言われたのも忘れてしまっているようです。

4月23日の毎日新聞記事
2012050104.jpg
まあ、日本全国、作りも作ったりというのが正直な感想です。今回は、九州電力の問題に絞って、新聞記事を追ってみます。

4月4日(水)の熊日新聞記事
2012050101.jpg
フクシマの事故を見ますと、50キロといった範囲でおさまるモノではなく、100キロ、200キロ、1000キロ離れたところで、安全とは言えないのはブログ読者ならご存じでしょう。

どれほどの被害があるのか、ネットで捜せる情報をまとめてみます

初公開! 玄海原発事故SPEEDI、1時間で有明海・佐賀市・福岡市汚染の可能性から
2012050105.jpg
 記事の中でもふれていますが、同心円で判断することがいかに無意味かよくわかります。地図にはふくまれていませんが、熊本市も入ることでしょう。

長崎から大分まで真っ赤っ赤/玄海原発シミュレーション、と川内原発から
(動画をご存じの方がおられましたら、教えてください。)
2012050106.jpg
玄海

2012050107.jpg
川内

どちらかで何かあったら、九州はもう終わりです。なぜ、この期に及んで事故が起きないと主張できるのか、電力会社の良識−そんなモノは持っていないのは百も承知ですが−を疑います。
 昨年の夏に同窓会がありました。理系の九州電力社員がいましたので、「原子力は危険なことがよくわかっただろ」と話しかけたところ、「オレは、危険だとは思わん。フクシマはもう少しメルトダウンした方が、燃料の取り扱いがよくなった」などと言う返答が帰ってきました。
 それまで、わたしは電力会社社員の良心をすこしは信じていたのですが、もはやそんなモノなどみじんも持ち合わせていないことがよくわかりました。現在の状況を「原子力に対する逆風」としか感じていない人もいます。特に、理系の人間にそのような考えを持っている人が多いようです。
 各電力会社に電話をすることがあるのですが、文系の立場の人はそれなりに話を聞いてくれます。マークシートで高得点をとり、与えられた設問に対して出題者の意図した解答を書くといった訓練のみを続けてきた理系人間の限界なのかもしれません。

海洋の汚染は、川内原発のみ
2012050108.jpg
すべての漁場がやられると言ってよいでしょう。はした金の漁業補償金と引き替えに豊かな海を原子力に捧げてよいのでしょうか。

 このようなシミュレーションが出てきているにもかかわらず、地元自治体の範囲をできるだけ狭めようとする政府。果たして正当な論理だと言えるのでしょうか。
 また、九州電力もこのような被害が生じた場合に、一体どのようにして弁済するつもりなのか。電力供給地を失った電力会社に存在価値・企業価値が残っているとは私には全く思えません。

 400万アクセスありがとうございました。

◆関連ブログ
川内原発事故で沿岸広範囲に汚染2011年07月10日
タグ:玄海
posted by いんちょう at 21:29 | Comment(4) | 原子力
ブログ全体の目次は、こちら