2012年06月29日

飯塚での講演会(終了)

 急に決まりました明日の飯塚での講演会。準備期間があまりありませんが、「いのちと自然を守る会 筑豊」の方達によって準備が進められています。

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新聞にも取り上げていただきました。

6月28日(木)毎日新聞
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6月28日(木)西日本新聞
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6月29日(金)朝日新聞
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新聞でこのように取り上げられたのは初めてだと思います。主催の方の行動力にただただ脱帽。

同日の昼間にはDVDですが、大牟田で次の勉強会があります。
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その他の予定
7月8日(日)湯布院
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7月16日(月)北海道北見市(DVD)
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DVDはどのようにご利用いただいても構いません。チラシと小冊子も用意する予定(現在印刷中)ですので、ご興味のある方は、 a00@onodekita.com までお問い合わせください。
タグ:講演会
posted by いんちょう at 16:17 | Comment(9) | 原子力

2012年06月28日

信なくば立たず−消費税増税衆議院強制採決

論語から
漢文
子貢問政、子曰、足食足兵、民信之矣、子貢曰、必不得已而去、於斯三者、何先、曰去兵、曰必不得已而去、於斯二者、何先、曰去食、自古皆有死、民無信不立。

現代語訳
子貢(しこう)が政治について尋ねました。孔子は、
「食糧をいきわたらせること、軍備を整えること、人々に信義を植え付けることだ。」
と答えられました。子貢は、
「やむを得ずして三つのうち一つを犠牲にせねばならないとしたら、どれを犠牲にしますか?」
と尋ね、孔子は、
「軍備だな。」
と答えられました。子貢はさらに、
「やむを得ずして残った二つのうち一つを犠牲にせねばならないとしたら、どちらを犠牲にしますか?」
と尋ねたので、孔子は、
「次は食糧だ。昔から人の死は避けられないものだが、信義なくば人間社会が成立しない。」
と答えられました。


今から2000年以上も前の言葉ですが、もちろん今でも当てはまります。

野田総理 マニフェスト 書いてあることは命懸けで実行

マニフェスト、イギリスで始まりました。
ルールがあるんです。
書いてあることは命懸けで実行する。
書いてないことはやらないんです。
それがルールです。

書いてないことを平気でやる。
これっておかしいと思いませんか。

書いてあったことは四年間何にもやらないで、
書いてないことは平気でやる。
それはマニフェストを語る資格がないと、
いうふうにぜひみなさん思っていただきたいと思います。


 信じられますか?この人物が自分の言っていることを棚に上げて、消費税をあげているのです。
「マニフェストを守るとはいっていない」と言い訳しているそうですが・・・

この採決前に、皆様よくご存じの原口一博議員(衆院佐賀1区)
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「小沢氏、ドス突きつけぶっ壊すよう…」原口氏
 社会保障と税の一体改革関連法案を巡り、民主党の小沢一郎元代表を中心に離党の動きが強まっていることについて、党佐賀県連会長の原口一博議員(衆院佐賀1区)は24日、「同調しないし、同調しないように働きかけている」などと述べ、離党の動きをけん制した。法案への賛否については「党議拘束には従う」と述べた。
 また、関連法案については「3党合意は重たい。ただ、国民との契約(マニフェスト)も重たいので、どこで折り合いを付けるかで、みんなが悩んでいる」とする一方、自身の賛否については「党議拘束をかけるなら従う」と語った。
(2012年6月25日07時44分 読売新聞)

 この方は、強制されれば従うと言われています。ご自分の意見はないのでしょうか。さすが、ラグビーボールと称されるだけはあります。ツイッターでこの発言を小耳に挟んだときには私はてっきりヤラセ発言と思ったのですが、実はそうではなかったようです。そして、実際この方は、「棄権」されたとのこと。衆議院議員が自分の考えを持っていない国・・なんともはや・・・

そして、民主、自民、公明の圧倒的多数で衆議院可決されてしまいました。
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マニフェストを破って、与党からこれだけの造反がでているにもかかわらず、この前不祥事で編集長が替わったばかりの共同通信は、次のような世論調査をぶち上げました。
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 なにやらおかしげな調査結果です。これなら、反対した議員は地元から袋だたきにあって、賛成した議員は誉められる。論語の時代とは打って変わって、約束したことを守らなくとも民は信じるようになったようですね。さすが、マスコミが発達した時代は世の中の動きもかわるようです。人間の進歩でしょうか・・・
 そして、見計らったように夕刊に賞賛の声が掲載されます(この読者の声(ハイ!こちら編集局)−いろいろと噂があるのは以前から何度も指摘しているとおりです)
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 ところが、次のような声が漏れ出てきます。
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消費増税法案に賛成した岸本周平(和歌山1区)、江端貴子(東京10区)議員ら当選1回の衆院議員11人が野田首相に会い、反対した議員に「厳正処分を」と要求。なかには「本音は反対なのに賛成した。なのに反対した議員が処分されないのはおかしい」と説明する者もいる。倒錯「宙返り」の没論理だ

 まるで子どもか、オオサカのおばちゃんのような言い訳。これで国会議員?
それにしても、おかしいですね。世論調査を見ると、賛成派議員が称賛されるべきなのに。

そして、本日の夕刊
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ついに、首相がホンネを明かしました。

 党首会談で首相は、増税法案の衆院採決で造反した小沢氏らの処分に関し「近いうちに輿石氏と会い、処分の素案を提案したい」と明言。「(法案に賛成して)苦渋の選択をした議員が地元で批判され、反対した人が英雄あつかいされている」と指摘した。

 どうですか、先の共同通信の世論調査。なにやら議員が実感している内容とは全く違うようです。賛成した議員の皆さん、堂々と胸をはって地元で説明してください。「世論調査」は少なくとも味方のようですから。

本日の読者の欄(熊日)を紹介しておきます。
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 さすが、マスコミ変わり身も早そうですよ。ご用心あれ。

 なお、なぜマスコミが消費税増税に賛成か・・・取引をしているんですよ、実は。
消費増税でも新聞の軽減税率を 活字文化議連「引き上げ反対」2012.6.26 08:06
 消費増税を柱とする社会保障・税一体改革関連法案の衆院採決を前に、超党派の国会議員による活字文化議員連盟(会長・山岡賢次民主党衆院議員)が「新聞および出版物の消費税率引き上げには断固として反対し、現行税率の維持を求める」との声明を採択した。声明の背景には、主要国の多くで新聞が「公共性」の観点から非課税とされたり、軽減税率が適用されている国際的な現状がある。
 それを言ったら、食料、医療など欠かせないものはどうなるんでしょうね。自分たちさえよければいいというマスコミの姿勢が垣間見えるといったら、言い過ぎでしょうか。

◆関連ブログ
首長独裁で進めるガレキ処理と賞賛するマスコミ2012年05月10日
四面楚歌を演出する環境省・マスコミ2012年04月21日
posted by いんちょう at 18:40 | Comment(9) | 原子力

2012年06月27日

フクシマの真実と内部被曝(屋久島)書き下し

2012年5月27日(日)に屋久島で行いました講演会



3月に講演依頼をしていただいた方が、書き下し文を作成して下さいました。こちらに紹介させていただきます。どのDVDでもほぼ同じ内容ですので、復習、あるいは時間がない方は読んでいただけたらと思います。

「フクシマの真実と内部被曝」
DVD要点まとめ集
                     
(目次)
1. 私のバックグラウンド
2. 原発の原理・問題点・電力が推進する理由
3. フクシマ事故の推移と放射能汚染
4. 放射能の影響?と思われる奇形動植物
5. 内部被曝とその影響
6. 始まりは、ヒロシマ、ナガサキ
7. ガレキ問題
8. 除染・腐葉土・再稼働
9. われわれはこれから何をどうするべきか

                    
1 私のバックグラウンド 
広島生まれの宮崎育ち。1988年東大卒業と同時に東京電力に入社、福島第2原子力発電所の配属となるが、1993年本店原子力技術課に異動。1995年の阪神大震災に際しては、同レベルの地震においても原発は安全であることを証明せよと結論ありきの資料作成を役所から命じられ、実際に作成した(全電力会社が作成)。オウム真理教の地下鉄サリン事件もあったこの年、東電を退社。2002年熊本大学医学部(血液腫瘍内科)を卒業して、熊本市内に医院を開業、今日に至る。このような経歴が、今日フクシマ事故について語ることのバックグラウンドになっている。

(コメント)当時の上司が福島第一原発の所長になっていたり、マスコミ取材に応じたりしているとのこと。原発と医学の両方に精通した非常に特異な経歴が、この後の講演の中でも随所で光っているように感じました。

2 原発の原理・問題点・電力が推進する理由
 原発は何も高度なことをしているわけではなく、原発の原理は原子の力でお湯を沸かすだけ。その蒸気でタービンを回し、その力で発電機を動かして発電している。蒸気でタービンを回すのは火力発電と同じだが、火力が熱量約半分で発電し、残り半分を捨てているのに対して、原子力は3分の1で発電して3分の2を捨てるほど非常に熱効率が悪い。また蒸気を冷却するために、日本では例外なく海水を使っているので、排熱により海水温を7度も上昇させている。

 中性子をウラン235にぶつけて核分裂反応を起こすと、上述の熱エネルギーとともに、中性子と核分裂生成物(=放射能)が出てくる。ウラン235からは2コの核分裂生成物ができるので、福島原発事故によってセシウム137が出ているということは、ストロンチウム90なども1対1の割合で必ず出来ているということ。

 ウランの原子核を分裂させて熱エネルギーを取り出すのは、原発も原爆も同じで、ゆっくり取り出すのが原発で、一挙にドーンとやるのが原爆。原理も生成物も何もかも同じなので、原発の裏には必ず原爆が控えている。これが大切な点である。

 こうして出てきた核廃棄物処理については1000年後までの管理が大事と言われており、さらに完全に無毒化するためには数万年を要すると言われている。だがおよそ千年前といえば源氏物語の時代であり、数万年前といえばクロマニヨン人だのアウストラロピテクスだのの時代であることを思えば、もはや言葉さえ通じないほど遠い未来の子孫に処理を押しつけることになる。私はかつて東電社内で1000年後とはいくらなんでもおかしいではないかと上司に言ったことがあるが、東電自らがしっかり管理すると言ってるものをなぜ反対するのかと、真顔で言われた。東電はそういう会社である。

 役所の試算による各発電単価はいつでも必ず原子力がいちばん安く、だから原発推進ということになっているが、これは公開資料によってウソであることがわかる。東電が出している設置許可申請書(国会図書館等で閲覧可能)では、どの原発の発電単価も軒並み他の発電方式より高額になっている。最も古くて動かせば動かすだけ儲かると言われていた福島第一原発一号機でさえ十数円、対するに火力3〜4円、LNG6円というほどの大差であるのに、役所が出したウソの数字だけが独り歩きをしている。

 ではなぜ電力会社がお金のかかる原子力発電をやりたがるかといえば、電力独自の総括原価方式によって、経費が高い方が儲かる仕組みになっているから。すなわち一般会社においては、収益−必要経費=利益だから経費節減努力をして利益を増やそうとするが、電力会社だけは、必要経費×3%=利益にできるので、必要経費が高いほど3%分の利益も増大する仕組みである。

経費が高いほど儲かるなんてふつうの人にはなかなか納得してもらえないが、電力会社の場合、経費は電気料金として消費者に転嫁できるので、自分の懐を痛めずに儲けだけを手に入れられるわけだ。たとえ話として、自分が持っている3%のポイントカードで誰かが奢ってくれて、ポイントは自分がもらえるとしたら、安いものより高いものを奢ってもらった方が得するということ。

また電力会社の膨大な必要経費はそのまま他社の収益につながっていくので、経済界はこぞって原発推進をうたい、消費者のみが反対する構図になっている。

(コメント)なんともムシのよい総括原価方式に皆さん唖然。経費を増やす経営努力??
セシウムとヨウ素ばかりが注目されていたけど、骨に蓄積するストロンチウムも、核分裂のしくみからいったら必ず出てるってことなんですね。でもいまだに魚類のストロンチウム汚染などは調べられていないようで心配です。


3 フクシマ事故の推移と放射能汚染
枝野経産大臣は地震で施設破壊は起きていないと言っているが、これはウソ。民間事故調査委員会が、地震直後の福島第一原発作業員の「生蒸気だ。主蒸気系が壊れてる」という証言を報告しているが、主蒸気系の配管場所からして津波では壊れるはずがない。福島原発立地地点は地震により2・5メートル東に移動して50センチも沈下しており、まさにこの地盤の移動によって配管が壊れた。地震の揺れだけではなく地盤の移動も同時に起きて壊れたことに注目すべきであり、大飯原発の再稼働に際して○ガルまで耐えられる等と言っても、地盤が動けばひとたまりもない(そして地震で地盤は動く)。

そもそも人間は誰ひとりとして、原子の火のオン・オフスイッチを持っていない。だから原子炉を台所に例えれば、原子炉とは火力調節つまみはあっても消火スイッチのないガスコンロのようなもの。またベントというのは、圧力鍋の圧力抜きと考えればよい。

フクシマ1号機事故の推移を台所のたとえで見ていくと次のようになる。

・通常運転時は圧力容器の中いっぱいに水がたたえられている。
 →ガスコンロの鍋いっぱいの湯が煮立って中身が煮えている。
・地震により注水機能が消失した。
 →ひたひた状態。
・圧力容器の水が喪失して炉心溶融が起きた。
 →中身が焦げてしまった。しかしコンロの火は消せない。
・メルトダウンした(核燃料が圧力容器の底に溶け落ちた)。
 →中身が鍋底に真っ黒に焦げ付く。しかし火は消せない。
・必然的にメルトスルーした(核燃料が圧力容器を貫通し、格納容器に溶け落ちた)。  
フクシマの沸騰水型は原子炉の底に穴が空いていてそこから制御棒があがってくる構造(いわばザル)なので、溶け落ちた高温の核燃料は当然その穴から抜け落ちてしまう。沸騰水型原子炉でメルトダウンが起きたら100%絶対にメルトスルーも起きる。それをごまかすのは無知か不勉強かウソ。
 →鍋の中身が外に出てコンロ周りがぐちゃぐちゃ。火はさらに燃え盛る。
・圧力容器の圧力上昇のためベントを実施した。
 →圧力鍋の蒸気抜き でも火を消せないので本質的な改善はなし。
・公式には認められていないが、状況から類推して当然メルトアウト(核燃料が格納容器を突き抜け、建屋のコンクリートを破壊し、外部へ浸透)も起きただろう。
 こうして地上、地下、海水が高度に汚染されてしまった。

ちなみに2008年原子力防災専門官向け事故シナリオでは、これら一連の事故経過が全て予測されていた。専門家はみんなフクシマでメルトダウン、メルトスルーが起きたことがわかっていたのである)

1号機と3号機の爆発映像を見くらべてみると、1号機の噴煙は水平方向に広がり、3号機はオレンジ色の閃光を発した後、垂直方向600メートルの高度まで(スカイツリーの高さ)黒煙がたちのぼった。ともに水素爆発と言われているが、爆発の形状は明らかに違う。次に3号機と原子爆弾の爆発映像を見くらべてみると、きのこ雲がたちのぼっていく様子がそっくりであり、1、2、4号機とは明らかに異なる激しい破壊状況も含めて、3号機は核爆発であったと私は考えている。また3号機の使用済み核燃料プール(ここに当初計画以上の使用済み核燃料と未使用核燃料を保管していた)も4号機とは違いぐちゃぐちゃに壊れていて、核燃料の取り出しは不可能といってよい。

チェルノブイリ事故は出力100万kwの1基のみで、稼働3年目のため使用済み核燃料も僅かだったが、フクシマは4基合計で出力280万キロワット、使用済み核燃料は出力量の3倍ほどもある。しかるに放出放射能量はチェルノブイリ1億8千万キュリーに対して、フクシマ77万テラベクレル(1000万キュリー)と言われている。なぜフクシマの方が出力が大きいのに、こんなに少ないのか、キュリーにしたらなぜこんなにきりのよい数字なのか、おおいに疑問である。ともかくもフクシマのコントロールできていない核燃料の量は、今までに世界中で起きた核事故の総量をはるかに上回っている。これこそが今回の災害のキモである。

ヒロシマ型原爆のウラン使用量(1kg)との比較では、100万kwの原発が1日稼働して3発分、1年で約1000発分の使用済み核燃料(死の灰)を生み出し、燃料プールなど諸々を計算すると、フクシマの死の灰の総量は5トン〜10トン、ヒロシマ型原爆5千発から1万発分と思われる。にもかかわらずフクシマではヒロシマ原爆の168倍のセシウムが飛散したという過小評価が公式発表されている。

なぜ過小評価といえるのか、報道されているテラベクレルというわけのわからない数字を全て重量換算したときに、ヨウ素の放出量40g、セシウム137は5kg(ペットボトル一本分)プルトニウム1.4gとなって、想定される5トン〜10トンと全く桁が合わないからである。600メートルの高度まで噴煙が噴きあがって、放出量がグラムだのキロだのという単位であるわけがない(だいたい5トンぐらいは出ているはず)。みんなテラとか京(けい)とか言われてごまかされていないで、重さで話をしてくれと言えばよいのだ。そしたら大ウソであることがすぐばれる。

東電小森常務(当時)が「致死量の放射能が出た」ことを認めたと外電では報じられているが、日本では報道されない。NHKの番組では世界で初めて都市が放射能汚染されたことを認めており、今現在もフクシマから放射能は日々漏れ続けている。2号機の格納容器内では72㏜/hrという1時間そこにいたら広島の爆心地にも匹敵するとんでもない放射能があるにもかかわらず、野田首相は収束宣言をした。これは全くのウソ・デマであることは明らかである。ウソなのに誰も何もいわずに人々は相変わらず東京で普通に暮らしている。

今後の見通しについては次の通り。
・人間には原子の火を止めることはできない
・30年で廃炉は、現実的にムリ
(原子力ムラが30年というのは出来ないという意味、30年後には誰かがやってくれるかもしれないという程度の話で、現に高速増殖炉も30年で実用化のはずが、30年経ったときには50年で実用化という話になっていた)
・今後も、再臨界を何度も起こす
・収束方法は誰にもわからない
・人類史上、最大、最悪の災害
・地球上にいるかぎり、この災害から逃れることはできない(全員が当事者)

 汚染状況については、放射能は拡散することはあっても消えることはなく、フクシマの放射能は偏西風にのり太平洋を横断してアメリカ西海岸に到達している。さらに渦を巻くように大移動して、北米、アラスカ、ロシア、朝鮮半島、中国なども汚染しているし、大西洋を渡ってヨーロッパにも到達、すでに全世界を覆っている。この汚染規模を見れば屋久島が福島から1000キロくらい離れているからといって、だいじょうぶなわけがない(風向きによって多少救われてはいるが)。

海洋汚染についても昨年4月にもはや三陸沖はかなりやられて、11月には太平洋に広く広がり、今年3月にはハワイの間近にまで到達している。屋久島は海流によって救われているともいえるが、魚は動きまわるので放射能が全然来ていないことはないはず。

 原子力発電所内での放射能防護は、表面汚染がもっとも重要視されている。従って、日本の汚染状況を空間線量で色分けして示している早川汚染地図を表面汚染に換算して考える必要がある。すると同汚染地図上の郡山市や福島市の1.3μ㏜/hrは約400K㏃/uとなり、原発敷地内ならば全面マスクの装着が義務付けられ、飲食はもちろん調理、栽培も禁止、これに反したら法令違反という区域になる。東京ディズニーランドも含む広範な地域は0.3μ㏜/hr≒40K㏃/uとなり、原発敷地内ならば汚染を隔離するために所定の装備に着替えることが必要な区域となる。それくらいに広範囲に汚染されているということ。

(コメント)事態のあまりの重大さ、国民は明白なウソばかりを聞かされてきたという事実に打ちのめされる思いでした。公式発表より遥かに多くの放射能が出ているのに、それでもまだ大量に残っていることも脅威です。使用済み燃料プールの貯蔵量の表を見ていたら、倒壊が心配されている4号機プール(約1500本)のそばに使用済み燃料共用プールがあって、そこには6375本もの核燃料が・・・。1〜4号機のいずれかで線量が上がり、そこら一帯に近づけなくなったらと想像するだけで鳥肌がたちます。

4 放射能の影響?と思われる奇形動植物
 まだ放射能の影響と断定することはできないが、耳なしうさぎ、白いカラス、黄色いアンコウ、白いナマコなど非常に珍しい奇形が各地で報告されている。スリーマイル島事故で見られたキメラ(半分ずつくっきり色がわかれる)もナシやミカン、キク、ロブスターにまで出現。花の中から花が咲く奇形や、おしべめしべが花弁化する奇形、花の色が色褪せる、今年は鳥や虫の数が少ない等の報告も集まっている。新聞はストレスが原因か等との記事でごまかしているが、「虫や鳥や木が消え始めたら、次は人間が消えていく番だ」というのが、生物学の大法則である。

5 内部被曝とその影響
放射能というのは放射線を出す能力のことで(放射能の強さを表す単位㏃)、放射能をもった放射性物質から出てくるのが放射線(人が受けた放射線影響の度合いを表す単位㏜)。医療用放射線の場合は、スイッチを入れたときに放射線が飛ぶだけで、スイッチを切れば消えるし、放射性物質(放射能)は出てこない。ところがこれをあえて混同して、0.3μ㏜/hrをホットスポットとして警戒する人に対し、0.3μ㏜/hr=2.6m㏜/yearだから頭部CT1回分にすぎず、何の害もないと考える医師や専門家が殆どで、彼らは放射能を「正しく」恐がれという言い方をする。

自然放射線も人工放射線もα線、β線、γ線からなっていることは同じで、外部被曝(体外にある放射能からの被曝)においては、自然も人工も区別する必要がない。しかし内部被曝(呼吸や飲食により体内に取り込んだ放射能から受ける被曝)においては、元素によって体内挙動が全く違ってくるので、外部被曝と内部被曝はまったく違うものとして考えなければならない。

ところが山下俊一氏(福島県放射線健康リスク管理アドバイザー)は、同じシーベルトの数字なら外部被曝でも内部被曝でも人体への影響は同じと言いきっている。放射能の本当の影響などまだ誰も何もわかってはいないのに、このように言ったとたん、何もかも安全ということになってしまう。

 ㏃(内部被曝の影響評価)を㏜(外部被曝の影響評価)に換算する実行線量係数というさも科学的なようででたらめな係数も存在し、これを用いればどんな野菜を食べてもガンにもなんにもならないということが証明されてしまう(そのために作った係数だから)。そして実際に健康被害が出ても、こんな数値で出るはずがないから放射能が原因ではないと言われることになる。カリウムとセシウムは断然別の物質なのに、人体中に放射性カリウムが存在するから、セシウムでガンになるというのはウソだという放射能安全デマも語られている。

核分裂生成物(放射能)がふたつに割れて、ヨウ素やセシウムが出たら必ずストロンチウムなども出ることは先に述べたが、そのほかにも無数の放射性元素が出現し、しかもその体内挙動についてはまだ何もわかっていない。そんな状況で外部被曝と内部被曝の影響が同じだなどと言えるわけがない。またそれらの多様な放射性元素が放射線を出しながら放射性崩壊をして、別の物質に変化し続けていくことも問題を複雑にしている。半減期というのは放射能が半分になるだけであって、その4倍の時間をかけてようや16分の1まで減るということ。放射能の影響はずっと続いていく。

放射性物質の種類によって蓄積する臓器は異なるが、上述のとおり無数の放射性元素の体内挙動は殆ど不明で、しかも体内でもどんどん変化していくのだから、体の方が混乱するのは明らか。ヨウ素の甲状腺蓄積だけはIAEA(国際原子力機関)もようやく認めたが、チェルノブイリでも事故後3年後くらいまで全く出現しなかった甲状腺癌が今回はすでに出ているので、フクシマは予想以上に進展が早いといえる。ストロンチウムはおそらく摂取後1日くらいのうちに骨に蓄積して、白血病などを引き起こし、セシウムは筋肉に蓄積して、心臓の筋肉の場合には心不全による突然死などを惹起する。セシウムは化学的にも非常に反応性の激しい物質で、こんなものが安全であるわけがない。

ちなみにJTはセシウム100㏃/kgのタバコの葉は混ぜて使うと言明しているので、タバコにもセシウムは入っているし、タバコの火が700℃であるのに対して、セシウムの沸点は641℃なので、肺にも副流煙にも気体のセシウムが入ってくる。

ガンや白血病ばかりが話題になっているが、内部被曝の本当の怖さは細胞全体の壊死が起こること。血管、心臓の筋肉などの壊死は突然死につながり、事実心筋梗塞、脳卒中の増加報告が出ている。限られた範囲の脳細胞の死は、知能低下を招く可能性もあり、関東地方では40代で痴呆症発症例などもでてきている。しかしこれらについては十分な評価がなされておらず、全て起きないことになっている。過去の大災害疫学調査の結果と異なり、東北大震災後においては不全、脳卒中などが有意に増加しているとの学会報告もあるが、原因はストレスのせいにされている。その他にも突然死、若年死の報告が出てきている。その一方で放射線健康リスクアドバイザーの山下俊一氏は、ガンのリスクが上がるのは年間100m㏜以上であり、それ未満ならリスクはゼロと明言している。

(コメント)わからないことを含めて無数の問題があるのに、特定の放射能や病気だけに注目させるのも、目くらましのひとつなのですね。様々な騙しの手口が見えてきました。それにしても専門家が専門知識を使って素人を騙しているなんて・・・。小野先生のように専門知識をかみ砕いて、素人を啓発してくださる方ばかりならよいのですが。

6 始まりは、ヒロシマ、ナガサキ
フクシマ事故がどのように進行したかを述べてきたが、その前にそのような広大長期の被害をもたらすようなものが、なぜそこにあったのか。私たちはまずそこを突き止めなければ、問題の本質を理解したことにならない。話の始まりは広島長崎で暮らしていた人々の上に落とされた原爆である。それがわからない限りガレキ処理という直近の問題も、原発の本当の黒幕も理解できない。そのために「原子力、その隠蔽された真実 人の手に負えない核エネルギーの70年史」(ステファニー・クック著 藤井留美翻訳 飛鳥新社)という本をぜひ読んでもらいたい。

1945年8月6日午前8時15分広島に原爆投下。投下後の影響調査をするためには多くの人々が屋外に出ていてほしい、そのために始業時をねらっての投下であった。その被害の全貌もまだ全く見えない3日後、長崎に原爆投下。広島型ウラン爆弾と長崎型プルトニウム爆弾は構造も原材料も何もかも違うので、2種類をぜひとも試す必要があっての立て続けの投下であった。米国が原爆投下後23年目に提出した国連原爆白書には「残留放射能による被害なし、生存被曝者は全て健康」と記載され、これが国連のベースになった。

ICRP(国際放射線防御委員会)のリスクの考え方は、現地の住民にリスクを受忍せよと迫って、被曝を強制したうえに、被害が表われると、自分たちで過小評価しておいた放射線リスク評価(100m㏜/yearまで安全)を用いて、「科学的には」因果関係が証明されないからその被害は原発の放射能が原因ではないと、被害を切り捨てるもの。
今まさに日本でそれが起きている。

内部被曝の実態が明らかになると核兵器開発ができなくなるため、内部被曝の実態は常に隠されてきた。だが私たちにはヒロシマナガサキの実体験があるのだから、内部被曝の実態を知るために、医師の肥田舜太郎先生、橋爪文さん、はだしのゲンの作者中沢啓治氏らに学ぶことが大切である。

写真撮影さえ禁止されていた当時、中沢氏がマンガ家特有の感性で記憶に焼き付け作品化したはだしのゲンには、原爆投下後救援のために市内に入った元気な兵隊たちが、たちまち下痢をしたり血を吐いたりして亡くなっていった話が出てくる。この入市被曝は他の原爆資料にも記載されている明確な事実であり、明らかな内部被曝であるが、これは日本政府が認めていないので、ないことになっている。内部被曝を認めると核兵器が使えなくなるので、内部被曝はないことにされるのだ。

非常にだるく、仕事や家事ができず、本人とっていちばん辛い症状であるにもかかわらず、治療法が分からず、いろんな検査をしても異常がないので病気とは認められず、ショックによる精神障害のせいにされてしまうのが原爆ぶらぶら病だが、今現在の日本でも諸症状がストレスやショックに起因するとされている。東北の精神科医によれば、特に原因に思いたらないのに、不眠、食欲低下、強い倦怠感、集中力の著しい欠如等ぶらぶら病に似た症状を訴える患者が、震災後時間の経過とともに増えているとのことだ。
また原爆後遺症はガンや白血病にとどまらず、ほとんど全ての全身病の性格をもつことが、原爆投下8年後日本の新聞に発表されている。

 ABCCは、原爆被害を追跡調査するために、被曝死亡者の死体を解剖して臓器を保管するなどしてきたアメリカの国家研究機関であるが、死産や生後すぐに死亡した被曝赤ちゃん1200人の調査結果として、現段階で放射能による遺伝的影響はみられないと結論づけた。同様に日本の研究施設でも、動物実験では放射能の遺伝的影響が確認されているが、ヒトでは発生事例は確認されていない(両親の被曝の有無と死産、奇形の発生確率に統計上の有意差はない)から安全だとしている。

 しかし当時の産院経営者は、当時奇形児がたくさん生まれたこと、全てをABCCに報告するシステムだったものの、報告をきらう親もあってしなかったこともあったことを証言している。ネット上で閲覧可能な「世界は恐怖する 死の灰の正体」(1957年)という映画には、ヒロシマナガサキで生まれたシャム双生児、無脳児、単眼症などの実例が映し出されている。ABCCに勤務していた日本人医師も多数奇形児の存在を証言しているし、広島に現在も小頭症患者が生存していることは、地方版ドキュメンタリー番組でも放映されて地元では周知の事実である。上記のとおり事実として、被曝による奇形児は生まれているのである。

(コメント)奇形児が遺伝子に起きた異常を意味するならば、今後何世代にもわたって遺伝子の異常が続いていくのでしょうか?それとも人間は(生きものは)遺伝子の異常を修復できる力を持っているのでしょうか?
このように内部被曝は極めて重大な問題をもたらすのに、核兵器開発の妨げになるからと全てがないことにされてしまう恐ろしさ。私たちの無関心が長年それを許してきてしまった情けなさ。ヒロシマナガサキとフクシマが一直線につながっていることが、よくかりました。歴史に学ぶこと、苦しんでいる人々から学ぶことの大切さも痛感させられました。ここでの訴えは、小野先生の口調にも一際力がこもっているように感じられました。


7 ガレキ問題
 ここまでの話がわかれば、ガレキ問題については議論の余地なく答えが出てくるはずだが、ガレキ焼却中の東京都知事が本気で東北の田舎のことを考えているとは到底思えないし、ガレキ受け入れ断固推進中の静岡県島田市長は元産廃業者社長である。放射性物質の受け入れ基準は、311前セシウム100㏃/kgであったものが、311後は8000㏃/kg以上10万㏃/kg以下のものでも、一定の条件のもと一般廃棄物最終処分場で埋め立て処理ができることとした。これは内部被曝の被害を意図的に無視したものであるし、この基準を改定した環境省自らが放射能の知見はないと公言している始末だ。

 ガレキ焼却によって放射能汚染や健康被害が起こった場合の責任について質問した宮崎県に対し、環境省は、そのような事態は想定していませんと公式回答している。
茶などの産物に対する風評被害を心配する市民に対して、島田市は、全国各地でガレキ受け入れを進めているので風評被害は起こらないと考えていますと公式回答している。

 放射能汚染地図を見ても、津波被害があった地域はすべて放射能汚染されていて、安全なガレキなどないことがわかる。カドミウムや水銀、ダイオキシン等をそのまま埋め立てて土をかぶせれば安全と考える人は誰もいないはず。セシウムはさらに激しく水と反応して溶けるのだから、放射能が環境に漏れ出ればダイオキシンどころではない多大な被害が出るのに、国は内部被曝を一切無視しているので安全と言い切っている。

その後ろにアメリカがあり、原爆、核兵器があるわけで、もしも内部被曝を認めてしまえば、ドミノ倒し的に原発どころか原爆も水爆も廃止になって、パワーバランスがくずれてしまうからだ。そして東北地方にのみ内部被曝の症状が出たのではまずいので、わざわざ北九州あたりまで持ってきて全国民等しく被曝させ、被害が出ても放射能が原因ではないと言い逃れることが、ガレキ問題の狙いだ。フクシマ原発敷地とその周辺はかなり広大な土地なので、住民には十分な説明と補償をして、ここに埋め立て処分するほかはないと思う(放射性セシウムは沸点が低いので焼却すると大半が空中に出てしまう。バグフィルターの補足率はたかだか6割程度である)。

チェルノブイリの専門家バンダジェフスキー博士は、このような形で情報を隠し続ければ、数十年後には日本人という国民は本当に僅かになってしまうと警告している。これには根拠があって、チェルノブイリ事故以降、ベラルーシの人口増加が止まって減少に転じ、どんどん減る一方だからだ。チェルノブイリが一、二週間ほどの間に石棺で固めて辺りを封鎖し住民を強制移動させたのに比べて、日本は全ての原子炉を解放したまま、放射能出しっぱなしで、住民もそこに住まわせ、食べて応援、ボランティアで応援等と言っているのだから、このままではベラルーシ以上の被害が起きるのは確実である。
 
(コメント)屋久島にもガレキ焼却の噂があって、最後の質問コーナーでも質問や意見が出ていました。運賃だけ考えてもわざわざ東北から屋久島まで運ぶなんてありえないと思うのですが、本当の目的が国民総被曝なら、採算度外視ってこともありえるのかも?ここで学んだ内部被曝の本当のこわさをみんなに知らせて、力を合わせて屋久島を守っていかなければ!

8 除染・腐葉土・再稼働 除染をしてもなぜ除去できないかといえば、先の実験映像で見たとおりセシウムは水に激しく溶けて爆発的に反応するからである。またセシウム0.1g(塩1粒分)を1ℓの水に溶かして30坪(60畳)にばら撒いた状態が、5.2μ㏜/hr(チェルノブイリ強制移住区域)という超高汚染濃度に匹敵するので、誰が考えてもこんなものを除去できるわけがないのである。

 戦時中は鬼畜米英を倒すため本気で竹槍訓練をしていたが(内心疑問を感じても口に出せずに同調するのが日本人の国民性)、現代日本の除染の武器は高圧洗浄機だけ。チェルノブイリでいろいろやってみて諦めざるをえなかった除染を、高圧洗浄機でやろうというのは、竹槍訓練と同じこと。

 放射能が入った腐葉土や肥料を平気で流通させている事実があるが、人々が気付いて問題にしはじめると、今度は油断している屋久島あたりにどんどん入ってくる可能性が非常に大きい。いったん汚染肥料等をばらまいてしまったらもうその土地は終わり(除染は不可能)なので、ぜひ各人が簡易な線量計を購入して、肥料等を買う前にその場で計測してほしい。そして汚染が見つかった場合は、ただちに店側に撤去を申し入れてほしい。そのような消費者行動によって、業者の意識も変わっていくからだ。

 農水省の肥料基準でも、原料汚泥中のセシウム汚染濃度が、200㏃/kg以下の場合は、汚泥肥料の原料として堂々と利用できるとしている。また汚泥肥料は主に農家向けのものであり低価格なので広域流通しないと言っているが、こんなものはいずれ誰も買わなくなるので、いよいよ売れなくなったらタダでもいい、お金を払ってもいいから引きとってほしいという話になって、流れ流れてくる可能性があるので要注意。屋久島の空から放射能が降ってこなくても、流通で肥料として入ってきたら、もう終わりだ。

 各地の原発立地をちょっと見ただけでも、再稼働など論外であることがすぐわかる。
たとえば玄海原発は半島の付け根に2基、その奥海側にさらに2基があるが、付け根の1基で事故が起きたら奥に行くことはできないので、海側の2基は放置せざるを得ず、4基は全て一蓮托生の運命にある。たとえば岬の突端の美浜原発原子炉と事務棟をつなぐ補給路は、たった一本の橋。この橋が落ちたら全ては終わりだが、どうやら橋は落ちないことになっているらしい。こう見てくると広大な敷地(正門まで40分、構内に信号)を有し海沿いに一列に原子炉が並んだフクシマは、不幸中の幸いにも、事故対応には最高の条件を持っていることがわかるくらいだ。

 玄海原発で事故が起きた時のシミュレーションを見たら、九州全域がもう住めなくなることがわかる。川内原発のシミュレーションでも同様だが、川内で事故が起きたら屋久島の皆さんは直ちに逃げ出さなければならない。海洋汚染のシミュレーションでは、川内原発の事故で有明海が高濃度に汚染され、事故後1ヶ月で屋久島周辺の海まで完全に汚染されてしまう。

フクシマ最大の教訓は、絶対に起きませんと言っていたことが現実に起きたということ。だから川内原発再稼働の話が出たときは、事故が起きないなんて話は信じられない、事故が起きたときに自分たちをどういう経路でどうやって逃がしてくれるのか、その後の生活はどうしてくれるのか、賠償はどうするのかと九電に詰め寄っていただきたい。事故を起こす起こさないの安全論議をしても水掛け論に終わるので(私も安全課の仕事をしてきたので、皆さんが束になってかかってきても原発を安全と言いくるめる自信はある)、あくまでも事故が起きた後の話がポイント。

九電管内の原発で事故が起きたら、九州は終わりである。どんなに安全装置をつけても事故は起きるというのが、フクシマの教訓。阪神大震災クラスに耐える、何メートル級の津波に耐えると言ったところで、それを超えるのが自然の力なのだから、常に事故は起きるものだとして考えなければならない。自動車を運転する人は、普通なら無制限の賠償保険に入って、事故を起こしたときにせめて金銭的な賠償はしようとするだろう。しかし電力会社が原発事故を起こせば絶対に賠償しきれないのだから、これは実質無保険(自賠責保険だけ)で車を運転しようとするに等しい。それでも運転したいというなら、事故の場合の賠償額、賠償方法を明示せよと迫らなければならない。

(コメント)汚染肥料で土地が汚染されたら作物も汚染され、それを食べたら内部被曝。放射能はゴミや排泄物の中にも入って、燃やせば空気、海に流せば海を汚染するから、文字通り「終わり」なんですね。JAの肥料はだいじょうぶかな?測ってみないと…。
川内原発、屋久島間は約160キロ。でも実は福島から200キロ、300キロ離れた土地からも、続々避難者が出ています。そして現地に留まった人々は、事故後ただの1日も休むことなく放射能との戦いを強いられているのです(当事者の言葉)。その息詰まるような緊張と不安、それだけでも十分な被害といえるのでは? 200キロ、300キロ離れていてもそうなのだから、福島の方々ならなおのこと…。
私たちにしても、九電が特設避難船を出してくれるとは到底思えないし、東日本にも清浄な食品を供給できる食糧基地を守りぬくためにも、原発再稼働を絶対に許してはなりませんね!安全論議ではなくて避難や賠償の話を・・・小野先生直伝の戦いのコツを肝に銘じておきましょう。


9 われわれはこれから何をどうするべきか
 私の情報発信はブログをほぼ毎日更新(約500万アクセス)とツイッター。情報収集はツイッターがいちばん早くて正確と思う(ガセネタもある)が、信頼できるブログもいくつか見てほしい。政府、NHK、マスコミの報道はいちばん当てにならないが、稀に第一報でとんでもない真実を報道したあとで、後からウソに訂正することがあるので、第一報を重視して欲しい。本物の情報には矛盾がない(東電の説明ももはや矛盾だらけになっている)。これらを覚えておけば、本物の情報か否かを見分けられるようになるだろう。

 今日の話をまとめると次のようになる。

・フクシマの原発は止められず、放射能汚染も継続する。
   誰も止め方がわからないのだから。
・汚染されたガレキ、放射能を含んだ商品に何ら規制がかけられず、内部被曝の被害は全国に拡散し続けている。
  これは意図的に拡散し続けているということ。私たちは殺されようとしているのだ。その裏にはアメリカがいて、原爆、核兵器の問題があるから。超大国を相手にする限りは、私たちひとりひとりがリーダーの自覚をもって自分の判断で立ち上がらなければならない。誰かに任せてついていくというあり方はダメ。
・屋久島、日本どころか、全世界が被害をこうむっている。
・全生命の問題。内部被曝の勉強を。
  核兵器の問題があって、内部被曝は意図的に隠されているからこそ、勉強が必要。
・ガレキには明確に反対。子どものためにできることを。
  ただしガレキを止めたからといって、戦いは終わりではない。その先には国内の原発を止める、国外の原発も止める、核兵器もやめるという大目標が控えている。韓国、中国の原発1基が事故を起こしても日本は終わりなのだから。100キロマラソンを走りぬくつもりで、息切れしないようにできることをやっていきましょう。

(コメント)人類史上最大、最悪の災害に直面して、内容的にはど〜んと落ち込みそうな深刻な話題ばかりだったのに、不思議と勇気がわいてきました。今日のお話をみんなに伝えて、この最大、最悪の災害を、世界の歴史を変える契機にしていきたいと思います。
  小野先生、どうもありがとうございました!


DVDの注文は下記からどうぞ− 屋久島版はありませんが、水俣、院内勉強会などをどうぞ(500円/枚)
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今後の講演会予定

6月30日(土) 福岡県飯塚市
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7月8日(日) 大分県湯布院
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タグ:講演会
posted by いんちょう at 21:03 | Comment(8) | 原子力

2012年06月26日

長崎原爆訴訟−内部被曝を無視する裁判所により棄却

1945年8月6日午前8時15分 広島原爆投下
同年8月9日 長崎原爆投下


今回のフクシマの悲劇の原点はここにあります。
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原発と原爆はおなじものなのです。

長崎型原爆 Fatman
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この材料は、プルトニウム239

そして、

から、
 昭和20年8月末の暑い夏の日のことである。
 庭屋潔二等兵は、終戦直後の長崎に上陸した。埠頭から長崎駅に移動する目にうつる景色は、驚くべきものだった。しないは見渡す限りガレキの荒野で何もない。崩れかけたビルだけが点在する。
水は絶対に飲んではいかん
と上官に命令されていた。むろん、理由は長崎が原子爆弾で破壊されたからである。とはいえ戦争末期に招集された陸軍二等兵には、「原子爆弾」の何たるかは分からない。分からないながらも常識は持っているので、
「水道の水なら浄化されているから、大丈夫だろう」
 そう考え、庭屋二等兵はガレキの中にぽつんと立つ水道管の蛇口をひねり、流れ出る水に浴びながら飲んだ。強い日差しに焼けた顔とのどを冷やすように、水はしみこむ。
 その数日後である。庭屋二等兵は下痢に襲われて、高熱にうなり、頭髪が抜け出した。明らかに急性放射線障害であった


 爆弾が落ちたときにはいない兵士に内部被曝症状が現れています。長崎の水源地は山にあり、死の灰がその水源地に降り注いだことが原因です。そして、そのことが共通認識となっていることは、上官が水を飲んではならんと厳命しているところからわかります。・・・すなわち、この時点では内部被曝の被害が軍にも十二分にわかっていたのです。

ところが、昨日の長崎地裁の判決
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(熊日新聞 平成24年6月26日)

 内部被曝を無視するのが日本政府ですから、別に驚くには値しない判決です。核兵器の内部被曝を認めないことが、今回のフクシマの内部被曝を認めないことに直結しているわけですから。今回の記事を見るに当たって重要なことは、この判決に関係した裁判官と、そして識者コメントです。まず、井田宏裁判長
長崎地方裁判所・長崎家庭裁判所部総括判事、長崎簡易裁判所判事
異動履歴H.23. 9.24 〜       長崎地・家裁部総括判事、長崎簡裁判事
H.22. 4. 1 〜 H.23. 9.23 長崎地・家裁判事、長崎簡裁判事
H.19. 4. 1 〜 H.22. 3.31 京都地裁判事、京都簡裁判事
H.15. 4.21 〜 H.19. 3.31 山口地・家裁周南支部長、周南簡裁判事
H.15. 4. 1 〜 H.15. 4.20 山口地・家裁徳山支部長、徳山簡裁判事
H.14. 4. 7 〜 H.15. 3.31 大阪地裁判事、大阪簡裁判事
H.12. 4. 1 〜 H.14. 4. 6 大阪地・家裁判事補、大阪簡裁判事
H. 9. 4. 1 〜 H.12. 3.31 鹿児島地・家裁加治木支部判事補、加治木簡裁判事
H. 7. 4. 7 〜 H. 9. 3.31 山口地・家裁判事補、山口簡裁判事
H. 6. 4. 1 〜 H. 7. 4. 6 山口地・家裁判事補
H. 4. 4. 7 〜 H. 6. 3.31 大阪地裁判事補


補足(学歴)
昭和61年(1986)京都大学法学部卒。
と情報がありました。エリートと言っていいんでしょうか。

 裁判官というのは、本当に転勤がおおいのですね。これを見る限り、順調に出世階段を上ってこられたのでしょう。何しろ、原子力村に有利な判例を下せば、東芝に天下れるわけですから、みんな頑張るはずです。「原発は安全」判決書いた最高裁判事が東芝に天下り 司法にも広がる原発マネー汚染 三宅勝久
司法の独立なんて、絵に描いた餅です。何しろ、裁判官の人事権を持っているのは法務省なんですから、国の顔色をうかがわない方がどうかしています。ですから、この判決が出るのは当然です。驚くに値しません。

さて、識者コメントに注目
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(熊日新聞 平成24年6月26日)

新たな証明は困難・運動の転換が必要
日赤長崎原爆病院の朝長万左男院長(被爆者医療) ほとんどの争点が門前払いで全面的な原告敗訴だ。黒い雨を浴びて髪が抜けた人などが一部いるため、まったく放射線の影響がないとは言えないはずだが、判決では科学的根拠がないことが敗訴につながっている。根拠を新たに証明するのは困難。医療費補助の範囲の狭さが体験者の不満に結びついており、補助対象の精神疾患の拡大解釈を国に要望するよう運動を転換した方がいい。

日本赤十字 長崎原爆病院から
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平成21年4月1日より原爆病院院長として着任、仕事を開始しました。

これまで、約40年間長崎大学医学部に勤務し、原爆後障害医療研究施設の治療部門で、主に原爆被爆者の医療に携わり、原爆放射線の人体影響について研究を行ってきました。人類史上2番目の1945年8月9日の長崎原爆は約7万5千人の死亡をもたらし、ほぼ同数の方々が原爆被爆者となり、現在もなお持続する放射線被曝による様々な障害に苦しんでおられます。また原爆体験の精神的影響も長期に持続しています。原爆病院は被爆者の方々の切なる願いにより、昭和33年、長崎市、県、国のご努力により日本赤十字社が運営する総合病院として設立され、昨年50周年を迎えております。


 私はこのように味方のフリをしながら、その逆のことをいう人間が一番嫌いです。どこかのドイツ文学者を思いださせます。

 なぜ、このように苦しんでいる人を診察しながら、「科学的根拠」がない と一刀両断に切り捨てることができるのか。まあ、切り捨てることができるからこそ、輸血被曝問題に目をつぶる日赤の病院長になれたとも言えますか。なるほど・・・

 そして、精神疾患の拡大・・このキーワードはピンと来ます

重松逸造
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1990年4月、IAEAが発足させたチェルノブイリ原発事故をめぐる国際諮問委員会(IAC)の委員長に就任。各国から集められた200人の専門家集団の責任者として、ソ連国内の汚染状況と住民の健康の調査、住民の防護対策の妥当性の検討を目的とする国際チェルノブイリプロジェクト実施にあたった。翌1991年5月、ウィーンのIAEA本部で開かれたプロジェクト報告会において、汚染地帯の住民には放射能による健康影響は認められない、むしろ、「ラジオフォビア(放射能恐怖症)」による精神的ストレスの方が問題である、1平方km当り40キュリーという移住基準はもっと上げてもよいが、社会的条件を考えると今のままでしかたないであろう、との報告をまとめ発表した。

 山下俊一先生もこの重松氏の弟子に当たります。日本政府は、このように放射能を「科学的」ではない「精神疾患」と貶めます。・・・日本政府というより、世界=国連ですが。


 第7に、ICRPのリスクの考えからは、リスクを「容認」するものにはどこまでもリスクが押しつけられる。この結果、とりわけ社会的に弱い立場にある人びとに放射線の被害が転嫁されることになる。原発で働く労働者の場合も、被害の告発が即解雇につながるような弱い立場にある下請けの労働者に被曝は集中し、被害もまた深刻なものとなる。ウラン鉱石が採掘されるアメリカやカナダのインディアン、オーストラリアの原住民、南アフリカの黒人なども同様である。原子力の施設が建てられるところは、大部分が経済的、社会的に差別れてきたちいきである。原子力産業は経済的な遅れにつけ込んで、札びらで頬をたたいて、、現地の住民に被曝のリスクを受忍せよと迫る。それらの人びとに被曝を強制した上に、被害が表れると、自分たちで過小評価しておいた放射線のリスク評価を用いて、「科学的」には因果関係が証明されないからその被害は原発の放射能が原因ではない、と被害を切り捨てる

 フクシマもまったくこれと同じ構図が繰り返されています。ガイアツを期待しても無駄です。日本国民全体が自分自身の頭で考えない限り、いつまで経っても同じことの繰り返しになるのです。世界の超大国が核エネルギーに頼っていることをお忘れ無く。

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(熊日新聞 平成24年6月26日)

このような記事に出てくる登場人物とその組織を丹念に読み取ることで、いろいろと裏まで見えてきます。連想ゲームのようなものですね。

◆関連ブログ
放射能と人体(3)核の本質−内部被曝2011年11月14日
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カネと権力でわかりやすく恫喝する政治家・電力・企業と、ペンで非難する女性評論家2012年06月15日
献血と被曝問題2012年04月02日
放射能と人体(9)ICRPと低線量被曝−科学的に証明する気はない2012年01月09日
タグ:内部被曝
posted by いんちょう at 20:44 | Comment(11) | 原子力

2012年06月25日

弱者をだしに原発再稼働をもくろむ政府と国賊電力

 大飯再稼働。首都ニッポンで4万人近いデモがあり、さらに各地で抗議行動が起きていながら、この国の政府、そして「地球環境をどこよりも考えている」電力はまったく気にしていません。

 本日は大飯原発再稼働で、関西電力本店(06-6441-8821)に電話をかけました。
私「フクシマの教訓は、いかに安全性を高めてもかならず大規模な事故が起きるということですよ。」
関電「フクシマの災害が起きても、事故にならないよう我々は対策を取っています。」
私「だから、それを安全神話というのです」
関電「国と相談して、安全性を確認しました。ですから事故は起こりません」

 恥知らずとは、このような会社のことを指します。地球環境にもっとも悪影響を与える放射能をたくさん作りながら、「二酸化炭素を発生しないエコな発電方法です」と平気で言うくらいですから、このくらいの言い訳など、へでもないでしょう。電力会社社員は、汚れたカネを給与としてもらっているという自覚をしっかりと持ってください。フクシマを超える事故が起きれば、かならず「想定外だった、国が悪い」と、東電と同じ言葉を発するのは間違いありません。
 電力社員は、縄張り意識が非常に強く、たとえば送配電部門は、自分の会社が抗議を受けているとは一切考えていません。その程度の会社なのです。ただ、図体がでかいだけの。

 さて、この前の首相演説で、次のような理由で再稼動が必要と野田首相が話しました。平成24年6月8日
野田「 仮に計画停電を余儀なくされ、突発的な停電が起これば、命の危険にさらされる人も出ます。仕事が成り立たなくなってしまう人もいます。働く場がなくなってしまう人もいます。東日本の方々は震災直後の日々を鮮明に覚えておられると思います。計画停電がなされ得るという事態になれば、それが実際に行われるか否かにかかわらず、日常生活や経済活動は大きく混乱をしてしまいます。

 なぜ、計画停電が、突発的な停電になるのでしょうか。全く意味不明。

そして、御用学者である元東芝社員−奈良林大先生は、
経済低迷、熱中症、作業員確保…無視できない電力不足のリスク2012.5.5 22:00 (1/2ページ)
 全原発停止によって懸念される電力不足は、経済停滞だけでなく、熱中症など生命に関わるリスクや、原発の安全性が脅かされるリスクなどを高める可能性がある。専門家からは「事故リスクだけでなく、電力不足のリスクをもっと考えるべきだ」との声が上がる。(原子力取材班)
ウクライナの二の舞
 「このままではウクライナの二の舞になる」
 そう指摘するのは北海道大の奈良林直教授(原子力工学)だ。奈良林教授によると、ウクライナは、旧ソ連時代に起きたチェルノブイリ原発事故を受け、1990年に国内の全12原発を停止させた。
 しかしその結果、電力不足が慢性化。計画停電が行われたほか停電も頻発した。経済は低迷し、結局、93年には原発再稼働へと方針転換することになった。
 奈良林教授は「急な停電が原発のある地域で発生すれば、(福島第1原発のように)外部電源を失うことにもなる。電力不足は、原発の安全性にも関わる問題だ」と指摘する。
5電力で不足
 今夏の電力需給について、資源エネルギー庁は全原発が停止し、一昨年並みの暑さを想定した電力需給を試算したところ、原発以外の発電所がすべて動いても関西電力や北海道電力、九州電力の管内で電力不足が生じる見通しとなった。
 ただし、火力発電所などでは「毎日のようにどこかで何らかのトラブルが発生している」(エネ庁幹部)といい、100%稼働するとの想定は現実的でないという。そこで、供給力を昨年の平均稼働率97%で試算し直すと、東北、四国の各電力でも電力予備率がマイナスとなり、電力不足は明白だ。
 昨夏の計画停電のような手段も残るが、エネ庁担当者は「経済への影響が大きすぎる。財界からの反発もあり、昨夏並みの節電は難しい」と話す。
 さらに、イランが海上原油輸送の要衝であるホルムズ海峡を封鎖する懸念のほか、原発停止で温暖化ガス排出量の政府削減目標が危うくなるなど、「アキレス腱(けん)」は尽きない。
生命にも影響
 停電や過剰節電といった事態になれば、生命に危険が及ぶ恐れも出てくる。懸念されるのは、室温が28度を超えると発生率が急上昇するとされる熱中症の患者増加だ。環境省の担当者は「計画停電などは絶対に避けてもらいたい」と話す。
 熱中症だけでなく、人工呼吸器など、電力を必要とする機器によって生命を維持する人にとっては、停電は深刻な問題だ。
 長期停止すれば、原発の“命”にも影響が出かねない。「いざ稼働しようと思ってもすぐに対応できない可能性がある」。こう指摘するのは原子力研究バックエンド推進センターの菊池三郎理事長だ。
 メンテナンスを請け負う企業が廃業するなど、必要な作業員が確保できなくなるというのだ。菊池理事長は「安全技術の継承も進まない」と、早期稼働の必要性を訴えている。


 さすが産経新聞。都合のいいところだけを切り抜いて、国民を脅しにかけています。

原発が動きさえすれば、停電は起きないのでしょうか。電気が家庭に届くまでを考えればすぐにわかります。発電所から、長い長い送電線を伝わり、変電所を通り、家庭の前のトランスを通りようやく家庭に届きます。一時も停電が許されないのなら、このどこで事故が起きてもおかしくないわけですから、当然バックアップが必要です。それが、命にかかわることならなおさら当然のこと。
 では、一体どれくらいの患者さんがいるのか。当然ここまで書くからには調べていると思っていましたが、私の診療所には、ついこの前まで調査票の一枚も送られてきていませんでした。このような大上段に構えた社説、政府答弁があるにもかかわらずです。
 2週間前にも書きましたが、調査票が送られてきたのは、6月16日
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そして、その結果が平成24年6月24日の熊日新聞に載っていました。
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在宅での人工呼吸器利用者は467人で、1日12時間以上使用が158人。うち予備バッテリーの準備がないなど「3時間程度の停電への対応が取られていない」のは43人酸素濃縮器は2146人が利用し、対応が取れていないのは279人となる

 対応は簡単です。43名分の予備バッテリーを配布し、在宅酸素利用者、279名には酸素ボンベを配ればいいのです。(停電時に在宅酸素装置を動かす必要はありません)少なくとも熊本では十二分に対応可能であり、さらに山間部ともなればもともと停電が多いのですから、十分に用意できていることになります。

在宅酸素療法
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 停電時は、上の図に示した外出時の格好(ガスボンベ)を使えばいいのです。3時間程度は優に持ちます。

 時々出てくるどうしても電気を止められないメッキ工場。このようなところは特例として受電してもらえばいいではありませんか。(今回も、救急病院などは特例措置で停電がありません)そもそも、昨年の3月には一切こういったことも考慮せずに計画停電をしておいて、1年間以上の準備があったにもかかわらず、「停電すると弱者が死ぬ」とはよくぞいったものです。まったく人数すら調べることなく、ただ単に弱者をだしに使って、原発再稼働にひた走る政府、国賊電力の舞台裏は見えました。

 関電は、カネがもったいないからなんとしてでも再稼動をするというのは、理解できるとして、なぜここまで日本政府が遮二無二再稼動にひた走るのか。その答えが新聞に出ていました。
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 日本には原発の安全面で福島第一原発事故の教訓を生かす方向で貢献するよう求める一方、ロシアや米国をはじめとする原発推進国の意見を色濃く反映した内容となった。

◆関連ブログ
カネと権力でわかりやすく恫喝する政治家・電力・企業と、ペンで非難する女性評論家
もと東芝社員−奈良林直氏が北海道大学教授に就任してから・・2012年04月10日
posted by いんちょう at 20:17 | Comment(16) | 日記

2012年06月24日

熊本市和楽 フクシマの真実と内部被曝 60分 2012.6.23(土)



やや短めの60分バージョンです。
(内容)
・私の経歴
・総括原価方式のわかりやすいたとえ
・フクシマで何が起きたのか(地盤沈下、ベント、メルトアウト)
・世界規模の汚染
・各地で見られる突然死・心筋梗塞
・ガレキ拡散をしてはならない理由
・除染不可能な理由

今後の予定は、次の通りです。

2012年06月30日(土)(開場17:00、講演17:30〜18:50(100分)、質疑応答18:50〜19:40(50分))
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2012年07月08日(日)(14:00~16:00)
開催場所 湯布院公民館 大ホール
(大分県由布市湯布院町川上3758)
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DVDも販売しています。
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今後の講演会の予定、今までの内容などは、右上にある私のアイコンをクリックしてください。
・過去の講演会と今後の予定
・講演会についてのお知らせ

などを紹介しています。
タグ:講演会
posted by いんちょう at 11:40 | Comment(11) | 原子力

2012年06月23日

真実を権力で封印する−現代の宗教裁判(桐生市)

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ガリレオ・ガリレイ
 中世ヨーロッパを支配していたカトリック教会の教義に反して、「地動説」を唱えたために、宗教裁判にかけられ、有罪となりました。判決後に「それでも地球は回っている」とつぶやいたことは、あまりにも有名です。・・・なお、蛇足になりますが、未だに天動説を信じている一派も米国にはあると聞きました。事実を権力で押さえつけても、なにも変わりはしないのに・・昔の人はバカだったんだなぁと思うかもしれません。

ツイッター発端で桐生市議失職、庭山氏 「議会外発言の言葉狩り」 2012年6月22日
2012062302.jpg 20日の桐生市議会本会議で懲罰動議の採決前に弁明する庭山由紀氏=同市で

 短文投稿サイト「ツイッター」の発言から桐生市議会で除名の懲罰動議が可決された庭山由紀氏(43)。市議としてインターネットを積極的に使い、放射能汚染の危険性などを訴える一方、懲罰動議について議会で明確な説明をしないまま、失職した。真意を聞いた。 (中山岳)
 −除名を受け今後、どうするのか。
 「議会外のツイッターは、除名の懲罰対象に当たらない。議会に戻るために裁判などの行動を取るか、市議に執着せず子どもを健康被害から守るための活動をするかなど考えている。識者らと相談している」
 −懲罰動議では、ツイッター発言と、訂正しなかった議会運営委員会の言動を一体と捉え批判している。
 「多数派の市議たちが、献血のツイッターで私に批判が集まったのを好機と見て追い落とそうとした。議運で発言させたがったのもそうだ」
 −懲罰動議について議会内で明確な弁明をせず、議会などの批判をしただけだった。なぜか。
 「弁明しても、多数派の市議やマスコミから足を引っ張られる餌(材料)に使われる。長い説明を議場でしてもマスコミに一部をつぎはぎされるのが嫌で、公平に伝えてくれない不信感もあった。言いたいことはブログに書いた」
 −献血などのツイッター発言をめぐり議会で議論を促し、放射能の影響調査などを進められなかったのか。
 「議会で訴えても、他の市議は問題ないとし、市民には『安心』との立場。私は『安全』を求める。視点が違い議論にならない」
 −ネットの一部の表現が過激との批判がある。
 「なぜそう思うのか逆に聞きたい。言葉狩りではないか。ツイッターでどんな言葉を使うかは表現の自由。私が議会や市役所の問題の内部告発のようなことをやり、議員を続けられたのは、ネットがあったから。議会や行政の中だけの問題や情報がネットで表に出て反響もあった」
 −放射能汚染の危険や議会の問題をネットで発信する際、あえて過激な発言を選んでいるのか。
 「選んでいる。ネットで丁寧に長々と書いても誰が振り返るのか。関心や疑問を持ってもらえなければ、皆さんに考えてもらえない。ツイッターの言葉は新聞の見出しのようなものだ
 −表現を不快に思う人が少なからずおり、放射能の危険性を知らせる目的からも離れてしまった印象がある。
 「批判も含め、発言を見た人が放射能汚染のことを今より考えるようになれば、成果があった。怖いのは放射能汚染や地方議会の問題などへの皆さんの『無関心』だ
 「選挙で投票してくれた人には(再選後)市議として約一年二カ月しか働けず申し訳なかった。市議会や行政が今後、市民や子どもの健康を守ってくれるか考えると、いたたまれない思いもある。何ができるか考えている」

 にわやま・ゆき 1968年生まれ。2007年の桐生市議選で初当選。11年に再選し、2期目だった。


 発端は、次のツイートでした。

献血の車が止まっているけど、放射能汚染地域に住む人の血って、ほしいですか?
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@niwayamayuki 2012/05/25 11:44:42

です。実際はどうなのでしょうか。

庭山氏のブログが詳しいですが、図入りのこちらがわかりやすい さてはてメモ帳 Imagine & Think!から
まず、桐生市の場所
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文科省の公開した放射能汚染マップ
2012062305.jpg

確かに汚染されています。このような汚染地帯であれば、多少なりとも放射性物質が体内に入るのは事実ですし、実際に人の尿や母乳からもセシウムが検出されています。輸血被曝問題については、本年の4月に取り上げました。

 輸血の被曝問題については、何度かツイートしたことがあるのですが、その度に誹謗中傷が非常に多くでてきました。すべての誤解は、内部被曝と外部被曝をごっちゃにしていることです。献血された血液は、たしかにセシウム137で照射されます。目的はリンパ球を殺し、アレルギー反応を抑えるためです。それを「セシウムで照射しているのに、こいつは輸血のことを何も知らないバカ」といった誹謗中傷がその度に渦巻きます。血液の中そのものにセシウムが含まれていれば、それはまったく異なります。輸血による内部被曝ですから、庭山前議員がツイートした内容はまったく持って正しいのです。

 しかし、日本赤十字社はこの問題を全く無視しています。きっかけはこの事件です

赤十字血液センター放射線被ばく理由に献血拒否
2011年06月07日
東京都赤十字血液センター(江東区)が、都内で献血をしようとした福島県いわき市の男性の家族から「原発事故による放射線被ばくを理由に献血を断られた」などと抗議を受けていたことが分かった。日本赤十字社側は「検診医が献血による心身への負担など健康に配慮し実施を見送ったようだ。福島県民の献血を断る規定などはないが、検診医の放射能への理解が十分でなかった可能性もあり、現場教育を再度徹底する」と話している。
 日赤は4月1日、全国の血液センターに対し、国が定める原発作業員の累積被ばく限度量などを参考に、福島第1、第2原発で累積被ばく量が100ミリシーベルトを超えた作業員については「本人の健康状態への配慮」を理由に半年間、献血を制限する方針を通知した。しかし、一般の福島県民については「通常、100ミリシーベルトを超える被ばくは考えられない」と制限していないという。


 日赤が根拠にあげている100ミリシーベルトは外部被曝です。今回は内部被曝による血液そのものの汚染ですから、このような数値で規制するのは間違いです。なぜ、内部被曝を全く無視するのか、他国に気兼ねするより、まず自分の国民の命を守るのが、日赤の役割ではないのでしょうか。そして、この問題は、臓器移植にもかかわってきます。牛で判断する限り、当然臓器の中にもセシウムが蓄積しています。臓器のセシウム蓄積をきちんと調べているのでしょうか(絶対にしていません。なぜなら、被害は起きていないことになっているから)

 このような事実に目をつぶって、現代の宗教裁判よろしく議員の身分を剥奪しても、事実自体はなんにも変わりません。まさしく、現代のガリレオ裁判です。

 今回の原子力報道にはすさまじい圧力がかかっています。そのいくつかをここで紹介します。

NHKが、火災ホテルを「ラブホテル」と報じない理由Business Media 誠 5月15日(火)11時42分配信
(前略)
●カメラマンが見せてくれた「お蔵入り映像」
 個人的には報道の権利よりも優先すべきものがあると思っているので、「ラブホをホテル」はしょうがないなあと思うが、「報道の作法」を気にするあまり、本質的なことを報じられなくなるという問題もある。
 東日本大震災の発生から1週間後。親しい某ニュース番組のテレビカメラマンから「お蔵入り映像」を見せてもらった。
 震災直後、関東某所の避難所に、福島第一原発の作業員が妻と娘をつれて訪れた。彼は協力企業の人間からサーベイメーター(携帯用の放射線測定器)を奪うと、愛娘を調べ始める。すぐに針が振り切れ、ピーピーという大きな音。なだめる協力企業の人間から、「俺は毎日つかってっからわかんだ! やべえだろ、これ!」と怒鳴って取り乱す作業員。震災からまだ1週間ほどだったので、モニターを見て思わず息を呑んだ。
 この映像はテレビ局幹部から「あまりにショッキングで、視聴者の恐怖心をいたずらに煽る恐れがある」としてボツになった。「報道の作法」に反するというわけだ。
 放射線の人体への影響はいまだに議論があるが、あの時、福島第一原発の作業員がこのような形で避難し、恐怖を感じていたというのはまぎもれない「事実」だ。あれはやはり報じるべきではなかったか、と個人的には思う。
 プライバシーや世論の反応を気にして言葉を選ぶのはいい。ただ、「報道」を名乗っているのだから、あまりに度を過ぎて事実から目を背けるというのは、逆に「道」を踏み外していることになるのではないか
[窪田順生,Business Media 誠]


 主文は何かは、リンク先を見ていただくとして、何気ない見だしの中に隠された、とんでもない事実。このような恐ろしい事実から目を背けさせるのは、今回の原発事故の公式報道のひとつの特徴です。

 昨日は、首相官邸前で4万5千人(主催者発表)のデモが行われました。(毎週金曜日)

(直ちに消されるでしょう。たぶん)

大飯再稼働撤回求める 官邸前で「4万人」抗議
 関西電力大飯原発(福井県おおい町)の再稼働撤回を求める市民らが22日夜、首相官邸前で抗議集会を開いた。主催者発表で約4万人、警視庁調べで約1万人が参加。プラカードや横断幕を手に、「再稼働決定は許せない」と参加者が次々に声を上げた。
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2012062307.jpg
nico25banana:@onodekita 本日の官邸前デモの様子をパノラマで撮りました(横のサイズが大きいです)こんな感じで、道なりにずーっと列が続いていました。imgur.com/zGJ9R.jpg [http://twitter.com/nico25banana/status/216150278955745280]



 この大規模なデモ。本日の熊日には一切掲載されておらず、大飯原発再稼働で節電要請が緩和される と言う内容のみ。事実を発作違法どうしない報道機関に存在価値はあるのでしょうか(消費税を減免しろという主張のみは、しっかりしているようですが)
紙面では「消費税増税せよ」といい 新聞代には「税率軽減」求める甘え2011/7/24 15:30

 何もかも根っこは同じです。

◆関連ブログ
母乳からも2011年04月20日
献血と被曝問題2012年04月02日
フクシマ20キロ圏内の牛(血液と筋肉のセシウム)被曝調査2011年12月15日
タグ:P
posted by いんちょう at 07:31 | Comment(9) | 原子力

2012年06月21日

万日山(まんにちやま)をはげ山にする−原発推進と同じ構図

 今は通勤路が変わってしまいましたが、以前は毎朝豊富な自然がある万日山(まんにちやま)のふもとを歩いていました。熊本駅の近くにあります。
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素晴らしい自然をご覧ください。熊本市中心部に近いことを忘れてしまいそうです
2012062107.jpg2011.12.10
このあたりは、未だに変わりません(私有地のため)

2012062002.jpg2011.7.17撮影
なんとこの時は、朝歩いているときにイノシシに会いました。(クリックして拡大すると、右側にイノシシがいます)

2012062106.jpg2012062105.jpg2011.12.10
あの、緑豊かな万日山が殆どはげ山になり、このあと申し訳程度にサクラが植えられました。一人ではとても木の周囲を囲えないようなイチョウまですべて切り取られ、たまに残った大木があるとそれはすべて桜の木でした。

主催は、
2012062108.jpg
再春荘製薬です。ここは、桜十字病院を経営しているところです。そのため、万日山を桜の山にしようとしているのでしょう。このような山の神のような木を切って許されるものか。ずっと頭に来ていましたら、昨日の新聞に次の記事が載りました。

2012062001.jpg
 大変うれしくなり、この質問をされた荒木章博県議に電話を致しました。事務所に電話をし、
「今回の質問は素晴らしかった。是非これからも、万日山の無謀な開発を辞めさせるべく、活動してください。応援しています。」と。

すると、折り返し荒木県議自身から電話がありました。
「知事が、再春館製薬から応援してもらったこともあり、いままでのところほぼ白紙委任で、開発を任せている。昨年の熊本駅の水没は、この乱開発による。今回の開発は1/3に過ぎない。これからどんどんやっていくつもり。開発の前に一度視察をという話もあるが、一部の議員が反対している。(利害関係がある・・工事で儲かるからでしょう。たぶん。筆者注)私一人では、なかなか止まらない。春日の人(万日山地区)は大人しいから、このままではどんどんすすんでしまう。是非、声を上げてください。一人一人が声を上がらないと、止まらないです。」

 県議、市長の選挙事務所に、連絡したことがありますか?本来の民主主義は、みんなで作っていくもので、選挙さえやればいいものではありません。変なことをしたら文句をいう、素晴らしいことをされたら激励の電話をする。選挙民として当然のことです。そして、そのような行為をしている人が、ほとんどいないことは、県議自ら電話をしてくれたことからもよくわかります。

 早速、県庁に電話いたしました。熊本県庁 096-383-1111

熊本県庁の地域振興課 サカナシさんに電話。「強く抗議をした。サクラを植えるのは再春館の趣味。一抱えも、フタかかえもあるような 山の神の木を勝手に切るなと。かならず天罰が下る。土砂崩れがあったら、責任を取れるのか」と

熊本駅水没のニュース
「いくら豪雨でも…」熊本駅地下通路が冠水、一時使用不能に 
 梅雨前線の影響で県内全域が激しい雨に見舞われた12日、熊本市春日のJR熊本駅で、在来線側の東口と、新幹線駅がある西口を結ぶ2本の地下連絡通路がいずれも冠水し、一時使用できなくなった。JR九州熊本支社は水漏れが原因とみて、調べている。  同支社によると、連絡通路は、地下3・4メートルに、JR利用者以外も使える自由通路(長さ63メートル、幅5・4メートル)と、新幹線−在来線の乗り換え通路(長さ49… [記事全文]
2011/06/13 16:53 【熊本日日新聞】


 この構図は、原子力村を本当に小さくしただけです。

・知事を応援する企業
・それに群がる議員
・反対するのはごく一部の郷土愛に燃えた議員のみ

一人一人が声を上げましょう。そして、政治が変な方向に行かないように、監視しましょう。

この開発状況がヒドイと思われた方は、是非熊本県庁に電話をお願いいたします。

2012.7.25撮影 万日山の様子(動画)
続きを読む
タグ:熊本市
posted by いんちょう at 21:45 | Comment(20) | 日記

2012年06月20日

被曝していただいた浪江町の方・・事故当初1mSv/hrを超える高線量エリアが普通にあった

細野豪志大臣クローズアップ現代生出演6/18(細野大臣と国谷さんの部分すべて文字起こし)から

国谷:
今の滋賀県のように国は今回の事故を受けて、
避難の範囲というものをこれまでの10kmから30kmに広げた訳ですね。
それにもかかわらず、その重要な情報や、その指針が出されていない。
あの、福島の人々が、事故の後誤った方向に逃げたといった事を絶対に繰り返してはならないというなかで、
安全を最優先にする姿勢が十分示されているといえるのでしょうか?


細野:
はい、
あのーー、特に浪江町の方々のことがですね、わたし頭から離れないんですよ。
あの時、えーー、10km。
そして20kmという避難のですね、判断をしたわけですけれども、政府は。
その時にきちっと方角を示すべきだったのが、示されなかったと。
あのー、
「そこで沢山被ばくをしていただいたという状況ではない」ということはですね、後ほど確認が出来ましたが、
えーー、それを経験したみなさんの思いというのは、
本当に我々はですね、忘れてはならないと思ってます。

だからこそですね、今政府としては特別な監視体制という事をしいてまして、
しっかりと原発の状況をですね、政府として監視をするという事をやっています。
そして、事故がないという状況を作らなければなりませんが、
万万が一何らかのトラブルがあった場合は、
それをそれぞれの自治体にですね、的確に情報が伝わるような仕組みを作っているんですね。


 日本語の使い方さえご存じないようです。この、SPEEDIですが、未だに大飯原発のシミュレーションは公開されていません。本来気象によって異なるはずですが、このような黒塗りの被害予想図のみ福井県は出してきています。
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これでどうして、的確に情報が伝わるのでしょうか。なぜ、SPEEDIを紹介しないかといえば、答えは一つ。あまりにも被害の状況がひどくなりすぎるから、公開できないのです。このような状況であるにもかかわらず、なぜ経済界が再稼動に賛成できるのか。まったく不思議な話です。

 では、当時のフクシマはどんな状況だったか。本当に素晴らしいことですが、JVJAがフクシマを取材してくれています。

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 今ならわかる放射能の単位が書かれています。3月13日の時点で、1ミリシーベルトを超える放射線量がフクシマで測定されています。

そして、動画も


3月12日にもぬけの殻となっていた双葉厚生病院について・・
もぬけの殻となっていた双葉厚生病院−その時なにが・・(100万アクセス)








 これはどう評価しても、フクシマの人は大量に被曝させられています。「被曝していただいた」などという生やさしいものではないことは、上記動画を見ていただければ、直ちにわかる話です。

◆関連ブログ
2011/3/13 高濃度汚染地区の迫真動画・・早過ぎたレポート2011年08月22日
もぬけの殻となっていた双葉厚生病院−その時なにが・・(100万アクセス)2011年09月20日
震災時の原発周辺動画2011年11月19日
タグ:P
posted by いんちょう at 21:03 | Comment(11) | 原子力

2012年06月18日

仙谷由人−再稼動にかける表の顔と愚劣な言い訳をする裏の顔

 国民の意思を全く無視して、政府が大飯原発再稼働を宣言しました。恥知らずの関西電力は、これで安全のお墨付きをもらった。もう事故が起きてもオレの責任ではない と言う顔をして、再稼動準備を始めています。
 このように国民を無視した決定をしたことに対しては、強い抗議をしなければなりません。電話ができる人は電話、FAXができる人はFAX、メールの人はメールで、関係各所に抗議の声を届けましょう。
私は、こちらで紹介した方法 を用いて
・首相官邸
・経産大臣の地元、東京事務所
・原発担当相の地元、東京事務所
・仙石氏の地元、東京事務所
・大井町役場
・福井県庁
・滋賀県庁
に抗議のFAXを1日1回しています。それが、私の意志です。

 私はシビアアクシデント対策を決める時代に、ちょうど東電の安全グループにいました。東電は、役所から言われたら、いくら理不尽なことでも、そのプライドの高さもあって、どうにか対応しようとします。ところが、関電はまったく違います。役人から、なんと言われようと、「スンマヘン、スンマヘン」で謝りまくって、相手の顔を立て、実際にはなんの対応をしません。東電側の人間は、その様子を見ながら、「あいつらは、プライドも何もないなぁ。謝る度に、頭の中でチャリーンって、音がしてるんだぜ」と陰口をたたいていました。
 そういう背景もあり、東電をはじめとする沸騰水型原発の会社は、シビアアクシデントマネージメント対策として、ベント配管を追加したのですが、関電をはじめとする加圧水型原子力発電所のコストのかかるベント配管は設置せず、水素再結合器でお茶を濁しました。だから、未だにベント配管すら、設置されていないのです。(余談ですが、日本原電の敦賀1号機は、沸騰水型であるにもかかわらず、ベント配管は設置していません。)このようなドケチ関電が、まともな事故対応などするはずもないのは火を見るよりも明らかです。そんなことなど、関電と長年つきあいのある地元自治体、地元民はよくよく知っているはずですが・・

 さて、大飯の再稼動を前のめりにやった主犯はだれか。言わずとしれた無役の電力利権代理人である仙谷由人氏です。枝野氏の国会答弁と代理戦争に書きましたが、
 「仙谷氏に働きかける太いルートはないか」。枝野氏に見切りをつけた業界は、仙谷由人民主党政調会長代行に狙いを定め、「仙石氏の地元、徳島の人脈を中心に探している」(関係者)。東電問題は、業界を巻き込んだ代理戦争の様相も呈してきた。
この工作が、功を奏しているようです。
2012061801.jpg 2012.6.17(日)熊日
 ここまで政権の手続きを主導したのは民主党の仙谷由人民主党政調会長代行だった。「選挙に落ちる覚悟でやり抜け」。3月頃、仙谷氏は4月中の再稼動決断に向け、腹心の枝野幸男経済産業省を叱咤激励した。その後の首相と関係閣僚の会合には6月16日も含め自らもオブザーバー参加した

 なにやら勇ましいことです。国民の意見とまったく乖離したことをやるのが民主主義国家という風潮が、最近のマスコミの論説に目立ちます。そろそろ、戦時中の反省をすべて忘れてしまったのでしょう。まあ、この方が、どっしりした考えをお持ちならば、それはそれで認めないこともありません。

 次のような裁判が行われていたこと、どれだけの方がご存じだったでしょう。

『“立たない”と言った記憶はあるが“立つ”とは言っていない』
セクハラ発言裁判で「事実無根」が完全に裏目に
 通常国会が開会した24日の夕方、その男の姿は東京地裁の第712号法廷にあった。
 仙谷由人政調会長代理は昨年、週刊文春と週刊新潮の記事で名誉を傷つけられたとして、それぞれ1000万円の損害賠償や謝罪広告の掲載などを求めて提訴。24日に開かれた裁判に原告として出廷したのだ。
 問題になったのは、文春が「仙谷官房長官 篠原涼子似日経記者にセクハラ暴言!」、新潮は「『赤い官房長官』の正気と品性が疑われる桃色言行録」(ともに11年1月13日号)という見出しの記事だ。10年末に官邸内で開かれた内閣記者会との懇談会で、当時は官房長官だった仙谷が、お気に入りの女性記者の体を触り、「(アソコが)立つ」「立たない」と下ネタを口にするセクハラをはたらいたという内容である。
 仙谷側は「事実無根であり、読者に対して誤った認識を抱かせた」として告訴。「これはジャーナリズムの危機」とまで断じていた。さすがは弁護士出身だけあってケンカ上手……と思ったら、どうも旗色が良くない。
 この日の裁判では、午前中にセクハラを受けたとされる女性記者が出廷。
「記事に書かれたような発言があったのは事実で、肩も抱かれた。ただ、セクハラとは感じず、訴える気はなかった」
 と証言したのだ。
 裁判を傍聴したジャーナリストが言う。
「“勃起発言”の有無について証言せざるを得なくなった仙谷氏は『“立たない”と言った記憶はあるが“立つ”とは言っていない』とか、『“立たない”という言葉は日常的に口にしている』と珍妙な言い訳を展開。『懇談会には他にも女性記者がたくさんいた』『特定の記者に向かって言ったわけではないからセクハラではない』と牽強付会な主張をして、法廷内の失笑を買っていました
 最後は裁判長から「大勢の女性の前で“立たない”と言うこと自体、セクハラではないのか」と、たしなめられたという。
「記事は“事実無根”として訴えたことも裏目に出た。裁判長から『発言があったなら、どうして(意見書に)そう書かなかったの!』と叱責されていました」(前出のジャーナリスト)
 最近は政界でも存在感はほとんどなし。落ち目の仙谷を象徴するような話である。


セクハラした仙谷氏は「公党の恥さらし」 民主党の女性参院議員が激しく批判2012.6.15 14:17 [民主党]
 「公党の恥さらしだ。幹部の襟を正してもらいたい」
 15日に国会内で開かれた民主党参院議員総会で、谷岡郁子参院議員(愛知選挙区)が、セクハラ行為があったと裁判で認定された仙谷由人政調会長代行を、名指しこそ避けたものの激しく批判する一幕があった。
 仙谷氏は、セクハラ行為があったと報じた週刊誌2誌に各1000万円の損害賠償などを求め提訴したが、東京地裁は12日、「セクハラと受け取られかねない言動があったとの根幹部分は事実だ」として、仙谷氏の請求を棄却した。
 谷岡氏の発言に対し、幹部の反応はなく、他の議員が呼応することもなかったが、仙谷氏のセクハラ裁判が党内の女性議員らに深刻な問題となっていることをうかがわせた。


 セクハラ事件自体は、私はどうでもいいと思います。セクハラ行為かどうかは、男女の関係によって決まるものであり、正しいかどうかなど第三者にわかるものではないからです。それを週刊誌に書かれたからと訴え、しかも理由にならない理由で裁判所で答弁する。原発で事故が起きても、どこかの大臣が「ただちに影響はない。」「7回しか言っていない」といったように、あの時点では、わからなかった。私も関電に騙されたと平気で申し開きをするのは目にみえています。このような裁判を起こすような人間が責任感があるとは私にはとても思えません。

 次のような発言をして、国民を脅すことを忘れません。

仙谷氏「大飯以外も粛々と」再稼働推進を明言 「ロウソク生活には帰れない」2012.6.14 00:25
【脱原発】「脱原発」の動きが、福島第1原発事故の深刻さと絡み、国民の感性的な部分で確かに存在する。しかし、今さらロウソクの生活には帰れない。アジア各国と違い、日本では良質で安定的な電力供給が確保されているからこそ、多くの製造業があるということを忘れてはならない。日本には石油、石炭、天然ガスなどの天然資源がほとんどない。石油価格がどんどん上がってアラブ諸国へ利益が流出している。結果として「働けば働くほど貧しくなる」という経済構造にある。原子力か火力を基盤に置かなければならない

 この記事を紹介しましたら、口が悪い人が「この人、きっと毎晩ロウソクを使っているのよ。」なんて言っていました。一体何に使っているんでしょうね。

仙谷氏のホームページから
2012061802.jpg1989年6月10日発行
2012061803.jpg1993年12月25日発行  
2012061804.jpg2003年2月11日発行
2012061805.jpg2011年2月10日発行

 どうしてこのように顔が変わるんでしょうね。

◆関連ブログ
パソコンを使って効率よくFAX送信2012年06月02日
枝野氏の国会答弁と代理戦争2011年11月08日
タグ:仙谷
posted by いんちょう at 21:24 | Comment(14) | 原子力

2012年06月17日

小倉 フクシマの真実と内部被曝 2012.6.16(土)

 6月16日(土)に小倉で講演会を行いました。雨の中、多数ご来場いただきありがとうございました。熊本は当時大雨で、12時17分から13時まで九州新幹線がストップ。予約していた列車が動くかどうかはっきりしませんでしたので、運転再開された13時の新幹線に飛び乗り(自由席満席)、博多乗り換えでどうにか間に合うことができました。


(内容)
・私の経歴
・総括原価方式のわかりやすいたとえ
・フクシマで何が起きたのか(地盤沈下、ベント、メルトアウト)
・世界規模の汚染
・放射能による内部被曝とその症状
・原爆と原発は双子の兄弟
・各地で見られる突然死・心筋梗塞
・ガレキ拡散をしてはならない理由
・除染不可能な理由
など。ガレキに対しては、ほんの少しの時間しか割いておりません。

 パソコンのAC電源をつなぐのを忘れて、講演会の途中で突如スリープモードになったりと、焦りながらの講演でした。ちょっと慣れてくると、いけませんね。パソコンを電源が簡単に取れるところに移動させたため、音声がうまくのらず・・・その上、ヒロシマ・ナガサキの原爆動画を途中でカットしてしまったりと、個人的には大失敗でした。うまく流せなかった動画を下記にご紹介しておきます。





講演会後の様子。140名ほどが参加されました。
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まったく同じ時刻に小倉南区でガレキ受け入れ説明会が催されたのが、すこし関係したかもしれません
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この会のお世話をされた方のお話によりますと、
市の追加の説明会は、会のメンバーが11日に市役所へ行き、環境局の職員へ前回のような横暴は許さない、ゆとりをもって知らせてほしいと釘をさしていたにも関わらず、翌日の12日にホームページで発表されました。
市議会議員や市の職員にも勉強してほしいと、先生の講演会のことを伝えていたのが、裏目に出たのかもしれません。

 私のする講演会が北九州市に影響を与えることができるとは思いませんが、一応このようなことがあったことだけは、報告させていただきます。

翌日には、いくつか報道もされています。
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がれきめぐり賛否の催し
また、がれきの受け入れをめぐり、北九州市内では16日、賛成、反対の双方の立場の集会や講演会が開かれました。
このうち被災地のがれきの広域処理に賛成の立場をとっている労働団体の連合福岡・北九州地域協議会はJR小倉駅前で集会をひらき、組合員などおよそ150人が集まりました。
集会では、地域協議会の深町裕二議長が「被災地には大量のがれきが残り、復興の妨げになっている。石巻の期待に応えるためにも、北九州市に受け入れを強く求めたい」とあいさつしました。
一方、がれきの受け入れに反対するグループは、16日午後、北九州市小倉北区で講演会を開き、健康への不安などを理由にがれきを受け入れないよう訴えました。
06月16日 13時07分


 私の講演会は、ガレキのことなどほんの少ししかご紹介していません。フクシマの事故推移、内部被曝の影響についての話が殆どです。対する賛成派は、情緒的なガレキの話のみで、しかも労働団体しかもはや動員できていません。一般の市民の参加がまったく見られない中、賛成の方が多いと未だに主張するのでしょうか。

読売新聞
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当日は、DVDの販売もさせていただきましたが、あっという間に売り切れてしまいました。こちらで、販売しております(500円/枚)売り切れ後、当日お申し込みされた方は、月曜日に発送の予定ですので、今しばらくお待ちください。

これまでの講演会の一覧で、どの講演会も無料で聴取することができます。(唯一3回目の院内勉強会のみ、録画に失敗したため、アップできていません)また、いくつかの講演会は、500円/枚でDVDも発売しています。
DVD視聴ができる場所は、各家庭の1等席、そして画面もかなり大きくなりますので、かなり見やすくなります。

DVD紹介ページ
http://onodekita.sblo.jp/article/55924329.html

次回以降の講演会の予定
6月23日(土)14:00-15:30 熊本市和楽 500円
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7月8日(日)14:00-16:00 大分県湯布院 予約500円(当日800円)
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そして、私は参加いたしませんが、DVDを用いた勉強会
6/30 大牟田にて「放射能とガレキのお勉強会」開催
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このような勉強会を各地で開かれてはいかがかでしょうか。

◆関連ブログ
講演会一覧
タグ:講演会
posted by いんちょう at 23:59 | Comment(7) | 原子力

2012年06月16日

プルトニウム汚染地図の衝撃

 事故当初から、プルトニウムは重いからとばないと 御用学者たちが話していました。

東大病院放射線科准教授・中川恵一&日本原子力技術協会最高顧問・石川迪夫「プルトニウムは非常に重いので遠くへ飛散しない」

アナウンサー「一般市民、私たちの生活にはどんな影響があるんでしょうか?」
中川恵一「「はい、これはありません」「この物質は非常に重いんですね。ですから、ヨウ素のように飛散していくことがありません」「わたしが生まれた50年前、プルトニウムの量は今の1000倍だったんですよ」
アナウンサー「半分の威力になるまで2万4000年かかるということですね」
中川恵一「繰り返しですけども、一般住民の方に影響が出るということは基本的にはない。ですからご安心いただいていいと思います」

*********************************************************

また、今年4月のテレビ朝日「朝まで生テレビ!」で、日本原子力技術協会最高顧問の石川迪夫(みちお)は・・・

「プルトニウムが重いから、福島第一原発の敷地内に落ちて、外には飛散していないよ」と断言した。

また、「60年、100年だって耐久性に問題ない。大丈夫ですよ原発は」「原発の作業員だって250mSvまで大丈夫なんだから。20msvなんて気にすることない」「1000年に一度の津波のせいでね、こうなったんだからね」と余裕ともとれる発言を行っていた。  


 まあ、他にもたくさんの方が言われていました。根拠は恐らく次の通り

空気は、窒素80% 酸素20% の組成ですから、質量数で考えれば、
28x0.8+32x0.2=28.8

プルトニウムは質量数が 239 ですから、
239 ÷ 28.8 = 8.3倍

重いというのは事実です。しかしながら、原子そのものですから花粉よりも何よりも軽いわけです。たき火などをすれば、空気よりもはるかに重い灰などがひらひらと空中に舞うのを見れば、単に空気より重いか軽いかで、遠くまで行くかどうかの目安になるはずがありません。気体液体の差などはありますが、大ざっぱに考えると上の通り。仮に大石のように重いのならばもちろんとびませんが、ちょっと考えれば、プルトニウムのプルームがとばないというのは大嘘だとわかる話です。

 とある方から、プルトニウム汚染地図をいただきました。
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この地図の原典

 セシウムの分布とは明らかに異なった様相です。しかも、ネット上ではひっそりと発表されていたにもかかわらず、わかりにくい数値のみで、このように濃淡をつけた地図としては誰も発表していません。
宮城県、茨城県にもプルトニウムが飛散しています。実際、南相馬を訪問した枝野氏・岡田氏
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2011.4.18(枝野氏)

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2011.5.8(岡田氏)

 お二人ともこの汚染をよくご存じだったのでしょう。岡田氏は、手袋をしたまま握手をしています。

このような方たちが原発は安全だから、再稼動と話して誰が信用するのでしょうか。

また、放射能ガレキは、安全と全国行脚している中川恵一氏
「被災地のガレキは放射能に汚染されている」というのが反対の理由のようですが、岩手や宮城のガレキの放射能が特に高いわけではありません。東北全体に対して「穢れ」のイメージを持っているのだとしたら許せません。

 プルトニウムは重いからとばないとウソをついておきながら、今回はガレキは安全と神話をばらまく。1年足らずのうちに数限りないウソをばらまいているのに逮捕も何もされないのは、東大の権威をまとっているからでしょうか。

 では、御用学者かどうかを区別する方法。肥田先生が核心を突く言葉をインタビューの中で話をされていました。

肥田舜太郎 インタビュー|たったひとつ言えるのは、放射線に抵抗できるのは自分の命だけから
−私たち一般市民が、様々な情報に惑わされないようにするには?
「被害を受けている国民の側に立った発言か、放射線を使う側を擁護した発言かを聞き分けるほかしょうがない。そこではっきり分かれます」

 どうですか、見えてきませんか。

ゴルゴ13の2万5年の荒野

が、もはや現実のものとなっています。

◆関連ブログ
民主党重鎮の福島訪問(内部被曝を恐れる人たち)2011年05月11日
戦時中と瓜二つのマスコミと世論(絆に騙されないために)2012年06月06日
posted by いんちょう at 08:28 | Comment(27) | 原子力

2012年06月15日

カネと権力でわかりやすく恫喝する政治家・電力・企業と、ペンで非難する女性評論家

 野田首相は、6月8日に記者会見をして、原発再稼働問題について次のように述べました。

野田内閣総理大臣記者会見平成24年6月8日
 仮に計画停電を余儀なくされ、突発的な停電が起これば、命の危険にさらされる人も出ます。仕事が成り立たなくなってしまう人もいます。働く場がなくなってしまう人もいます。東日本の方々は震災直後の日々を鮮明に覚えておられると思います。計画停電がなされ得るという事態になれば、それが実際に行われるか否かにかかわらず、日常生活や経済活動は大きく混乱をしてしまいます。

 東日本で計画停電がなぜなされたかの分析は、原発の脅し(1)〜計画停電(90万アクセス)を読んでいただくとして、働く場や仕事がなくなってしまった人は、今回の原発事故の影響の方がはるかに多いのではないのでしょうか。大飯原発に何かあったら、その地域−もはや日本全域−に日本人が住める場所はなくなりますし、仕事どころが、国がなくなります。国をなくしてもいいから、目先の仕事が欲しいとは、一国の首相が言う言葉でしょうか。

 そして、奈良林教授もよく使っている−原子力村の人間がもっともよく使いますが−計画停電による命の危険です。これはもうはじめっからわかっていることで、では一体このような患者に相当する人が何人くらいいるのか。在宅で一時も人工呼吸器を止められない人が何人いるのか、もう既に調べ上げているのだろうか非常に不思議でした。この問題は、昨年の計画停電の時から話が出ており、調べようと思えば1ヶ月足らずで調べて、必要なところには、蓄電池などを配布すればいいのですから。
 わたしの職業は開業医ですが、このような調査票は今までまったく送られてきませんでした。その割には、マスコミは命の危険を連呼します。
 ようやく、本日次のような用紙が送られてきました。
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 熊本県が特別遅いわけではなく、大阪などの大都市も6月上旬に始めて調査をしています。つまり、一体どれだけの人が、危険になるかなど一切調べることなく、声高に、原発再稼働のためだけに電力を中心とする役所が命の危険を連呼していたのに過ぎないのです。本当に命の危険がある人が何人いて、計画停電の時にどのような対応をするのかを、昨年から検討してればきちんと対応できていたにもかかわらず、このような付け焼き刃のような対応をする政府。そのような政府が、安全性を確認したと言って、信じてくれる人が一体どれだけいるのでしょうか。

以上は、政府が行った一般国民に対する恫喝です。

 電力側は政治家連中を脅してきます。

田中龍作ジャーナルから
関電労組「署名撤回しろ」 原発再稼働で民主党議員を脅す2012年6月12日 20:48
 関西電力の労働組合が「大飯原発再稼働問題で政府に慎重な判断を求める署名」に名を連ねた民主党議員に対して「署名を撤回するように」と求め「さもなくば次の選挙は推薦しない」と脅していたことがわかった。
 中川おさむ衆院議員(大阪18区)が今夕開かれた、「脱原発」院内集会で明らかにした。再稼働をめぐる労働組合からの圧力は、一部週刊誌などで報じられていたが、超党派の国会議員も含めて約200人もが集まった場所で公にされるのは初めて。
 中川議員によれば、関電労組から11日、同議員の地元事務所に問合わせの電話があった。中川氏は地元秘書を関電労組に説明に行かせ「信念で行ったことなので署名は撤回しない」と答えた。すると関電労組から「次の選挙は推薦しない」と通告されたという。
 同じく署名した辻恵議員(大阪17区)もこの日の院内集会で「私も(関電労組から)応援しないと言われています」と明かした。
 中川氏は「(脅されて)署名を撤回した議員がいる」と筆者に語った。同氏は「民主党の議員で同様に脅された議員は他に何人もいる」とぶちまけた。


もちろん東電労組も
「裏切った民主議員には報いを」 東電労組執行委員長の「恫喝」が波紋2012/6/ 4 19:44
朝日新聞の5月30日付記事によると、新井委員長が不満を示したのは、民主党議員らが脱原発政策を打ち出したことについてだった。新井委員長は、原発事故について、東電は国の認可通りに守っていけば安全と考えてやってきただけだとして、「不法行為はない」と強調した。そのうえで、「支援してくれるだろうと思って投票した方々が、必ずしも期待にこたえていない」と不満をぶつけた。
新井委員長は、「報い」の内容について、大会では明言していない。しかし、朝日の取材に対し、こうした議員には、来る選挙で推薦を出さないことを示唆している。


 いやはや大したものです。この労組の構成員である東電、関電の社員は、労組幹部の言うとおりに票を入れるのでしょうか。会社どころか、労組はそれ以上に腐っていることがよくわかります。

急に言うことを変えた滋賀県知事も
田中龍作ジャーナルから
【原発再稼働】 滋賀県知事 「関西電力と国から脅された」2012年6月13日 16:34

嘉田滋賀県知事。「野田さんは官僚の作文を読んでいるだけ。国民からの視点がない。私がすごく怒っているところ」。=13日、日本外国特派員協会。写真:田中撮影=

 関西電力が「停電」を武器に企業を焚き付け、自治体の首長たちを脅していたことが現職知事の証言によって明らかになった。「再稼働は認めない」から一転「夏場の再稼働は認める」とした滋賀県の嘉田由紀子・滋賀県知事がきょう、日本外国特派員協会で開かれた記者会見で暴露した。

 海外記者から「再稼働反対の声を過激にあげていたにも拘らず、180度スタンスを変えたのは何故か?」と問われた嘉田知事は次のように答えた―

 「(夏場の)電力不足で“停電になったらどうする?” “お前は責任取れるのか?”と関電、国、企業から脅された。大阪の橋下(徹)さんとも話し、“電気が停まったら仕様がないわね”ということになった」。

知事:「300万キロワットは圧縮できると飯田(哲也)さんや古賀(茂明)さんと詰めてきたけど、関西電力が個別企業にこうした(知事は圧力をかける手真似をした)。そうしたら個別企業が“税金払わない”“(滋賀県から)出て行く”と言い始めた」。

 女性知事だからでしょうか、このようなブラフを真に受けてはいけません。出て行きたいのなら出ていけばいいといえば、有権者の支持が集まったでしょうし、出て行く企業はそれこそ滋賀県を脅した企業として、全国に名がとどろいたはずです。

ガスボンベで有名な岩谷産業は、次のような一面広告を出しました。
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このような広告を出せるとは、大丈夫でしょうか。国民がどう感じるかをよくよくわかった上での宣伝ですよね?

日本を牛耳っているとされる経団連の懇親会

歓迎の声がある一方、危機感や遅い対応への批判も 経団連懇親会2012.6.13 22:41
 「計画停電の可能性が小さくなり、みなホッとしているのではないか。今夏は何とかいけるだろう」。帝人の長島徹会長は、こう話した。丸紅の勝俣宣夫会長(この方は、東電の勝俣会長のご兄弟)も「よく(再稼働を)決断したと評価したい。これで何とかなるのでは」と述べ、首相の再稼働の表明を評価した。
 だが、電力不足を懸念する意見も少なくない。「2基のフル稼働までは少し厳しいかもしれない。乗り越えられると願いたいのが本音」と日本触媒の近藤忠夫会長住友金属工業の下妻博会長は「今年はともかく来年は乗り切れないだろう。自由に電気が使えない国は先進国とはいえない」と断言し、さらなる原発の再稼働を求めた。
 一方、夏本番を間近に控えるまで再稼働の見通しが立たなかった“戦犯”について、パナソニックの松下正幸副会長は「政府や原子力安全委員会が迅速に動き、数字など(で安全性)を自信を持って示すべきだった。昨夏から準備期間があったのに本当に遅い」と批判。ロイヤルホテルの川越一相談役も政府の対応の遅さを指摘し、「再稼働を必要とするなら、イデオロギーや感情論を抜きに、科学的な知見を基に必要性をもっと早く国民に説明すべきだった」とした。
 さらにレンゴーの大坪清社長は大阪市の橋下徹市長の責任に言及。「関電の筆頭株主だといって反対を大きな声で唱えたので、みんな混乱した」と断罪。「最後は(限定的な再稼働と)軌道修正したが、振り上げたこぶしをどうおろすか、苦労されたのではないか」と話していた

 経団連では何か言うと村八分になるようですから、みんな同じ意見。まるで戦中の陸軍の様子を見るようです。日本は経済一流と言われていましたが、皆さんはどう思われます?

 このように、おおっぴらに根拠なく恫喝しても一切罪に問われないにもかかわらず、一市民がちょっとツイッターなどでつぶやいただけで逮捕されます。

島田市に脅迫メール 容疑の51歳男逮捕
 震災がれきの本格受け入れを始めた島田市の代表アドレスに、「首を洗って待っていろよ」などと書かれたメールが届いた問題で、島田署は13日、焼津市西小川、無職渡辺雅彦容疑者(51)を脅迫容疑で逮捕した。
 発表によると、渡辺容疑者は今年5月20〜28日、自宅のパソコンから、島田市の代表アドレスに「職員にお礼参りに行くからな」などと危害を加えることを予告するメールを送信した疑い。「がれきの受け入れを中止してほしかった」と容疑を認めているという。
 渡辺容疑者が送信したとみられるメールは約10通届いており、島田市は今月6日、被害届を出し、同署が捜査していた。
(2012年6月14日 読売新聞)


 「クビを洗ってまっけおけ」で逮捕ですからね。今に、○○はバカだ と言っただけで逮捕される時代が来るのでしょうか。そんなことよりも、もっともっと大きな恫喝を取り締まるべきではないのでしょうか。

政府は、なかなか従わない国民に対して、軍隊を持っていることを明示する訓練まで始めました。

陸自、都内“武装行進” レンジャー訓練、42年ぶり2012.6.12 11:08
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小銃を携帯し、迷彩服姿で市街地を行進する陸上自衛隊員=12日午前、東京都板橋区
 小銃を携帯した迷彩服姿の陸上自衛隊員が12日、東京都板橋区と練馬区の市街地を徒歩で行進した。陸自によるとレンジャー隊員養成訓練で、武装して都内の市街地を行進するのは、1970年から42年ぶり。
 今回訓練するのは、23区を警備区とする部隊で、陸自は「災害派遣に備えるためにも、市街地の行動に習熟する必要がある」と説明するが、陸自内部にも「災害現場で銃が必要なのか」と批判する声があった。
 一部住民が、訓練中止の仮処分申請をしたが、東京地裁が11日に退けた。
 陸自によると行進するのは、板橋区の荒川河川敷から練馬区の練馬駐屯地までの約6・8キロで、15人前後の隊員が、歩道を行進。
 レンジャーは、偵察や奇襲攻撃のための特別な訓練を受けた遊撃隊員。陸自によると、隊員は極めて困難な環境でも任務が実行できる能力を持つという。


 言葉で逮捕、武力を誇示して都内をレンジャー訓練。

どこの国でもなく、この日本で行われていることです。そして、最初からチェルノブイリのことなどを考え、原発避難民の世話をして来たと言われている 池田香代子氏は「避難したあなたへ」という文章を書き、放射能の怖さに耐えきれずに逃げ出した人をやんわりとするどく非難しています。
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 軟らかい文章ですが、江川紹子氏と似た雰囲気があります。ここで論評することは避けます。

がっかりする内容ばかりですので、東本願寺が出した声明文を紹介して終わりにします。

大飯原子力発電所再稼動に関する声明
 真宗大谷派は、福島第一原子力発電所の事故以来、一貫して「原子力発電に依存しない社会の実現」を目指してきました。
 私たちは、福島第一原子力発電所の事故により、ひとたび放射性物質の拡散が起これば、取り返しのつかない事態に陥ることを、改めて思い知らされました。そして、原子力発電の「安全神話」も「必要神話」も、経済を優先するあまり、人間が創り出した闇であったことを認めなくてはなりません。
 今なお、福島第一原子力発電所の事故で多数の苦しんでおられる方がある中で、一旦停止した原子力発電所を再稼動する理由に、人のいのちよりも優先すべきことがあったのでしょうか。
 ここに、真宗大谷派は、このたびの野田内閣総理大臣の大飯原子力発電所再稼動を表明されたことに対し、強く遺憾の意を表明いたします。あらためて大飯原子力発電所はもとより、他の原子力発電所も決して再稼動することのないように、念願するものであります。
2012年6月12日
真宗大谷派(東本願寺)                 
宗務総長 安 原   晃


 我々は一人ではありません。生き抜いて生き抜きましょう。

◆関連ブログ
原発の脅し(1)〜計画停電(90万アクセス)2011年09月14日
放射能を必要以上に怖がることは「エセ科学」=カルト宗教-新聞論説から2011年08月29日
タグ:電力 脅し
posted by いんちょう at 16:01 | Comment(12) | 原子力

2012年06月14日

女川原発 1メートルの地盤沈下と5メートルの東方移動

 ガレキを全国にばらまこうとしている女川町。ここに原発があることは皆さんご存じでしょう。
原子力施設運転管理年報 から(これは、全国原発の運転状況、トラブルがまとまっていますのでいろいろと有用な資料です)
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 これを見ると、女川は1号機と3号機が運転中だったようです。

東北のプレス文

地震発生による原子力発電所の状況について(第一報)
平成23年 3月11日
本日の地震発生に伴い停止した発電設備の状況についてお知らせいたします。
<女川原子力発電所>
 女川原子力発電所(宮城県牡鹿郡女川町および石巻市)は、1号機および3号機が通常運転中、2号機が原子炉起動中のところ、地震の発生に伴い、14時46分、女川原子力発電所全号機において、原子炉が自動停止しました。観測した加速度は、567.5ガルです。
 これは、地震発生の際の安全確保策として設計どおり停止したものであり、排気筒モニタ、モニタリングポストに変化はなく、この自動停止による環境への放射能の影響はありません。
 現在、現場をパトロール中です。
【1号機の状況】
・地震の揺れにより、燃料プールから床面に水が溢れたことを確認しております。
屋外重油タンクが傾いたため、油漏れの恐れがあります。
・起動変圧器の故障に伴い、外部からの電源供給が停止しましたが、非常用ディーゼル発電機が自動起動し、電源供給をしております。
・タービン建屋地下1階において、火災と思われる煙が発生し、現在確認中です。
【2号機の状況】
・地震の揺れにより、燃料プールから床面に水が溢れたことを確認しております。
原子炉建屋地下3階非管理区域において、浸水を確認しております。
【3号機の状況】
・地震の揺れにより、燃料プールから床面に水が溢れたことを確認しております。 
<東通原子力発電所>
【1号機の状況】
・むつ幹線および東北白糠線の停止に伴い、外部からの電源供給が停止しましたが、非常用ディーゼル発電機が自動起動し、電源供給をしております。
 観測した加速度は、180ガルです。
・ 本事象に伴い、14時48分、保安規定第58条に定める運転上の制限を満足していないと判断いたしました。
・ 排気筒モニタ、モニタリングポストに変化はなく、本事象による発電所周辺への放射能の影響はありません。
<参考>当社原子力発電所状況

女川原子力発電所
1号機:通常運転中のところ、原子炉自動停止
2号機:定期検査中(原子炉起動中)のところ、原子炉自動停止
3号機:通常運転中のところ、原子炉自動停止
東通原子力発電所
1号機:定期検査中のため停止中
以  上


そして、今ならその数値の高さがわかる値

女川原子力発電所のモニタリングポスト指示値上昇に伴う原子力災害対策特別措置法第10条に基づく通報平成23年 3月13日
当社女川原子力発電所の敷地境界の放射線量を測定しているモニタリングポストの指示値が、昨日23時頃より上昇し始め、一時的に最大21マイクロシーベルト/時※1となったことから、本日12時50分に、原子力災害対策特別措置法第10条※2に該当するものと判断し、関係機関に通報いたしました。
※原子力災害対策特別措置法第10条の通報基準値は、5マイクロシーベルト/時
 なお、以下の理由により、モニタリングポストの一時的な指示値の上昇は、女川原子力発電所からの放射性物質等の放出によるものではありません。
1.女川原子力発電所1号機は3月12日0時58分、2号機は3月11日14時46分、3号機は3月12日1時17分にそれぞれ冷温停止となっている。また、その後は3基とも特にプラント操作等は行っておらず、排気筒放射線モニタ指示値以外のパラメータにも変動はなく、安定した状態である。
2.原子力災害対策特別措置法第10条の通報基準値は、モニタリングポストにおいて5マイクロシーベルト/時が観測された場合であり、この値は、排気筒放射線モニタの指示値に換算すると、1,650cps※3に相当する。しかし、今回は、モニタリングポスト指示値は最大で21マイクロシーベルトであるのに対して、排気筒放射線モニタの指示値は44〜47cpsであり、通常より高いものの十分低い値となっている。
3.女川原子力発電所の影響である場合は、排気筒モニタの指示値が上昇した後に、モニタリングポストの指示値が上昇することになるが、今回は、モニタリングポスト指示値の上昇開始が3月12日23時頃であるのに対して、排気筒放射線モニタ指示値の上昇開始は3月13日0時頃となっている。
 なお、最大値である21マイクロシーベルト/時は、女川原子力発電所敷地境界に約20日間滞在し続けた場合に、宮城県地域防災計画における屋内退避の目安である10ミリシーベルト相当に達する値である。今回、最大値の21マイクロシーベルト/時を測定したのは約10分間であり、その後のモニタリングポストの指示値は下降してきている。
以 上


当時のグラフをいただきました。これを見ると、下降しているというのはウソではありませんが、殆ど変化がありません。かなり高レベルのヨウ素被曝を受けてしまったことが見て取れますね。@wolfgandhiさん、ありがとうございました。
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下記のシミュレーションを見ると、確かにその時刻にフクシマが女川を襲ったことはわかります。3月12日〜13日に世代近辺にいた人は、かなりのヨウ素被曝を受けた可能性があると言って良いのではないかと思われます。


東北電力から
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場所は違いますが、ナチュラル研究所測定の東京をプルームが襲ったときの変化
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 このように上昇しますが、通常はその後急激に下がります。シミュレーションを見ても女川原発にその後継続的にプルームが襲ったようにはとても思えません。と言うことは、女川原発が放射能を漏らしてしまった可能性が高いのではないかと私には思えます(確証はありませんが)このように非常に高いレベルの放射能が継続した地域のガレキを東京、その他で受け入れて燃焼すると言うことは、自作行為、そして国家的なテロ行為であると言って良いと思われます。この地域にあるガレキを「安全なガレキ」と思えますか?

さて、女川の状況。地盤を見て大変驚きました。フクシマでは50センチの地盤沈下でしたが、女川ではなんと1.2メートルの沈下
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そして東方向に5.3メートルの移動
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これだけ移動して大丈夫な建物、配管があるとはとても思えません。

保安院は,このことについて次のような呆れ果てる報告書を出しています。

平成23年東北地方太平洋沖地震の知見を考慮した原子力発電所の地震・津波の評価及び福島第一及び福島第二原子力発電所の原子炉建屋等への影響・評価に関する中間取りまとめについてから
平成23年東北地方太平洋沖地震の知見を考慮した原子力発電所の地震・津波の評価について平成24年2月16日経済産業省 原子力安全・保安院 から
2.2.3 地殻変動量
国土地理院によれば、女川原子力発電所が位置する牡鹿半島の電子基準点「牡鹿」で約1.2mの地盤沈下し、水平方向の変動量(東南東)は約5.3mと報告されている。また、東北電力の報告によると、GPS測量による地形解析を実施した結果、地震地殻変動により敷地は1m程度沈下したが、その変動量は敷地内で上下・水平方向に一様であり、地盤の傾斜は生じなかったとしている。(図U.2−4)


 この報告書を読んで、地盤沈下のことを経産省が認識していることはわかりました。実はこの資料を提示して、フクシマで地盤沈下が起きても建物にはなんの問題もなかったと情報をくれた人がいました。
 この考え方は甘すぎます。私は阪神大震災の時に、東電の安全関係部門にいました。阪神大震災が起きたときに、当然全電力が通算省(当時)に呼びつけられました。その時に通産技官が発した言葉は「阪神大震災では、新しい知見はなかった。それにそって、資料を作るようにと言われたのです。」今回は、GPSのデータがあるので、地盤沈下は認めざるを得ません。ところが、一様に沈下したから大丈夫と、誰が見てもわかるウソを書いているわけです。以前、柏崎はアリ地獄の砂丘に造られていたで書いたように、殆ど地盤沈下のなかった中越沖地震でも東電はとんでもない目に合わされました。今回の牡鹿半島は、ほんの僅かな距離で10センチ以上の地盤沈下に差があります。これで、敷地内に埋設された配管に異常が起きないはずがありませんし、サポートで固定された配管に不具合が起きないはずがありません。
 それは、地震を経験したことのある工事現場の方なら議論の余地なく認めることです。この女川原発は、二度と稼働できないのは最早当たり前で、今の復旧工事は、体裁を整えるためにやっていると言って良いでしょう。

 そして、このようなとんでもない地盤沈下が起きた女川町。ガレキを撤去さえすれば、復興ができると言っているのは、本当なのか。現地に行かれた方のツイートを紹介しておきます。

hainori2:@aoi_azuma @kamitori @mikotolovelight @onodekita 女川町 写真の所見てきました。地盤沈下もあり、鉄筋建物転倒。本当に波にさらわれ壊滅状態。インフラの問題ではない、人が住めるとは思えない状況。実際誰もいない。分別トラックや重機あるのみ [http://twitter.com/hainori2/status/212161348828807170]

hainori2:@aoi_azuma @kamitori @mikotolovelight @onodekita 広域処理で解決する状態とは思えなかった。近場で集中処理する方法を考えた方がよい。沼地状態の所や防波堤決壊、地盤改良など課題山積です。瓦礫そのものは阪神大震災より少ない。東北は広かった [http://twitter.com/hainori2/status/212162431278006272]

hainori2:@aoi_azuma @kamitori @mikotolovelight @onodekita お返事ありがとう。女川は平野部分が元々少ない。リアス式。もうそこは沼状態。人が住むには時間はかかるでしょう。技より術支援や南相馬など線量がより低いので欲しいと聞きました。最良の方法を [http://twitter.com/hainori2/status/212666077845524480]

 かなり高レベルに汚染された女川のガレキを全国で燃やそうとしているのは、全国に放射能内部被曝を起こして、政府、東電の責任逃れをするためではないのでしょうか。全国で同じような健康被害が起きてしまえば、風疹、熱中症、インフルエンザ、トキソプラズマによる奇形等々 簡単にごまかしがきくわけですから。

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お子さんの甲状腺機能検査を2011年10月18日
柏崎はアリ地獄の砂丘に造られていた2011年10月16日
posted by いんちょう at 20:15 | Comment(9) | 原子力

2012年06月13日

放射能防護服を着ての実験農作業−大熊町から

 チェルノブイリより放出量は少ない、福島は安全だとのムード作りが盛んですが、本当の汚染はどのくらいなのでしょうか。
グリーピースは、「福島まるで別世界」と発言(あまりにも高汚染地域なのに人が普通に生活している)していますが、政府は除染除染とお題目のように唱えています。

先日はこのような講習会が開かれています。

二本松で「農の健康相談会」 被ばく防止で質問多数
 道の駅「ふくしま東和」を運営する、ゆうきの里東和ふるさとづくり協議会(二本松市、大野達弘理事長)は4日、原発事故の甚大な影響を被っている農業者から、農業に関する疑問や質問に答える相談会「農の健康相談会」を同道の駅で開いた。
農業者の質問や疑問に答え、不安解消につなげて農業に自信を持ってもらおうと企画。本年度から定期的に開催していく予定で、この日が初回。3月に茨城大農学部教授を退官した中島紀一さんが農業者約20人の相談に答えた。
 相談会では、農地や農産物、被ばくに関する質問が多かった。このうち「農作業中の被ばくを防ぐためにどうしたらよいか」の問いには、中島さんが「農作業の時間を短縮して外部被ばくを減らす。内部被ばくを減らすには、砂ぼこりが舞う日の作業は避ける。行う場合はマスクをしたり、水をまいたりする」と答えた。
(2012年6月7日 福島民友トピックス)


 人間が普通に農作業できないような場所で、農作物を生産して大丈夫なのでしょうか。何か根本的に間違えているような気がします。そして、本日のニュース

防護服姿で田植え 大熊でコメと野菜を試験作付け
 東京電力福島第一原発事故で全域が警戒区域となっている大熊町は12日、放射性物質が農作物にどの程度取り込まれるかを調べるため、町内の田畑でコメと野菜の試験作付けを行った。町によると、警戒区域内での試験作付けは双葉郡内で初めて。今後、町職員が農作物を管理し、随時収穫して検査する。
 試験作付けは、町役場近くの同町下野上字清水の田畑で実施した。4メートル四方の田と畑でコメと野菜を育て、汚染濃度を調べる。隣には表土を約5センチ除去した田畑を用意し、同様に作付けして除染効果を確認する。
 町職員らが防護服を着用して作業した。水田に入って苗を手植えした他、畑にニンジンやホウレンソウ、ダイコンなどの種をまいた。町は「何年後になるか分からないが、町で作物を作れるようになるようデータを取りたい」としている。
 町によると、町役場近くの放射線量は毎時7〜8マイクロシーベルト程度という。
( 2012/06/13 08:49 カテゴリー:今日の撮れたて 福島民報)

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 タイベックとマスク(全面マスクではないようですが)をつけて、田植えをしています。このタイベックには、放射線(外部被曝)を防ぐ能力は一切ありませんから、この農作業をされている役場の方たちは、内部被曝を気にしているのは間違いありません。では、このあたりは一体どれくらい土壌が汚染されているのでしょうか。記事中には、7〜8μSv/hrと書かれていますから、
8x6x20=960uSv/月〜 1mSv/月
そして、1年では10mSv程度だから、健康に被害はないと言いそうです。

この同町下野上字清水 の場所ですが、大熊町が日本の行政府としては珍しい国際標準の Bq/m2の汚染状況を発表してくれています。

【更新】大熊町内の土壌汚染調査結果のお知らせ 2011.6.30から
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清水は(3)に当たります。この調査をしたときには空間線量が 22.0uSv/hr でした。汚染は、

セシウム-137+134 で 4,700kBq/m2 = 470万Bq/m2
セシウム-137単独で  2,520kBq/m2 = 252万Bq/m2

となります。

この基準をチェルノブイリで当てはめてみます。
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なんと、居住禁止区域に入ります。チェルノブイリの農地利用禁止基準は、555kBq/m2ですから、その約50倍の地域なのです。このような場所で、いったいなぜこのような実験をする必要があるのでしょうか。旧ソビエトでさえ、居住が禁止された高汚染地帯なのです。しかも除染の結果は明らかではなく、空間線量を発表するのみ。一体いつになったら、このような茶番とも言える「復興」劇が続くのでしょうか。

今年度の福島県警の募集ポスター
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そして、NHKの毎日のニュース
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一体本当のところはどこにあるのでしょう。

◆関連ブログ
福島の状況−再生を高らかにうたうが、セシウムは樹木の内部まで浸透2012年01月25日
福島はまるで別世界・・グリーンピース2011年08月09日
5700万Bq/m2(1500Ci/km2)の大地〜大熊町
posted by いんちょう at 16:29 | Comment(11) | 原子力

2012年06月12日

留守番電話の方がはるかにマシな自民党本部の電話応答

 どうやら、この国の民主主義は形だけだったようです。本日の熊日新聞記事

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 私はこの一面記事を読んで、腰を抜かすほどたまげました。そもそも、谷垣自民党総裁は、できるだけ早く解散総選挙に追い込むと言っていたわけで、野田氏がこのような発言をするのならば、消費税増税法案に賛成する理由は一切ないはずです。

 恥ずかしながら、自民党本部に電話するのは初めてです。何らかの討論ができると思って本日の午前中に電話をかけました。連絡先は、自民党のホームページに書いてあります。

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実際の電話


いやはや、呆れ果てました。こちらが何を言っても、何も答えない。一体だれのために政治をしているのでしょうか。討論になるならまだマシです。こんな応対をされたことは、今まで一度もありません。怒ったり、話しにならなかったりすることはあったにしても、相手にされないことは初めてでした。このような応答をするくらいならば、
「ご用件のある方は、ピーという発信音のあとにお話しください。かならず、自民党総裁にお伝えいたします。ピーーー」
で十分ではないのでしょうか。

 自民党の方には、電話対応をもう一度考え直していただくよう、お願い申し上げます。

 それにしても、消費税法案が通らなければ、衆議院を解散すると脅している野田首相に、自民党がなぜ、協力するのか。わかる方は、教えていただけませんか?
タグ:自民党
posted by いんちょう at 22:20 | Comment(16) | 日記

2012年06月11日

「放射能が怖いのは文系、低所得、非正規、無職」-現代版はだかの王様

 核エネルギーは、その隠蔽を好む体質から、様々な影響を人間社会に及ぼしています。

・「欲しがりません、勝つまでは」を彷彿とさせるように、『「我が子さえ良ければ」という発想はいかがなものか』と、一億総玉砕を進めたマスコミ
放射能を怖がる人間を夫婦げんかをする女性にたとえたJAEA

 放射能を危険視する人びとをバカにしているわけです。この本家本元と思われる調査が4月に発表されていますので、こちらで紹介いたします。

【仕事のエコノミクス】vol.31 【更新日:2012.04.16】
「放射能が怖いのは文系、低所得、非正規、無職」 ――慶応大の調査結果に、反響さまざま
 東日本大震災や原発事故が「家計に与えた影響」について、慶應義塾大学が調査を続けている。このほど発表された結果が、意外な波紋を呼んで話題になった。
 この調査は震災前と震災直後、さらに夏の節電を経験した後の家計行動の変化を追跡したものだが、そこではっきりと浮かび上がってきたのが、
「原発事故・放射能への不安や恐怖は、文系・低所得層・非正規雇用者・無業者ほど大きい」
 という、動かしがたい統計的事実
だったからだ。
 調査は、同大学のパネルデータ設計・解析センターが全国の約6000世帯に対して、調査票を郵送して実施。回答から明らかになったのが、放射能恐怖と就労や所得のあいだの関係だった。調査には十分なサンプル数があり、有意差のある結果となっている。

費用面の理由で、転居などの対策が取りづらさが理由
 ところが、調査結果に対して、
「文系や低所得者をバカにしたものだ」
 という、見事なまでに短絡的な反発が相次いだことで、盛り上がった。もはや慶応大の思うツボだろう。はからずも、反発している人間自身が、
「無前提に、文系や低所得者をバカにしている」
 ということを証明している。

 当然ながら、調査をした慶応大は冷静だった。これに対して、次のような至極もっともな分析を示し、余裕をみせている。
「原発事故・放射能汚染に対する恐怖・不安は、科学的知識が少ない文系出身者でより強かったと考えられる」
「低所得層や非正規雇用者・無業者で恐怖・不安が強かったのは、事故や放射能汚染が深刻化した際に、費用面の理由で、転居などの対策が取りづらいことに起因しているとも解釈できる」
 調査結果によれば、原発や放射能への恐怖や不安は、震災直後に比べて、6月時点に増大したという。
 また、恐怖や不安の強い人ほど、睡眠時間が減ったり、食料の買い溜めをしたりしていたそうだ。知人と繋がろうとする行動も顕著にみられたという。
 さらに、こうした恐怖や不安感の強い人は、震災後、生活のストレスが増大したり、睡眠時間が減少したりしていた。

放射能が怖いだけでなく、幸福感も増した低所得層
 ところで、この調査が浮かび上がらせた興味深いポイントが、もう一つある。震災後、低所得層や非正規雇用者ほど、
「生活満足度や幸福度は、震災後に高くなった」
 ということが明らかになったのだ。

 震災では、低所得層や非正規雇用者ほど、収入の減少やストレスの増大を経験している。だから、この結果は一見、矛盾するようにも見えるだろう。どう解釈したらよいのか。

 ここでも慶応大は、次のような落ち着いた見方を示した。
「震災の負の影響は、低所得層や非正規雇用者で大きいが、『他人よりも自分のほうが相対的には悪くない』と思うことで、生活満足度や幸福度は高まった」
 つまり、もともと「失うもの」が少なかった低所得層や非正規雇用者ほど、震災による悪影響について、「自分は他人よりはマシだ」と考えているらしいのだ。
「このような方々の恐怖心や不安を取り除くような施策や支援が求められる」
 調査結果にもとづいて、慶応大はそう提言している。


慶応大の調査結果から(ホームページから消されそうなので、追加しておきます。コメント欄に面白い分析がしてあります)・・追記に転載しました
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 残念ながら、筆者の名前がありません。慶応大学の名前の調査で、放射能を怖がる人をバカにする記事を上から目線で書く。なかなか大したものです。この人にとっては、あの憧れの「慶応大学」が6000名もサンプルして書いた統計調査だから、信じるに足る。と考えていることが垣間見えますから、まず慶応に憧れていたが、入学できなかったであろうことが容易に想像できます。どのような大学であれ、もし入学して調査研究をしているのならば、大学の調査がいかに表層的なものであるかなど、よくよく知っているからです。例えば、私などは、あの「東大」の先生が何を言っても、最初からまったく信用していません(もう、最近は全員そうなっていると思いますが)。慶応に権威があると思っているこの筆者の立ち位置があらわになっています。

 また、このような調査をしようと思った「慶応大学」、さすが初代学長がお札になっているだけのことはあります。大したものです。巷では、次のような会話が行われているのではないでしょうか。

「あら、奥様、あの慶応大学が、放射能を怖がるのは、低所得層だと発表されましたのよ。もしや、あなた低所得層ではございませんわよね?」

放射能が怖いというと、世間の人からバカにされる。バカにされるくらいなら、放射能のことなど怖くないと言っておこう。自分は、理系だし、高所得層なんだから。
と考える人間の嫌らしさが出てきそうです。

はて・・・この話・・・どこかで聞いたことがありますね。まわりからバカにされるから、見えたフリをする。
はだかの王様から
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読んでいてあらためて思ったのだが、これは実に深いストーリーだ。
誰もが服など見えないのに、見えないと素直に言えば自分がうそつきかばかものだと思われる。
それを避けるために、見えるとうそをつく。
正直者とされていたはずの大臣を始め、側近のものも街の人も、そして王様自身もそう振る舞うのである。

しかし、実はそれこそがうそである。
見えないのに見えるとうそをつく。
つまりうそつきである。
だから見えない。
なんだか混乱するが、詐欺師の言う事は、実は詐欺とも言い切れない。

王様も大臣も家臣も街の人たちも、みんながみんな「見えない」と言い出せない。
周りの雰囲気に、素直な自分の意見を言い出せない。
それを破れたのは、まだ見栄や外聞などを気にしない素直な子供だった。
それを言ったらどうなるか、など考えないからこそ素直に言えた。
我々は果たして大人たちを笑えるだろうか。


 突如現代の世に現れた「はだかの王様」、あなたは笑い飛ばすことができますか?

◆関連ブログ
2012年06月06日
戦時中と瓜二つのマスコミと世論(絆に騙されないために)
放射能を女性のヒステリーにたとえたJAEAと消されたページ2012年06月08日

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タグ:P 放射能
posted by いんちょう at 15:55 | Comment(28) | 原子力

2012年06月10日

熊本市−フクシマの真実と内部被曝(95分) 2012.6.9( 土)

 熊本市ウェルパルで、講演会を行いました。

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参加者は主催者の見込みを大幅に上回る100名以上。入場できずに帰られた方もいるとお聞きしました。

(内容)
・私の経歴
・総括原価方式のわかりやすいたとえ
・フクシマで何が起きたのか(地盤沈下、ベント、メルトアウト)
・世界規模の汚染
・放射能による内部被曝とその症状
・原爆と原発は双子の兄弟
・各地で見られる突然死・心筋梗塞
・ガレキ拡散をしてはならない理由
・除染不可能な理由

などを紹介しています。講演会の内容はすべて微妙に異なっていますが、その性質上だんだんと原爆に割く時間が増えていることが自分でもよくわかります。

これまでの講演会の一覧で、どの講演会も無料で聴取することができます。(唯一3回目の院内勉強会のみ、録画に失敗したため、アップできていません)また、いくつかの講演会は、500円/枚でDVDも発売しています。
内容は同じですが、DVD視聴ができる場所は、各家庭の1等席、そして画面もかなり大きくなりますので、かなり見やすくなります。

DVD紹介ページ
http://onodekita.sblo.jp/article/55924329.html

次回以降の講演会の予定

6月16日(土)15:00-18:00 福岡県北九州市 予約受付中
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6月23日(土)14:00-15:30 熊本市 認可外保育園に子どもを預ける保護者と保育士
(一般参加不可)

7月8日(日)14:00-16:00 大分県湯布院 予約割引あり(500円) 当日800円
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◆関連ブログ
講演会一覧
posted by いんちょう at 08:32 | Comment(7) | 原子力

2012年06月08日

放射能を女性のヒステリーにたとえたJAEAと消されたページ

 原子力村のやることは、もう訳がわかりません。ウソばかりついているものですから、歴史を積み重ねることができず、右往左往しながら、表面のつじつま合わせだけで資料を作り上げます。時間が経ってその資料を見てみると、もはや色褪せて、腐臭が漂ってくる。そんな感じです。

JAEAのホームページに掲載されていた、放射能を簡単に説明するページ
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ちょっと内容を書き下しておきます。
“原子力の話にはたくさんの専門用語が使われていて非常に難しい・・・・”
そこで、核燃料サイクル工学研究所では、専門用語を分かりやすく伝えるにはどうすればよいのか、東海村とひたちなか市在住の女性6名の方々と一緒に考える取り組みを開始しました。

なぜ女性か?・・・
社会調査によると、女性は男性に比べ、原子力の技術的な情報に対する理解度や満足度が低いことが分かっています。そこで、わかりやすい情報の発信には、女性の視点をいかに取り入れるかが鍵となってきます。

例えば・・・
 「放射線」や「放射能」という用語は良く耳にしますが、この違いをはっきり区別できていない方も意外と多いのです。この度、女性(主婦)の視点でそれらの言い換えに挑戦してみました。普段の夫婦生活でどこにでもあり得る場面と関連付けて表現すると次のようになりました。
奥さんの「怒鳴り声」が「放射線」
怒鳴り声を上げてしまうような奥さんの"興奮している状態"が「放射能」
起こって興奮している奥さんそのものが「放射性物質」

 いやはや、呆れ果てる表現です。しかも、この言い換えを作ったのは、
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 JAEAリスクコミュニケーション室の 郡司郁子氏

地層処分の勉強会をするのに、表面はアロマ石けんの講習会として開いているようです。
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当然スポンサーは東京電力
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思いっきり、主婦を小馬鹿にしたスライド。
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そして、例のスライド
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信頼される専門家
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信頼されない専門家
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東京電力に教授されてはいかがですか?

ところが、この素晴らしく良くできたホームページ。ネットで話題になり始めたのが、6月3日の午後。なんだなんだとさわぎになって、6月4日の午前中には、次のようなページになってしまいました。
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 そして、上記でしめした郡司氏のpdfファイルも本日参考資料にしようと思って、アクセスしたところ削除されていました。

 日本の記事になるのは当然ですが・・・
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オーストラリア
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スイス
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フランス
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 それにしても、JAEAもこのような対応だけは素早いですね。ツイッターでも監視しているんでしょうか。
posted by いんちょう at 17:36 | Comment(10) | 原子力

2012年06月07日

拍手を禁ずる北九州市のガレキ受け入れ説明会

 ガレキ焼却で揺れる北九州市。6月6日に行われた説明会の様子
北橋市長が市民と初の対話〜震災がれき広域処理でタウンミーティング開催
東日本大震災2012年6月 7日 10:33
 6日、宮城県石巻市で発生した震災がれきの受け入れをめぐって、北九州市は、同市小倉北区の北九州国際会議場で「東日本大震災で発生した災害廃棄物の広域処理についてのタウンミーティング」を開いた。メイン会場には500席が用意されたが、熊本からチャーターバスで約40名が駆けつけるなど市内外から約1,000名の市民が参加。会場外に設けられたパブリックビューイング約300席にも立ち見が多く出た。

 タウンミーティングでは、最初に北橋健治市長が約30分に渡って講演。震災がれき受け入れの必要性や、試験焼却で採取したデータなどを用いて、その安全性を説明した。また、風評被害対策についても触れた。

 先月行なわれた試験焼却を受けて、愛媛県松山市の小学校が北九州方面への修学旅行を中止するなどすでに風評被害は発生しており、市としての対策に注目が集まっている。講演のなかで北橋市長は、「国も対応窓口を設置するなど、協力を約束してくれた。しかし、市としては国任せにせず、風評被害対策に取り組む所存。しかし、それでも被害が出てしまった場合は、地元の人が率先して地域の食材を食べるなど、食べて応援して欲しい」と呼びかけた。

 その後、市長や放射能の専門家などによる来場者との意見交換会が開かれた。回答者は、市が設置する「災害廃棄物の受入に関する検討会」の構成員4名と市長や環境局長などを加えた7名。

 意見交換に先立って、これまで反対派の市民グループを牽引してきた遠賀郡の斎藤利幸弁護士が、「進行に異議がある」として、震災がれきを広域処理して焼却する代わりに、被災地でがれきを利用して防潮堤を造るプロジェクトのビデオを放映するように求め、会場からは賛成を表す万雷の拍手が起こったが、進行役は「プログラムにないことはできない」と取り合わなかった。

 その後、会場からは「外部被曝よりも内部被曝が心配だ」「セシウム以外の放射性物質も測定する必要がある」「バグフィルターで99.99%のセシウムが除去できるというが、どのバグフィルターメーカーもそれを保証していない」などと反対意見が飛び交った。数多く出される意見から、いくつかを進行役が選択して専門家が答える形式が取られたが、質問者が納得する場面は終始見られず、最後には「時間が短い」「延長するべきだ!」と怒号が飛び交うなか、平行線のままの幕引きとなった。会場内で受け入れを賛成する意見を出したのは1名だった。

 試験焼却が行なわれた日明(ひあがり)工場(同市小倉北区)から数キロのところに住むという70代の男性は「市が開く検討会は推進派ばかりなので、慎重派の識者も入れて欲しい。このままでは福岡のものが売れなくなってしまうのではないか」と心配していた。
【清水 秀生】


そして、本日の毎日新聞の記事
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 放射能の被害など誰もはっきりしたことなど言えないのに「市基準は完全に安全」と話している、ガレキメンバーの一人である出光一哉九大教授。
 なぜ、人体のことを全く知らない工学部の教授が、「完全に安全」と言い切れるのでしょうか。それは、経歴を見ることですぐにわかります。
九大に入る前は、42歳まで動力炉・核燃料事業団に勤務。この人は、あのナトリウム冷却で危険きわまりないもんじゅ に携わっていたわけですから、軽水炉の事故なんて、完全に安全と言い切ることなんて朝飯前です。御用教授どころか、まさしく核推進団体の所属なのですから、こういうのは当たり前です。

「プルトニウムは貴重な資源です」と講義した出光一哉九州大学教授 2007/8/16(木) を読んでいただければ、この人がどういう考えを持っているのか、たちどころにおわかりだと思います。この話は、プルトニウムは飲んでも安全と言い放った東電から東大教授になった大橋氏を思いださせます。

 そして、この万雷の拍手がよほどしゃくに障ったのでしょう。明日から開かれる市民説明会では、なんと、拍手を禁じてしまいました。

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 なぜ、賛意を示すために拍手をしてはいけないのでしょう?ジャニーズのコンサートのように発言の邪魔にならないようウチワで賛意を表して欲しいのでしょうか、それともお通夜をしたいのでしょうか。北九州市長は。選挙でみんなから選ばれて当選したはずなのに、なぜこのような拍手を禁ずる議会運営ができるのか、私には不思議でなりません。拍手をしたら実際どうなったのか、有志の方に是非レポートしていただきたいものです。

 ガレキ受け入れメンバーを眺めておりましたら、すこし気になる名前がありました。
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北九州医師会の理事が名前を連ねています。
〒802-0077
福岡県北九州市小倉北区馬借1丁目7−1
総合保健福祉センター7F(アシスト21)
TEL.093-513-3811 FAX.093-513-3816
にもみんなの意見を届けるべきではないでしょうか。

 それにしても、ツイッターで殺害予告をされたと警察に逮捕させ、今度は説明会で拍手まで禁ずる北九州市長。そこまでして、ガレキを受け入れる使命感は本当に大したものです。

ブログのコメントから、奴隷の詩

反戦を貫いた金子光晴さんの「奴隷根性の歌」を思い出しました。詐取する者、される者、この共依存が腐敗の元のように思います。お金に支配されている現代人への痛烈な批判にも聞こえます。

―――――

奴隷というものには、
ちょいと気のしれない心理がある。
じぶんはたえず空腹でいて
主人の豪華な献立のじまんをする。

奴隷たちの子孫は代々
背骨がまがってうまれてくる。
やつらはいう。
『四足で生れてもしかたがなかった』と

というのもやつらの祖先と神さまとの
約束ごとと信じこんでるからだ。
主人は、神さまの後裔で
奴隷は、狩犬の子や孫なのだ。

だから鎖でつながれても
靴で蹴られても当然なのだ。
口笛をきけば、ころころし
鞭の風には、目をつむって待つ。

どんな性悪でも、飲んべでも
陰口たたくわるものでも
はらの底では、主人がこわい。
土下座した根性は立ちあがれぬ。

くさった根につく
白い蛆(うじ)。
倒れるばかりの
大木のしたで。

いまや森のなかを雷鳴が走り
いなずまが沼地をあかるくするとき
『鎖を切るんだ。
自由になるんだ』と叫んでも、

やつらは、浮かない顔でためらって
『御主人のそばをはなれて
あすからどうして生きてゆくべ。
第一、申訳のねえこんだ』という。


今に鎮静剤入りの注射を持った医師が、タウンミーティングの際には義務づけられそうです。

《旧ソビエト−1993年。興奮した母親に後ろから注射をするレインコートを着た女性》筋注で効果があるとはよほど強烈な鎮静剤ですね。

◆関連ブログ
混ぜて安全・世論調査は捏造・最終処分場合意なし(ガレキ処理)2012年05月29日
秘密会議で安全性を確かめる北九州2012年05月25日
ごり押しでガレキ処理を進める北九州市長2012年06月02日
posted by いんちょう at 23:06 | Comment(17) | 原子力

2012年06月06日

戦時中と瓜二つのマスコミと世論(絆に騙されないために)

はだしのゲン 10巻より
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 自分の子どもを御国のためと戦地に赴かせた日本人。自分の子どもがかわいくない親がいるはずもないのに、万歳万歳で送り出したこと、日本人はもう忘れてしまったのでしょうか。なぜ、こんな馬鹿なことをしてしまったのか、神風特攻隊など、死ぬことがわかっているのになぜ御国の名誉とみんな信じ切ってしまったのでしょう。みんなが、自分の子どもを戦地に行かせるのは嫌だと本当の気持ちを素直に言えば、あんな無謀な戦争などいくら軍部が言ったところで、決してできなかったはずです。

 さて、ガレキ問題。よくある意見として、NHKの番組に寄せられた意見が典型的なので紹介します。(もう、この手の話は何度も何度も新聞の投書欄でご覧になったはずです)
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「我が子さえ良ければ」という発想はいかがなものか?

まさしく、戦争時の心理状態と重なります。
 東大の中川医師は、私に言わせると内部被曝を一切無視したデマばかり、マスコミを通じて流しているとしか思えませんが、その方の毎日新聞記事
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 さいごにこのように書いてあります
「被災地のガレキは放射能に汚染されている」というのが反対の理由のようですが、岩手や宮城のガレキの放射能が特に高いわけではありません。東北全体に対して「穢れ」のイメージを持っているのだとしたら許せません

 事実をまったく調べることなく、イメージ戦略で、東北のガレキを汚染されているというものは、非国民。絆のない連中だという論調です。本当にそうですか。東北に降り注いだ放射能は
福島第一原子力発電所事故に伴うCs137の大気降下状況の試算
- 世界版SPEEDI(WSPEEDI)を用いたシミュレーション -
から
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 この通りかなり汚染されています。そして、それは文科省の計測データからも裏付けられます
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「環境放射能水準調査結果(月間降下物)3〜5月分から
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岩手県に降り注いだCs-137のフォールアウト量は 
3月1100MBq/m2 4月320MBq/m2 ですから、もはや、大気核実験最盛期よりも多いセシウムが大地に降り注いでいます。さらに宮城県は故障したままで数値すら公表していませんが、シミュレーション結果を見る限り、10,000Bq/m2以上のセシウム降下があったと推定できます。なぜ、汚染がないと主張できるのでしょうか。中川先生は、この値をきちんとご存じなのでしょうか。はなはだ疑問です。むしろ、東北の人に「放射能の汚染は大したことない」とウソをついているようにしか私には思えませんが。

そして、北九州市では、

『環境省では、「科学的根拠に基づかない、悪意ある情報が流布されたことにより、風評被害が懸念される事態となった場合は、毅然たる態度で臨むこととし、その責任を追及する。さらに万が一、風評被害により損害が発生した場合は、国として責任をもって対応する。」と言っている。』
と書かれていました
この文章については、検討委員の一人が質問し、個人であっても市民を怖がらせるような情報を発信した場合、損害賠償を請求すると回答がありました。


 この評価は環境を破壊・汚染することを目的としている「環境省」が、内部被曝の影響を全く無視して、作り上げた嘘八百の安全評価です。それなのに、市民が健康被害を訴えると損害賠償を請求すると、いわば市民を脅しているわけです。私のところには次のような報告が来ました。(裏は取っておりませんが)

北九州市西部在住 Bさんから
  私も日明に行ってから、ずっと喉の痛みと頭痛、顔面痛、目の痛みに悩まされています。今は少し楽になりました。25日からは、顔とお腹に吹き出物ができ、白目に赤い斑点が出ました。赤いのは徐々に薄くなってきました。
私は生まれてからずっと北九州市にいますが、黄砂で具合が悪くなったことは一度もありません。それに、雨が降る前のとはまた違ったあの暗い空も、今まで一度も見たことがありません。空気が違います。外に出るだけで、窓を開けるだけで具合が悪くなるなんて、通常考えられないと思います。


 このようなことをブログに書くと、損害賠償が請求されるのでしょうか。なぜ、自分の症状を話すと、市に損害を与えることになるのか、私にはさっぱりわかりません。

この北九州市長の物言いは、実はもう既にとある国がやっていることです。



第7に、ICRPのリスクの考えからは、リスクを「容認」するものにはどこまでもリスクが押しつけられる。この結果、とりわけ社会的に弱い立場にある人びとに放射線の被害が転嫁されることになる。原発で働く労働者の場合も、被害の告発が即解雇につながるような弱い立場にある下請けの労働者に被曝は集中し、被害もまた深刻なものとなる。ウラン鉱石が採掘されるアメリカやカナダのインディアン、オーストラリアの原住民、南アフリカの黒人なども同様である。原子力の施設が建てられるところは、大部分が経済的、社会的に差別れてきたちいきである。原子力産業は経済的な遅れにつけ込んで、札びらで頬をたたいて、、現地の住民に被曝のリスクを受忍せよと迫る。それらの人びとに被曝を強制した上に、被害が表れると、自分たちで過小評価しておいた放射線のリスク評価を用いて、「科学的」には因果関係が証明されないからその被害は原発の放射能が原因ではない、と被害を切り捨てる

 まさしく今目の前で行われていることです。

自分の子どもだけ助かればいいのか、おまえは日本人の絆があるのか = 戦争中の徴兵

と考えれば、自分が今やっていることが正しいのか、それとも間違っているのか、自己中心主義なのかは、すぐにわかるのではないでしょうか。

 かつてあったことは、これからもあり
 かつて起こったことは、これからも起こる。
 太陽の下、新しいものは何ひとつない。
 見よ、これこそ新しい、と言ってみても
 それもまた、永遠の昔からあり
 この時代の前にもあった。
《旧約聖書の伝道の書(新共同訳ではコヘレトの言葉)1章8節〜10節》


◆関連ブログ
やらせと原子力、じつは切っても切れない関係です。2012年05月17日
セシウムは日本全国に降り注いだ2011年08月30日
2012年05月08日
かつてあったことは、これからもあり かつて起こったことは、これからも起こる(水俣病と放射能)
タグ:ガレキ P
posted by いんちょう at 22:17 | Comment(30) | 原子力

2012年06月04日

家庭から毟り取り、自らは優雅な天下り生活を送る電力

 電気料金は、大口部門は自由化されており、家庭部門は、「総括原価方式」という適切な方法で、役人が許認可を出し決定しています。電力会社は、もっとも発電コストの安い原発を多量に持っているのですから、当然価格競争力もあり、大口部門でも家庭部門でも収益を上げていると思っている方が多かったでしょう。その話を覆す報道が先日流されました。

2012060401.jpg

 なんと世界最大の電力会社である東京電力は、売上の38%にしかすぎない家庭用電力から利益の9割以上をかすめ取っていたのです。自由化部門は競争が激しいためと書かれていますが、なぜもっとも有利な原発を持っていながら、利益を上げられないのか。東電の火力発電所の運営がとんでもなく下手くそで安価な原子力発電所の単価を引き上げるほどなのか、それとも原発のコストが本当はとんでもなく高いのかですね。
 実はこの表をじっと見ていると、次のように分類したくなります。
2012060402.jpg
BWR=沸騰水型 PWR=加圧水型

 加圧水型を世界各国がなぜ採用しているかが、これを見るだけでも一目瞭然となります。東電が採用している沸騰水型は、発電コストか高すぎて、電力自由化の局面では生き残れないのです。

 しかし、総括原価方式が採用されている限り、電力に取ってはこの最も高い発電コストを必要とする沸騰水型原子力発電所が、利益を上げられることは、総括原価方式(打ちでの小槌)をポイントカードで理解しようで説明したとおりです。電力料金を支払ってくれるのは、他人のカネ(役所の認可価格)ですから、
・高ければ高いほどポイントがたまる=コストが高いほど電力会社の利益が増える
の構図がぴったりと当てはまるわけです。ところが、そのようなむちゃくちゃな価格設定ができない自由化された産業部門では、普通の火力発電をしている会社と競争すると利益を上げることすらできなくなるわけです。血反吐を吐きながら、コスト削減をしている一般の会社にとっては、電力供給事業に参入して利益を上げることは、それほど難しくないように私には思えます。

自由競争下にある企業電力ですが、今回の事故後の供給不足を見越して、次の脅しとも思える文章を送付しています。
2012060403.jpg
2012060404.jpg2012060405.jpg
 ちょっと書き抜いてみます

 当該の電気需給契約は平成24年3月31日に契約満了を迎えましたが、値上げ後の新しい電気料金によるご契約にご了解をいただいておらず、電気の購入先変更のお申し出もいただいておりません。
 つきましては、平成24年4月1日以降も弊社からの電気をご利用いただいていることから、別紙適用料金率等に基づき算定した電気料金をお客様にお支払いいただくことになります
また、平成24年4月1日以降の指針その他の業務につきましては、従来通り電気需給約款等に準じて行うこととさせていただきます。新しい電気料金によるご契約にご了解いただくか、電気の購入先を変更されるか、早急にご判断をいただき、早急にご連絡いただけますようお願い申し上げます。

 大変心苦しい限りですが、改めて電気料金の値上げについてご理解賜りますようお願い申し上げますとともに、当該電気需給契約の契約満了期間を踏まえ、お客様におかれましてもそ、ご判断賜れますようお願い申し上げます


 言葉は丁寧なように思えますが、「早急に」が単文中に2回も出ており、練られた文章とはとても思えませんし、この文章を読む限り「おどし」を書けているようにしか思えません。これが東京電力の体質なんでしょう。電気を買う人たちを一昔前までは、「需要家」と読んでおり、それを「お客様」に買えたのはほんの20年ほど前。体質はまったく変わっていないことが、今回の値上げ騒ぎで噴出してきています。

 家庭用電気料金については、

東電値上げ「出来レース」か 経産省が事前にシナリオ
 経済産業省が、東京電力から家庭向け電気料金の値上げ申請を受ける前の4月に、あらかじめ「9月1日までに値上げ」という日程案をつくっていたことがわかった。東電は7月1日からの値上げを申請したが、経産省は審査に時間がかかることまで計算し、申請から認可、値上げまでのシナリオを描いていた
 役所も天下り先ですから、当然東電の見方をしています。シナリオを作り、広告代理店でキャンペーンを張り、サイレントマジョリティに認可させる。

そして、電力会社の電気料金算定の基礎となる経費。なんと「火力発電所のコスト増加等により」の等の中に ちゃっかりと人件費まで入れています。

東電社員年収、来年度46万円アップ 値上げ申請の中
 東京電力は、2013年度から社員1人あたりの年収を今年度より46万円増やして571万円にする。全社員を対象にした「年俸制」導入にともなうもので、1千人以上の大企業平均より28万円高くなる。家庭向け電気料金の値上げの算定にも年収アップは織り込んでおり、利用者から反発が出る可能性がある。
 面の顔ではボーナスはもう支給しませんと言いながら、年俸制にしてボーナス分まで支給するという手回しの良さ。このような詭弁が通用するとでも思っているのでしょうか。社員の流出を防ぐためと東電は話しているようですが、電力会社の社員で流出できる人物がいるのでしたら、教えていただきたいものです。電力会社をヒモなしで採用する企業などは絶対にありません。それは、人材紹介会社の方が、よくよくご存じでしょう。電力会社の息がかかっているから、その人物を就職させるに過ぎないのです。(就職させれば、当然見返りの発注を期待できますからね)

・・電力は総括原価方式ですから、石油や電力メータを合法的に高く買うのは、損どころか、利益が増えることになります。・・

東電の見返り発注を期待した人事が、このような騒ぎにもかかわらず、次々と発表されています。

日本原電、勝俣会長を再任へ=社外取締役で
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日本原子力発電(東京)は25日、非常勤の社外取締役に就いている勝俣恒久東京電力会長を再任する方針を明らかにした。
(この元記事は、すべて消されています)

東電の清水前社長、富士石油の社外取締役に(2012年5月31日19時09分 読売新聞)
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 石油開発・元売り大手のAOCホールディングスは31日、傘下の富士石油の社外取締役に、東京電力の清水正孝・前社長を迎える6月25日付の人事を発表した。

東電の高津浩明常務が東光電気社長に天下り 宮本史昭・内藤義博両常務も
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福島第1原発事故を受けて6月下旬に引責辞任する東京電力の役員のうち、高津浩明常務(59)について、東光電気が、高津浩明東電常務が代表取締役社長に就任する予定であるとリリースした。
東電の宮本史昭常務(57)も辞任直後にグループ企業の社長に就くことが判明しているが、どこのグループ企業に天下るかまだ判明していない。
東電の内藤義博常務取締役は、高岳製作所の取締役に就任予定(社外取締役)である。


 東電を引責辞任後も別会社から引く手あまたの東電役員。さすが、出世競争を生き抜いた優秀な方たちばかりです。

 なお、このような横暴に対抗する方法として、電気料金をコンビニ支払に変更しようを紹介していますし、または1円不払い運動なる運動もあります。
【東電不払い方法教えます】 ATMで1円少なく振り込む もご紹介しておきます。私は、コンビニ払いもせず、延滞料金を払いつつ、関連会社の方に集金に来ていただいています。九電に集金をとお願いしたところ、「期限内集金」の業務は行っていないと無下に断られましたから。電気を使いさえすれば、チャリーンと金が自動的に入ってくるとかんがえている電力に実力行使をして、再考してもらうしかありません。一人一人の力は非常に小さいのですが、まとまれば電力取っては非常に脅威になります。「口座振替が52円も月々お得になります。」の話に誤魔化されませんよう。(コンビニに支払う手数料、郵送料だけで、電力は100円以上支出しています)
銀行払いにしてもらって本当に得なのは、客ではなく、電力会社なのです。

東京電力の値上げのお願い(家庭用)
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さすが、敏腕営業マンの高津新社長の部隊が作っただけありまして、開いた口がふさがらない説明書ですね。なぜ、原発事故の収束にカネがかかったと説明しないんでしょうか。みんなそんなことお見通しなんですけどね。

◆関連ブログ
総括原価方式(打ちでの小槌)をポイントカードで理解しよう2012年05月21日
電気料金をコンビニ支払に変更しよう2011年11月11日
タグ:天下り T 東電
posted by いんちょう at 17:10 | Comment(12) | 原子力

2012年06月02日

パソコンを使って効率よくFAX送信

 色々なところに意見を出すのに、FAXは現在においても非常に有効な手段です。何しろ年齢に関係なく、簡単に見ることができるのですから。

FAX+電話自動録音 の電話は、以前ご紹介しました。1万円足らずで、すべての通話を自動的にSDカードに録音できますから非常に便利です。


複数箇所に同じ意見を送ろうとすると、途端にものすごく手間がかかり、1日の殆どがFAX送信にあてられかねません。単純な作業ですから、FAXモデムを用いて送信する方法をご紹介します。(私はこの方法で、自分の意見を国会議員、役所に届けております)

必要なモノ
・FAXモデム 殆どの方は、USBタイプしか接続できないでしょうから、下記商品を参考として紹介いたします。FAX/MODEM であれば、どの製品でも構いません。


 まず、このFAXをマニュアルを見て、パソコンに認識させてください。マニュアルがありますので、それほど難しくはないと思います。

以前、私が書いたFAX MODEMを利用するページがありますので、そこから。(ちょっと腕に覚えのある方は、100円程度のFAX/MODEMをハードオフなどで調達するのがもっとも安上がり)
なお、この画面は Windows XPですが、Windows 7でも殆ど同じはずです。

コンピュータ-右クリック-プロパティで、デバイスマネージャを選択



次のようにFAX Modemが認識されていることを確認してください。



次は、FAXのセットアップです。



いくつかXPのファイルが要求されます。OSが入ったCDをパソコンに挿入してください。



このようにFaxモデムが表示されますと、成功です。


2012060226.jpg
これで、プリンタのひとつにFAXを選択できるようになります。

FAXの宛先は、Windowsに付属しているメールのアドレス帳を利用できます。
2012060213.jpg

例えば、首相官邸内閣広報室の場合
電話番号 03-3581-0101 FAX 03-3581-3883
ですから、次のように登録します。

2012060214.jpg

2012060215.jpg

例えば、ワードで作成した次の文章を送ってみましょう。
2012060216.jpg

通常のプリンタで印刷するように印刷画面に行きますと、FAXを選択できるようになっているはずです。
2012060217.jpg

FAXを選んで印刷を選択しますと・・・
2012060218.jpg
2012060220.jpg

ここでアドレス帳を選ぶと見たことのある次のような画面が出てきます。
2012060219.jpg
ここで送付先を複数選びます(FAX番号が入力されている必要があります)

2012060221.jpg
このように下欄に送付先が一覧で示されます。

送付状の画面が現れますが、
2012060222.jpg
送付状はいりませんから、ここのチェックは絶対につけません。つけたら、それ以降毎回送付状について聞かれて、非常にうっとうしくなります。

2012060223.jpg
今すぐのまま次へにうつります。

2012060224.jpg
これが最終の確認画面です。間違いがないことを確かめて、完了を選択することで、あとはパソコンが勝手に送付してくれます。話中であれば後回しにしてくれて、上から順番に送ってくれます。

このような画面が出てきたら、無事FAXは送られています。あとはパソコンが終わってくれるのを待ちましょう。
2012060225.jpg

できれば、手書きの方がいいとは思いますので、スキャナーなどを使ってパソコンに取り込んだ上で、FAXすることをおすすめいたします。手書きのFAXは組織票でないことがよくわかりますので、意見を言う方法としては、一番だと私自身思っています。

 なお、FAXによる抗議については、以前 国籍法 問題で安住淳氏が次のように書いています。
「国籍法改正」
(前略)
それは、こうした外国人との間に生まれた子供の認知を安易にやれば日本の社会秩序がおかしくなるという主張だ。 特に右系の人たちの組織的な反対運動が起きた。この運動は凄まじく各議員の事務所にファックスが連日山積みになるほど寄せられた。 またネット上でも反対運動が起き、連日数百ものメールが寄せられた。 まさに意図的、組織的な運動だった。 
(中略)
 実は何よりもこの問題で私が心配したのは、前記したネットやファックスでの抗議行動である。 一部の人が多数を装って異容な抗議行動をやる。 今回はネット社会の負の部分をまざまざと見た思いだった。 こうしたことで法案の審議や議員の自由な政治活動に支障があっては、国会がおかしくなる。とにもかくにも、各議員ともその抗議の凄さに驚きを隠せなかった一週間だった。


 この運動を組織的とは書いておりますが、組織ではなく、個人個人が別々にFAXを用いて、国会議員に自分の意見を述べることは、民主主義の世界では正当な権利です。我々は議員に白紙委任したわけではなく、議員がどのような活動をしているかをつぶさに見て、自分の意に沿わないことを議員が行おうとしたときには、小さな声ながらもきちんと意見を述べて、その意見が多数となれば議員に民意をくみ取っていただく。それが代表制民主主義の根幹だと私は考えるからです。

 今回は、私の環境であるWindows XPの方法を紹介いたしました。Windows 7でも同様にできると思いますので、是非挑戦してみてください。また、良いページがありましたらコメント欄に紹介していただければと思います。
 追加のソフトも何もいりません。ただ、やる気のみ。日本に真の民主主義を根付かせるために自分でできることをやっていきましょう。

◆関連ブログ
大飯原発再稼働−自分の意見を政府に2012年05月31日
タグ:FAX
posted by いんちょう at 18:08 | Comment(7) | 日記

ごり押しでガレキ処理を進める北九州市長

ブッダの言葉から

ものごとは心に導かれ
心に仕え
心によって作り出される。
もし人が汚れた心で話し
行動するなら
その人には苦しみが付き従う
あたかも車輪が
それを牽く牛の足に従うように。

ものごとは心に導かれ
心に仕え
心によって作り出される。
もし人が清らかな心で話し
行動するなら
その人には楽が付き従う。
あたかも身体から離れることのない影のように。


 北九州市長が、以前もお知らせしたように5月31日に半秘密会議を開いて、ガレキ処理にまた一歩大きく前進しました。この会議に参加された方から、議事録をいただきましたので、それをご紹介させていただきます。

産党議員が管理型の埋立地は過去にも有害物質が漏れたから、遮断型のものを作って欲しいと要望を出すと、「膨大なお金がかかるから不可能」という回答がありました。

共産党議員以外のほとんどの委員が、
「試験焼却結果は基準値以下で安全だった。スピードを上げて処理しなければならない」というような内容の発言を繰り返していました(中にはペーパーを見ながら棒読みの委員もいました)。
 最後に北橋市長が、
「安心、安全で、環境にも健康にも影響はない。検討会はこれが最後」
と言い切って議論を終結。
ただ、風評被害の防止に努めるということだけは、繰り返し発言
そして、市が配った資料には
『環境省では、「科学的根拠に基づかない、悪意ある情報が流布されたことにより、風評被害が懸念される事態となった場合は、毅然たる態度で臨むこととし、その責任を追及する。さらに万が一、風評被害により損害が発生した場合は、国として責任をもって対応する。」と言っている。』
と書かれていました
この文章については、検討委員の一人が質問し、個人であっても市民を怖がらせるような情報を発信した場合、損害賠償を請求すると回答がありました。

さらに、『北九州市としても、災害廃棄物の処理に起因すると思われる農林水産物への風評被害が発生したときは、その実情及び原因を速やかに調査し、その解消に向け主体的に行動する。災害を与えたことが判明した場合には、市が責任を持って、国に対し、賠償等について協議する
と、暗に市は責任を取らないということも記載されていました。


どうやら,放射能が漏れ出すことを前提で、埋め立てるようです。大丈夫ですか?こんなことで。北九州漁連は、このような対応で本当に「絆」のなのもとで、納得するんでしょうか。セシウムが漏れ出しても、微量だから、健康被害は起きるはずがない。そのように言い立てる人間は、風評被害を引き起こしているのだから、我々としては告訴してでも損害を請求するといきり立っている市長の顔が目に浮かぶようです。

現在の全国のガレキ拡散状況は次の通り。このように立派なホームページを税金で作って・・環境省は、ガレキを燃やすことしかしていないようにしかおもえませんが。
2012060201.jpg

 農水省が次のような通達を出して、世間から総スカンを食らったこと、ご存じですか?

農水省 たった3日で撤回の自業自得 2012年4月24日 掲載(日刊ゲンダイ)
スーパーのセシウム独自基準にイチャモン
「セシウム規制は国の基準に従え」――と、農水省が20日、食品メーカーやスーパーに「通知」を出したことに、案の定、日本中から批判が噴出。23日鹿野農相が「食品メーカーなどの独自の規制を否定するものではない」と釈明し、事実上、たった3日で撤回に追い込まれた。


 国が権力を持って通達をしても、全く意味をなさないのに北九州はこのように市民を恫喝したら、発言をしなくなるとでも思っているのでしょうか。そして、6月6日には一般市民に対する説明を行う予定のようですが、大変心配なんでしょう、機動隊を暴力団対策として、6月上旬に北九州市に呼びつけました。

暴力団対策:機動隊150人、北九州市に特別派遣 /東京毎日新聞 2012年05月27日 地方版
 暴力団犯罪捜査を担当した福岡県警元警部が今年4月に銃撃されるなど、暴力団情勢が悪化している北九州市に特別派遣される警視庁第5機動隊の出動式が26日、新宿区であり隊員150人とパトカーなどの捜査車両24台が現地に向かった。6月上旬まで警戒や検問に当たる。警視庁からの派遣は初。

 先日も、反対市民を排除するのに警察権力を簡単に使った市長ですから、機動隊にも守ってもらうようです。どうせなら、知事に依頼して自衛隊の戦車でも使ったらどうですか。それなら、何万人の集会であろうと、蹴散らすことができますよ。

 もちろん、北九州市長は「市民」の為に、環境省を訪れ、風評被害の防止に努めています。
2012060205.jpg
 国が「まずは被害を起こさないように全力を尽くす」と答えた言葉を金科玉条のように振りかざされるようですが、同じ環境省が次の言葉を宮崎県に対して回答しています。

環境省の作ったガレキ安全神話のほころび
(4)健康被害に対する国の責任について
○ 放射能による汚染、健康被害は起こらないとの説明であったが、もしも起こった場合は、その対応や賠償については国が責任を負うと断言されるのか。
A.広域処理をお願いしている災害廃棄物は、放射能濃度が不検出または低く、通常の一般廃棄物として処理していただけるものであり、そのような事態は想定していません

 よく読みますと、細野大臣の発言はこの範囲から一切はみ出していません。起きない、起こさない。実際に管理型の処分場のある群馬県伊勢崎市では漏れ出ているにもかかわらずです。

みやざき(番外編)県市長会会長 戸敷正・宮崎市長に聞く2012年5月2日付から
 戸敷 土に埋めれば放射性物質は土壌に吸着され問題ないと言っているが、群馬県伊勢崎市では浸出水から90ベクレル以上のものが出た。環境省の担当者は説明会で「処理が悪かったんでしょう」という話をされた。自分たちが指導し、問題ないと言っているのに、後になって「処理が悪かった」ではすまされない。国が「安全だ」と言う部分を、しっかりと科学的に示すことが大事ではないか。

 宮崎市長と北九州市長の発言。どちらが市民の側に立っているのでしょうか。

北九州市長の状況を示している記事がありました。(本日熊日朝刊)
2012060204.jpg
 同署によると、約15分後に死のコールセンターに「市長への殺害予告が出ている」と連絡があり、閲覧した市長が24日、県警に相談していた。
 北九州市長には、冒頭の言葉を贈ります。

◆関連ブログ
混ぜて安全・世論調査は捏造・最終処分場合意なし(ガレキ処理)2012年05月29日
秘密会議で安全性を確かめる北九州2012年05月25日
西日本を被爆させる都市−北九州−−ガレキ問題2012年05月18日
警察権力が市民に牙をむいた日〜5.22北九州2012年05月23日
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2012年06月01日

2012年5月の注目記事

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  2. 死の灰の正体−無脳児、単眼児の出産2012.3.16
  3. 放射能を必要以上に怖がることは「エセ科学」=カルト宗教-新聞論説から2011.8.29
  4. 甲状腺乳頭癌−郡山から避難した30代女性 一例報告2012.5.15
  5. 西日本を被爆させる都市−北九州−−ガレキ問題2012.5.18
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  7. 献血と被曝問題2012.4.1
  8. 東電時代の思い出
  9. フクシマの真実と内部被曝(人吉講演)2012.5.14
  10. 奇形動植物のまとめ2011-08-07
  11. 気になる症例のまとめ2011.9.11
  12. 戦闘機が衝突しても崩落しないはずの1F-4号機の外壁は、なぜ崩落したのか2012.4.29
  13. 警察権力が市民に牙をむいた日〜5.22北九州2012.5.23
  14. フクシマの真実と内部被曝(熊本学園大学)2012.5.20
  15. 重い腰を上げた日本野鳥の会だが・・・法人会員には原発マネー企業がずらり2012.5.11
  16. 放射能を「正しく」怖がるホームページ・・筆者と作成団体を「正しく」知ろう2012.5.9
  17. 災厄の犬たちとの戦い−村上春樹2011.6.11
  18. 世界は恐怖する 死の灰の正体1957年制作2012.4.30
  19. 自宅に放射能連続観測所を作る−熊本市・自宅2012.3.20
  20. 福島第一原発
  21. 放射能汚染
  22. 混ぜて安全・世論調査は捏造・最終処分場合意なし(ガレキ処理)2012.5.29
  23. 目覚めるニッポン(原発全停止の朝)2012.5.6
  24. 内部被曝−ペトカウ効果と遺伝疾患2012.5.4
  25. 秘密会議で安全性を確かめる北九州2012.5.28
 いくつか、久しぶりに読まれたエントリーがあります。特に3番目の記事は、おすすめします。推進派がどのように文章を構成しているかを分析しています。

 久しぶりですが、国別のランキングも
20120601.jpg
  1. 日本
  2. アメリカ
  3. ドイツ
  4. イギリス
  5. フランス
  6. オーストラリア
  7. カナダ
  8. イタリア
  9. ニュージーランド
  10. 韓国
  11. 中国
  12. タイ
  13. スウェーデン
  14. シンガポール
  15. スイス
  16. インドネシア
  17. マレーシア
  18. 香港
  19. 台湾
  20. オランダ
でした。ダントツはもちろん日本ですが、世界各国にお住まいの方に見ていただいているとわかるとちょっと気恥ずかしい感じがしています。ありがとうございます。今後もご声援よろしくお願いいたします。

◆関連ブログ
2012年4月の注目記事 2012-05-03
2012年3月の注目記事2012-04-01
2012年2月の注目記事2012-03-02
2012.1月の注目記事
2011.12月の注目記事 2012.01.04
2011.11月の注目記事 2011.12.01
2011.10月の注目記事2011.11.01
2011.9月の注目エントリー2011.10.1
2011.8月の注目エントリー
2011.7月の注目エントリー他2011.8.3
6月の注目エントリー2011.7.2
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posted by いんちょう at 19:29 | Comment(4) | 日記
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