グラフィック性能を強化する
自作パソコンやショップパソコンでは、グラフィックボード(ビデオカード)が故障した場合やスペックを上げるために、グラフィックボードを交換・増設することがあります。
また動画編集・3Dゲームなどをするために新たにグラフィックボードを取り付けるということもあります。
グラフィックカードの交換や増設は、特別に難しいということはありませんが、いくつか注意しておいたほうがいい点はあります。
このページでは、グラフィックボードの取り付け・交換の方法や、グラフィックボードの選び方について解説しています。
注意点
1.もともとインストールされているドライバは削除する
新たに取り付ける場合は関係ありませんが、交換する場合はパソコンが起動している状態で、もともとインストールされているドライバを削除します。
削除はプログラムの追加と削除から行います。NvidiaやAMDから始まるものがアンインストール対象となります。
2.適切なグラフィックボードを選ぶ
大きさや補助電源の有無になります。
例えば高性能なグラフィックボードは、幅が広く大きいためケースに収まらないということもあります。また電源ユニットに補助電源が1つしかないのに、補助電源が2つ必要なグラフィックボードを付けることは基本的にできません。
グラフィックボードはハイエンドなものになると電力の消費も大きいため、電源ユニットの出力数が足りなくなるということもあります。
グラフィックボードの交換や増設では、先ずはケースに入る大きさであるかどうか?電源供給に問題ないかどうかの確認は必要となります。
2.スロットの爪に注意する
グラフィックボードはPCI-EXPRESS×16のスロットに増設します。
他の拡張スロットにはないものの、PCI-EXPRESSにだけあるものとしてグラフィックボードを固定する爪があります。すべてのメーカーのマザーボードにこの爪があるわけではありませんし、スライドタイプのような簡単なものもあるので一概にはいえませんが、グラフィックボードの取り外し・取り付けではこの爪の存在を忘れないことが大切です。
取り付け方法
新たに取り付ける場合から解説したいと思います。
今回グラフィックボードを増設するパソコンです。まずサイドパネルをあけて内部にアクセスできるようにします。
パソコンを横にして主電源はOFFにします。○印がOFF。必要であればケーブルを抜いておきます。
増設する場所を確認します。グラフィックボードは、PCI-EXPRESS×16のスロットです。切掛けは左の方にあります。スロットの色はマザーボードによって異なります。
PCI-EXPRESS×16のスロットが2つある場合は、上にある方を優先して使用します。
スロットカバーは、各拡張スロットにそれぞれ付いていることが分かります。
グラフィックボードにもよりますが、スロットカバーを2つ外す場合と1つだけ外す場合とがあります。グラフィックボードのスロット部を見ればすぐに分かります。
PCIスロットカバーを取り外します。PCケースによってネジで固定されている場合やラッチやカバーで固定されている場合とがあります。
今回増設する補助電源なしのグラフィックボード。
グラフィックボードを取り付けます。PCIスロットと高さが合っていることと、グラフィックボードの端子部分がしっかりスロットに入っていることを確認できたら取り付けは成功です。
インチネジで固定します。PCケースによっては、ラッチやカバーが付いていたりするので、必ずしもネジを使用するわけではありません。またグラフィックボードに補助電源が必要な場合は、補助電源を接続します。
ケース背面。
今までマザーボードの端子に付いていた液晶ケーブルをグラフィックボードに接続します。VGAやDVIになります。
電源をONにして起動させます。ドライバーがインストールされていないので解像度は低くなることもあります。
起動したら添付CDをセットします。解像度が低くなって見づらくなっていることもありますが、基本的に解像度はまだ扱いません。
添付のCDでドライバーやユーティリティをインストールします。
メッセージに従い再起動させます。
起動したらディスプレイに最適な解像度に調整します。以上で終わりです。
グラフィックボードの増設では、添付CDを使わずに事前に最新のドライバーとユーティリティをメーカーサイトからダウンロードして、増設後にインストールするという方法もあります。
中古のグラフィックボードでは、添付CDが付いていない、ドライバーが古いということもあります。
交換・増設方法
次にグラフィックボードの交換を解説してみたいと思います。グラフィックボードやマザーボードの規格が多少違っても、グラフィックボード交換の流れはほとんど同じです。
プログラムの追加と削除から、もともと付いていたGeforceやATI Radeonのグラフィックボードのドライバーや付属ソフト(ユーティリティーソフト)などを削除します。必ず削除しなければならないというものではありませんが、できる限り削除することをお勧めします。
下記がもともと付いていたグラフィックボードです。画面が正常に表示されないトラブルがあり故障しているため、今回交換することになります。
まず、もともと付いているグラフィックボードを外します。外すときは固定しているネジや繋がっている電源ケーブルを抜き、最後にマザーボードのスロットから取り外します。この時、マザーボードによっては簡易ですが爪がかかっているので、よく確認するようにします。
グラフィックボードを取り外した様子です。
上が取り外したグラフィックボード、下が交換する新しいグラフィックボードです。
新しいグラフィックボードをマザボードのスロットに取り付けます。補助電源付きのものは、電源ユニットの電源ケーブルも接続するようにします。
パソコンに通常どおり電源ケーブル、マウス、オーディオケーブルなどを接続し、ディスプレイケーブルは新しく交換したグラフィックボードの端子に接続します。電源を入れパソコンを起動させます。
起動させるとパソコンの画面は低い解像度で表示されることもあります。これはまだドライバーがインストールされていないため、グラフィックボードの最低限の機能で表示されているということになります。
新しく交換したグラフィックボードのドライバーをインストールします。CDなどがない場合は、メーカーサイトでダウンロードしてインストールします。
通常、ドライバーや付属ソフトなどがCDに入ってます。ドライバーはVGA DRIVER、ドライバーなどと表記されています。クリックしてインストールして指示に従います。再起動を求められたら、パソコンを再起動します。再起動後、必要であれば付属ソフトもインストールします。
ドライバーをインストール後、パソコンを再起動させると自動的にパソコンの解像度が高くなります。グラフィックドライバーが正しくインストールされているかどうかは、デバイスマネージャのディスプレイアダプタを確認します。製品やグラフィックチップ名が表示され、!マークや?マークが表示されていなければ問題ありません。グラフィックボードの交換、ドライバーのインストールは以上です。
グラフィックボードを固定する爪
マザーボードのメーカーによってグラフィックボードを固定する爪の形状は異なります。付いていない場合もあります。
最近では取り付け・取り外しが簡単にできるように固定する爪は付いていないマザーボードの方が多いようです。
グラフィックボードの取り外しの際は、こうした爪がグラフィックボードにかかって固定されていないかどうかを確認していたほうがスムーズにいきます。
よく分からない場合はマザーボードのマニュアルを参考にします。
ASUSのマザーボードでよく使用されていたものです。取り外しの際にレバーを下げることでグラフィックボードを固定している爪が外れます。こうした爪がある場合は、取り付けの際も少しレバーを押し下げたほうがカードを装着しやすくなっています。
上記の凸部分がグラフィックボードにかかっていることが分かります。
グラフィックボードの選び方
グラフィックボードは、種類やメーカーもたくさんあって、少し分かりにくいということもあると思います。
少し要点を整理したいと思います。
NvidiaとATI
先ずグラフィックボードは、基板上にGPU(グラフィックチップ)があります。通常はファンなどに隠れていてもちろん見えません。
このGPUは、Nvidia(エヌビディア)とATI(エーティーアイ)の2社があります。型番にGTが付くのがGeforce、HDが付くのがRadeonです。
- Nvidia・・Geforce(ジーフォース)
- ATI・・Radeon(ラディオン)
メーカー
GPUを組み込んで、グラフィックボードを製造・販売しているのがグラフィックボードのメーカーです。主なところでは下記のメーカーがあります。結構多くのメーカーがあります。
メーカーが違うと、同じGPUを搭載していてもデザインやファンの形などが異なります。
- ASUS
- GIGABYTE
- MSI
- GALAXY
- ELSA
性能
グラフィックボードは性能別に大別されています。性能が違うということはグラフィック描画能力に差が出てくることになります。
最も性能が低いといわれるローエンドのものでも、サンディーブリッジのCPUの内蔵グラフィック機能より性能は上です。サンディーブリッジ以前のマザーボードのチップセット内蔵グラフィック機能よりも当然性能は上になります。
- ローエンド・・・低価格・廉価版
- ミドルレンジ・・・価格・性能バランス重視
- ハイエンド・・・高性能
補助電源
グラフィックボードはパソコンパーツの中でも電源を消費するパーツです。特にミドルレンジ以上はその傾向が強くなります。(ローエンドのものは低消費電力です)。
そのため性能が高くなるにつれて補助電源が必要となります。補助電源は当然電源ユニットから取ることになります。
補助電源には、6pin×1、6pin×2、8pin×1、8pin×2などがあります。
ミドルレンジのものは、6pin×1がほとんどで、ハイエンドのものが6pin×2や8pin×2になってきます。
ミドルレンジのグラフィックボードの6pin×1の補助電源。
電源ユニットの6pin×1の補助電源。
電源ユニットの8pin×2。8pinは6pin+2pinの構成になっていて6pinで使用することも8pinとして使用することもできます。
つまりグラフィックボードを増設する場合は、どういう電源が必要かは把握しておく必要があります。
そしてグラフィックボードに接続できるグラフィックボード用(PCI-E用)の電源コネクターがそもそも電源ユニットに付いているのかどうか?付いているなら6pin×1か8pin×2かなども知っておくことが大事です。
もしグラフィックボード用の電源が足りないという場合は、補助電源なしのグラフィックボードにするか 電源ユニットを交換するかで対応します。
消費電力
ローエンドのものは気にする必要はないのですが、ミドルレンジ以上のものはそれなりに電源を消費することになります。
あくまで目安ですが必要な電源ユニットの出力数は以下のようになります。
- ローエンド・・・350w〜450w
- ミドルレンジ・・・400w〜550w
- ハイエンド・・・550w〜650w
電源ユニットに6pinや8pinなどグラフィックボード用の電源があるということは、それなりに出力数が大きい電源ユニットであるといえますので、コネクターの種類・数は電源ユニットの性能も表しているといえます。
メモリー
グラフィックボードにはグラフィックメモリーが内蔵されています。
512MB、1GB、2GBなどです。メモリーが多いほうが性能はやや上がっていきます。同一のGPU搭載でもメモリー搭載量が異なることで値段が変わってくることもあります。
接続端子
グラフィックボードは液晶ディスプレイにつなぐ接続端子が複数用意されています。
これからグラフィックボードを増設したり、交換するという場合は、現在使用している液晶ディスプレイの接続端子を確認しておいたほうがいいでしょう。VGA、DVI、HDMIなどです。
交換しようと考えているグラフィックボードにその端子が付いているかどうか事前に確認するようにします。ただしグラフィックボード側のDVIはVGAに変換できるのでさほど問題になることはありません。
性能の違い
最近のシリーズでの比較になります。
GeforceGeforceでは、下3桁の数字がシリーズ名です。現在は Geforce 600シリーズです。その前が 500シリーズになります。下2桁の数字が大きいほど性能は高くなります。()内は必要な補助電源。
Gefoce 600シリーズ
- GTX 690 (8pin x 2)
- GTX 680 (6pin x 2)
- GTX 670 (6pin x 2)
- GTX 660 Ti (6pin x 2)
- GTX 660 (6pin x 1)
- GTX 650 (6pin x 1)
- GT 630
- GT 620
- GT 610
Gefoce 500シリーズ
- GTX 590 (8pin×2)
- GTX 580 (6pin+8pin)
- GTX 570 (6pin x 2)
- GTX 560 Ti (6pin x 2)
- GTX 560 (6pin x 2)
- GTX 550 Ti (6pin×1)
- GT 520
Radeonでは、下4桁の数字がシリーズ名です。現在は HD Radeon 7000シリーズ、その前は6000シリーズです。下3桁の数字が大きいほど性能は高くなります。
Radeon 7000シリーズ
- Radeon HD7970 (6pin+8pin)
- Radeon HD7950 (6pin x 2)
- Radeon HD7870 (6pin x 2)
- Radeon HD7850 (6pin x 1)
- Radeon HD7770 (6pin x 1)
- Radeon HD7750
Radeon 6000シリーズ
- Radeon HD6990 (8pin×2)
- Radeon HD6970 (6pin+8pin)
- Radeon HD6950 (6pin x 2)
- Radeon HD6870 (6pin x 2)
- Radeon HD6850 (6pin x 1)
- Radeon HD6790 (6pin x 2)
- Radeon HD6770 (6pin x 1)
- Radeon HD6750 (6pin x 1)
- Radeon HD6670
- Radeon HD6570
- Radeon HD6450
単純に世代が新しい方が全体的な性能は上がりますが、異なる世代でも下2桁・下3桁の数字が大きい方が性能は高くなります。
例えば GTX650<GTX570、HD7750<HD6950などです。
全体の比較
Geforceの600シリーズ、500シリーズ、RadeonのHD7000シリーズ、HD6000シリースをまとめて全体的に比較するとこのようになります。(あくまでおおまかな比較です)
Geforce 500シリーズでは、ミドルレンジからのローエンドのグラフィックボードというのは少ないです。またHD7000シリーズも同様です。
特に人気があるグラフィックボードは、GTX650〜GTX660Ti (GTX550Ti〜GTX580)、HD7770〜HD7870 (HD6790〜HD6970)のミドルレンジからハイエンドのグラフィックボードです。
3Dゲームやオンラインゲームなどでの 推奨グラフィックボードに指定されているのもこのクラスのものになります。
ELSA GTX660 Ti 2GB。
GIGABYTE GTX650Ti 1GB。
AsusTek GT650 1GB。
SAPPHIRE HD7770 1G。
SAPPHIRE Radeon ビデオカード HD6670 1G。あまり3Dなど負荷がかからないゲームなどは、ミドルレンジ〜ローエンドのものでも使用できます。
SAPPHIRE HD6450 1G。ローエンドのグラフィックボードは、オンボードグラフィックより性能を上げたい場合やマルチディスプレイ、地デジ用、ブルーレイ再生、動画再生支援などでよく使用されます。またロープロファイルにも対応するのでスリムタイプのケースでも増設することができます。