【第95回】 2012年12月12日
とはいえ、今回の事業統合は「日本でありがちだった弱者連合とは違う」(外資系重電メーカー幹部)と、評価する声が多いことも事実だ。日立にとっては源流の事業であり、売上高も5000億円弱と大きい。三菱重工に至っては、全社の営業利益の8割を稼ぐ中核事業だ。
「どちらにとっても事業統合は重大な決断で、敬意を払うべき経営の意思決定」(同)だ。
これまで見てきたように、乗り越えるべき課題は山積しているが、火力発電設備は日本がまだ世界的に競争力を持つ重要な産業だ。過去の日本企業連合の失敗を繰り返してはならない。新会社の経営陣には、親会社が事業統合を決断した時と同じ覚悟で、経営の舵取りをすることが求められる。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木崇久)