【ニューヨーク=小川義也】米電力大手ドミニオンはバージニア州のノースアナ原子力発電所で進める3号機の新設計画で、米ゼネラル・エレクトリック(GE)と日立製作所連合の次世代沸騰水型軽水炉(BWR)の採用を決めた。ドミニオンは2010年に三菱重工業の加圧水型軽水炉(PWR)の採用を内定していたが、GE日立陣営が逆転した格好。三菱重工にとってはカリフォルニア州の原発トラブルに続く逆風となる。
ドミニオンが採用を決めたのは、「ESBWR」と呼ばれる出力150万キロワット級の大型炉。原子炉の冷却水を天井部分に蓄え、電源喪失など非常時に重力で炉内に冷却水を送り込むなど、安全性を高めた。設計が簡素なため、保守費用も割安になるという。
ドミニオンは3号機の建設・運転許可を米原子力規制委員会(NRC)に申請中で、15年中の許可取得を見込んでいる。最終的に建設が決まれば、土木工事を含む受注額は数千億円になる見通しだ。
ドミニオンは当初、ESBWRの採用に傾いていたが、開発遅れなどを理由に三菱重工の新型炉「US―APWR」の採用を内定した。今回、ESBWRに切り替えた理由について、ドミニオンは「ここ数年で改良された設計や、NRCによる認証手続きの進捗、より競争力のある条件の提示」を挙げた。
GEと日立は07年に原発事業を統合。米国では合弁会社GE日立ニュークリア・エナジーを通じて、ESBWRの受注活動を展開している。ただ、採用が決まっているのは別の電力大手がミシガン州で進める1基のみだった。2基目の内定を得たことで、受注活動に弾みを付けたい考えだ。
三菱重工にとって、ノースアナ原発3号機は米国で3基目の原発受注になるはずだった。カリフォルニア州のサンオノフレ原発では昨年1月、同社が納入した蒸気発生器が運転中に破損して緊急停止するトラブルが発生。現在も停止したままになっている同原発を巡っては、所有する電力大手から100億円を超える費用負担を求められている。
昨年、34年ぶりに原発の新設計画を認可した米国では、ノースアナ原発を含め10基以上の新設計画がある。ただ「シェール革命」による天然ガス価格の下落や東京電力福島第1原発事故の影響で計画を撤回する動きも出始めており、原発メーカーにとっては厳しい環境が続いている。
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