[大弦小弦]私たちは日本人ですか?…

2013年5月1日 09時47分
(28時間54分前に更新)

 私たちは日本人ですか? ことあるごとに本土へ投げ掛けてきた問いを、自らの心に向けてみる時が来たのかもしれない

▼28日、わが国の「完全」な主権回復を記念するとした式典では万歳三唱が起きた。お祝いにはしない、としていた国側の本音が透けて見える。「沖縄が経てきた辛苦に(略)思いを寄せる」とした首相の言葉もうつろに聞こえる

▼沖縄大会では「がってぃんならん」の叫びがこだまし、いつものガンバローよりも、怒りの深さを感じさせた。時を同じくして行われた二つの集会は、東京と沖縄の埋めがたい溝を照らし出す

▼「差別」「切り捨て」「離縁状を」「独立」などの文字が紙面に並んだ。数々の抗議集会、東京行動…。束になって異議申し立てを繰り返しても一顧だにされない無念の思いが、鋭い言葉の裏側に潜んでいる

▼「沖縄を返せ」の歌詞を「沖縄に返せ」に替えて歌うことが定着し、大会でも合唱された。沖縄のことは沖縄で決めたいという願いに呼応しているのだ。冒頭「民族の怒りに燃える島」の「民族」も別の意味を持って響く

▼ニッポンは母国にあらず島人の心に流す血を見つむのみ(玉城寛子)。28日付本紙歌壇に寄せられた短歌が重い。もしかすると多くの政治家には、その血潮さえも見えていないのかもしれないが。(具志堅学)

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