2020年の夏期五輪招致をめぐり、猪瀬直樹東京都知事が他の候補都市を酷評The New York Times話題記事を全文掲載

2013年05月02日(木)
upperline

猪瀬はまた、昨年の47%から上昇し、東京都民の70%が2020年夏季五輪に賛成しているという世論調査結果を指摘した。日本人に好感を持たれたロンドンオリンピックによって熱狂がかもしだされ、東京も同じように五輪を成功させることができるという自信が生まれたと彼は語る。

さらに彼は、都市の中核となっているのが、周囲の喧噪に囲まれながらも、住民や訪問者には門戸を閉ざしている皇居である点において、東京が例外的な存在であることを指摘し、「東京の中心部は空虚なのです。これは、社会が近代化を成し遂げるに当たってとられたユニークな方法です」と語っている。

若死にしたのでは意味がない

オリンピックの委員たちは、トルコが日本よりはるかに若い人口を抱えているので、次世代のオリンピック支持者を育む豊かな土壌となるという理由でイスタンブールの立候補をより好むのではないか、という考えを猪瀬は一蹴した。日本での人口増は失速したが東京の人口は若者たちの流入で増加している、と彼は指摘する。さらに日本の人口は高齢化しているが、高年齢層はけっこう健康なのだと付け加えた。

「貧しければ子供が多いと昔はよく言われた。しかし人口増にはそれを収容するインフラ建設が必要になる。重要なのはシニアが強健であることです。健康であれば高齢化してもヘルスケアのコストは低下する。日本の平均寿命は女性が85歳で男性が80歳ですが、これは(日本社会には)いかにストレスがないかを証明しています」と猪瀬は語った。

さらに猪瀬は続ける。「トルコの人々は、長生きしたいと考えているに違いありません。長生きしたいなら、彼らは日本にあるような文化を創造しなければならない。トルコに若者は多いでしょうが、若死にしたのではあまり意味がないことです」

previous page
3
nextpage



underline
アクセスランキング
昨日のランキング
直近1時間のランキング
編集部お薦め記事
最新記事