橋下徹弁護士(現大阪市長)のテレビ番組での発言で大量の懲戒請求を受け、業務を妨害されたなどとして、山口県光市の母子殺害事件の弁護団19人が橋下氏と読売テレビ(大阪市)に計約1億2千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、広島地裁であった。梅本圭一郎裁判長は橋下氏の責任を否定した2011年の最高裁判決を踏まえ、請求を棄却した。
問題とされたのは、大阪府知事就任前の07年5月に放送された「たかじんのそこまで言って委員会」での発言。裁判で殺意を認めた大月(旧姓・福田)孝行死刑囚(32)が新たな弁護団がついた後に否認に転じた点について、橋下氏は「許せないと思ったら、弁護士会に懲戒請求をかけてもらいたい」などと述べた。
この発言に対して、弁護団は「社会的名誉・信用を著しく傷つけられ、弁護活動への批判的風潮を助長した」と指摘。計7千件を超える懲戒請求が寄せられたために弁護士会への弁明・反論を強いられたと主張していた。読売テレビには、「放送によって第三者の人格が侵害されないよう制作・編集段階でチェックする義務を怠った」と訴えていた。
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朝日新聞社会部