DeNA−ヤクルト 4回裏無死、中村が左越え4号ソロを放ち、日米通算2000安打を達成する=横浜スタジアムで(中西祥子撮影)
|
|
◇DeNA5−4ヤクルト
DeNAがサヨナラ勝ち。1−3の4回に中村がソロを放ち、7回のブランコの2ランで逆転。9回に追い付かれたが、延長10回に金城が今季1号のソロを右越えへ運んだ。ヤクルトは序盤に先行したが、その後の拙攻が悔やまれた。
◇
DeNAの中村紀洋内野手(39)が1日、横浜スタジアムでのヤクルト戦の4回に左越え本塁打を放ち、日米通算2000安打(日本で1995安打)を達成した。日米通算での大台達成は日本人ではイチロー(ヤンキース)、松井秀喜(元ヤンキースなど)、松井稼頭央(楽天)に次いで4人目。2005年に米大リーグのドジャースで5安打を記録しており、名球会入りの条件を満たした。
強烈なスピンのかかった打球が左翼席に飛び込んだ。2点を追う4回。中村がヤクルトの先発赤川から4号ソロ。日米通算2000安打をド派手に決めた。
「完璧でした。打ち損じすることなく、うまく打てた。雰囲気を変えたかった」と手応えをかみしめ、「名球会に入れたことは光栄だし、ホームランで決めたのは喜ばしい」。言葉を選びながら振り返った。
素直には喜ばなかった。こだわるのは「日米通算」ではなく「日本通算」。4月6日に2000安打を達成した同僚ラミレスと気持ちは同じだ。「メジャーでの5本は意識にない。思い出そうとしても思い出せない。なかったことと思いたい」と言い切った。
2005年に大リーグのドジャースでプレーしたが、1年間でたったの5安打。米国でのふがいない成績は思い出したくない。そこで球団には日本での通算が2000安打に達するまで記念セレモニーを先送りするように要請。この日は4回の攻撃が終わった際、外野フェンスのリボン広告に祝福の文字と場内アナウンスが流れただけだった。
「まだ通過点。あと5本。苦しいかもしれないけど、(古巣中日の本拠地)名古屋で達成したい。シーズン前から代打かレギュラーか分からないけど、(達成するのは)名古屋のような気がした。思惑通りです」。シーズン前から試合数を数え、3日からの中日3連戦での達成をもくろんでいた。中日とは07年に育成契約を結び、その後支配下登録を獲得。その年の日本シリーズMVPに輝いた。思い出の地での快挙を切望している。
「谷繁さんと同じ日はやめとこうかな。5月5日も(国民栄誉賞のイベントがあるから)やめとこうかな」。余裕たっぷりにノリ節をさく裂させ、日本だけの2000安打に意欲を見せた。 (後藤慎一)
この記事を印刷する