記者2人が殺傷された朝日新聞阪神支局襲撃事件から3日で26年になる。亡くなった小尻知博記者(当時29)の遺族は、いまも悔しさを胸に暮らす。
妻の裕子さん(53)は京都府内でピアノ教師をしている。一人娘の美樹さん(28)は今年8月に小尻記者が亡くなったときと同じ29歳になる。
「いま娘が仕事に打ち込んでいる姿を見ると、『主人もまだまだいっぱいやりたいことがあったのだろうなあ』という思いがします。理不尽にも本当にこれからという時期に命を奪われ、いろいろな夢や可能性が絶たれたことは悔しくて悔しくてしかたがありません。犯人に対する憎しみが薄らぐことはありません」と談話を寄せた。
美樹さんは朝日放送に勤めてまる6年がたつ。「仕事へのやりがいと責任を感じるいま、『これからという時に父は本当に悔しかっただろうなあ』と心から思います」と談話を出した。
「事件の真相を知りたい」と願い続けた小尻記者の父・信克さんは2011年7月に83歳で亡くなった。母・みよ子さん(82)は自宅がある広島県呉市内の福祉施設で暮らす。5月3日の命日には自宅で家族と過ごし、息子の法要を営むことにしている。
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朝日新聞社会部