演奏のSolomon Cutner氏は1902年生まれ、英国人らしく1988年まではご存命だったそうやが、54歳で病気のため演奏できなくなった方やそうで、そのせいか余り知名度が高くない。本盤は、Solomon氏にとって演奏家としての最晩年1951〜56に録音されたもののため、27番だけがステレオ録音なのは、実に惜しい。やわらかなタッチの美しい音を重視されとるように思いました。

30番になると、昔の小学校の教室でラジカセでとったかのような、音が遠くから鳴っているような録音。ほのせいか、少々淡泊にも聴こえる。倒れはった後、時代と共に進化する録音技術をみて、動かない身体でさぞかし無念やったと思います。音は悪くても、30番の終楽章変奏曲は極上の柔らかさで、かなりゆったりしたテンポで、実直に歌い上げていく感じ。もう少し長く演奏されましたが、やはり70歳を前にして心臓のご病気で急死されたギレリス氏の、人生を振り返るような渋いこの変奏楽章と聴き比べが嬉しい。
　
32番にはなにやらドラマ性がある。怒りからゆったりした変奏へ。郷愁や青春の回顧ではなく、純音楽的美しさ、やすらぎを追求しておられるように思いました。悪い録音でも、緩徐楽章はまだ聴きやすい。

28番は一番録音が古いのでしょう、演奏もちょっとつまらない

ゆったりとしたテンポで、かつ金管が切り裂くような音を出したりしない。ほれやのに、この風格、この圧倒。名前で評価する訳でないですが、ウィーンフィルの超名人技、ブーレーズ先生の分析的統合相俟って、非常な名演と思います。抑え気味の表現が、却って威圧感や郷愁を誘います。ノイマン先生の最晩年のチェコフィル盤と合わせて、マーラー6番の指折りの名演。録音の立体感はホールのよさで、ノイマン先生わずかに優勢か？

専門外ですけども正直いって、これで若者がマルクスやエンゲルスの著作に興味をもってもらえるのか疑問です。

多分、学校の授業で扱っておられる内容なんでしょう、マルクスにまつわるちょっとレアな話、たとえばレヴィー・ストロースが知的刺激を受けるためにマルクスをぱらぱら読んでいた、とか、ちらほらとキラリとした箇所もあるのですが。

マルクスがここで紹介されている若い時期の著作を書いた時期と現在とは、当然ながら政治や経済の状況が違いますからマルクスの文章の内容そのものが現在適用できるとは限らない、と書いておきながら、ユダヤ人はどうこう、と批判したりしはっとる。素人の、20世紀の年寄りのワテには、まあ暇なおっさん達やな、としか思えんです。

ワテがこの本で学んだのは、類的存在、史的唯物論、という言葉や概念ですけども、ほれやったらもっと簡潔な本にでけるんちゃうやろか？ワテはまったくの素人ですから、若もんはんらに興味をもたせるんも似ておると思います。このおじさんたちの学校は、ようけNHKアナウンサーを出しとる学校ちゃいますややろか？授業はエエンかもしれませんなあ。

若もんには珍しく映るんかもしれんですが、20世紀の年寄りのワテには、いちいち議論するとき遠慮しあったり、三泊四日のスキー旅行の内輪の話で盛り上がったり、まあ要点はずいぶんと絞れるのに歴史上の著作の解説、入門を長々と書いておって、推敲しておらんし、ほかの本の宣伝が何ページにも亘って続くし・・・分かりやすいことだけを抜粋しておるのがとりえの本と評価します。

1999年作品。1990年代のエポは、voice of oopart, WICA, Danceといった民俗的な、土着/原始的ルーツのような根源的な「環境音楽」というべく、独自の癒しの音楽を開拓していきはった。本作は、音楽家エポ30代最後のアルバムと思う。ジャケット裏では桃を切った断面を女性器に模しているが、本作はセクシーな要素は感じられず、むしろ生きる意味とか、ちょっとしみじみしたゴキゲンさ（？）を求めとります。

本作を、そうした「環境」音楽から「うふふ」「音楽のような風」のようなポップ曲への回帰とみることも可能で、実際「1. 誰かを本気で愛してみたい」「2. ハラハラドキドキ」「3. 幸せもの勝ち」「7. 君のさがしもの」は、エポ特有の現世肯定的なゴキゲンなポップ曲である。特に、7がポップス史に残るような名曲違いますやろか？エポほどの音楽家でも20代には出て来なかった「誰もが人生の重さを比べ合うけど私たちにとって一番大切なものを死ぬまでに見つけよう」という世界が拡がっとる。「5. Memories」は「音楽のような風」に環境音楽的陰影を加えた（キャッチーなメロディと民俗音楽的ラララ、ウウウ歌唱が融合）ような、新しい世界を拓いて居られる。

「6. あきらめたくない」はepoの環境路線ですり抜ける心地よい一陣の風のようなフォークギターが印象的な佳曲。「8. Go on my way」は、キース・ジャレット・トリオのGod Bless the Child（Standards 1収録）に通じる、ゴスペル風が楽しい。

1990年代の環境音楽に完全に戻った作品が「10. キミとボク」。90年代エポを象徴する「ラララ」コーラスとパーカッションにバックコーラスも加わり、生命が土に還る健全さを歌い上げるかのよう。清々しい名作です

パッケージのイメージ絵では、鱗のような保護層があるような印象ですが、比較的薄めのディスク（17グラム）で、裏面は薄い紫色の色素層。TDK DR120DPWB50PU（16グラム）と見た目似ています。TDKの方は8倍速であることを除くと似た製品です。CD-Rの高回転化の時もそうでしたが、高回転になって、古いドライブに対応しなくないか、に注目して本製品をテストしました。

まず、最近買ったデルLatitude E5500で、フリーソフトでDVD画像をコピーしてみました。問題なくDVD化できました。フリーソフトがなぜか特定の映像ファイルのコピーで止まってしまったのですが、これは本製品とは無関係、おそらく映像ファイル自身とフリーソフトとの相性と思います（後日、デルE5500の光学ドライブの書込み速度とフリーソフトの書込み速度との相性の問題と判明。本DVD-Rメディアは問題なし）。ほかの映像ファイルでは、エラーも出ませんでした。

もうひとつは、逆に古いドライブのチェックのため、パイオニアDVR-640Hでテレビのダビングもやってみました。パイオニアとの相性は最高でした。

CPRM対応になってから、DVDメディアも大きな変化はなくなってきた印象ですが、それでもいくらか前に特定の太陽誘電のDVD-Rで作ったメディアが再生しづらくて焦りました。それ以来、標記のTDKのみを使うようにしているのですが、今回ご縁あってビクター製も使わせていただき、その信頼性の高さを感じました。TDKは台湾製、本製品は日本製、とのことです

ワテはスメタナ四重奏団のディスクを聴き慣れて居りますから、ジュリアード四重奏団のスメタナでもハードで驚くのに、本盤ではさらにガツンガツンと鋭く音が来ますから、かなりの刺激ですわな。エマーソンはショスタコヴィッチでは、怜悧なナイフのようにガツンガツン来ますが、そうしたアプローチ（音楽観）がドヴォルザークではベストとは言えないものの、スメタナでなぜか生きて居る。ショスタコヴィッチのように無機的ではなく、怜悧なロマンと言ったらエエんでしょうか、旧き良き郷里でロマンに溢れていたスメタナ四重奏団のスメタナから、都会で人知れず恋心を燃やすものの、クールに振る舞うのがエマーソン弦楽四重奏団のスメタナなんでしょうなあ。

2楽章ポルカも楽しいながらも音自体はシャープで、郷里での人間的触れ合いというよりシャープな都会の美人を射抜く舞踏といった風情。

3楽章では、ハードな側面は影を潜め、チェロと第一ヴァイオリンを中心に痛切な感情を素直に表出して居られて、名演と思います。音楽性だけでなく音の純粋（クリア）度も高く、雑念を浄化してくれるように感じました。

そして終楽章。第一ヴァイオリンソロのE音までは、弾けるようなリズムで楽しさこの上ない。ワテには、2楽章で出会った美人とすっかり意気投合して心をふれあいながら青春を謳歌しているスメタナ先生が浮かんできました。聴いとるこっちまで胸がピクピクしてくるような、弾ける演奏。E音とヴィオラのトレモロ等以降は、スメタナ先生の耳が完全に聞こえなくなってしまった苦悩や心の病の苦しみというより、むしろ終わりの諦念のような静かな感情を感じました。本当にいろいろなことを考えさせられる面白い演奏と思います

この女はゴツい。デビューの頃だけよくて、すぐに創造性の欠如から陳腐な歌謡曲歌手になってしもうた宇多田ヒカルや木村カエラとかとはレベルが違いますがな。後でテープ編集しておらんのやったら、歌唱力は完璧やし、BODYの完璧さはみなさん、ジョージアの宣伝等でご存知でしょう。

ほかで同じタイトルで出ておる2枚組DVDと見比べてみて、こちらのおまけDVDはベストカット編のようになっとります。2枚組DVDの方はライブの模様も出てきますが、あれだけ激しい踊りをしながら、あれだけ完璧に歌もこなせるやろうか？故マイケル・ジャクソンより上かもしれんですが、別に口パクでも片瀬はセクシーですから許します。hitomiなど、少しは片瀬に踊りを習ったら、と余計なことを考えてしまいます。

ほれやのに、片瀬は歌は引退状態で、ちょっとセクシーなオバさんとしてトレンディドラマに残っている仕事振りですが、上記のような卓越したテクノの才能があるんですから、女優なんて辞めてしもうて、テクノ/ヒップポップの大御所になってほしい、といいたいです

この曲目リスト、演奏の善し悪しはともかくとして、若モンはん達のための入門的な曲が集まっとるんとちゃいますか。40歳からって題してはる必然性が判らん。半生を振り返るようにバッハを入れるとか、壮年に相応しい現代曲とか、ベートーヴェンでもハイリゲンシュタットの遺書よりは後の中〜後期の作品に絞るとかせんと、タダの寄せ集めでしかないですがな

名著「フューチャー・イズ・ワイルド」を、だれでも動画でみたくなるもんでしょうなあ。その点で、☆五つの作品。

500万年後は、氷の荒野を群れになって進むグライケン、カラキラーやスノーストーカーの襲撃シーン等、空想の動物の狩の様子を動画化するという、作り手の努力を賞賛したいです。コメントする先生方の風貌が相当に個性的な面構えの先生方なんで、この方たちの方が「未来の動物かいな？」と思えます。

一億年後、氷河期から一転して、楽園を越した熱帯期が想定されとります。亀が巨大化したトラトン、電気ナマズの進化系のようなラークフィッシュの襲撃シーンの動画が圧巻。前半の海の魚やクラゲのシーンは、かなりグロテスクでアカデミックにもちょっとありそうにない気も・・・後半は熱帯化してジャングル化した南極が舞台。ロンドン博物館の方の説明が楽しい。クモの巨大化、2液を体内から噴出して化学反応させることで生物兵器とする鳥、鳥を襲う巨大トンボ、等なにやら説得力がありますなあ。

2億年後はパンゲア大陸が再現されると仮定し、そのときに生物の進化がどうなっているか、科学と想像力をたくましくした作品。2億年後は、火山活動による大量絶滅後と想定しておられる。海老や蟹の稚魚がそのまま繁殖するという発想が楽しいし、その「稚魚」をめぐる食物連鎖のグラフィックスが圧巻。イカが巨大化したメガスクイードが、8本足をどのように繰り出して地上を歩行するのか説明がええ。トビウオがしっかり飛べるようになる、というのは、もっとあり得るんでないでしょうか。

2002年イギリス作品。

3億年前のパンゲア大陸が2億年後に再現するという、プレートテクニクスに基づく説明がほしいが、多分そういう地殻の動きがあるんでしょう。むしろ、パンゲア大陸はいつかできるとして、そのときに生物の進化がどうなっているか、科学と想像力をたくましくした作品。生物の飛翔や歩行、泳ぎに応じてエアロダイナミックスのような映像が出る。F1の新車の映像とその設計指針をみるかのようで楽しいですわな。

2億年後は、火山活動による大量絶滅後と想定しておられる。テレビ番組用ですが、海老や蟹の稚魚がそのまま繁殖するという発想が楽しいし、その「稚魚」をめぐる食物連鎖のグラフィックスが圧巻。500万年後や1億年後のムービーより、画像の楽しさが増しとるんでないですか。

イカが巨大化したメガスクイードが、8本足をどのように繰り出して地上を歩行するのか説明するのも偉い！トビウオがしっかり飛べるようになる、というのは、もっとあり得るんでないでしょうか。

2002年イギリス作品。こうしたサイエンスものは未だにイギリスやアメリカものが圧倒的ですなあ。2010年正月頃テレビでやっておった宇宙探索の映像番組もアメリカ作品やった。日本の科学者も本作みたいにもっと創造的にならなあかん、と忸怩たる気分になりましたがな