百済展:九国博、開催延期へ 長崎・対馬の仏像盗難解決まで
毎日新聞 2013年05月01日 西部夕刊
九州国立博物館(福岡県太宰府市)の三輪嘉六館長は1日、来年秋開催予定の特別展「百済(くだら)展」について、長崎県対馬市の仏像盗難事件の解決まで開催を延期することを明らかにした。
同展は、韓国と日本の文化財を集めて九州、奈良両国立博物館や韓国での開催を予定していた。ところが、対馬の仏像盗難事件が発覚。韓国の裁判所の判断によって返還されないことに、日本側関係者から「このような状態で貴重な文化財は貸せない」などの声が上がり、延期することにしたという。
三輪館長は、太宰府市役所であった「水城・大野城・基肄(きい)城1350年事業」の実行委員会に出席。関係首長らを前に延期する考えを明らかにした。
盗難被害にあった仏像は、対馬市の観音寺にあった県指定有形文化財「観世音菩薩坐像」。昨年10月に盗まれ、韓国で回収されたが、韓国の寺が、仏像は14世紀に同寺で作られたと主張。韓国の裁判所が今年2月、日本への返還を当分差し止める仮処分を決定し、日本政府が韓国政府に返還を求めている。
対馬市では抗議のため、今年8月に開催される「厳原港まつり対馬アリラン祭」のメインイベント、朝鮮通信使行列の中止を決めている。【勝野昭龍、大森顕浩】