オーランド・マジックのCEO、
ビッグデータの価値について語る
課題を乗り越えるには
組織すべての変革が必要
デイビス あなたが重大な決断を下す際に、根拠にしているものは何ですか。
マーティンズ われわれのビジネスは、シーズンチケットを購入してくれる顧客がコアになっていて、彼らを毎シーズン1万組確保しようと努力しています。毎晩のように、チケットを売るために最善の手法はどういうものかと考えなくてはなりません。過去には1年を通したセールスレポートと定期的に顧客と情報交換するタッチポイントプログラムを活用していました。現在は、データ分析によって完璧な状況を作り出せます。
今や、われわれは彼らのお気に入りの選手がだれかを把握していますし、ライバルに差をつけるような魅力的なプランを彼らに提案することもできます。スコアリングモデルを通して、リセールオプションを提示したり、顧客の一人ひとりにとって魅力的なオプションを販売したりすることもできます。われわれの成功は、予測モデリングのおかげです。
デイビス あなたは最良のデータレポジトリ、最善のソリューション、最速のプラットフォームを利用することができます。ただ、組織文化の課題に折り合いをつけられない限り成功はできません。組織がソリューションの導入にあたって直面する課題とはどのようなものですか。そしてあなたはどうやってそれを乗り越えたのでしょう。
マーティンズ 乗り越えるには、組織のトップが信念を持ち、課題を引き受けなければなりません。分析チームが自分たちのアプローチを成長させるために必要だからです。NBAの他のCEOたちは、導入を遅らせ続けています。われわれの組織にいる多くのエグゼクティブやコーチたちは、導入プロセスによく順応してくれました。「この選手はデキるやつだと直感する」という意識によるアプローチは、データのサポートがなければ受けいれ難いものです。
われわれのチームは利益につながるモデルや予測を発展させています。人々にデータ分析を信頼させるためには、証拠になる例をいくつか挙げられれば十分です。分析チームは、CFOにもレポートを提供しています。われわれは隔週で会って状況を確認し、将来何が必要になるかを検討しています。課題を乗り越えようとする者は、組織の上から下まですべてを俯瞰して、組織のすべてを変革する必要があるのです。
リアルタイムにデータを得て
分析するのが次のステップ
デイビス IT部門と業務部門の関係はどうなっていますか。IT部門は以前よりも歩み寄ってきましたか。
マーティンズ データ分析はIT部門と業務部門の垣根を低くしてくれました。IT部門は、かつて一つの島のようなものでした。しかし今では、SASを使ってわれわれの予測モデル作成を支援してくれています。そして、業務の改善もサポートしてくれます。データ分析は、業務部門に対してITチームの持つパワーと価値を示すことができます。ITはより効率的なビジネスを実現して適切な判断を下すためのツールであり、試合に勝つためのツールなのです。
デイビス 今回のカンファレンスで、High-Performance in-memory Analyticsが多くの話題に上りました。何億行というデータをインメモリで読み込み、プロセシングにかかる時間は1時間単位から分単位にまで短縮されました。このことが、あなたの組織にとって何を意味するか考えたことはありますか。
マーティンズ リアルタイムにデータを得ることはわれわれのデータ分析を成長させる次の段階です。
試合当日に、どのチケットが売れ残っているか、そして販売可能なチケットのもたらす利益を最大限に引き出すためにどうすれば良いか判断して行動するためにも、リアルタイムに入手できるデータは決定的な価値を持ちます。われわれは、今まさに大きな技術の変化とその技術需要をベンチから眺めていて、試合がどのように進んでいくかを見ることになるでしょう。
ひょっとしたら次のシーズンが始まってまもなく、コーチたちがiPadでリアルタイムにデータを見ながら、相手チームが何をしてきて、それに対してどんな対策をとればよいかを検討しているのを目にするかもしれません。それは、将来必要になることなのです。
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