顧客中心型ビジネスと
ビッグデータに共通するものとは?
リアルタイムへの掛け橋
アリアンツのデータを標準化させるため、シュナイダー氏は、SASのHigh-Performance Analyticsを利用したリアルタイムマーケティングを推進した。顧客に最適な旅行保険をオファーするには、顧客から得たデータ(ポータルサイトからのフライト予約など)を高速処理し、顧客にマッチした保険情報を瞬時にポップアップさせることが必要となる。さらに、オファーに対する結果を今後に生かすため、フィードバックループを構築することでオファー内容を常に改善していくことも必要だ。
年間110億ほど提供されるオファーのうち、実際に申し込みに至るのはわずか2%ほどだというが、アリアンツのビジネスは年間35%の成長を遂げている。シュナイダー氏は、「ビジネスチャンスはたくさん潜んでいます。アリアンツは、分析により各顧客のニーズに迅速に対応することでそのチャンスをつかみ、さらなる成長を続けていきます」と語った。
グローバルBIの3大構成要素
High-Performance Analyticsは、アリアンツ社において、次の3つのエリアでも重要な役割を果たしている。
・顧客との対話の最中に、最適なオファー、アドバイス、あるいはサービスを引き出すための質問を見つける。事前に用意された質問集では十分な答えを得ることはできない。上級管理者は、これを実現できるような柔軟かつ直感的な分析システムを望んでいる。
・顧客生涯価値の定義を含む、顧客ポートフォリオの価値を高める方法を発見する。
・データに基づいて不正請求対策をする。アリアンツの費用の7割は、保険金の支払いにあてられているため、必然的に重点を置いて取り組む必要がある。「これまで不正検知は、経験と勘に基づく直感で行われることがほとんどでしたが、今日その直感は、データによって支えられています」とシュナイダー氏は語る。
アリアンツは、SASが2012年4月に開催した「SAS Global Forum 2012」において、SAS Enterprise Excellence Awardを受賞している。授賞式においてシュナイダー氏は、変化する情勢について、「アリアンツの戦略は、組織の規模、スキル、スコープの活用にあります。リアルタイムな対応がゲームを大きく左右します。顧客は即座に満足できる結果を期待していますから、サービスをリアルタイムで提供することは必須条件です」とまとめた。
今回のイベントでシュナイダー氏はさらにこの話を展開し、「今日のグローバルデジタルワールドの複雑性に、プラットフォームとリアルタイム分析で対抗するにあたって、まず標準的な分析から始めてみてもよいでしょう。しかし、進むべき道は、High-Performance Analyticsです」と語った。
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